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貴方の血を頂けませんか?
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              跡地化しました
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ここより上は変更しないでください。以下に挨拶文を記述できます。
跡地化に枚数下限はありません。


(割とどーでもいい小話)

跡地化のため本文を消去し、その代わりに長々としたお礼の言葉を書いたその直後……。

「跡地化する」

というボタンを見つけ、「なんと便利な機能が!」と思ってぽちっと押した結果――すべてのコメントが幻のように消えてなくなりました。

……まっしろ。
……まっしろなう。

その後、なかばぼんやりと、テレビ東京でやっていたアニメを眺めること数分。

「諦めたらそこでおしまいよ!」

という、どっかで聴いたような名台詞を金髪ポニテヒロインが叫びました。
その声に突き動かされ、まっさらな新雪のごときこのスペースに、今こうして再び足跡を刻んでいるのですが……いろいろな思いが昇華したのかうまく言葉が出てきません。

とにかく、主催の九条さま、読了およびご感想いただいた皆さま、どうもありがとうございました。

主催者さまにつきましては、初の試みでご苦労も多々あったことかと思います。
自分も、新システムとやらを試してみたいと(若干興味本位で)顔を出してみましたが、ランダム表示や感想などの仕組みは公平だし、結果出るのも早いし、素敵なシステムだと感じました。

そして、参加者の皆さま。
諸事情により、後夜祭ワッショイできず申し訳ありません。
作者レスはまた後日あらためて。
(作品に関する諸々も、そちらで述べさせていただきます)

では、またどこかでお会いしましょう☆

byヒゲの紳士あくあこと、AQUA(*‾┏Д┓‾*)ノ

PS.何かご意見などありましたら、ツイッター垢:aqaqaqua までどうぞ☆
今日咲く企画 Q1iqZnWgTo

2015年12月27日(日)23時56分 公開
■この作品の著作権は今日咲く企画さんにあります。無断転載は禁止です。

■作者からのメッセージ
テーマ「死と美少女」
キャッキコピー「優しい気持ちになりたい貴方へ……」

初めましての方は初めまして。
冬らしい、冷たく澄んだ空気と、心温まる愛を感じていただければ幸いです。

2016年01月21日(木)21時57分 今日咲く企画 Q1iqZnWgTo作者レス
お久しぶりでございます。今日咲く企画こと、作者のAQUAです。
たぶん3年……いや4年……ぶりくらいの企画参加となりましたので、もうこの名前を憶えている方も少ないかもしれません。
なので、作者レスのはじめに軽く自己紹介を。

突然思い立って小説を書き始めたのは、2009年春。
その後すぐラ研にたどり着き、企画初参加は2009年夏。
それから三年ほど、けっこうなレベルで入り浸ってました。

最初は掌編の間とチャット室をうろうろしていましたが、徐々に長編へシフト。
2011年(?)の企画――過去最多となる100作オーバーの回――に感想制覇を成し遂げ、「勇者」とあがめられつつ企画を引退しました。(←思い出は美化されるもの

その後公募活動にどっぷりハマり、長編の間へ。
そしてなろうへ……(ぁ
最近もなろうで数十万文字の長編を書いたりしていたため、30枚くらいの短編を書くテクをすっかり忘れてしまった、という残念な状況であります。

もともとこの作品も、他の企画(吸血鬼というお題)に沿って書いたもので、長編のたたき台にと考えていました。
公募先のジャンルとしては、ラノベと一般エンタメの中間くらいの、いわゆる「ラノベ文芸」を狙っています。

そこでいつも頭を悩ませることなのですが、
「ラノベ文芸って中途半端ぢゃね? いったいどこまでライトにすればいいの?」
という点です。

この短編では、その悩みをすべて先送りにしてあります。
特に顕著なのは、以下の二点。

・現実味のない架空の病気
・死への恐怖心を最初から克服している主人公

読者さまの感想からも、この点へのツッコミが多かったように思います。
ある意味作者の期待どおりだったのですが、「やはり中途半端はイクナイなー」という気にもさせられました。

昨今のラノベでは、主人公の苦痛や葛藤はなるべく排除した方がいいそうです。(当社調べ
ただ、舞台装置としての『死(病気)』は、テーマの都合上どうしても必要でした。

なるべくライトにしたいのに、テーマは重い……。
でもやっぱりオラ、ラブコメが書きたいぞ!
とにかく見た目も中身も超絶かわいい、最強の美少女が書きたい――ッ!

