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レイスブルクの魔獣士
 かつて世界には魔物がはびこっていた。
 伝承によれば、魔物はもともとは人間であったそうだ。
 主のご慈悲に背き、心を悪魔に破られ、身体が魔物に変わったという。
 魔物は人々を襲い、その血肉を食い漁った。
 人々は高い壁や深い堀を巡らして、魔物から身を守った。
 魔物になった人間は、城壁の外へ追放するのが掟だった。
 ある時、掟を逸脱する男が現れた。
 彼は魔物を家畜のように飼いならした。
 彼の名はセイケリオス。

 人々はセイケリオスを危険な人物だと噂した。
 魔獣は、当時神に背いた悪魔の手下と信じられていたから無理もない。
 時の権力者は、彼を反逆者とみなし、追放した。
 彼は遠い大陸へ流れつき、そこで姫を娶って王国を築いた。
 その王国の名はレイスブルクという。
 彼の一族は魔獣を率いて周辺の部族と戦い、多くの勝利を収めた。
 時は王国歴178年。王国には魔獣を率いる騎士が7人いた。
 尊敬と畏怖の念をこめて、彼らはこう呼ばれた。
 「レイスブルクの魔獣士」と。

 1.
 王国歴178年3月12日深夜遅く。暗闇に包まれた荒野のなかで、オニールは身を震わせながら夜明けを待っていた。たき火して暖を取っているが、北西からの凍てつくような夜風をまともに受けては、身体が冷えるのも無理はなかった。
 オニールは王国で7人いる魔獣士の1人。多くの戦いで功名を高め、今は百人長の位にある。強力な魔獣を率いる歴戦の勇者だ。背が高く身体は無駄のない筋肉でおおわれている。肌は荒くくすんでいて、瞳は宝石エメラルドのように輝いていた。
 近くには、鉄の檻を乗せた荷馬車が止まっている。檻には、様々な種類の魔獣が、寒さを凌ぐためにひとかたまりになって眠っていた。犬ほどの大きさのがいれば、全長3メートルほどの人型の魔獣もいる。彼らはまるで家族のようにすっかりお互いを信用して、身を寄せ合っているのだ。
 オニールの傍では、少女が粗末な毛布にくるまって眠っている。毛布があってもまだ寒いのか、眠りながらも時々身を震わせた。
 彼女は王太子リチャードの腹違いの妹・ヒルダ。その美しさは遠い貿易国まで噂になっていたという。周りの者に好かれる心優しい姫であった。その彼女は理由があって密かに城を抜け出し、オニールと行動を共にしていた。
 だがオニールは後悔していた。彼女が強く望んだこととはいえ、この辛い旅に同行させたのは間違いだったのではないかと。頑健な肉体をもつ彼でさえ、レイスブルクの荒野で夜をすごすのはつらいことだ。身体の弱いヒルダなら、なおさらだろう。
 オニールの近くで寝ていた猟犬のココが、ふと目を覚まして頭をあげた。長く白い毛並みが美しいモロシア犬の若い雌だ。家族や仲間には赤子のように甘えるが、いざ戦闘になれば熊にさえ果敢に襲い掛かる優秀な猟犬である。盗賊か魔物が近づいてきたのかと勘違いして、オニールは長剣を手にした。しかしココは静かに暗闇の方向を見つめているだけだった。その方角から、白髪の老人がロバをつれて歩いてきたのが見えた。片足がなく、杖をひきずっている。
「マルコム卿!」
 オニールはあわてて老人のもとへ走り寄った。
「どうしてついてきたんですか。その足で」
「おや、老いぼれは足手まといだといいたいのかね?」
 マルコムは自虐するように嘲笑した。
「いえ、とんでもないことです。あなたの知恵と黒魔術はとても頼りになります。でも、どうして?」
「決まっておる。ワシも老いたりといえども宮廷の臣下なのだ。姫を放っておいて家で安眠することなどできぬことだ」
「マルコム先生がいらしているのですか?」
 ヒルダはゆっくりと上半身を起こした。
「おお、ヒルダよ。睡眠を邪魔して悪かったな。話は朝が明けてからゆっくりするとしよう。今はお休み」
 マルコムは、まるで子どもを寝かすように、ヒルダに毛布を掛けた。
「わたし、ひょっとすると先生が来てくれるんじゃないかと思ってました。やっぱり先生はお優しい方ですね」
「ふふふ、そうかね。ヒルダに好かれたいという下心かもしれんぞ」
「まあ、先生ったら」
 ヒルダは軽く笑い、目をつぶった。ココが毛布にもぐりこむ。しばらくしてヒルダから寝息が聞こえるようになった。オニールはお茶を沸かしてマルコムに渡した。
「オニールよ、ヒルダ姫がいなくなったと聞いて、ワシは肝を冷やしたぞ」
「すみません、マルコム卿。しかし俺は――」
「わかっておる。お前がヒルダ姫を誘うわけがない。そんなことはワシがよくわかっているよ」
 マルコムはオニールの肩をやさしく叩いた。

 2.
 それは5日前の早朝だった。オニールは、実質的な支配者であるリチャード王太子から突然の呼び出しを受けた。
 都市国家レイスブルクでは、国王エッカート2世が病の床に伏して以来、王太子のリチャードが親に代わって軍政ともに指揮を執っている。リチャードの器量は偉大な始祖と比べるべくもなく、凡庸な父親と比べてもかなり見劣りするというのが、宮廷の内外の主な声だった。
 その能力に劣った王太子が、政治家や領主のすることにいちいち口出しするから、王政は混乱を極めた。「無能な味方は敵の騎士よりも脅威だ」というのは本当だと、人々は嘆くようになった。
 オニールが呼び出された理由。それは玉座に届けられた急報にあった。東の国境近くの集落で、見たこともない怪物が現れて、羊や豚などの家畜を襲っているというのだ。集落の被害は多かった。そこの騎士が農民兵を率いて退治に行ったが、夜明けになって血だらけの死体になっているのが見つかったそうだ。
 リチャードはすぐ応援を出すことにした。ここまでは権力者としては当たり前の行為だ。だがリチャードは、怪物退治に名乗りを上げた騎士を無視して、オニールにその怪物の退治の命令を下したのだ。しかも驚くことに、遠征に兵士は連れて行ってはならないとか、連れていく魔獣は5頭までと勝手に決めてしまったのだ。
「それはいったいどういうことでしょうか、殿下」
 オニールとしては聞き返さずにはいられなかった。周りの者は何も言えずにいたが、心は同じだっただろう。
「貴様、俺の命令が聞けぬというのか」
「とんでもないことでございます。ただし連れていく手勢は派遣される騎士に任されるというのが通常です。ぜひ理由をぜひお教えください」
「簡単なことだ。多くの兵士と魔獣どもを連れて行けば、城の守りは薄くなってしまう。だから連れていく魔獣を制限したまでだ」
「お待ちくださいませ、殿下」
 近衛隊長ブライアンは食い下がった。身の丈二メートルになる大柄な戦士だ。
 大柄な背中に、真っ赤なマントをまとっている。十字架と、魔獣の代表格であるドラゴンを現した『十字ドラゴン』の紋章だ。マルコムやブライアンなど13人の廷臣しか着用を許されていないマントだった。
「国境の怪物は情報が不足していて、その能力はまだ明らかになっておりません。今は調査隊を派遣して敵の正体を明らかにし、対策を練るのが肝要かと心得まする」
「そんな悠長なことをしている場合か。今すぐ退治せねば被害が広まるばかりではないか!」
「しかし!」
「もうよい、さがっておれ! オニール、戦果を出すまでは城に戻ることは許されぬ。わかったか!」
「御意のままに」
 オニールは歯嚙みする顔を見られまいと、王太子に深く頭をさげた。
「お待ちください。兄上!」
 可憐な声が王座の間に響いた。赤いドレスを身にまとったヒルダが入口から走り寄ってきた。リチャードは怒鳴り散らした。
「ヒルダ、俺のことは兄上と呼ぶなといっただろう!」
「申し訳ございません、殿下。しかし……」
「しかしも何もあるか! 俺の命令は陛下の命令だぞ! 陛下の命令に背く者は、死罪と決まっておるのだ!」
 もうこうなると、子どもが思い通りにならなくて当たり散らしているようなものだ。誰の讒言にも耳を傾けようとはしない。
「お静まりくださいませ、殿下。百人長オニール、非力の身ではありますが、必ずや怪物を倒して御覧に入れます。ヒルダ姫もどうぞお心を安らかにお待ちください」
 ヒルダに咎が及ばぬように、オニールは早口に言いまくると、もう一度深く頭を下げ、逃げるように玉座を後にした。

