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魔法少女は未完成
「――――ミカン!」
 唐突にだが、安尾蓮冶(やすおれんじ)は考える。
 五歳児の投球力というものはだいたいどの程度なのだろう、と。
 当然、高校野球やプロの投手とは比べるべくも無い。そのための体を作っていないのだから、それほどの球威は絶対にない。
 そもそもが五歳児であり、筋肉の発達はまだ相当に未熟。ましてそれが女児ともなれば、推して知るべし。仮に実際のマウンドから投げさせたとしたら、百パーセント近くの確率で、バッターボックスまで届かない。そのはずだ。
 そのはず、なんだよなぁ……。
 蓮冶は胸中で首をかしげる。
「ミカン!」
 奇妙な掛け声と共に投げられた球は、蓮冶が構えたミットへ正確に収まった。それも、直線に近い軌道を描いて。
 それを投手へと投げ返し、もう一度ミットを構える。
 時刻はお昼を回ったところ。雪の降り積もる庭先。容赦なく吹き付ける風は冷たく、無常に体温を奪っていく。
 そのまま寒風に身をさらしていれば、ほどなく凍死するのではないかというぐらい。蓮冶は当然のように厚手のコートに身を包んでいるものの、なお耐え難い寒さだった。
「ミカン!」
 再度ミットへと綺麗に収まった球を返球しつつ、蓮冶はその相手を見つめる。
 いとこの橘美果、五歳。
 見た目はふっくらとした頬で、どんぐりのような瞳の愛らしい少女だ。一見したところでは天使に見えなくもない。髪は頭のてっぺんでお団子状にまとめていて、そのお団子を包むはミカンを模したシニヨン。ぱっと見では、頭の上にちょこんとミカン乗っけているかのよう。
 さらに耳には、ミカンの形のイヤーマフ。着ているものだって、ミカンみたいなオレンジ色のダウンジャケットに、これまたオレンジの小じゃれたブーツ。しかもかかとにはミカンのヘタつきと、全身ミカン尽くし。
 身長はようやく一メートルに届くぐらいか。五歳児としては当然といえば当然なものの、だいぶ小さい。
 そんな子が振りかぶって、踏み切り、
「ミカン!」
 投げる。
 五歳とは思えない、綺麗な投球フォーム。やたらと小気味の良い音を立てて、球はミットへと吸い込まれるように収まった。
 蓮冶の目には、それはとても五歳児の投球とは思えない。流石に百キロも出てるはずはないが、五十キロぐらいは出ていそうだった。
「どーよ、たいしたもんだろ?」
 傍らからそんな声をかけてきたのは、叔父で美果の父親の橘夏だ。
 夏は口元に薄くヒゲを生やしたチンピラみたいな顔で、にっと笑う。
「見ろよこの球速、しかも抜群の制球力! 十年に一人、いや、百年に一人の天才だぜ!」
「まあ、確かにそうかもしんないけどさ……」
「ミカン!」
 再びミットに収まったボールに、蓮冶は目を落とす。
 と言うかそれは実のところ、ボールではなくミカンなのだが。
「あのさ、なんでこれミカンでキャッチボールなの」
「まあ、あいつ流だ」
「あとさっきからあいつ、ミカンミカン言って投げてるけどなんなの」
「それも、あいつ流だ」
 真面目にこたえる気あるのか、そう言いたいところをぐっとこらえて蓮冶は返球。質問は諦めた。
「お、そうだ美果。にいちゃんにあれ見せてやれ、あれ!」
「よろこんで!」
 美果は居酒屋みたいな返事をすると、手にしたミカンに軽く口付けて、蓮冶にウインク。
「あまみとさんみですっきりさわやか! ミカンのちからであくをうつ! まほうしょうじょ――――ミカン!」
 その場でくるっと一回転、何かのポーズを決めた美果を、蓮冶は呆然と見つめる。
 急に吹雪いてきた。
 そんな気が、した。



 正月も三が日過ぎ。叔父である夏の家に家族一同で挨拶に行くのが、蓮冶の家の恒例行事になっている。