……ということで、煩悩で懊悩した結果、ひとまず短編の状態を誰かに見ていただこうと、今回の企画に参加してみた次第です。
今後長編化する際には、いただいた感想をしっかり参考にさせてもらおうと思います。

では、以下個別レスに移りまする☆
(現在多忙につき、少しお時間かかるかもしれません、スミマセン……)
 

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2016年01月14日(木)22時20分 つとむュー20点
冬企画の執筆、お疲れ様でした。
御作を拝読いたしましたので、感想を記したいと思います。

>ほんの一年ちょっと前まで、僕らは普通に暮らしていたのに……憧れの高校に受かった直後、僕は突然病魔に侵された。

病魔に侵された主人公の前に現れる少女ルイ。
惹かれ合う二人を描いた、青春ストーリーでした。

>「その前にちゃんと告白するわ。先輩はちっとも信じてくれなかったけど……私は、本物の吸血鬼なの」

本作のオリジナリティーは、主にこの部分にあると思います。
この手のストーリーは使い古されていて、お涙頂戴ものになりがちなのですが、
「吸血鬼」という要素を新たに追加して、読者に結末を予想させる形になっています。
はたしてこれは主人公を安らかに逝かせるためのルイの優しい嘘なのか、
それともルイは本当に吸血鬼で、主人公は第二の人生を歩むことになるのか……。
これはなかなか余韻のあるラストだったと思います。

>結局僕は高校一年生のまま人生を終えるのだ。律儀なルイが「先輩」と呼んでくれていた夢のような時間も、今日でおしまい。

二人の描写は始終さわやかなものに留まっており、深い心情については描かれていませんでした。
ということで、最後の読者の選択については浮き彫りになったと思いますが、
その選択がぐっと心に響くようなことはありませんでした。
まあ、この枚数ならこのようなテイストもありだと思いますが、
もっと葛藤する部分も描いてもらえれば、より感動的なラストにもできたと思います。

例えば、主人公は自分の死を達観しすぎており、一方でルイは最後まで安全サイドに留まっています。
でも実際には、主人公は自分の生についてもっと深く考えるはずですし、
ルイも本当に吸血鬼なら、吸血するという選択肢について二人で話し合うんじゃないかと思います。
個人的には、その時の二人の心の葛藤を描いて欲しかったなあと感じました。
ルイだって、未知のウイルスを体内に入れてしまうリスクがあるので、
最後の二人の選択は、より心に響くものになると勝手に予想しています。

いろいろ書いてしまいましたが、さわやかな描写と最後の選択が印象的な作品でした。
拙い感想で申し訳ありません。
今後のご活躍に期待しています。
 

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2016年01月10日(日)20時34分 タカテン yRNUcsqs0o20点
冬企画への参加、お疲れ様です。
拝読いたしましたので、感想を送らせていただきます。

(良かった点)
・ 適度な主人公の感情表現
一人称の強みである主人公の感情表現をさらりと、それでいて過不足なく書かれていて、気付けば自然と主人公の視点で物語を読んでいた。このあたりの匙加減の上手さは見習いたいと感じさせられた。

・ 主人公の設定
最初はよくある無気力系主人公かと思ったが、実は……という設定が上手い。なるほど、これならばボッチなのも頷ける。おしむらくば、その設定が実は吸血鬼であるルイと何かしらの関係があると話がさらに盛り上がったように思う。

(気になった点)
・ この終わり方を読者はどう受け止めるか?
余韻を重視した終わり方だけれど、個人的には物足りなさがやや上回った。吸血鬼モノで人間の尊厳を守ったまま死ぬか、それとも闇に堕ちて吸血鬼になるかは見所のひとつ。ここに作者の思想が見える。死ぬか、進むか、その選択を読者に委ねた作者様の「待ち」の人間性……見えたっ! 次のkzではワイの代わりにあんたがカーストだ(ぁ