 3.
 時を5日後に戻す。
 荒野に朝日が昇るようになってから、オニールは檻の扉を開けた。
「朝だぞ。さあ出ておいで」
 真っ先に飛び出てきたのは、二つ首の犬の魔獣・オルトロスのパリス。大型犬ほどの大きさで、黒い毛並みをしている。伝説に出てくるオルトロスは地獄の番犬ケルベロスの弟だが、パリスは同じ系統だ。蛇の尻尾をちぎれんばかりに振りながら走り出した。
 次に出てきたのは獅子の頭、山羊の体、竜の尾を持つ魔獣・キマイラのケイオス。全長3メートルほどの大柄な身体で、鷲のような大きな翼を持つが飛ぶことができない。太古の昔には飛ぶことができたようだが、今となっては、翼は退化してただの飾りになってしまっている。重い足取りで荷馬車から降りた。
 そのケイオスの背中にしがみついているのがハーピィのアエロー。アエローは女のような顔と鷲の身体と翼、鷲の爪を持つ怪鳥だ。体長はおよそ50センチほど。翼を広げれば4メートルくらいにはなる。まだ眠いのか、大きく欠伸をした。
 ケイオスの後ろからついてくるのが、オーガーのカドモス。3メートルほどの巨大な鬼の一族だ。土気色した体毛を全身に生やし、腰蓑をまとっている。カドモスは頭をぶつけるので、身体を横にして窮屈そうに入口から出てきた。地面に降り立つと大きく伸びをした。
 最後にもう一匹、まだ檻から出てこない者がいた。それどころかまだ眠っているようで、身体を丸めてすやすや寝息を立てている。茶色の皮鎧を着込み、膝下まで届く黒のボトムスを履いている。硬い鱗を全身にまとったデミヒューマン、ドラゴニュートのヤスだ。
「おいヤス、いい加減に起きろ」
 檻をたたいても、大声を出しても、唸るばかりで起きる様子がない。
「そうか、ヤスは朝飯がいらないんだな。それじゃあゆっくり寝ていろよ」
「ちょっと待ってください旦那さん。そりゃないですわ」
 ヤスは、ガバッと跳ね起きて叫んだ。そして飛ぶように檻の外へ降りて行った。
「おはようございます、姫様。いやあ今日も一段とお美しいですな。おや、マルコムのおっさんもいるじゃないですか。いったいどうしたんです?」
「相変わらず口の減らぬ魔獣だ、お前は」
 マルコムはやれやれといった様子で言った。だが嫌っていないのは、声を聞けばわかる。
「なに言ってますの、マルコムさん。オレはデミヒューマンですぜ。デ・ミ・ヒュー・マ・ン。OK?」
 ヤスの言う通り、彼は魔獣ではない。だが王国では、人と家畜以外は魔獣であるという浅い認識しかない。遠い国から流れてきたデミヒューマンを誤認するのも無理はなかった。
 今から2年前、ヤスが王国の魔物狩りにあった時、たまたまオニールと出会うことができた。オニールはすこしヤスと話してみて、面白い奴だと言って檻から出してくれた。ヤスは恩を感じて、志願してオニールの部隊に入った。それからずっとヤスはオニールの良き友として行動を共にしていた。
「わかった、わかった」マルコムは面倒くさそうに答えた。
「さあ、飯にしようぜ!」
 オニールが言うと、パリスとココが並んで仲良くワンワンと吠えて、尻尾をぶんぶん振り回した。この2匹には、干し肉の塊がいくつか入ったバケツを3杯置く。パリスは頭が2つあるので、半分ずつわけてやらないとお互いに喧嘩をして始末に負えないのだ。ケイオスのエサは特大だ。ワンワン組の5倍はあるバケツに頭を入れて無心で咀嚼している。ヤスとカドモスは正座して肉入りのオートミールをかっこむ。食欲旺盛なので、ふたりとも何杯もおかわりをした。ハーピィのアエローは小食で、平皿に盛られたナッツだけで済ませる。
 食事が配布され終わったら、今度は人間たちの食事だ。ヒルダ姫がいてもご馳走がでるわけではない。黒パンと少しの干し肉、オートミール、塩っ辛いスープの質素な食事だ。
「いいかね、ヒルダ。君に話しておかなければならないことがある。気をしっかり持って聞いてほしい」
「は、はい」
 ヒルダは緊張した面持ちで言った。
「オニールはすぐ城を出てしまったので知らないだろうが、ヒルダは君のことでリチャード殿下と大喧嘩をした。皇后さまを巻き込んで」
「そ、そうなのですか?」
 オニールは思わず尋ねた。ヒルダは何も言わなかった。マルコムは尋ねた。
「喧嘩の理由を彼に説明したほうがいいんじゃないかね?」
「いいえ、オニール卿には関係ないことです」
 ヒルダは何度もかぶりを振った。
「そうかね、ではやめよう。だが、これだけは言わねばならない。殿下はヒルダにおっしゃったのだ。『エドワード叔父とよく似ている』とね。要するに、ヒルダも謀反を考えているのではないかと言ってるのも同じなのだ」
 エドワードについては、新参者のオニールも耳にはしていた。今から14、5年前に王座を簒奪しようとして失敗し、王族としての地位をはく奪された。その後、国境の牢獄に幽閉されて、しばらくした後、病死したと伝えられている。
「リチャード殿下は、ヒルダのことについて、皇后さまと密議を重ねたようだ。そして間もなく、隣国のサウスウェールズとの王族との婚約を進めることにしたのだ」
「そ、そうだったのですか」
 オニールはヒルダの顔を伺った。ヒルダの顔がみるみるうちに曇っていく。
「他の国の、知らない殿方との婚約など、わたしは嫌です! それについては何度もお断りしたはずです!」
 オニールはいたたまれなくなって、ヒルダから視線を外した。彼女はオニールと離れがたく、婚約を拒否し続けているのだ。黙ってはいるが、それが原因で兄と仲たがいしているに違いなかった。
「ヒルダがそこまで嫌がるなら、わたしも無理強いはしない。だが理解はしてほしい。婚約は、破たんした外交を修復するための重要な手段のひとつだった。それをふいにされたと、おふたりはお考えなのだよ」
「兄上と皇后様は、わたしを憎んでおいでなのでしょうか」
 ヒルダの声は震えていた。マルコムはヒルダの肩を優しくたたいた。
「ヒルダ、心配だろうが、ここは耐え忍んでおくれ。レイスブルクは今、非常に危うい状態なのだ。ここで他国に付け入るような隙を見せては王国の存亡にかかわる」
「これからどうなされるおつもりなのです」
 オニールは率直に尋ねた。
「その前にヒルダ、城に帰るつもりはないのかね?」
「ありません」
 マルコムの問いに、ヒルダは声を落とした。
「わたしのわがままでご迷惑をおかけして申し訳なく思います。でも、どうしてもオニール卿の力になりたかったんです」
「姫、しかしそれは……」
 オニールは反論しようとして言葉を失った。
「いいでしょう? 修道院育ちだったから、いちおうは聖職者としての素養は身につけているんです。白魔法も基礎の部分だけですけど、ちゃんと扱えます。それに自分の身くらいは自分で守れます。だから……」
「いいんじゃないかな」
「本当ですか、先生!」
 ヒルダの顔が輝いた。オニールが慌てる。
「マルコム卿、本気ですか?」
「実は、私もヒルダを誘おうとしていたところだったのだよ。なぜかといえば、どうせ姫のことだ。城に戻れと言ったところで、正直に戻るわけがない。それならいっそのこと一緒に置いて守っていたほうが安全だ」
「それで、リチャード殿下と皇后さまはどうされるのでしょうか?」
 オニールが尋ねると、マルコムは意地悪そうな表情で笑って言った。
「この件についてはベネディクト卿に一任したよ。この件については私より彼のほうが一枚も二枚も上手だからね。彼はかなり嫌そうな顔をしていたが、まあ彼に任せれば、たぶん大丈夫だろう」
「はあ、そうですか……」
 オニールもヒルダも、ベネディクト卿のことはあまり知らない。宮廷ではよく顔をあわせるので挨拶くらいはする。だが彼は宮廷という紳士淑女の社交場で、彼はマルコム以外ほとんど友人を持とはしないのだ。彼が何を考えているのか、余人に知る余地はなかった。
 とはいえマルコムが任せられると言うなら、信用していい人物なのだろうと、オニールは思うことにした。

 4.
 マルコムの提案で、ヒルダ姫はオニールの部隊と一緒に東の国境へ行くことになった。ついでにマルコムも一緒だ。言い出した本人としては、ついていかなくてはならないからだった。
 食事が終わったら移動を開始する。マルコムはロバに、ヒルダは自分の乗馬に乗っている。パリスとココは尻尾を振りながらヒルダの後ろを追いかけている。その他の魔獣はいったん檻の中に入って大人しく運ばれている。オニールとヤスはふたり並んで荷馬車の御者席に座っていた。
「しっかし、マルコムのおっさんが姫の同行を許すとは思いもしませんでしたなあ。ねえ、旦那さん」
「ああ、まったくだ」
 白馬にまたがったヒルダを横目で見ながら、オニールはうなずいた。
「姫が修道院から出た5年前から、マルコム卿は教育係を担当している。俺よりもずっと前から姫をお守りしてきたお方なんだ。それがどうして……」
「あんまり難しく考えんほうがいいと違いますか。おっさんはおっさんで考えがあるんでしょ」
「そうかな」
「そうです。まあ、なにかあったとしても」
 ヤスは腰のカットラスを抜いた。
「この魔剣ムラマサが火を噴くだけですがな」
 鞘には下手くそな字で「ムラマサ」と刻まれていた。
「まあ、そうだな」
 嗅覚に鋭いワンワン組がいるから、盗賊や魔物が近づいてもすぐに感知することができる。奇襲の心配は不要だった。さらに今回は正体不明の怪物と戦うために、オーガーのカドモスとキマイラのケイオスを用意している。黒魔術に長けたマルコム卿もいる。
 心配しすぎなのかもしれないと、オニールは思うようになった。

 旅の途中、何度か盗賊や魔物の群れに遭遇した。だがなまじっかな盗賊など寄ってきても、パリスが牙をむき出しにして唸りだすと、さっさと逃げ去ってしまう。
 それでもマルコムが合流してから3日後の夕方ごろ、久しぶりに戦闘が起こった。場所はなだらかな段差の続く草原地帯だった。パリスとココが、遠くの丘を見て唸りだした。丘の頂上から走り寄ってくる騎馬隊が認められた。
「ヒルダ、馬車の後ろへ!」
 マルコムが叫ぶ。
 襲ってきたのは10人近くの騎馬兵だった。徒歩の従者はなく、全てが騎兵である。全身に鎖帷子を身にまとい、その上に頑丈な胸甲を重ねている。防御性の高い装備だ。いずれの騎士も、遠目からでもわかるほどの良馬に乗っている。ただの盗賊とは思えなかった。
「魔獣ども、出てこいや!」
 ヤスが檻の扉を解き放つ。
 10人の騎士が2列になって吶喊をかけてくる。
「パリス、炎を吐け!」
 オニールの命令に、二つ首の魔獣が、紅蓮の炎を吐き出した。先頭の2人の騎馬兵が炎にまかれた。炎は馬にも広がり、あらぬ方角へ走っていく。残り8人は気にする様子も見せず、果敢に駆けてくる。
 その時、騎馬兵の上空から黒い影が舞い降りた。ハーピィのアエローだ。彼女は素早い身のこなしで降下すると、その勢いを借りて騎士の側頭部を蹴りつけた。騎士はたまらず落馬し、後続する味方の騎馬に踏みつけられた。
 ケイオスが疾走した。キマイラの最大の武器は脚の早さである。走り出してから1秒もしないうちに、最大で時速60キロメートルまで加速することができる。巨体の魔物が馬よりも早い速度で襲い掛かるのだ。よほど肝の据わった兵士でなければ、彼の走る姿を見ただけで逃げ出してしまうだろう。だが相手も古強者のようだ。スピアを構えて迎撃の態勢を取った。
「ココ、行け!」
 ココは側面からスピア兵に襲いかかった。不意を突かれた騎兵は騎士盾で攻撃を防ぐ。その隙にケイオスが飛びかかった。300キロを超える魔獣に横からとびかかられては、さすがの騎馬も立ってはいられず、派手に横転した。スピア兵は騎馬の下敷きになり、悲鳴をあげた。
 マルコムは懐から植物の塊を獲りだすと、高らかに呪文を唱えた。その声は、まるで歌劇にでてくる歌手のような美しい低音だった。植物のツタが急激に伸びていき、ふたりの騎馬兵の体をがっちりと掴んでしまった。オニールとヤスが駆け寄って、身動きの取れない騎士を容赦なく斬り捨てる。悲鳴と共に鮮血が噴出した。
「オニール、ヒルダに一騎行ったぞ!」
 マルコムの声にオニールは振り返った。遠回りしてオニールたちを迂回し、直接ヒルダに向かおうとしていた。ヒルダの悲鳴が響く。
「カドモス、迎え撃て!」
 オーガーのカドモスは、大きく雄たけびをあげた。幼児の体ほどの大きさの棍棒を片手にもつと、騎兵にむけて無造作に振りぬく。敵の長剣の刃をへし折り、馬もろとも棍棒を撃ちつける。騎馬兵は血まみれになりながら、馬と一緒に吹き飛んだ。
「ありがとう、カドモス」
 姫の声に、カドモスはうれしそうに唸り声をあげた。
「くっ、引けっ、引け!」
 銀色の兜をかぶった年長者らしい騎士が叫んだ。3人の騎士は、まだ馬の下敷きになっている味方を見捨てて、来た道を取って返した。
「アエロー、逃がすな!」
 アエローは逃げる騎士の背後に飛びかかる。騎士の両肩をしっかりつかんで羽ばたいた。ジタバタと抵抗する騎士には気にも留めず、大きな半円運動を描いて飛びながら、オニールの足元に騎士を投げ捨てた。ふたりの騎士は全力で逃げ去った。
「おや、おヒゲがびっしりですな。剃ってあげましょか。それとも首を剃ってほしいでっか」
 ヤスは騎士の首元にカットラスを突きつけて言った。騎士の周りにはパリスとココ、ケイオスが近寄っていて、今にでも騎士をかみ砕くように唸り声をあげていた。振り返れば、すでにもうスピアの騎士は荒縄で両腕を縛られて捕虜になっていた。
「わかった、私の負けだ。降参しよう」
 騎士はため息をついた。圧倒的な戦力差を見せつけられて、抵抗の意志などどこかへ吹き飛んでしまったようだ。