 普段なら行く行かないは気分次第なれど、新年の挨拶ともなれば話は別。お年玉回収……もとい、顔をつなぐためにこの日だけは、蓮冶は必ず行くことにしている。
 ただ、決して蓮冶としてはこの家に遊びに来るのが嫌なわけではない。小さい頃から何度も遊びに来ているから、慣れ親しんだ第二の家と言ってもいいぐらい。
 それでもなんというか、時々ついていけないこともあるというか。
「いいか、蓮冶。ミカンってのはつまり、魔法少女ミカンの基本魔法でな」
「へぇー」
 チンピラ面でそんなことを真剣に話す夏に、蓮冶は気のない返事をひとつ。軽く目を逸らして、完全な銀世界となりつつある窓の外を眺めた。
 雪が強くなってきたということで室内に戻ってきたのだが、相当に積もりな気配だった。ときおり窓が激しく揺れることから、風も強そうだ。積雪予報では夜までに三十センチと言っていたが、実際にはもっとだろう。そんなことを考えながら、蓮冶はこたつでくつろぐ。
 けれどゆっくりしたいのに、そうはさせじと夏が「おい、蓮冶ー聞けよー聞いてくれよー」と、実にかまって欲しそう。ただし、チンピラ面で。
 ついでに蓮冶の隣に座る美果も「くれよー」と楽しそうに便乗。いつもながら、息のあった親子だなと思う。
「はいはい、それでなんだっけ……基本魔法?」
 訊いてあげると、夏はにっと嬉しそうに笑う。なんて現金な大人。
「基本魔法、ミカン。ミカン一個を敵に投げつけてダメージを与える魔法だ」
「……投げた時点で魔法じゃないと思う」
「他にも、ミカンの汁で目潰しをする魔法と、ミカンの皮を食わせて、苦っ! って苦しめる魔法もある」
「だからそれは魔法じゃない、断じて」
「あとは……」
「あのさ。……夏さんが考えたの、それ」
 三度目にしてようやく聞こえたらしい。夏は「ああ、そうだ」と満足気に返答。
「夏さん、今年で何歳だっけ」
「ん? 三十だけど、それがどうかしたか?」
「なんでもない……」
 皮肉、通用せず。
「ただ、どうにも良い呪文が思い浮かばなくてな」
「へぇ……」
 深刻そうにいう夏に、蓮冶は適当に相槌を打った。話をあわせながら、何か面白い番組でもやっていないか、テレビのリモコンをいじってみる。
「んー。ありきたりだが、ミカン、ミカンラ、ミカンガ、とか?」
「夏さん。パクリだよ、それ」
「ぱくり? ぱくり! もぐもぐごっくん!」
「そのぱくりじゃないぞ、五歳児」
「じゃあ、ミカ、ミカン、ミカゾーマ」
「それもパクリだよね。あと、二番目しかミカン言ってない」
「ぱくり? ぱくり! もぐもぐごっくん!」
「五歳児、そのネタはさっきやった」
 げんなりとして、蓮冶はとりあえず突っ込んでおくことに。
 昔からこの親子はどうにも付き合いにくい。蓮冶としては正直苦手だ。なのに、二人はやたらとかまってくる。逃げても追っかけてくる。隠れても探しに来る。あれか、そっけなくされるとかえって気になるあれなのか。
「えへへ……」
 突っ込まれた美果は、なにが嬉しかったのやらにこにこしている。そのまま微笑みながら、寄りかかって体重をかけてきた。
「おい、五歳児。重い」
「えへへ……どーん!」
 笑って、余計によりかかってくる美果だ。
 なんて憎たらしい。
 こいつ、と蓮冶は思うものの、それ以上はなにも言わないことに。
 相手をしたら、した分だけ邪魔をしてくる。このぐらいの年頃の子はそんなもの、それは妹や美果との付き合いで経験済みだ。
 美果は生まれたときから知っている。ろくに言葉も喋れない、立つことも出来ない頃から知っている。そんな美果は、昔から妙にべたべたしてくる。蓮冶の記憶では確か、妹のほうがよく遊んでいるはずなのに。
 女の子の考えることはわからん、と蓮冶は一つ嘆息した。
「お、あのデパートに強盗? うーわ、マジか」
 テレビを見ていた夏が、そんな風に大げさな声をあげた。