(自分ならこうするという無責任なアドバイス)
この感想の送り主が先の一文で分かった時点で、もはやまともに読む気を無くしていると思うし、どうせ適当に「この感想、チョンボ」のひと言でレスも済ませるだろうから、特別アドバイスなんてないです、はい。

てか、ここまで作者を特定していて外してたらどうしようwww

それでは失礼いたします。
執筆お疲れ様でした。
 

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2016年01月10日(日)17時44分 タイヤサドル10点
 読ませていただいたので感想を残させていただきます。
 美男美女の善良なカップルがイチャイチャする話なので、リア充爆発しろ! と最初の方は思ってましたが、先輩がだんだん病気に侵されてやせ細っていくので、そういう人に爆発しろとか言うのはさすがに不謹慎かと思い、口をつぐんで大人しく読み進めました。で、最後まですらすら読み進んで行ったのですが、ラストはルイちゃんが先輩の血を飲むことで先輩も吸血化し、二人は仲睦まじく永遠の時を生きていくわけですよね? 何じゃそりゃ! 爆発しろ!
 執筆ご苦労様でした。
 

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2016年01月08日(金)02時14分 99kg mXR.nLqpUY10点
吸血鬼とはまた難しいキャラを持って来た、という感じです。

まず気になるのは最後どうなったのか? という事だと思います。
血を吸われて吸血鬼となり、不老不死の力で病気も治る。という結末なのか。
死ぬ前に、一度添い遂げておきたい心境に似たものなのか(この場合はやはり吸血鬼というのはイタイ思い込みという事になりますが)。
それは読む人の想像に任せる部分を残してあるのでしょう。

>これからもずっと傍にいてほしい。
と言っているので作品的には前者だと思われます。
本物の吸血鬼である、という決定的な証拠がない為、どっちなのかを明確に分ける要素はない。
しかし蘇らないのなら、とても悲しい結末となり、あまり作品性にそぐわない。
これが私が吸血鬼は本当で、この後主人公は吸血鬼として蘇るんだ、と読み取った理由です。
吸血鬼の設定には諸説あり、ここでの吸血鬼がどういうものなのかもちょっと分かりませんがそれはおいといて、独断と偏見で心臓に杭を刺されない限り死なない不老不死で瞬時に傷も治るくらいと想像しました。

ここで気になってしまうのは読者の憑依する主人公に全く選択肢がない事ですね。

もし主人公に死にたくない意思があり、吸血鬼だと信じていたのなら(主人公の中の吸血鬼が不死かどうかは分かりませんが)、吸血鬼になる事を望んでもっと彼女に近づいたと思うんですね。
そんなものになりたくない、静かに眠らせてくれ、と思っているなら予め彼女釘を刺していたはずです。
彼女がそういう行動に出る事を予想していた。彼女の意思に委ねよう、という感じなのだと思いますが、そのあとどうなるのか? というのが想像しにくい。
想像しにくいのは展開ではなく主人公の意思です。

生き返った後、彼女を見て何と言うのかが想像できない。
あえて想像するなら「お疲れ様でしたー」
そこから先の台本を考えてない劇のよう。

つまり現実的にはそこでおしまい。
どちらにせよ彼の人間としての物語はジ・エンドなのでしょう。
生き返ってもそれは全く別の物語。

ある意味生存と死亡、その二つを完全融合させていると言ってよいと思います。
それが狙いであれば、完全に成していると思うのですが、そうだとするとそこに固執するあまり、

死の病という重い宿命を背負う少年だけど、あまりに流されるままに生きすぎ。
なら自分意思がないのか、というとそういう感じでもない。

と主人公のキャラクターが少々振り回されている感じがありました。

死んでいた場合の彼女の次の台詞、
生き返った場合の彼の次の台詞、
の双方が想像できる内容であれば完璧だったと思います(あくまで自分的完璧ですけどね。私が読み取れなかっただけの場合もあります)。

 

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2016年01月09日(土)11時29分 いりえミト20点
 こんにちは。
 御作『貴方の血を頂けませんか?』を拝読したので、感想を書かせていただきます。