 5.
「はあ、敵を逃がすんですかあ?」
 ヤスは素っ頓狂な声をあげた。
「なんでわざわざ逃がしてやるんですか。拷問にかけて、どこの国から来たのかとか、何の目的があったのかとかを吐かせてやりましょう」
 戦闘が終わってから身体検査が行われた。身分を示すものは一切なかったが、着ている服はいずれも上等な絹で、馬も庶民が買えるような駄馬ではなかった。質問には一切答えなかったが、どこかの騎士であることは明白だった。
「いけません、ヤス」
 ヒルダはかぶりをふった。
「そのようなこと、騎士道にもとる行いです。絶対になりません」
「せやかて、オレは騎士じゃないし……」
「黙ってろ、ヤス」
 オニールは口をふさいだ。
「ヒルダ、君の意志はよくわかった」
 マルコムは君主の命令を受けるように、胸元に手を当てて言った。
「だがこの者たちをただで返すわけにはいかない。仲間を連れてまた襲ってくるのは明らかだからだ。だったらこうしよう。武装と馬はこちらで預かる。そして徒歩で帰ってもらう。神のご意思があれば生きて帰れるだろう」
 ヤスが納得したように、うんうんと首を何度もふっている。
「しかし、それでは途中、魔物に襲われても抵抗できません」
「いや、姫。マルコム卿のおっしゃる通りです。なにも武器と馬をこいつらに返してやることはない。もし途中で死ぬなら、そいつの運命というものでしょう」
 オニールは諭すように語った。だがヒルダは首を縦にはふらなかった。
「みんな、よく聞いてください。いま兄のリチャード王太子が国の内外から信頼を失いつつあります。それは慈悲の心をどこかへ置き忘れてしまったからです。私たちはこんな時こそ主のご意思にしたがって、寛容の心を示すべきなのです」
 オニールは言葉を失った。「主のご意思」と言われれば、強く反対できない。
「わかったわかった、ヒルダよ。君は言い出したら、誰が何を言っても押し通す人だったな」
 マルコムは微苦笑した。ヒルダもニッコリほほ笑んだ。
「ええ、そうです。私は頑固者なのです。きっと陛下の血を受けたからですわ」
「陛下を引き合いにされては我らも弱い。ならば譲歩しよう。馬と盾だけは返す。それなら盗賊や魔物の襲撃から逃げることだけはできよう。しかし鎧と武器は預かる。後日、謝罪してくるならそれらを返却するというのはどうかな」
「ありがとうございます。先生!」
 ヒルダの顔がぱっと輝いた。そんなわけで騎士は解放されることになった。スピアの騎士はヒルダを睨みつけながら、
「盗賊の子孫が偉そうに神の道を説きやがって、何様のつもりだ?」
「それはどういう意味ですか」
 ヒルダは訪ねた。騎士は半笑いで答えた。
「決まってるじゃないか。始祖のセイケリオスはこの土地の貴族を殺し、田舎者をだまして王座を乗っ取った。エッカート2世も弟のエドワードと王座の奪い合いを演じて諸国の笑い者になった。お前たちは……」
「やめないか」
 年長の騎士は部下を叱った。そしてヒルダに振り返り、
「ヒルダ様、我らの勝手な考えで襲っておきながら、このようなご厚情を賜り、かたじけのうございます。私はラルフと申します。このご恩はきっとお返しいたします」
 彼は部下とともに馬に乗って去っていった。
「嫌な奴!」
 ヒルダは思いきりの毒を吐いた。

 6.
 それから5日が経過して、例の集落に到着した。
 集落はすでに廃墟と化していた。入り口付近には、兵士らしき鎧を来た死体が3体、転がっている。いずれも損傷が激しく、首から上がなくなっていたり、身体全体がバラバラになっていたりしていた。性別や年齢も判別しないほどだった。
 民家はすべて扉や壁が破壊されていた。襲撃が起こった際に火災が発生したのか、民家のうち5棟は柱が崩れて、ただの残骸と化していた。
 集落の奥にあったレンガ造りの教会は、正面の鉄の扉が大きく内側に捻じ曲げられていた。おそらく外側から強引にこじ開けたのだろう。怪物の力強さを雄弁に語っていた。
 室内もかなり荒らされていた。礼拝室らしき大部屋は長椅子が散乱していて、壁と床に多量の血痕が認められた。ここで大勢の犠牲者が出たことは、容易に想像できた。しかし兵士以外の死骸はどこにもなかった。集落の近辺を探してみても、村人の姿は見えない。
「領民はみな殺されてしまったのでしょうか」
 ヒルダは心配そうに言った。マルコムはあたりを見渡しながら言った。
「わからない。どこかへ逃げているのであればいいのだが」
 集落を探索していたオニールが、布の切れ端をもって戻ってきた。
「匂いからして、人間のものではないですね。たぶん問題の怪物の持ち物だったのでしょう。木片の残骸に引っかかって残っていました。においをココとパリスに嗅がせれば、奴らの居場所へ辿りつくことができます」
「村人の探索をしないのですか?」
 ヒルダが聞いた。マルコムは浮かぬ表情で言った。
「何の情報もなしに探すのは難しい。彼らはどこかへ逃げてくれたと信じて、まずは化け物の行方を追うことにしよう」
 ヒルダは何かを言おうとした。しかし何も対案が浮かばないらしく、悲しげに黙りこんだ。
「さあ、嗅げ!」
 オニールの命令で、ココとパリスが匂いのもとを探り始めた。

 7.
 それから3時間後、村からほど離れた場所で、しかも小川に差し掛かった。
「マルコム卿、この辺で戦いの前の腹ごしらえをしましょうか」
「そうだな」
 マルコムも同意したので、早めの夕食を取ることにした。いったんアエローを空に放って偵察をさせた。どうやら近くに魔物らしき姿は見えないようだ。
 枯れ木を集めて火を起こし、川から水を汲んできて食事の支度を始める。戦闘が深夜に及ぶことも考慮して、食事の量はいつもより多めに取る。それも取って置きのごちそうをふんだんに振る舞った。魔獣たちは喜んで咀嚼した。
「ところで旦那さん、その魔物はどういう奴なんですかね」
 ヤスが尋ねた。オニールは首をひねった。
「さあな、怪力の持ち主ってだけで、よくわからない」
「城に戻れば、資料があるかもしれないが、今から戻るわけにもいかないからな」
 マルコムは言った。
「でも怪物だけでは呼びにくいでしょ。なんでもいいから名前を決めませんか」
 ヤスの提案にオニールとマルコムは顔をあわせた。
「そうだな。では一応の名前として『グレンデル』と名づけようか」
「いいんじゃないですか。ねえヒルダ様」
 オニールはヒルダに声をかけた。返事はなかった。
 ヒルダは戦闘が迫っているのを思ってか、食が進まない。表情も固まっていた。ヤスがオニールの肘をつつく。彼はわざとらしく咳をすると、ヒルダに近寄った。
「ヒルダ姫、ちょっとよろしいでしょうか」
「は、はい。なんでしょうか?」
 ヒルダは裏返った声で応じた。
「緊張しているのですか」
「そういうわけでは……、いえ、すみません。やっぱり顔に出ていましたか」
 ヒルダは口角を崩した。無理に笑おうとしているので、どうしても不自然な笑顔になってしまう。
「経験が浅いので仕方がないことです。俺も駆け出しのころはいつも怖かったものです。今も怖くないなんてありえない」
「まあ、オニール卿でも怖いものがあるのですか」
 ヒルダにとっては意外なことだったようだ。それもそのはずで、オニールは3年前に百人長に抜擢されたが、その時から彼の部隊は負けを知らない。強力な魔獣を従えていることもあって、国内外で名を馳せていた。
「もちろんです。しかも今回は謎の多い魔物ですから怖くて当然です。もし怖くないと言い張るなら、そいつは虚勢を張っているだけか、さもなくばただの馬鹿です」
「そうかしら」
「そうです。ああそういえば、恐怖心をどこかへ落としてしまったような奴もいましたね。そいつは戦場でも怖くないので、危険な場所へ平気で駆けつけて、さっさとくたばってしまいました。戦場で生き残るには、恐怖も必要だということです」
「あなたがおっしゃると、説得力がありますね。なんといっても歴戦の騎士さまなのですから」
「おだてないでください。俺は使い走りの農民兵から出世した男です。騎士になった今でも分不相応だと思っています。出世できたのはマルコム卿にお引き立てていただいたからです」
「まあ、そんな」
「本当です。こんな俺でも100人の兵士を率いられるのは、仲間がいるからです。マルコム卿、近衛隊長ブライアン卿。その他にも王国には優秀な騎士がまだたくさんいます」
「私もそう思います。しかしそれに比べて兄はどうでしょうか。優れた人材の忠誠を受けるに足る器とはとても思えませんわ」
「俺はただの騎士です。それについては答えるべき言葉を持ちません。でもあなたはすばらしいお方です。多くの人の尊敬を受けています。だから自信をもって行動してください。あなたが暗い顔をしていると、周りの者がみじめです。あなたが明るい笑顔を見せてくだされば、皆あなたに喜んでついていくでしょう」
「まあ、そうでしょうか」
「そうですとも。俺たちはあなたを命がけでお守りします。それでも戦いですから、命を落とすことがあるかもしれません。しかしあなたが死ぬとなれば、それは俺よりも後です。覚えておいてください。そう願っている者が城に多くいることを」

 8.
 オニールとマルコムは匍匐しながら、森の茂みを進んで行った。そして木の陰からそっと先を覗きこむ。そこは林が開けた沼地だった。
「いた。あれだ」
 マルコムは小さくつぶやいた。沼のほとりに、アエローが空からの探索で発見した小屋があった。藁と木の枝で組みこまれた粗末な小屋だった。これが「グレンデル」の住処に違いない。見張りはいない。高さが1メートルくらいしかなく、構造がとても単純で、しかもちょっとした揺れでも崩れてしまいそうなほど貧弱なものだった。しかし広さは10平方メートルほどあり、詰め寄れば人が10人ほど住むこともできるだろう。ただし物音がしないので、ここからではグレンデルがいるのか、それともどこかへ出かけているのかはわからなかった。
「すこし待っていておくれ」
 マルコムはバックパックから魔法のアイテムをいくつか取り出した。
 透明な水晶玉、30センチほどの魔法杖。トランプカードほどの呪符。呪符には魔法の文字が刻まれているという。
 右手に杖を持ち、左手に水晶玉を抱えて額に当てる。そして呪符を見ながら小さな声で呪文を唱え始めた。誰かに話しかけているような口調だが、声が小さすぎてオニールには聞こえなかった。しばらくしてマルコムは目をつむった。
「見えたぞ。確かに中にいる」
「どんな様子ですか?」
「人間よりもすこし背の高いくらいの人型の魔物だ。今は地面で眠っている。どうやら9体いる。体毛はほとんどなく、全身を緑色の鱗に覆われている。鎧や武器の類はないようだ。身につけているのは腰蓑だけか。文化レベルはそれほど高くないのかな。手足がとても大きい。腕力や脚力はとても強力なのに違いない。両手の鉤爪がとても鋭い。これでひっかかれれば大けがを負ってしまう」
「ありがとうございます。それだけわかれば充分でしょう」
 マルコムは目を開けた。
「どうする。もう間もなく夕方だが、このまま攻め入るか?」
「はい。たぶん奴らは夜型の生物と思われます。夜になればまた集落を襲ってしまう恐れもある。早めに禍根を断つべきかと」
 オニールは遠くで待機していたヤスに手信号で合図した。ヤスはうなずくと、静かに後方へ走っていく。