 画面の中では、確かに近くの大型デパートに強盗が押し入ったと伝えていた。どうやら年始の売り上げを狙っての犯行だとも。
「よーし、俺達も行ってくるか、強盗!」
 唐突に、夏がそんなことを言った。
 やはり、チンピラ面で。
「夏さん、その顔でそれは洒落にならない」
「そっか……」
 意外にショックだったのか、しょんぼりする夏だった。



「しっかし、すげー雪だな」
 夏に言われて見てみれば、確かに外はひどい状態だった。
 もはや吹雪と言っても過言ではない様子で、窓からほとんど何も見えない。白一色の世界に、おぼろげに家々が見える程度。まるで世界が雪に埋もれてしまったかのような、そんな錯覚を感じる。
「母さん達、帰りはタクシーでも使うって言ってたけど、大丈夫かな」
「この天気じゃ無理だろうな……おっ、噂をすれば」
 鳴り出した携帯に夏が出た。
「おー、どうよ。ん? ああ、やっぱそうか。ん、わかった。すぐに車を出す。ああ、じゃあな」
 手短に言って、夏は携帯を切る。
「案の定だ。タクシーがつかまらないらしい。蓮冶、俺ちょっと車で迎えに行って来るから留守番よろしくな。美果はどうする? 一緒にママ迎えに行くか?」
 訊かれると、美果はしばし腕組みをしてから、ふるふる首を振って、
「れんにぃといっしょにいる」
 そう答えた。
 蓮冶としては正直なところ、手間のかかる美果は夏と一緒に行って欲しいのだが。
「そっか、それじゃあ蓮冶。美果と一緒に留守番よろしくな」
「はぁ、わかったよ。いってらっしゃい」
 ため息混じりに返事をして、手を振る。
 まあ、仕方が無い。お年玉をもらった手前、料金分の労働だと思うことに。
 夏は、それじゃ頼むぞ、と言って居間を出て行った。
 少しすると、車のエンジン音が車庫の方から鳴り響き、やがて遠ざかっていった。
 積極的に喋る夏がいなくなった途端、部屋の中は外からの雪風の音と、テレビの声だけになる。
 そんな中、美果が無言でぽすっと蓮冶の肩に頭を預けてきた。
 またかよ、と思っていると美果はそのままの体勢で話しかけてくる。
「ひさしぶりだね、こういうの」
「なにがだよ、五歳児」
「さぁ?」
「さぁ、ってお前……」
 なにがしたいんだか、蓮冶にはさっぱりわからない。
 そう、思っていると、
「よるにね。パパとママがこうしてたの」
 その一言に、察す。さらに美果は、顔をあげ、目を輝かせて続ける。
「でねでね! そのあとね! パパとママちゅーって!」
「あー、五歳児。俺お腹すいちゃったなー。何かないかなー?」
「ん? ……んー、うん! よろこんで!」
 上手く話を逸らせたようで、蓮冶はほっとひと息。
 ほんとはちょっと、続きを聞きたい気持ちもあったけれど、それを五歳児の口から聞くのはどうなんだ。そう思って、そこはぐっとこらえた。
 やがてぱたぱたと足音を立てながら、美果が戻ってきた。その手には、大量のミカンが。
「いまね、みかのおうちにミカン、たくさんあるの!」
 そう言って美果はミカンを差し出すと、ぽすんとまた隣に。
 まあ、それはもう気にしないことにして、二人でミカンをつまむ。
 と。
「ミカン!」
 唐突に、美果がミカンをひと房掲げ叫んだ。いったい何事かと思っていると、美果はそのままミカンを口に。どうやら、ミカン魔法の続きらしい。
「えいちぴーがかいふくした!」
「へぇ、回復魔法もあるのか……」
「えむぴーがかいふくした!」
「いや、MPが回復する魔法っておかしくね?」
「じょうたいへんかがなおった!」
「万能だな……」
「みかはそせいした!」
「え。死んでたの? お前」
「……ん?」
 死んでないよ、とでも言いたそうに美果は首をかしげる。察するに、蘇生の意味をわかっていない様子。まあ、五歳児ならそんなものか。
「しっかし、色々あるんだな、ミカン魔法。夏さん、どんだけ考えたんだか……」