 文章がとても上手いと思いました。
 非常に読みやすく、わかりやすかったです。地の文とセリフのバランスがいい具合で、テンポよく読み進められました。 

 そして、ルイのキャラがよかったですね。
 天使のような美貌になのに中二病吸血鬼(実は本物)、そしてまさかの覗き魔属性w
 これがギャップ萌えというやつなんでしょうか、妙なかわいさがありました。
 ルイが生まれた国ではいじられていた八重歯が、この国ではチャームポイント、というのも上手いですね。

 ストーリーとしては比較的王道的な恋愛ものという感じでしょうか。
 主人公のかかっている病気が架空のものなので、作中でルイが「全然病弱に見えない」と語っているように、病気の深刻さはあまり伝わらない感じでした。
 それが悪いと言うわけじゃなく、むしろ良かったと思います。
 実在の難病を登場させると、どうしても病気がメインになってしまう気がしますが、本作はあくまで恋愛部分がメインだと思うので。
 少しずつ中を深めていく主人公とルイの様子が、上手く描けていたと思います。
 
 ラストシーンに関しては、ルイに血を飲まれた主人公は吸血鬼になって生きつづける、という解釈でいいにでしょうか?
 吸血鬼に血を飲まれた人間がどうなるのかについて、作中で明言はされていなかったので(「永遠に一緒にいましょうってこと」とは書かれていますが)、少々わかりづらいような気もします。(そもそも、この解釈が合っているのかどうかもわかりませんが)
 この終わり方は余韻を残す感じで味があるとは思いますが、その分、若干消化不良にも感じました。
 あと、「不思議な“魔法”」がなんなのかも、よくわかりませんでした。何か読み落としてたらすみません。

 とはいえ、全体として作者さんの力量の高さがうかがえる作品だったと思います。
 

 私からは以上です。
 執筆おつかれさまでした。
 

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2016年01月05日(火)20時59分 モンハンほも20点
拝読いたしました。

巧みな筆致に、切なくも心温まるストーリー。作者様の確かな実力を感じました。面白かったです。
これは好みが分かれるでしょうが、主人公の病気設定が軽すぎるのが気になる点でした。話を重くしないためにあえて深く言及しなかったのかなーと思いましたが。また、ルイが本当に吸血鬼だったと明かす前に伏線が欲しかったです。
てか、病弱の主人公×不死の吸血鬼とか素敵すぎるキャッチコピーでしょ。話をいくらでも広げられそうな設定ですし、もっと二人の物語を見たかったです。

拙い感想で申し訳ございません。
以上、失礼いたしました。
 

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2016年01月11日(月)08時16分 あまくさ30点
失礼しました。今回、作品を投稿できなかったので、新ルールを十分に把握できていません。感想も匿名にするのですか?
では。
すでに私のHNをご覧になった方がいらっしゃったら、忘れてください(笑

今回の企画で読ませていただいた作品の中では、本作が一番気に入りました。

けっこうクセのある作品だったかもしれません。体言止めを多用した、やや特徴的な文体。どこか超然とした雰囲気のある主人公とヒロイン。主人公の死をからめた感傷的な結末。
そんな物語なのになぜかあざとくならず、涼しい微風が吹いているような読み味だったのが不思議です。

このヒロインは実はかなり強い異能力をもっていて、その気になれば周囲の人間たちの精神を操作するくらいのことはできるんだろうと思います。

>ときどき周りの人たちに、不思議な“魔法”をかけてるってことも……。

>あれから先輩は徳を積んで、最近『神様』に昇格しました

>「それじゃ、次は私の話です。先輩が神様だとしたら、私は何だと思いますか?」
>「吸血鬼だろ?」
>「違います、『巫女』です。私は神様と会話できる特殊能力アビリティを持ってるんだって。すごいでしょ?」

こんなことが起こっているわけですが、それが何でもないようにサラッと語られているのは、生きることを諦めてしまった主人公の透明感のある視点で眺めている世界だから。
優しい無関心。そんな雰囲気が終始感じられたのが、個人的に好きでした。

それと、ヒロインが魅力的でした。
淡々とした距離をおきながら、主人公を好きなのが心地よく伝わってきました。

>「……そういうの、うっとうしい。少なくとも私には楽しめない」
> 長い睫毛を伏せたまま、ボソッと愚痴を零すルイ。こういう捨て猫みたいな顔をするから、僕もルイのことを追い出せなくなる。