 9.
 5分ほどして、襲撃の準備が整った。魔獣たちはお互いに10メートルほど距離を取って、オニールの号令を待っていた。その後方ではヤスが大樹の枝に乗って、矢に火をつけた。
 オニールは大きく右手をあげた。マルコムが酒瓶を右手にもって大きく息を吐いた。酒瓶の口から大量の泡が吹きすさぶ。アルコール度数の高い酒精の泡だ。音もなく飛んでいき、小屋のいたるところへ粘着した。
 火矢が小屋に放たれる。火は文字通り燎原の火のように、小屋を嘗めまわしていった。醜い悲鳴があがり、グレンデルが狂ったように小屋から飛び出してきた。
「突撃だ! 一匹も逃がすな!」
 号令のもと、部隊が襲撃をかける。ケイオスがグレンデルに飛びかかる。前足を頭部にかけて地面に押し倒す。頭蓋骨が割れる乾いた音が響いた。
 ココはオニールと組んで一体のグレンデルに襲いかかる。まずココが脛に噛みついて転倒させる。その隙を狙ってオニールがグレンデルの首を斬りつけた。
 パリスはその間、炎を吐いてけん制を続けていた。だが鱗が熱を遮断しているのだろうか、炎を浴びてもそれほどのダメージは与えられないようだった。グレンデルは最初の奇襲から立ち直ると、組織的に反抗してきた。よく見ると、わずかに身体から白い靄もやのようなものが湧き出ていた。マルコムが叫んだ。
「炎の効き目は薄い。攻撃を切り替えろ!」
「パリス、炎をとめて敵をかく乱しろ! ヤス、降りて接近戦に持ち込め!」
 接近戦になっても総力で勝るオニール隊はグレンデルを圧倒した。最後に生き残った怪物は悲鳴をあげて沼地に逃げていく。そこでなぜか助けを求めるような哀れな声をあげた。カドモスはハエでも払うように棍棒を振りまわした。生き残りはボールみたいに沼地に吹き飛んだ。
「終わったな……」
 オニールは怪物を見ながら言った。底なし沼のようで、いくらもがいてもかえって体は沈んでいく。怪物は悲鳴を残して完全に埋没した。マルコムが言った。
「さあ、遺骸をさっさと火葬してしまおう。未知の疫病が流行しては厄介だからな」
「そうですね。しかしこれだけの死体を片づけるとなると、かなりの労作業ですね。どれだけの薪が必要になるのやら」
「何を言ってるんですか、旦那さん。ここに丁度いいゴミ捨て場があるじゃないですか」
「ああ、そうか」
 オニールたちは、小屋と魔物の遺骸をすべて底なし沼に投げ捨てた。これで疫病の恐れはなくなった。その場を去ろうとした。だがマルコムは沼地をじっと見つめていた。
「どうしましたか、マルコム卿」
「とてつもないほどの魔力を、沼の底から感じるのだ」
「魔力ですか」
 オニールもマルコムにならって沼を見つめた。すると沼の中央で、大きな気泡が立て続けに浮かびあがってきた。沼の表面に波紋が現れ、それは次第に大きな揺れとなっていく。赤い光がふたつ現れた。
「沼から離れろ!」
 マルコムが叫ぶや否や、沼から巨大な物体が姿を現した。多量の泥が零れ落ちていき、物体の姿が見えてきた。全身を緑色の鱗に囲まれていて、体毛はほとんどない。口からは大きな牙がみえていて、両腕には大きな鉤爪を持っている。
 大きさこそ異なるが、グレンデルとよんだ怪物と瓜二つだ。沼地から上半身しか出していないが、それでも5メートルを超えるほどの大きさだ。耳をつんざくほどの絶叫が辺りの空気を震わせた。
「こいつがグレンデルの親玉か?」
「オニール、こいつはさっきの連中とはまったく違うぞ。気をつけろ!」
 ケイオスが横から飛びかかっていく。だがグレンデルは右の鉤爪を大きくふるった。ちょうど張り手のような形で、ケイオスを横からたたきつける。300キロを超える巨体が、10メートル先の巨木にまで吹っ飛んだ。
「ケイオス!」
 オニールは思わず叫び、近寄ろうとした。だがグレンデルの左腕が横から薙ぎ払ってきた。オニールは地面に転がって辛うじて回避した。
 パリスが、鉄をも焦がす炎を2つ照射する。だが怪物の巨体からは、青白い霧状の靄もやがはっきりと見て取れた。それに阻まれて、炎が体に届かない。マルコムが叫んだ。
「水棲系のグレンデルには、やはり炎は効かないようだ。別の方法で対抗するんだ!」
 アエローが大空からグレンデルの顔めがけて滑走した。鷲の爪が眼を狙う。すんでのところでグレンデルは目を閉じたが、まぶたは柔らかいようで、大きな裂傷を負わせることができた。怪物は悲鳴をあげ、左手を上空にふるう。だがアエローは余裕をもって空へ逃げだした。
「オレのムラマサをくらえ!」
 ヤスがカットラスを片手に、怪物の右手に斬りかかった。しかし岩にでもぶつかったように、ヤスは大きく跳ね返された。カットラスは剣先が5センチほどかけていた。
「旦那さん、こいつ刃物が通用しない!」
 パリスとココ、ケイオスが怪物の周囲を飛び跳ねながら、隙あらば牙で噛みつこうとする。だがやはり怪物の鱗を傷つけることはできないようだ。
「マルコム卿、援護を頼みます!」
 オニールは騎士剣を抜きはらった。マルコムはその後ろに立ち、呪文を唱えだした。右手には黒の真珠、左手には呪符を持っている。呪文の詠唱が終わった時、騎士剣に黄金の光が宿った。魔法の加護が騎士剣を包んだのだ。
 オニールは喚声をあげてグレンデルに襲いかかる。右斜め上段から斬りかかり、丸太のような右の手首に大きな切断面をつくった。傷口から汚水のような黒い出血がほとばしる。怪物はたまらず悲鳴をあげた。巨体が大きく傾く。
 その隙に、もう一度アエローが飛びこんできた。だがグレンデルは、左手をすばやく払った。ちょうど飛びこんできたアエローをしっかり掴んでしまった。アエローが金切り声をあげた。
「アエロー!」
 オニールが助けにいこうとしたが、グレンデルはアエローを地面にたたきつけた。衝撃で地割れが興り、アエローの身体はあらぬ方向で曲がってしまった。多量の出血が、じわりと地面を濡らした。アエローの両目には、すでに生気は失われていた。
「きゃああ!」
 その5メートルほど先の藪で、ヒルダ姫が悲鳴をあげていた。
「姫、どうしてここに? いや、それよりも早く逃げて!」
 オニールが叫ぶも、ヒルダは泣きそうな顔で言った。
「だ、だめ。足が動かないの」
 グレンデルは地面から石をつかむと、ヒルダにむけて投げつけた。
「姫!」
 オニールの絶叫が轟いた時。横からケイオスが飛び込んできて、ヒルダをかばいたてた。石はケイオスの横っ腹に撃ち込まれた。ケイオスは地響きを残して倒れこんだ。
「ケイオス!」
 カドモスが雄たけびをあげてグレンデルに飛びかかった。まさしく特攻というべきか。彼は怪物の右手にしがみつき、肩に向かって登っていった。グレンデルは左腕で払おうとしたが、マルコムが魔法のツタを伸ばして、しっかりと左腕を縛りあげた。
 カドモスは肩に到着すると、拳を何度も頬に打ちつけた。さすがの怪物も、すくなからぬダメージを受けたようで、悲鳴をあげた。左腕を持ち上げると、マルコムを引きずりこんだ。そして傷ついた右腕でマルコムを切り裂く。胸元から多量の鮮血が噴出した。
「いやあ、先生!」
 ヒルダの悲鳴が響き渡った。
「おのれ、もう許さんぞ!」
 オニールはグレンデルに飛び乗った。怪物は彼を振り払おうとしたが、右肩にはカドモスがしがみついており、左腕にはまだ魔法の植物が縛りつけられたままだった。
 オニールは雄たけびをあげて怪物のうなじを斬りつけた。凄まじいまでの出血が、オニールとカドモスをずぶ濡れにした。グレンデルは最後の絶叫をあげると、前向きに倒れこんだ。

 10.
 ケイオス、アエローの2頭の死体が地面に並ばれた。そしてその隣には、死を待つようにマルコムが寝かされていた。ヒルダは修道院で習った治療魔法を施したが、グレンデルから負った裂傷をふさぐことはできないようだ。出血がヒルダの膝を濡らしていった。
「ヒルダ、もういい。充分だ」
 マルコムは、弱った手でヒルダの手を握った。ヒルダは泣きながら言った。
「先生、ごめんなさい。わたし、どうしても気になって、来てしまって。わたし、先生とオニール卿の力になりたかったんです……」
「わかっている。よくわかっているよ」
 マルコムは2頭の死体をわき目で見た。
「ケイオスもアエローもよくやってくれた。ヒルダのためなら悔いはないだろう。それにワシが死ぬのは怪我のためではない。ヒルダ、ワシからはやく離れなさい。そうでないと、変わってしまう……」
 マルコムの手が、緑色の鱗に変わりつつあった。
「マルコム卿、これはいったい?」
「おそらくグレンデルの呪いだろう。なんという恨みの力だ。自らも魔物の体に変えるだけではなく、傷つけた者も魔物に変えてしまうとは」
「旦那さん、見てください。怪物が!」
 ヤスの叫びに、オニールとヒルダは驚愕した。グレンデルの巨体がみるみるまに小さく萎んでゆき、人間の形へ変わっていくのだ。残ったのは巨大な怪物ではなく、白髪の老人だった。痩せこけてはいるが、どこかエッカート2世の面影があった。
「ま、まさか」
 ヒルダは口を覆った。マルコムは微苦笑をして、
「その通り。陛下の弟君、エドワード殿下だ」
「ば、バカな。殿下は13年前に病気でなくなったはず」
 オニールは叫び声をあげそうになった。
「公けにはな。だが陛下の温情を受けて、国境の砦で死ぬまで幽閉されることになったのだ。それが何者かの手ほどきによって脱獄されたのがつい最近。国境の怪物騒ぎも、もしや殿下の脱獄と関係があるのではないかと思っていたが……」
 マルコムは口から血を吐いた。ヒルダが泣いて抱きついた。
「先生、もう無理をしないで!」
「オニール、頼む。ワシをこんな怪物にさせないでおくれ。後生だから安穏な死を」
「先生、いや! 死なないで!」
「ヤス、姫を引き離せ」オニールはヤスに命じた。
 ヒルダはなおもしがみつこうとしたが、ヤスに抱かれて目の届かない場所へと離れて行った。オニールは騎士剣を抜いた。
「マルコム卿、まさかあなたを斬るとは思いませんでしたよ」
「ワシもさ。だが病気で苦しんで死ぬよりマシなほうじゃないかね」
 マルコムは苦しげにほほ笑んだ。すでにシャツの胸元からも、緑の鱗が見えるようになった。
「それでは、おさらばです」
 騎士剣が振り抜かれた。
 首と胴体が離れ離れになった。首は2回ほど回転して止まった。
 マルコムの顔にはまだほほ笑みが残っていた。