 いくら娘のためとはいえ、少々頑張りすぎ感があった。
 多分、途中から楽しくなってきたんだろうな、と蓮冶は想像する。
「まだあるよ! あとねー、んとねー。ふぁいなるみかんとねー、みかんばことねー」
「ほんとすげーな、夏さん……」
 少々げんなりとしながら、それに付き合う。夏さんたち、早く帰ってこないかな、なんて思いつつ。
 そんな最中、風の音に混じって、サイレンの音が聞こえてきた。救急車なのか、消防車なのか、そこはちょっとわからない。
「れんにぃ、かじ?」
「ん? さぁ……誰か餅でものどに詰まらせたのかもな」
「えー?」
 美果は、くすくすと笑っていた。



 蛇口を捻って、コップに水を。蓮冶はそれを一口含んで、おもむろに胃に流し込んだ。
 蓮冶は台所から、居間の方を見やる。ガラス戸越しに、ちょこんとミカンをのせた五歳児の後ろ頭が見えた。こたつに入って、大人しくテレビをみている。
 口直しに何かないかと、蓮冶は冷蔵庫の中を物色してみる。めぼしいものといえば、おせちの残りの昆布巻きと牛乳ぐらい。あとはお惣菜が少々。母達が帰ってくるまでは、まともな食事は出来そうにない。蓮冶はひとまず昆布巻きを一つつまむ。ミカンに慣れた口には、甘辛い昆布巻きは口直しに丁度よかった。
 ちらとみれば、台所の隅にはミカンの箱。その中には、どうやらまだまだオレンジ色のあいつが詰まっているらしい。思わず蓮冶は苦笑したが、
「うっ、寒い!」
 どこからともなく吹き込んできた風に顔をしかめてみれば、窓ガラスに内側からテープが貼られていた。どうやら割れた窓を即席で補修したらしく、すぐそばにガムテープが置いてあった。融けた雪でそれがはがれてきたのか、風はその隙間から吹き込んできていた。蓮冶はとりあえずそれを補修。それでなんとか隙間風は無くなった。
 いったい何があったのか、そう蓮冶が思っていると携帯が鳴った。
 見ると、ディスプレイには『柚子子(ゆずこ)さん』の文字。美果の母親からだった。
「はい、なんですか」
「なっつ~ん、遅いよ~。今どこぉ?」
「…………え? 柚子子さん?」
「いや~ん! 柚子子さんなんてー。いつもみたいにぃ、ゆずゆずぅ、って呼んでぇ~」
 どうやら柚子子は酔っていて、間違えてかけてきた様子。蓮冶はちょっと考えて、返答する。
「……じゃあ、ゆずゆず。悪いんだけど、俺蓮冶です。れんれんです。なっつんじゃありません」
 電話口にそう告げるとしばしの沈黙があった。やがて、咳払いの音が聞こえて。
「…………今、何か聞いた?」
 脅しつけるような、声。
「いえ、俺は何も聞いてませんゆずゆず」
「殺すぞ」
 叔母からの、殺害予告だった。蓮冶は速やかに言い直す。
「すいません、柚子子さん。それでいったい何の用事ですか」
「ちっ、まあいい……。れんれん、それでどうよ、そっちは。今、うちのチビちゃんと二人だけなんだろ」
「ああ、夏さんから聞いた? なんとかやってるよ。そっちは今、どのあたり」
「ん? あー。実はさ、まだ来てないんだよね。うちの旦那」
「え? けど出てってから、もう三十分は経ってるよね」
 蓮冶の記憶では、柚子子達は近場のデパートに買い物に行っていた。そこまでは、車で一五分の距離のはず。
「いや、それがさー。この雪で渋滞になってて、全然動かないって、さっき電話があってね。まだ帰れそうに無いんだわ。で、悪いんだけど、うちのチビちゃんの世話、よろしく頼むわ」
「ん、わかった」
「あ、それでさー、昨日言ったんだけど、一応あの子にもう一回注意しといて欲しいことがあるんだわ」
 注意しておくこと? いったいなんなんだ、と蓮冶が軽く首をかしげていると、
「ファイナルミカンは絶対に使うな、って」
 そう、聞こえた。
「え? ファイナル――――」
 すぐさま聞きなおをうとしたものの、またどこかから、サイレンが聞こえてきた。一瞬、そっちに気がとられて、蓮冶は何を聞こうとしていたのか失念する。