能力が高いのにヤンデレっぽい美少女が主人公になついてくる。そんなシチュエーションが個人的に好きだということはあります。まあ、気に入ってしまったということで。


それでは。企画参加、お疲れさまでした。
 

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2015年12月31日(木)18時23分 ウサリアス0点
 どうも、感想専門のウサリアスです。

 話としては、良くも悪くもないかな……文章は下手ではないんだけど、なんかよく見るような感じもします。

 それと、ちょっと注文をつけますが、最後の方に、ルイが主人公を呼ぶとき、○○先輩と、言ってくれた方が、親密度が上がるような気がします。

 

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2015年12月31日(木)14時56分 筋肉バッカ 9.WICozezU20点
こんにちわ。読ませていただきました。

静謐なとでもいいましょうか、ラブストーリーだと思うのですが、吸血鬼だとか徐々に病に体を蝕まれていく様子とか、そういったものも含めてみると、暖かな中にも、ピリッと引き締まるものがある、みたいな感じがしました(表現ヘタ過ぎ…)

気になった点です。
>>春になり、僕はあたりまえのように留年した。これで三度目の一年生だ。
このあたりからの展開がそれ以前と比べてやや早足だった印象があります。「あなたの血をいただけませんか」の部分が最高潮だと思うので、そのあたりのシーンをもっと情感たっぷり描いてほしかったなぁと感じました。なんとなくあっさりとした読後感になっている気がしました。

以上です。
執筆お疲れ様でした。
 

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2015年12月30日(水)17時33分 鷲飼ゲル YGyum30nrk10点
作者さんへ

作品を拝見しましたので、感想を延べさせていただきます。

まずテーマですが、「死と美少女」はメインストーリーそのもので、また作中に冬が訪れることできちんと盛り込まれていました。

私が本作を拝見することになったきっかけは、タイトル名に用いられたワードに興味を持ったからです。
「貴方」という古式ゆかしいイメージの言葉、「血を頂けませんか?」というシチュエーションに、貴族や吸血鬼の登場する内容が想像されて興味を覚えました。

主人公の一人称による語り口が丁寧に書かれている印象で、文章的な分かりにくさを感じる箇所はほとんどありませんでした。
謎めいた少女と交流を深めていくお話なので、主人公自身の一人称による語りは本作にふさわしいものだと思います。
(唯一、『湯たんぽ攻撃』が何を示すのか初見では分かりにくかったです。抱きつかれたときに「湯たんぽみたいに暖かい」的な比喩があらかじめされていると明確になるかと思いましたが……しかしこれは私の読解力の問題かもしれません。この感想は特に取捨選択をお願いしますね。)

痛い設定を持つ女の子なのか、それとも本物の吸血鬼なのか?
それを曖昧にしつつ、ちょっと不思議なエピソードを重ねていく構成には「一体どっちなんだろう?」と、読者として興味をかき立てられながらお話を読み進めることができました。

一方で、「未知の病」については作品内でのディティールがあまく感じられて、主人公を都合良く薄命の状況へ追いやる小道具としての見え方が強く感じられてしまいました。
>世界的に広まりつつある、原因の分からない未知の病。発症してから早くて数年で、急速に身体が弱って死に至る。
>建前上、この病気が他人に感染することはないとされている
作品内の説明では伝染して流行するようにも見受けられる部分があるのですが、深刻な症状が出る病気なのに「建前上」で伝染しないとされている……この設定がよく分からず、強い違和感が残ります。
死に至る未知の病であれば、「感染する可能性がゼロでない限りは、安全のためにまずは感染者を隔離する」という本作とは反対の動きになるのではないかと個人的には考えました。
それとも伝染しないことだけは証明されていて、治療法だけが確立されていない意味での「未知」なのでしょうか?
この「未知の病」については、主人公が学校で受ける扱いとうまくかみ合う説明がもう少し詳しく提示されて欲しかったところです。
(これも私の理解力の問題かもしれませんので、他の方のご感想も参考に取捨選択なさって下さい。)

作品のラストは冒頭シーンの時間軸となって結末を迎える構成で、そこで少女の正体が確定されるのですが、とても綺麗な終わり方に感じられました。
噛みついたり血を啜ったりするシーンを直接的に描写せずとも、「吸血鬼」を自称するヒロインの魅力が発揮されていたと思います。
作者さんのメッセージ通りの物語を楽しませていただきました。