 11.
 2頭の魔獣とマルコムは小型のガレー船に乗せられた。ろくな葬儀はできなかったが、それでも沼地で葬るよりはいいと、ヒルダが言ったからだ。彼女は近くの花を花輪にして編み、マルコムの胸元に置いた。船が川に流された。
 ヒルダは泣きながら追いかけようとする。オニールは抱いて彼女を止めた。小舟はずっと遠くへ流れて行った。オニールたちはしばらく茫然としながら小舟の行方を眺めていた。
 失意のヒルダを連れて、オニールが居城への帰路へついていた時、遠くから一人の騎士が駆け寄ってきた。見れば、逃がしてやった騎士ラルフだった。彼は息を荒くして近寄ってきた。
「ヒルダ様、一大事でございます。レイスブルクのお城では、近衛隊長ブライアンが謀反を起こして城を乗っ取りました。王太子のリチャード殿下は落ち延びて、どこかへ身を隠した模様。お城はすでに敵の手に落ちました」
「なんですって!」
 ヒルダは茫然自失になった。
「どうして、あの忠義に篤いブライアン卿が、どうして謀反を?」
「詳しい理由は存じません。しかしおおかた横暴なリチャード殿下に耐えかねたのでしょう。いずれにせよすぐに行動を起こさねばなりません」
「行動を? まさか」
「そうです。失礼ながらリチャード殿下にはレイスブルクを治める器量が備わっていません。今の状況が、如実にそれを物語っています。ならばいったいどうするべきか。ヒルダ様、あなた様を慕う騎士が大勢揃っています。今こそ、レイスブルクの安寧のために立ち上がるべきなのです」
「わたしが王座に? 無理です。わたしにはそんな器量はありません!」
「ご心配には及びません。部下に調べさせたところ、宮廷の臣下12家のうち、すでに4家までがヒルダ様にお味方をすると決めたそうです。態度を保留しているのは3家。あとは地方領土にいて、情報を掴めていないのかもしれません。そしてブライアンはまだ3家しか掌握ができていないのです。今が好機です。他国の騎士ではありますが、あなた様のお心に感動し、忠誠を誓うと決めました。どうぞ、王国の平和のためにお立ちくださいませ!」
「もし、わたしが立ったのなら、兄は、リチャード殿下はどうなるのですか」
「殿下はヒルダ様をお認めにはならないかと存じます」
「ブライアンを退けた後、兄に王座を返すのではいけませんか」
「もうその時期ではなくなったのです。4家があなた様を国王にすることですでに動いています。あなた様にその気がなかったとしても、殿下があなた様を危険分子としてみなし、いずれ追放か暗殺か、どちらかの方法を取るでしょう」
「ああ、始祖のセイケリオスはこの土地の貴族を殺し、あるいは追放して国を建設しました。私の父は叔父上を追放しました。私も兄上を追放してまで王座に就かねばならないのですか」
「誰しも望んで王座になるとは限りません。しかし望むと望まぬとに関わらず、然るべき人物が王座に就かねば、国が傾くだけです。お願い申し上げます。どうか、どうかわたくしを信用してお立ちくださいませ!」
 ラルフはヒルダの足元にひれ伏した。ヒルダが承諾するまで、頭をあげなかった。そして彼は、他の者たちと連絡を取るため、一足先に去っていった。
「まあ、なんということでしょう」
 ヒルダは嘆息した。
「すべてが嵐のように過ぎ去っていく。わたしの心などお構いなしに」
 オニールは言った。
「しっかりと心を保ってくださいませ、ヒルダ様。あなた様には、これからが本当の勝負所なのです」
「オニール卿、王座に就いた後、王国は平和になるのでしょうか。それならばすこしは心も晴れるのでしょうが」
 オニールは首を横にふった。
「権力闘争は続きます。しかし戦争が起こらないように、隣国と和平を結ぶことは可能です。それには国家の間で婚約を結ぶことです。姫様はまだ独身でいらっしゃいますから、きっと他国の王族との婚約の話が舞いこむことでしょう」
「なんですって!」
 ヒルダは叫んだ。
「わたしは他の国へ嫁がなければならないのですか!」
「いいえ、他国へ嫁がれれば王位を継ぐ方がいなくなります。お嫁に行かれるのではなく、婿殿を招へいすることになるでしょう」
「それでも、他の殿方を夫に迎えなければならないのでしょう?」
「ご辛抱くださいませ。血統を絶やしてはならないのです」
 ヒルダはむくれたように黙りこんだ。
「……? いかがされましたか?」
 オニールは、ヒルダの機嫌がいきなり悪くなったことに気づいていない。武骨者な彼は、女の機微には疎かった。
「オニール卿、あなたがさきほどおっしゃったことは本心からなのでしょうか」
「何のことでしょうか?」
「さきほど、わたしに婚約者を迎えるよう進言したことです。あなたは私が他の男性に取られても何も思わないのですか。婚約者に嫉妬はしないのですか」
「俺はただの騎士です。王族の方と結婚するなど、とんでもないことでございます」
「本心からと言ったはずです! わたしはあなたを愛しています。他の方を夫に迎えるなど考えられません。どうか本当のことをおっしゃってください」
 オニールは言葉を見つけられないようだった。しばらくして言った。
「ヒルダ様。俺もあなた様のことが好きです。でも俺は今までずっと戦いばかり考えてきて、恋をしたことがありません。だから愛しているかどうかなんて俺自身にもわからないのです。しかしあなた様と同じくらい大切に思っている女性ひとは他にはいません」
「ありがとう、オニール」
 ヒルダは抱きついた。
「わたしはとても弱い人間なのです。欲深い権力者に囲まれて生きていくなど、とても耐えられません。お願いですから、わたしの傍から離れないでください」
「繰り返しますが、俺はただの騎士です。もしあなた様から離れるように命じられたら、逆らうことはできません」
「わたしが命令します。あなたがわたしから離れないように。それならいいでしょう?」
「ああ、ヒルダ様。あなたがそこまでのご覚悟を持っていたなんて、まったくわかりませんでした。ならば私も覚悟しましょう。俺は一生涯あなたの傍にいます。誰が命じても傍にいます。あなたをお守りいたします」
 オニールはヒルダを強く抱きしめた。ふたりは唇をぶつけるように、激しい口づけをした。

 12.
 オニールとヒルダはレイスブルクの城へ戻った。そこでは大勢の騎士たちが、ヒルダに味方しようと、城外で彼女を待っていた。
 その兵士の前に立っているのは、ぼさぼさ頭の表情の薄い小男。彼もまた十字ドラゴンの赤いマントを身にまとっていた。オニールもヒルダも彼のことは知ってはいた。マルコムの友人で廷臣のひとり、ベネディクト卿だ。
「お待ちしておりました。ヒルダ姫」
 彼はちょこんと頭を下げて言った。ヒルダは目をパチパチさせながら尋ねた。
「あの、彼らは?」
「すでにラルフ卿から聞き及んでいるかとは思いますが、ブライアン卿が謀叛を起こし、王城を乗っ取りました。この兵士たちは、ブライアンを討つべく集結した者たちでございます」
「ずいぶん多いのですね……」
 ヒルダは目を丸くして言った。
「はい、3000ほどいるかと存じます。それぞれ集められるだけ集めさせました」
「どうして?」
「ブライアン側の士気を挫くためですが、それよりも、あなた様のご威光を広く知らしめるためでもあります。今後のためにもぜひやっておかねばなりません」
 ヒルダは感心したように兵士たちを見ていた。彼らは整然と整列しながら、黙ったまま彼女をみつめていた。
「さあ、ヒルダ様。彼らに声をかけてあげてください。皆あなた様のためにはせ参じた者たちなのですよ」
「は、はい」
 ヒルダはやや緊張した面持ちで兵士たちに近寄って行った。
 オニールは小声でベネディクトに尋ねた。
「これだけの兵を短期間で揃えたとなると、相当な根回しが必要だったでしょうね」
「へえっ?」
 ベネディクトはオニールの顔を見つめた。オニールとの身長差は15センチ以上にもなったので、自然とベネディクトは見上げるような姿勢になった。
「いえ、別に嫌味で言っているわけではないのですが、もしかすると、マルコム卿がおっしゃっていたこととは、これのことかと思いましてね」
 するとベネディクトは意味ありげに、にやりとほほ笑んだ。
「そうだね。君がそう考えるのも可能かもな。……ところでマルコムは?」
「彼は死にましたよ。ヒルダ様をお守りして」
「……そうか」
 ベネディクトは無言になり、それ以上何も尋ねようとはしなかった。
 その後、3日にわたって一方的な戦いが行われた。ヒルダとオニールはそれをただ座って見ているだけだった。そのうち城門は突破され、焦ったブライアン卿は自分の領地へ落ちた。だが報告によれば、彼は領地に逃げる馬上で、裏切り者の刃にかかってあえなく死んだという。
 また余談になるが、リチャードはまた城に舞い戻って今まで通りに政治を執ろうとしたらしい。だがそれは、世知に長けたベネディクトにより、今までしてきた悪事のすべてを国王に暴露された後のことだった。リチャードは言い逃れがしたが、証拠をしっかり提示されては反論は不可能だった。国王も擁護できなかった。
 彼は王太子の地位をはく奪され、牢獄へ入れられた。今度はエドワードの失敗を教訓に、城のもっとも高い塔の最上階へ幽閉されることになったのだ。もう彼は生涯そこを離れることはないだろう。
 それから1月後、ヒルダは正式に王位継承者として認められた。

 その日は、曇りがちなレイスブルクにしては珍しく、よく晴れた朝だった。
 大勢の市民が城の広場に集まり、ヒルダの登壇を今や遅しと待っていた。司会者の簡単なスピーチが終わると、ヒルダが城のバルコニーから姿を現した。市民から大きな拍手があがる。ヒルダは満面の笑みを浮かべながら、市民に手を振った。
 その後ろには、真新しい十字ドラゴンのマントを身にまとうオニールの姿があった。彼は新しく近衛隊長に任ぜられていた。厳しい眼差しで周囲を見張っていたが、ヒルダに微笑みを向けられると、にっこりと笑って返した。
 これからどんな労苦が彼らを待っているのか、それは神にもわからない。だがヒルダの傍には、ずっとオニールがいるに違いない。
コボルトスキー303 LGzEDAtRks

2016年04月11日(月)21時42分 公開
■この作品の著作権はコボルトスキー303さんにあります。無断転載は禁止です。

■作者からのメッセージ
執筆が間に合った。あまりいい出来ではないかもしれませんが、枯れ木も山の賑わい的な理由で投稿します。
少し長いので1から12まで番号を振っておきました。つまらなくて途中で挫折した場合は、どこで挫折して、どんな理由で挫折したかお教えいただければ幸いです。

2016年05月13日(金)00時00分 コボルトスキー303 LGzEDAtRks作者レス
茉莉花さんへ

メッセージに気がつかなかったようで申し訳ありませんでした。作者レスを終わらせたのでもうレスはないだろうと勝手に思っていたもので……
99kgさんへのレスでだいたい事情はわかりました。悪気のある人はいなかったということがわかっただけでもよかったと思っています。今後ご縁がありましたらその時はよろしくお願いします。
 

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2016年05月11日(水)21時30分 茉莉花
コボルトスキー303 へ
茉莉花です。
このたびはご心配・ご迷惑をおかけしてしまい、申し訳ありませんでした。

(2016/5/11 修正)

感想を削除するというかたちにしてしまったのは確かに私の浅慮もありました。
次回の企画では作品・感想を修正できない期間があった方がいいのかな、とも思っております。
いずれ次回の企画からはもっと慎重に行動いたします。
本当に申し訳ありませんでした。

 

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2016年05月09日(月)00時40分 コボルトスキー303 LGzEDAtRks作者レス
なぜか再び統括レスです。
いままで言い訳めいたことを言って申し訳ありませんでした。作者の思ってもみないご感想もありました。好評不評に関わらずリアルな感想を多く得られたのは、作者にとってとてもありがたい限りです。感想者の皆様にはとても感謝しています。

ちなみに私のHNは、コボルトスキー303(スリーオースリー)です。今言わなければならないことではないのですが、なんとなく言ってみました。雑談はあまり得意ではないので、変なことを言って申し訳ありません。

管理人のうっぴーさん、運営いただいたクミンさん、ご感想・ご意見をくださった方々、そしてこの企画に携わったすべての方に改めて御礼申し上げます。本当にありがとうございました。
 

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2016年05月09日(月)00時17分 コボルトスキー303 LGzEDAtRks作者レス
いりえミトさんへ
文章とストーリーへのお褒めの言葉ありがとうございます。実をいうとあまり文章に自信がないので、そう言ってくださるとうれしいです。
オニールは内面的な人物で、はた目からはあまり面白みのない人物なのかもしれません。そういう人物にも意外なところがあるというのを見せるのが、作者の頑張りどころだと思いますので、その点は今後努力していきたいと思います。
ご感想ありがとうございました。

99kgさんへ
リチャードの件ですが、オニールを指名したのがまずいのではなかったのです。彼の余計な命令によりオニールの配下100人と魔獣のほとんどを連れていけなかったのです。本来ならオニールに権限がある領域を、リチャードが勝手に決めてしまったので、妥当ではないというわけです。
エドワードについては主人公が知ることができない情報なので、今回の作風では描写するわけにはいきませんでした。
緑の種族グレンデルの子分ですが、匂いを辿ってきたらここにたどりついたので、こいつらだろうと踏んだのです。まあ、間違っても魔物だから、どうせ討伐すべき対象だからセーフ。
ちなみに彼らは村の被害者のなれの果てです。村で遺体がみつからなかったのは、グレンデルが食べてしまったのと、呪いによって怪物の仲間になったからですね。これも主人公が知ることができない情報なので、説明していません。
魔獣士はおっしゃる通り調教師で間違えありません。あと遺伝子は関係ないです。
ブライアンは魔獣士であっても、そうでなくても同じです。どっちにせよ負け戦ですから。あと宮廷の臣下3家しか味方につけていない時点で、すでに国民の代表とは言えません。勝てば英雄ですが、負ければ反逆者です。事実でも小説でも同じです。
他の魔獣士は、あまり重要とは考えませんでした。宮廷の臣下をどれだけ配下にできるかが、焦点だったのです。
ご感想ありがとうございました。

茉莉花さんへ
拙作をお読みいただき、また足跡を残していただきありがとうございます。
失礼ながら、次回からは後夜祭後の変更はご遠慮くださいますようお願いします。交流掲示板で色々とあったようですから。
 