「あ。えっと、ごめん。なんて?」
「ファイナルミカンね、ファイナルミカン。そう言えばわかるから」
「ファイナル、ミカン……」
 意味不明すぎる名前に、ふっと台所の隅のミカン箱に視線を向けた。おそらくは、ミカン魔法の一種だろう。けれど、絶対に使うなとはどういう意味なのか。そんなに危険な代物なのか。蓮冶は言いようの無い不安に駆られる。
「あの、ちなみにその……ファイナルミカン? それって、なに。どんな魔法なわけ」
「ああ、ようするにさ……。あ、わりぃ! もう電池少ないから切るわ! またあとで!」
 切れた。
 それも、とても気になるところで。
「なんなんだ、ファイナルミカン…………最後の、ミカン?」
 なんだか、やたらと物騒な響きだった。



「おい、五歳児。今、柚子子さんから電話があって……あれ?」
 居間に戻ると、美果の姿が見当たらなかった。
 一瞬トイレにでも行ったのかとも思ったが、そんな風でもない。
 けれど、五歳児を相手にしていると、こういうことはちょくちょくある。思いつきで突発的に、何かの遊びをはじめるということは。
 今回の場合は、ちょっと目を離した隙を突いて、かくれんぼを始めてみたものと蓮冶は想像する。こういうことがあるから、幼児との付き合いは何かと気が気でない。
 蓮冶はひとまず、部屋の中で一番怪しいこたつの中をのぞいてみた。しかし、中に美果の姿はない。
 居間の中で隠れられそうなところはそこぐらいで、他にそういうところはない。
 まさか、家の中すべてがフィールドじゃないよな……。
 一瞬、そんなことを考えて、蓮冶はげんなりする。
 他の季節ならまだしも、冬場にわざわざ寒い思いをしてまでかくれんぼをするなんて気が知れない。子供は風の子というように、体温の高い五歳児ならともかくもはや十六の蓮冶にとって、それはもはや理解不能の領域。
 うっすらと曇るガラス戸越しに寒い廊下を眺めて、蓮冶は思う。
 この部屋から出たくないな、と。
 そんなことを考えていると、唐突にチャイムが鳴った。どうやら誰か来たらしい。
「あー、もう! こんなときに! はーい! 今行きます!」
 蓮冶は仕方なく冷え切った廊下を抜けて、玄関に向かう。台所も寒かったが、廊下はもっと冷え切っていた。肌を突き刺すような寒さが身にしみる。
 もう一度、チャイムが鳴った。蓮冶は靴を履いて、ドアを開ける。
 が、外には誰もいなかった。
 雪風が吹き荒れているだけで、人がいる様子はない。外に出てみるも見当たらない。一応、玄関の前に雪で靴跡が出来ていることから、誰かがいたのは間違いないのだが。
「いたずら、かな?」
 とりあえずそう考えて、蓮冶は家の中に戻った。
 外気に触れていたのは一分にも満たない時間、それでも凍えるぐらいに体が冷えた。前髪についた雪を払いながら、居間まで戻る。
 居間には、やはり美果の姿はない。
「おいおい、まさか今の五歳児じゃないだろうな……」
 つぶやきながら、蓮冶はこたつに入る。
 幼児との付き合いは、何が起きるかわからない。だからもしかしてこれは、かくれんぼではなく、鬼ごっこみたいなものなんじゃないか。蓮冶はそう考える。
 その考えを裏付けるように、今度は台所で物音がした。今度はこっちだ、とでもいいたそうに。
 無視しても良かったものの、面倒を見るように頼まれた身としては、そんなわけにもいかない。何かおかしなことをして、怪我なんてさせた日には何を言われるかわからない。少しでも早く見つけて、居間に戻ろう。
 そう思って、台所に向かったが、
「…………えっ」
 予想とは違う事態が待っていた。
 まず目に飛び込んできたのは、開け放たれた窓だった。
 外から、雪の混じった寒風が吹き込んできている。さっきは間違いなく、しまっていたはずなのに。