最後に一つだけ。
>精一杯の笑顔を返して――ゆっくりと、目を伏せた。
「目を伏せる」だと、目線をそらして下を向くという意味になりますが、これは作者さんのイメージ通りの情景でしょうか?
目を伏せるのと完全に閉じるのとでは、その仕草から想像されるキャラクターの心理が異なる印象もあるので、少し気になりました。
個人的には「目を伏せる」のは恥ずかしかったり、やましいところがあったりするのかな、とイメージしますし、「目を閉じる」と思いにふけったり覚悟を決めたり、という感じですかね。

以上です。
 

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2015年12月29日(火)13時26分 おとぎの国のアリス10点
拝読いたしました。
吸血鬼というタイトルに惹かれました。今企画において、最初の感想投稿になります。
持点制の趣旨がイマイチよくわからず、正直困惑を隠せない私ですが、思い付いたままの感想を残していきたいと思います。

読後の率直な感想といたしましては――
「うーん、なんかすごくモヤモヤする……」
こんな感じでした。
描写は安定していて読みやすいのですが、物語の中でなにが起こっているのかがよくわかりませんでしたね。
なんでモヤモヤするんだろう?読み込みの浅さを棚に上げて、この部分に対する、私なりに気になった部分を挙げたいと思います。

1、主人公
おそらく、もやもやの最たる部分だと思います。私の目には、終始一貫して傍観者のように映りました。物語の中で動きがなさ過ぎたせいでしょうか?心情の変化、揺らぎのようなものはよくわかったのですが、だから~するんだ。なので~しよう。こうした行動に結び付くものがないため、結局のところなにがしたいのか?なにもしたくないのか?が、不明瞭なままでした。
おそらくは、あえてこのような描写にされたのだと勝手に推測します。これを踏まえたうえで述べますと、この主人公は本当に幽霊だった方がオチとしてはよかったのではないかと思います。
実体がないゆえに、傍観するしかない。これだと、私などはなるほどと納得できてしまうのです。ただこの場合、ヒロインの設定との間に齟齬が生まれてしまいますので、どう整合性を持たせるかという別の問題もあるんですけどね。
不治の病。やや、唐突過ぎた感がありました。
病気そのものも、たぶん重い病気なんだろうな。なんとなく伝わります。ですけど、実際のところよくわからない。→モヤモヤ。
こう、なんといいますか。ある程度周囲に蔓延して、いつ主人公に感染するのか?みたいな切迫感があれば、すんなりと受け止められたのではないかという気もします。
一言でまとめますと、この主人公はなにもしていない。ゆえに、物語そのものにもほとんど動きがない。それでいて、ヒロインは魅力的→よけいにモヤモヤ。
紙数的にまだ描き込める余地があるかと思いますので、この辺りを解消すればだいぶ違った印象になるのではないでしょうか。

2、ヒロイン ルイ
キャラクター的な要素で一言で言いますと、主人公との相性が悪いように感じました。すごく丁寧に描かれていますので、存在自体にはなにも問題はありません。ですけど、主人公と絡んでしまうと、よくわからなくなってしまう→モヤモヤ。
これはおそらく、両者の性格が似ているからだと思います。序盤からミステリアスなヒロインが、よくわからない主人公と絡む。どちらかがスッキリしていますと、描写も相応のものとなりますので理解もしやすいのですが。この作品の場合、双方ともに謎めいていますので理解が追いつきません。→モヤモヤ。
これも勝手な想像なんですけど、おそらくは作者様はヒロインに重点を置かれて執筆されたのだと思います。「愛」をテーマとされるのであれば、もう少しわかりやすい設定のほうがよかったのではないでしょうか?「愛」と「ミステリアス」では、ミスマッチのような感がどうしても否めません。

勝手に思いつくままを述べてしまいました、申し訳ありません。
雰囲気はとてもよかったと思います。動きを出したほうがいいのか?出さないほうがいいのか?評価の難しい作品ではあります。
「貴方の血を、頂けませんか?」この台詞をヒロインに言わせるだけの説得力が、なにもしない主人公にあったのか? この作品における、最大のポイントのような気がいたしました。

私からの感想は以上です。
執筆お疲れ様でした。
これからもお互いにがんばりましょう!