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2016年05月08日(日)23時47分 コボルトスキー303 LGzEDAtRks作者レス
兵藤晴佳さんへ
魔獣の選定に関しては国籍や時代は気にしませんでした。ただ荷馬車で運送できて人間に調教できるもの、単体であまり強すぎないものをチョイスしました。
人間同士の葛藤や、利害が絡む謀略戦は、おそらく主人公オニールの得意とするものではないのではありません。なのですこし入れづらいかなと。
ご感想ありがとうございました。

wさんへ
冒頭の説明のシーンは、マジシャンで言うところの「ちちんぷいぷい」や、日本昔話の「むかーしむかーしあるところに」という感じの場面説明です。説明がくどいのでそう捉えられなかったかもしれませんが、異世界の雰囲気になじんでもらうための手立てでした。
あとヒルダと兄の葛藤ですが、家族間の争いは傍目から見ても愉快なものではないので、最初から力を入れるつもりはありませんでした。そういうのもありだとは思いますが、私としてはちょっと遠慮したいです。
あと主人公はどうみてもブレーンタイプではないですね。魔獣士は魔獣の調教師ですので、頭脳職というよりはむしろ専門職でしょう。騎士として戦えないでもないけど、魔獣を行使して戦わせるのがメインの仕事になります。
意表を突いた発想……あればいいですね。私の脳にそんなすばらしい発想があれば。ぜひチャレンジしてみたいと思っています。
ご感想ありがとうございました。
 

nice191
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2016年05月08日(日)00時09分 コボルトスキー303 LGzEDAtRks作者レス
つとむューさんへ
ダイジェスト版だよというご指摘ありがとうございます。
統括レスにある通り、読み切り的な作品になっています。
本作は私としてはこれで構わないだろうと思って執筆したことですが、そこは柔軟に考え直すのもありかなとは思います。
ご感想ありがとうございました。

たぬきさんへ
描写が足りないとのご指摘ありがとうございます。
これは重複になりますが、やはり描写力の問題だろうと思います。もっと精進いたします。
マルコムの件は、伏線ではなく、伏線の結果なのだったのですよ。拙い伏線だったので作者の過失ですが……今後は気をつけます。
ご感想ありがとうございました。
 

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2016年05月07日(土)23時53分 コボルトスキー303 LGzEDAtRks作者レス
たてばんさんへ
後から仲間になる方式ですが、ひとり仲間が追加するだけで、エピソードを追加しなければならないので、尺的に厳しいものがありました。
また序盤でマルコムが仲間入りするエピソードがすでにあるので、マンネリ感が出てしまう恐れがあり、何度も仲間入りのエピソードを入れるわけにもいかなかったのです。なのでいっきに魔獣を紹介したというわけです。
ただし、魔獣が多くてわかりにくいというご指摘は反省しなければと思っています。描写で簡単に認知・区別できるように努力します。

描写が少ない件については、読みやすさとの兼ね合いで今回の形になりました。ただし6章は鬱展開なのでさっさと通り過ぎたかったというのはあります。あと他の章でも描写が足りないとのことでした。特に11章と12章は駆け足になりました。これは単純に作者の力量不足なのでしょうね。一朝一夕では解決できない課題なので、ゆっくりと腰を据えて取り組みたいと思っています。

7人の魔獣士に関しては、特に深い意味があったわけではありません。魔獣士は貴重な人材だけど、オニールだけの専売特許ではないと言いたかっただけです。
ヤスがなぜ檻に入っていたのか? ただ単純に寒かったので魔獣といっしょに寝ていたというわけです。経験のある方はご存じでしょうが、地面で寝ていたら、体温が地面に奪われてしまいます。なので荷馬車をベッド代わりに、檻で寝ていたのです。
あとデミヒューマンの説明については、SFで光の速さが説明されないのと同じ理由です。難しい言葉ではないので、説明される風潮がありません。申し訳ありませんが、そこまで説明すると説明過多になる恐れがあると私は思っています。

色々と言い訳しましたが、作中でわかるようにすべきでしたね。ご感想ありがとうございました。
 

nice196
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2016年05月07日(土)23時24分 コボルトスキー303 LGzEDAtRks作者レス
ピューレラさんへ
ヒルダは王族ですので、外面を装う訓練は嫌というほど受けているのです。ですが内面は普通の少女なので、嫌なことがあったら毒つくことはあります。ただし裏側でこっそりと。
やさしいけど、感情の波が激しいという長所と短所を並べたつもりです。
ちなみに国王は作中にある通り、凡庸な人物でしかも病弱なので、政治を執れない状態にあります。リチャードが政治を指揮していたのもそのためです。リチャードが失脚した後は、ヒルダが実質的な権力者になりますが、経験不足なのでベネディクトをはじめ、宮廷の臣下たちが主導権を握るでしょう。
ご感想ありがとうございました。

おいげんさんへ
「正統派で、地に根の付いた作品」とのお褒めのお言葉ありがとうございます。なろう系が流行っているので、古臭いと言われるのではないかと危惧していましたが、そんな感想はないようなので安堵しました。
最後ですが、作中にある通り、オニールもヒルダもただ見ているだけだったのですよ。魔獣とヤスは出てきませんが、やはり同様に見ているだけです。なので絡みようがありませんでした。
ご感想ありがとうございました。
 

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2016年05月07日(土)01時27分 コボルトスキー303 LGzEDAtRks作者レス
たかセカンドさんへ
説明が多かったでしょうか。これについては特に11章と12章について説明口調になったような自覚があります。前述のように修正しきれませんでした。
11章のカタルシスですね。恋愛シーンについては今回初の試みとなりました。それゆえあまりうまくはないかなとは思ってました。すんません。
魔獣士の設定について。メリットとデメリットですか。魔法を使えば敵を倒せるけどSAN値が下がるみたいなものでしょうか? うまく答えられないので宿題にさせてください。
ご感想ありがとうございました。

キーゼルバッハさんへ
いわゆる捨てキャラになるものが現れたり、あるいは語られないところがあるのは、物語のほとんどが、いわゆる主人公視点で物語が進められたからです(視点が違ってしまっているシーンがあるのは反省しなければ)。主人公にわからないことは描写できないし、主人公にとって興味のない人物は描写もそっけないものとなっています。
ただヒルダがどうしてオニールのことを好きになったのかと、グレンデルとエドワード殿下に関しては唐突感があるので、もっと伏線を張って説明を増やしてもよかったのかなとは思っています。
ご感想ありがとうございました。
 

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2016年05月07日(土)01時03分 コボルトスキー303 LGzEDAtRks作者レス
七月鉄管ビールさんへ
楽しんでいただいて、何よりです。お褒めの言葉ありがとうございます。
今度はもう少し褒めていただけるよう頑張りますのでよろしくお願いいたします。
オニールとヒルダのふたりのなかに関してですが、恋愛小説ではないのであまりページを使いたくなかったというのが本音です。しかしもう少し違うやり方もあったのかなとは思っています。
ご感想ありがとうございました。

ハイさんへ
ヤス、オニールについてご意見ありがとうございます。
オニールはおっしゃる通り正統派を目指しましたが、物足りなかったでしょうか。今度はもうすこし別の面をお見せできるように工夫してみます。
ヤスに関しては、私も活躍の場を与えたかったのですが、彼の能力を鑑みて、あれくらいの戦いになりました。要するに、インパクト枠であまり強くないキャラだったわけです。
ご感想ありがとうございました。
 

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2016年05月07日(土)00時48分 コボルトスキー303 LGzEDAtRks作者レス
最初に、感想を寄せていただいた皆様に感謝申し上げます。
どこの馬の骨ともわからない者の作品に、これだけ多くの感想が寄せられるというのは、あまりないんじゃないでしょうか。そういう意味では、作者としてはかなりうま味のある企画でした。管理人のうっぴーさんと、企画者のクミンさんにも御礼申し上げます。
さて、いくつか感想に重複するご意見がありましたので、その点だけ統括レスにさせていただき、その後、個別レスに移させていただきます。

×キャラクターが多いよ
これに関しては前回も言われた点なんですね……進歩がなくて申し訳ない限りです。
ただメインキャラは3人(オニール・ヒルダ・マルコム)に絞って、あとは脇キャラという風により分けたので、前回よりはわかりやすくなったはずだと思ったのですが、予想に反してわかりにくいというご指摘を受けました。

×短編に不向きである。長編でやるべき
はい、これは長編のためのいわば実験作でした。少年ジャンプで言うところの読み切り作品になっています。
なので若干(?)駆け足だったところがあるのは認めます。11章から12章にかけては特にそう感じられたのではないでしょうか。これに関しては修正を試みましたが、あまり良くならなかったですねOrz 理由に関しては……言い訳になるので割愛します。
本作が好評なら長編執筆にとりかかろうとしていましたが、これについてはもうすこし考えます。

重複した意見は以上でしょうか。これから個別レスに入ります。
 

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2016年05月07日(土)00時36分 茉莉花
作者の方へ

茉莉花と申します。
貴作、拝読しました。

大変申し訳ないのですが、一身上の都合により感想を削除させていただきます。
コボルトスキー303さんのせいではないです。
レスもお気遣いなきよう。

今後のますますの創作活動をお祈りしています。
 

 

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2016年04月27日(水)23時46分 99kg20点
パリス 二つ首の犬の魔獣・オルトロス
ケイオス 獅子の頭、山羊の体、竜の尾を持つ魔獣・キマイラ
アエロー ハーピィ。
カドモス オーガー。
ヤス デミヒューマン、ドラゴニュート。

名前から種族をすぐに連想できない。出てくる度に頭に戻って読み直す必要があった。
メモ書きなしで読み進めるのは難しい。

ココは必要だったのか?
5頭の魔獣に数えられていないようですが、そもそも魔獣とただの犬の線引きは何なのでしょう?
ワンワン組とセットにされていますけど。(余談ですがワンワン組という言葉は差別的に聞こえました)
ココがパリスの上に乗って「ケルベロス~」とかやってほしかったですね。

リチャードは始め酷い言われようですが、7人いる魔獣士の1人を派遣するのだから妥当ではないですか?

グレンデルの正体。結局エドワードはどういう経緯で化け物化したのか。化け物になったから脱走したのか、脱走した後に化け物になったのか。リチャードを幽閉しても全く安心できないと思う。同じ血筋なのだし。
緑の種族をいきなり惨殺。人違いだったらどうするのよ。

魔獣使いだったセイケリオスの直系は魔獣士でなく、別に7人いるようで、魔獣士がどういうものなのかよく分からない。
ただの調教師スキルだったのでしょうか。それでも子孫に色濃く伝承しそうなものです。
家柄に拘る世界でありながら国を築いた力を他人に明かして自分達は安穏と暮らす。そこに安寧はなさそうです。いつ謀反を起こされないとも分からないのではないか?
実際起こされますが……、ブライアンは魔獣士ではないんでしょうかね。あっさり追い出されてますし。
国にはあと6人の魔獣士が残っていたはず。謀反なら彼らを味方につけなければ成功しない。
それならブライアンは国民を代表しての謀反なのだから、むしろ英雄でしょう。
オニールはブライアンと合流して新王国を築けばいい。そこでブライアンが王になりたがったのなら揉めるでしょうけれど。
やはり他の魔獣士も日頃から腹に据えかねていて、ブライアンの行動を見て見ぬフリし、王国が倒れた後でブライアンに責任を押し付けたんでしょうか。ブライアンも裏では嫌な上司で、魔獣士でもないクセに偉そうにしやがって、と他の魔獣士に裏切られた……と。
と想像はできますが、結局他の魔獣士何してたの? というのが疑問ですね。

ムラマサに脈絡が感じられない。唐突感がある。

構成的には
 時を5日後に戻す。
などが気になった。分かりやすい手法ですが、作風には合わないかな。技術はお持ちのようなのでそれを使ってほしかった。

総評としては世界観が独特で楽しめる内容だったと思います。

 

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2016年04月27日(水)20時10分 いりえミト30点
 『レイスブルクの魔獣士』拝読しました。


 面白かったです。王道的なファンタジー作品ですね。

 まず、文章がとても読みやすく、分かりやすくてよかったですね。キャラクターや専門用語も自然に覚えることができましたし、戦闘シーンも何が起こっているのか理解しやすかったです。おかげで、最後まで引っかかることなくスラスラ読み進めることができました。

 内容的にはまさに王道という感じでした。
 王国の抱える問題、魔物との戦闘、ヒロインと主人公の恋、と全体として目新しい感じはないかもしれませんが、ツボがしっかり押さえられていたと思います。
 意志の強い姫のヒルダは、ヒロインとして魅力的でしたし、脇を固めるマルコムやヤスもいい味を出してましたね。オニールはあまり特徴がない感じでしたが、主人公としての役目は果たしていたと思います。

 私としては大きな指摘点も感じず、全体的に楽しめました。
 ただ、内容的には長編向きだったのかなとも思います。
 話の展開がちょっと速いかなとも感じましたし、冒頭とラストが説明的になっているのも気になります。
 とはいえ、この枚数の作品としても違和感なく読めました。(長編にしてもっと書きこんだら、なおいいと思いますが)


 短いですが、以上です。
 執筆おつかれさまでした。
 

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2016年04月25日(月)20時22分 w-10点
こんにちは。
本作品はいまひとつでした。
全体として、詰め込みすぎだと思います。
まずは冒頭。世界設定説明。全然興味をひきませんし、読み終わってみてもあまり必要性のある情報とは思えませんでした。異世界ファンタジーにおける世界設定は、冒頭に詰め込むのではなく、作品全体にちりばめる感じで、少しずつ開示していくのがいいと思います。
で、冒頭の世界設定のあとは、キャラがいっぺんに登場。人間だけでも厳しかったのですが、その上に魔獣もいたので、覚えるのがたいへんでした。というか覚え切れませんでした。魔獣も、モンスターの種類だけではなく、それぞれ名前がついていてキャラになっている。また、ヤスは他の魔獣よりも一段階上の役割のキャラですし。
そうなってくると、基本上限50枚で最大上限70枚の短編としては、キャラの数が多すぎです。
ストーリー展開も、大きな話なのは良いのですが、これを短編で描ききるとなると、詰め込みすぎで、たとえばヒロインが兄と対決することを覚悟する場面なども、大きな山場のはずですが、大した葛藤もなくあっさり進んでしまった感じがしてしまいました。これだけの内容をきちんと描ききるのなら、枚数は300枚は必要じゃないでしょうか。
あと、主人公は魔獣士ということで、設定としては面白いと思います。しかし、魔獣を戦わせる場面がどうしても多くなり、主人公自身の活躍が目減りしてしまったのが残念でした。確かに、主人公がブレーンタイプの物語もいくつもありますが、よほどブレーンとして意表をついた発想などを出してくれないと、どうしても物足りなくなってしまいます。
ということで、全体的に詰め込みすぎではあったのですが、見所は色々盛り込んであったとは思います。50枚とかじゃなく300枚の尺できちんと描ききれば、良い物語になると思います。
感想は以上です。企画参加おつかれさまでした。

 

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2016年04月24日(日)10時26分 兵藤晴佳0点
 ギリシア神話的なモンスターの数々を従えた主人公が活躍する英雄叙事詩になっています。
 オーガーはもともとフランスの魔物なのでちょっと引っかかりましたが。

 登場人物それぞれの戦いぶりが丁寧に描かれていますが、構成上はTRPGリプレイのような扱いになってしまっています。最高70枚という尺しかないので、最も特徴のある行動だけを描写したほうが効果的だったでしょう。
 むしろ、戦いの意味をめぐる主人公と姫君の葛藤を中心に描いたほうがドラマになったのではないでしょうか。

 さらに、宮廷内の人物がこれだけ絡んでくるのでしたら、序盤でお互いの利害が絡む丁々発止のやりとりがもう少しあってもよかったでしょう。そのほうが、結末に説得力が生まれます。

 三浦健太郎『ベルセルク』を思わせる展開も見られて楽しめました。ありがとうございます。
 

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2016年04月23日(土)23時35分 たぬき nY39lNOBNk10点
悪そうな皇子に命ぜられ、魔物討伐に向かう騎士と姫の物語。
騎士の奇襲や、姫の告白、ブライアンの謀反など、もう少ししっかりと書き綴った方がいい部分が割と早足だったので、時間か尺が足らなかったのかなと、その点は残念でした。ベネディクトに関しても、ちょっと興味が沸くけど関わりが少なかったキャラです(チラ見せ)。
序盤が重いですが、中盤にはあまり気にならなくなりました。戦いの部分はスピーディーでかなり好きな方です。敵の呪いでマルコムが魔物になるという部分が伏線になると思いきや、真相もぼかされたまま終わっていました。
 

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2016年04月21日(木)21時13分 つとむュー0点
GW企画の執筆、お疲れ様でした。
御作を拝読いたしましたので、感想を記したいと思います。

壮大な物語のダイジェスト版を読んでいるような感じがしました。
このストーリーは、プロットを立てた時点ですでに300枚超えは必至でしょう。
50枚に収めるのは、もともと無理だったんじゃないかと感じました。

300枚超えのストーリーなら、これだけのキャストがいても問題ないかもしれませんが、
50枚では多すぎだと思います。
個人的には、1から4までは、誰が誰だかさっぱりわかりませんでした。
(記憶力と読解力がなくて、申し訳ありません)

ストーリーは、6くらいからだんだんと面白くなってきました。
その後は、最後まで普通に読むことができました。
おそらく、登場人物が限定されて、物語がわかりやすくなったからだと思います。

7から10までのストーリーを50枚の作品にしてもらったら、
いい感じのファンタジー作品になるのではないかと思いました。
それくらいが、50枚にふさわしい分量ではないかというのが個人的な意見です。

いろいろと書いてしまいましたが、もっと詳細な部分が読みたかったファンタジー作品でした。
拙い感想で申し訳ありません。
今後のご活躍を期待しています。
 

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2016年04月27日(水)22時13分 たてばん L2TtHY/jcg10点
 執筆お疲れ様です。
 拝読しましたので、思ったことや気になったことを残していきます。

 《文章》
 最初から説明だけだと、自分に合わない設定と思われて読まれない可能性があると思います。
 この冒頭なら、セイケリオスが国を追放される短い物語を作り、その中で一緒に世界観説明をすれば、読者に物語の先を気にさせながら世界観を伝えることができると思います。

 文章は読みやすかったのですが、キャラが多いせいか誰が何して、誰が喋っているのかわからないところが度々ありました。
 魔物が多いのは魅力的で格好いいのですが、それをすべて読者に伝えるのは難しいと思います。
 最初は主人公とヒロインと魔物の三匹で物語を進めて、徐々に仲間を増やした方がわかりやすいと思います。
 ドラマやアニメでもそうですが、一話目から五人以上出られると、名前を覚えるのだけで大変です。

 第六章の村に入るところなのですが、村の状況説明だけで主人公達が歩く描写がないので、主人公の心理描写と行動を加えると、さらに臨場感が出るのではないでしょうか。
 第六章が一番思っただけで、描写が足りないと思ったとこは結構あります。

 第十一章、最後のヒルダ姫を説得するシーンなのですが、無理矢理こじつけてるような会話で盛り上がりに欠けました。
 ヒロインは主人公を好きで主人公は国を想うなら、それを使って辻褄を合わせたほうが良いのではないでしょうか。

 ヒルダ姫の行動は、『女は感情的』というのを上手く表していると思います。

 《設定》
 まず、レイスブルクの魔獣士は七人もいらなかったのではないでしょうか。
 全員どころかオニールしか出てませんし。
 この作品は続きがあり七人なのでしょうか?

 ヤスはなぜ魔獣ではないのに檻の中に入っていたのですか?
 デミヒューマンのような専門用語には、もっと詳しい説明が欲しいと思います。
 自分にはデミヒューマンがなんなのかわかりません。

 ラルフはなぜオニール達を襲ったのですか? そして、なぜラルフはレイスブルクにいるのですか?
 この人他国ですよね? 真っ先に首を跳ねられそうなんですけど。

 魔物がもともと人という設定は上手く生かされていたと思います。

 《構成》
 いらないと思うシーンもありますけど、とんとん拍子に進む流れでわかりやすいと思います。

 《総評》
 設定を煮詰めて詳しい描写を増やすだけで面白くなると思いました。
 それだけに、なんだか悔しい気持ちになりますね。

 これは自分がこの作品を書くならですが、オニールとヒルダ姫と魔獣と敵の四人をメインに書きます。
 いろいろ出したい気持ちはわかるのですが、せっかく書いたのに読者に伝わらないと悲しくなるので、必要最低限のキャラで何を読者に伝えたいかを考えると、キャラや物語の設定も濃くなると思います。

 未熟者の身でいろいろと口出ししてすみません。
 企画参加お疲れ様でした。では、失礼します。
 

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2016年04月28日(木)15時49分 おいげん20点
御作拝読させて頂きました。
早速感想を投下させて頂きたいと思います。

◆良かった点
①練られた世界観
 最近の傾向として、チート、無双、転生、様々な手法でファンタジーの分野に浸食してきていますが、御作は正統派で、地に根の付いた作品と思いました。
 枚数的制約の為、展開がマッハですが、じっくりと腰を据えて、長編あたりで読めると幸せです。

②斜陽の国家が巧く書けている点
 所謂無能王的な存在から、無茶振りをされ、冒険に出ると言うのはパターンです。
 そこから、政変にまでもっていける短編はどれくらいの数があるのでしょうか。
 ②のタイトルとは少しズレますが、これはしっかりと構成がまとまっている証左だと感じました。

◆気になった点
①魔獣使いとして、戦闘で駆使するのは良く分かります。私が書くとしてもそうするでしょう。意図かどうかは察することができませんでしたが、最後も魔獣を絡めて政変を動かしてほしいと感じました。
②登場人物が多すぎる点
 流石にこの枚数だと4人が限度かなと思います。もう少し役割を絞った方が、没入感が増すのではないかと思います。

◆総評
とてもよくまとまっているファンタジーでした。安心して読めます。
筆力はとても高くいらっしゃるので、私が指摘するような箇所は見当たりませんでした。
(誤字脱字は、私は考慮しません)

執筆お疲れ様でした。次回作も期待しております。
4/19 おいげん

 

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2016年04月19日(火)21時49分 ピューレラ30点
こんばんは。

騎士が襲ってきた5、のところの最後で
>「嫌な奴!」
 ヒルダは思いきりの毒を吐いた。
 
というところに「あれ?」と思いました。
慈悲深い心でいたはずのヒルダが?と。
確かに、先祖を悪く言われたのでそう言ったのかなと思えなくもないですが
先ほどまでの態度から思うと、少し急変し過ぎかなと感じました。

それとまだ国王がいるのに、王位継承者の方が権力者のような感じなところも少し混乱しました。

【好きだった点その1】
ヒルダが可愛かったです。

とても魅力的でした。
作者コメントで「つまらなくて途中で挫折した場合は……」と書いてあったので
もしかしてつまらないのかな?と思いつつ読み始めたのですが
ヒルダの描き方、可愛らしさに惹き込まれて最後まで楽しみました。

【好きだった点その2】
世界観。
詳しい説明がなくても、入っていきやすかったです。
作者さんが描いた世界が、独りよがりではなく
きちんと表現されていたからこそ、そう感じられたのだと思います。

【好きだった点その3】
戦闘シーンが分かりやすかったです。
戦闘シーンは長すぎたり、アクションの説明が多いと飽きたり読み飛ばしたくなりがちですが
こちらの作品は、情景を思い浮かべやすく飽きる事なく読めました。
 

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2016年04月18日(月)23時20分 キーゼルバッハ10点
キーゼルバッハと申します。読まさせていただきましたので感想を。

(設定)

 時は王国例178年、人々が恐れる魔獣を使役することのできる
 一族がいた。彼らはその力で、国を治めた。人々彼らのことを
 畏敬と尊敬を込めてこう呼ぶ、「レイスブルグの魔獣士」と。
 基本的になストーリーは、敵が現れる、主人公仲間を引き連れて
 が倒しに行く、途中別の敵に襲われる、やりすごし、敵の住む
 森へ、仲間を失いつつも勝利、王国で謀反が起こる、主人公たち
 が便乗して王国を乗っ取るという内容でした。結末も、ハッピー
 エンドで、後味も悪くなく読後感も非常にすっきりでよかった
 と思います。しかし、この物語にはまだ明かされていない謎や、
 設定が残っていると思います。ストーリの流れ的にも、後半の
 展開はやや強引に感じました。もう少し、設定や、伏線の回収
 をちゃんとしていれば、もっと面白い作品になったのではないかな
 と、個人的に思いました。

(キャラ)
 