 

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2015年12月29日(火)06時03分 ハイ s7d/2ml3o.10点
冒頭の描写がなかなかに綺麗だったので、拝見させていただきました。

ややコンパクトになりますが感想を書きます。

●文章
過不足なく書けていたと思います。

●キャラ
二人ともに悪くなかったと思いますが、二人ともに決め手に欠けていたような気がします。
例えば主人公は死に対して達観し過ぎていて、まるでお坊さんのようです。
この年齢の若者なら、もうちょっと足掻いたり苦悩していたりした方が人間味が出て魅力的になったんじゃないでしょうか。
ヒロインの方は自分の恋愛に興味なし、というか……過去の出来事からそうなったようですが。
いや、まったく恋愛に興味ないわけでもないみたいですけど、二人ともに奥手な状態だともどかしすぎて……。
最後の最後で彼女は告白しますが……いや、何でそのタイミング? 卒業式前に死んでたら? とかあったりと、作者さんがそこまで溜めた意図は理解出来ますが、納得は出来なくて……途中、一回告白させても良かったんじゃないかな、と思いました。

●テーマ
まあ、季節の死という意味では冬……なのかな?
もうひとつ納得が欲しかったです。

●ストーリー
私にはちょっと大人しすぎました。
キャラのところで一部触れてますが、二人ともに奥手であるため最後ぐらいまでこれといった出来事が起きないのが残念。最後に話を集約し、それまではあえて低調に進める、というのは確かに技法としてありますが、低調にし過ぎて話が平坦になってしまっては勿体ないです。ラストシーンは綺麗で、その後どうなったのかを読者に想像させる良い終わり方ですので、私としてはそれに見あった展開を入れて欲しかったかな。



それでは、共に上げていきましょう!
 

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2015年12月29日(火)00時26分 馬 SGA7bLSsMA20点
拝読させて頂きました。
胸がキューッとなりました。前半と後半に分けて読んだのですが、それが丁度、主人公自身の置かれていた実際の身体的なものが判明する場面だったので、「え、なんでいきなりそうなるの」と驚いて、多少流れが急すぎるなとも思いました。確かに冒頭に伏せんはあるのですが、それまでヒロインの可愛さにおされ気味だったちょっと情け無い部分がある主人公でも、その彼女に惹かれて男子学生らしく恋とかをちらつかせていた風に見えたので。そして、真冬の寒空までおいやっているのを、「先生何やってんの」と思わず突っ込んでしまいました。主人公の身体的な部分が分かるまでは一切それに触れなさすぎた為に違和感はあったのですが、それもだんだんと先に行くにつれて辛くなって行く症状、ガラスに残されるおちゃめな痕、それに「バラの花束」の約束と引き換えにされた涙、いろいろな場面でやはり心が締め付けられました。
冒頭があった分、本物の吸血鬼だろうなとはこちらも読んでいる分にはわかっていたのですが、最後のほうにそれらの記述が一気に「分かっていた」というあとに述べられていた他はどこにも無かったので、それはそこだけに抑えすぎだと思いました。前半にはどこにも目の色が変わったり、ニンニクを嫌がるなど、それ以外にも吸血鬼らしい描写が隠されていなかったので。もしかしたら、マニアにしか分からない吸血鬼設定を一つでも前半に押し込まれていたらよかったのか、どうなのか、私自身が吸血鬼に詳しく無く、果てには本当の病気の面での吸血鬼症の現実的な症状しかわからないので、なんともいえませんが……でも、ヒロインのルイ、こんな優しくて素敵な子を妹に欲しいものだとつい思ったり。
最後には、作者様の狙ったとおりの淡いほんのりとした気持ちが残りました。それもやはり屋上での二人だけの時間の尊さが緩急をつけていたのでしょうね。
私としては、主人公が本当に息を吹き返して、血肉が甦り、それまでのちょっと秀才で野球もエースで、優しかった少年、に戻ってルイと仲良くしてくれたら、と願わずにいられませんでした。
真実の全てはきっと、雪のなかなんでしょうね。
執筆お疲れ様でした。
 

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合計 13人 200点

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