 オニール
      :レイスブルグ王国で、百人長を務めているレイスブルグの
       魔獣士の一人? 幼少期は貧しい身の上であったため、
       自らの努力だけで、ここまで上り詰めた努力の人。
       冒頭で、レイスブルグには七人の魔獣士がいるとあったの
       ですが、物語の中では彼だけしか魔獣を使役していません。
       また、他の魔獣士についても、作中では語られませんので、
       少しもやもやしました。基本的なストーリーの展開は面白く、
       最後、ヒルダの好意に答える場面や、多くの魔獣や仲間を
       失いながらも敵を倒し、尚且つ、謀反を企てたブライアンを
       倒すなど、しっかり主人公を務めているキャラだと思いました。
       しかし、終盤の展開については駆け足で、ややご都合主義感
       を感じました。また、オニールの務める魔獣士は、騎士という
       よりも、調教師に近いような気がしました。そういった設定
       をちゃんと描写して欲しかった印象です。

 ヒルダ
 
      :王太子リチャードの腹違いの妹。リチャードのオニールに
       対する無茶な要求に反発し、半ば家でのような形で、
       オニールについてきてしまった。優しい背角で、敵の兵士
       にも慈悲をかけるほど。また、正義感にあふれ行動力もある
       ため、周りの者を困らせることもある。
       オニールに対して恋心を抱いており、立場が違いすぎるという
       オニールの意見を突っぱねて、アタックしている。
       この物語のヒロインであり、お嬢様。性格的には、活発で
       おてんば娘の様で、この物語の盛り上げ役、または癒やし役
       として一役買っていると思います。
       ただ、オニールのことが好きな理由をもう少し具体的に、
       作中で説明してくれれば、もっと感情移入しやすかった
       のかな? と思いました。
       
 マルコム卿:白髪の老人であり、片足がなく、杖をひきずっている。
       宮廷の臣下を務めている。ヒルダの親代わりであり、オニール
       とも親交が深い。
       知恵と黒魔術にも長けており、戦闘で活躍した。また、ブライアン
       が謀反を企てていると知り、友人であるベネディクトに手を
       打たせている等、随分頭の切れる人物でもある。
       しかし、グレンデルとの戦闘において負傷、またグレンデルの
       呪いにより、怪物化が始まってしまう。最後に、オニールに
       介錯を頼み、穏やかな顔で絶命する。
       性格的にも、キャラ的にも、とても魅力あるキャラクターでした。
       
リチャード殿下
       :国王の息子であり王太子。国王エッカート2世が病の床に伏して
        以来、親に代わって軍政ともに指揮を執っている。リチャードの
        器量は偉大な始祖と比べるべくもなく、凡庸な父親と比べてもか
        なり見劣りするというのが、宮廷の内外の主な声らしく、国を
        危うい状況まで傾けた張本人。
        彼について、純粋な無能悪役キャラとして、いい味を出していたの
        ですが、あっさり謀反を起こされ、セリフもなしに退場してしまう
        あたり、少しこのキャラに対して、お座なりになってしまっている
        気がしました。もっと、引き立て役としてこの物語に絡んで欲し
        買ったと思いました

近衛隊長ブライアン
       :身の丈二メートルになる大柄な戦士で、大柄な背中に、真っ赤なマント
        をまとっている。十字架と、魔獣の代表格であるドラゴンを現した『十
        字ドラゴン』の紋章を着けている。
        終盤、リチャードに謀反を起こしますが、その理由がリチャードの無能
        さに耐え切れなくなったという、モヤッとした理由等、主人公たちに、
        あっさり謀反を覆されてしまう等、最初だけしかセリフが無く、
        さも重要なキャラのような雰囲気をだしつつ、ほとんど物語に意味を
        なさなかった可哀想なキャラであります。
        もう少し、ブライアンに対してキャラの掘り下げと、もっと物語に
        絡めて欲しかったというのが、率直な意見であります。このままでは、
        謀反を起こさせるためだけのキャラにしかなっていません。

 ヤス    :正式には、魔獣ではなくデミヒューマンだが、魔獣たちとともに、
        オニールにしたがっている、陽気な人柄の男。
        魔剣ムラマサという名のカットラスを所持しいる。
        物語的にも、ムードメーカーとして、作品の雰囲気を和らげてくれる
        良いキャラだと思いました。あまり活躍が少ないのが、少し残念
        なところです。

 魔獣たち  :オルトロスのパリス、キマイラのケイオス、ハーピィのアエロー
        オーガーのカドモス等、オニールが使役している魔獣たち。
        主にオニールが世話をしていて、時に戦い、時に慰めあったりして、
        オニールとはまるで家族のような絆で結ばれている。
        作中では、多くの戦闘で活躍しました。セリフはないものの、
        それぞれ、キャラとしての個性が生きていたと思います。

グレンデル(エドワード殿下)

       :オニールが討伐を命じられた化物であり、実は13年前に病気でな
        くなったはずだったエドワード殿下。
        だが陛下の温情を受けて、国境の砦で死ぬまで幽閉されることにな
        った。それが何者かの手ほどきによって脱獄したらしい。
        この物語のラスボスであり、オニールが従える二体の魔物と、
        マルコムに致命傷を与えた強敵。最後は、オニールの手により倒され
        る。
        このキャラの設定について、誰が脱獄の手引をしたのか、なぜ化物
        になり、人を襲ったのか。周りの生物まで化物に変えてしまうほどの
        恨みの力とは何なのか、など、明かされていない伏線や謎があり、
        混乱してしまいました。実は、グレンデルの正体はエドワード殿下
        なんだよと言われても、ピンと来ないというのが正直な感想です。

(世界観)
 
 世界観に関しては、中世時代のような魔法や魔物がありふれた世界観で、
 世界観的には、ありふれたもので作者様独自のオリジナリティはあまり
 感じられませんでした。そういった意味で、もっと作者様の特色を感じられる
 ような、世界観が欲しかったです。

(文章)

 文章は、読みやすく56枚という長さでありながら、最後まで飛ばすこと無く、
 読み進めることが出来ました。
 また、この物語は三人称形式ですが、とくにこれといった矛盾もなく、分かりやすく
 三人称で解説してくれていたので、読者として物語の場面を想像しやすく、
 感情移入しやすかった印象です。

(テーマ)

 ギリシア神話に登場する、ハーピィ、キマイラ、オルトロス等の魔物が
 作中で登場して、使役されながら戦いますが、あまり神話の内容と、物語
 の展開は関わっていないように思いました。こういった神話の魔物の設定を、
 もっと物語に組み込めば、より面白くなると、個人的に思いました。
 
(総評)

 基本的なストーリーは、ハッピーエンドと王道ながらもこういったストーリー
 展開は、嫌いではなくむしろ好きな方であります。
 しかし、この物語の設定や展開について、伏線や描写が足りないところがあり、
 そのせいか、この作品のストーリー展開について、唐突に感じてしまう場面が
 多々ありました。また、キャラについても、特定のキャラは魅力的に書かれて
 いるのですが、方や使い捨てのように扱われるキャラもいるなど、もったいない
 と思える部分が多かった印象であります。
 ラスボスである、グレンデルの正体と謎についても、終盤明かされても、個人的に
 あまりピンと来なかったというのが正直な感想であります。
 もう少し、伏線と描写とキャラについて、深く書いて欲しかったと思いました。
 
それでは、GW企画お疲れ様でした。また機会がありましたら、読ませていただけると嬉しいです。

キーゼルバッハでした。
 

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2016年04月18日(月)21時33分 たかセカンド0点
こんばんは。
「レイスブルクの魔獣士」を読ませていただきました。

感想に関しまして私が思ったことを書かせていただきました。
納得のいく所だけ抜き出し、今後の執筆の糧にしていただけましたら嬉しく思います。

作者様の中で、一つの世界観がしっかりと構築され、読み手に伝えようとする気持ちが伝わってきました。

ただ、広大な世界観であるために作品全体を通して、少々説明が長く途中だれてしまうところがありました。
確かに、私も一つの世界を作るとどうしても、伝えたい、知ってもらいたいと言う気持ちが先行してしまいます。

敢えて「伝えない」という選択をして読み手の想像に任せる手段も有りなのかな? と言う事も考えました。

短編と言う限られた枚数の中で、魔獣も含めキャラクターが多いためごちゃごちゃしてしまうところありました。
バトル描写は違和感なく読み進められましたので、やはりそれ以外のところがだれてしまったり、ごちゃごちゃしてしまいます。

そのため、オニールとヒルダの心の交流もうまく頭に入ってこず感情移入ができなかったため、ラストで二人が結ばれた時もそれほどカタルシスを得ることができませんでした。

バトル描写自体は違和感なく読み進めることができたのですが、折角の魔獣士と言う設定が最大限生かされていないように見受けられました。
魔獣を操り戦う騎士……それに伴うデメリット、デメリットを補うほどのメリット
それらを提示し、物語に組み込むことができれば、もっと物語に深みが出ることと思います。

いろいろと失礼なことを書いてしまったかもしれません。申し訳ありません。

以上となります。

このたびは有難うございました。
 

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2016年04月18日(月)08時53分 ハイ20点
執筆お疲れ様です。
では、感想をお納めください。


まず一言で言って、面白かったです。

魔獣を従えるものが建国し、それから? というなかなか気になる導入でしたし。

リチャードというバカたれや、ヤスというコミカルなキャラがいることで、固い話が単に固いだけで終わってなかったと思います。


グレンデルの戦いは、少し魔獣に親しみを覚え始めたとこでの、あの展開でしたので、手にあせ握る戦いでした。
まあ、ネタバレに関しては予想の範囲内でしたが、まさかマルコム卿までもがそうなるとは思いませんでしたので、少しぞっとしました。


文章は、所々に妙な部分があったように思いますが、まあ、許容範囲内だったかと。
端末の関係で細かくは指摘出来ませんが、歯噛みの「噛」の字がなぜか消えていました。


ファンタジーにおいて難しいとされる冒頭の情報量に関しては、とりあえず私は適切な範囲と思いました。


キャラに関しては、何気にリチャードがこの話を面白くしていて、逆にオニールは役目を果たしただけって感じでした。
いえ、正統派な主人公とは思いますが、適度な堅物でしかなく、魅力はいまいちだったかと。どうせなら、もっと突き抜けた堅物にして、リチャードの意見に一切反論せず、横からヒルダやその他が見かねて意見するぐらいにしておけば、静のオニールと、動のヒルダでシリアスもコメディももっとこなせたのではないかと。
「私は殿下の命に従うだけです」
「……はぁ、あなたって本当に」
みたいに。
そういう意味では、ヒルダも、もっととばして良かったと思います。


私的に好きなのはヤスでしたが、登場後は見せ場がなくて、ちょっとがっかりでした。
彼こそ、グレンデル戦で見せ場を作ってあげて欲しかったですね。
いろんな意味でキャラが立ってるのに、出落ちで終わるのは勿体なすぎます。
デミヒューマン設定も死に設定になってますし。


とまあ、面白かったんですが、グレンデル後の事件に関しては、若干蛇足気味というか。
今までの話との関係性がなくもないけど、方向性がかなり変わったような気がして、あれ? って感じで。まあ、作者さん的にはレイスブルクの裏側、みたいのを見せたかったんだと思いますが、一応。



まあ、そんなところで私からは以上になります。
 

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2016年04月18日(月)03時00分 七月鉄管ビール xn8ZkIqS3k10点
 オニール配下の多彩で頼もしげな魔獣たちを紹介された時、童心が刺激されました。
 犬型魔獣のバリスが犬のココと一緒のエサが食べる場面には心楽しくなりました。ほんと、ワンワン組です。
 人も犬も魔獣も亜人間も、ごちゃ混ぜの一体感が朗らかに気持ちを高揚させてくれました。
 我ながらチョロイ。
 出来上がってしまって読むのが楽しい。ワクワクする。
 
 そして、国王病気で宮廷を牛耳るのは暗愚の王太子という鬼背景。当然美少女賢姫がもれなくついてくる。期待しない方がおかしいです。
 しかし気がつきました。
「この分量に俺は期待しすぎている!」
 ああなるとは思いませんでしたが、11以降は急転直下でした。
 それは良いとして、オニールと姫君の関係が急いで描写された印象があり、二人の情動が伝わってきませんでした。
 月並みですが淡さに力点を置き、二人とも決して明言せず淡く淡く描かれた方が私は好みです。
 
 オニールの魔獣隊は楽しかったです。私としては、いっそ姫様の世直し旅でも良いくらいでした。

 執筆おつかれさまです。
 

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合計 14人 150点

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