 よく見れば窓のすぐそば、床に奇妙なものがあった。
 靴跡だ。
 まるで雪を踏んだ靴で、そのまま家の中に入ったかのような、そんな形に雪が落ちていた。もしかするとそれは、玄関先で見た靴あとに似ていたかもしれない。背筋に、緊張が走る。ごくりと蓮冶は唾液を嚥下して、窓の方を向いたまま、台所の中に神経を張り巡らせる。
 いた。
 誰か人の息遣いが、吹き込む風の音に混じって、聞こえた。
 それも、自分の背後。
 振り返ることなんて出来ない。体中を駆け巡る恐怖が、振り返ることを許してくれない。だからその誰かが足音を忍ばせて動き出しても、なお振り返れなかった。次の瞬間に訪れたのは、頭への衝撃。
 蓮冶の目の前は、真っ暗になっていった。



 痛みに、目が覚めた。
 まず見えたのは、居間のフローリング。頭痛のせいでぼんやりと板張りの床をしばし眺めていると、視界の端に見慣れないものをみつけた。
 こたつで暖をとる、誰か。
 体つきから言って、大人の男。誰かはわからない。というか、顔がわからない。というのも、その男は室内だというのに、目出し帽をかぶっていた。
 蓮冶は戦慄する。
 ……誰だ?
 そんな疑問が浮かべ、体を起こそうとしたものの、それが出来ない。それも、身じろぎすることすら。
 そのときになって、蓮冶は自分がガムテープで拘束されていることを知る。それも体ばかりか、口までもが塞がれていた。
 驚いて思わず呻くも、漏れたのはくぐもった音だけだった。
 それが聞こえたらしい、見知らぬ男が鋭い挙動で振り返る。男は立ち上がり、ゆっくりと近づいてきた。雪が融けたのか、服にはたくさんの水滴がついている。歩くたびにそれが、ぽたぽたと落ちた。
 男は目の前まで来ると、しゃがんで顔を覗き込んできた。
「……おい、大人はいないのか」
 聞き覚えの無い、低い声だった。
 その声には有無を言わせない迫力があった。逆らえばどうなるかわからない、直感的に蓮冶はそう感じた。
 ……強盗、か?
 大雑把な外見から、蓮冶はそう予想してみたが。
 唐突に、衝撃。頬に鈍痛が走る。殴られたと蓮冶が気づいたのは、ややあと。
「人が訊いてんだろ、ちゃんと答えろや。な?」
 目出し帽の穴から怒気をはらんだ目で見据えられて、背筋を怖気が走る。
 見たことの無い、目だった。
 夏のような意思の強そうな目でも、美果のような屈託の無い瞳でもない。人を人として見ていないような、にごった目だ。目をあわせているだけで、まるで底無し沼に引きずり込まれていくような、そんな目だった。
「もう一回訊くぞ。大人はいないのか」
 再度の質問、蓮冶は間を空けず首肯。
「出かけてるのか」
 もう一度、首を縦に振る。
「いつ帰ってくるんだ」
 この質問にはどう答えれば良いんだ? と迷っていると、口に貼られたガムテープを乱暴にはがされた。勢いよくはがされたせいで、唇がかすかにひりついた。それから男は、言えとばかりにあごをしゃくりあげた。
「わ、わからない。雪で渋滞になってて……多分、まだ二時間はかかると思う」
 言ってから、もっと早く帰ると嘘をつくべきだったことに気づいた。けれど、それは、すでに後の祭りだった。
 直後、不意に男が手を伸ばしてきた。
 蓮冶はさっき殴られたことを思い出して、反射的に目を閉じる。しかし実際に訪れたのは鈍痛ではなく、再び口を塞ぐテープの感触と匂いだった。
 目を開けると、男はこたつ戻るところだった。
 男はこたつに入ると、テレビのリモコンを手にとる。テレビではどこも新年の特番をやっているところだったが、一部でニュースを流しているところもあった。男はそれを気にしているのか、次々とチャンネルを変えていく。
「――――デパートから売上金を奪って逃げた二人組の続報です。一人は先ほど発見され、取り押さえられました」
「――――一人は逃走しましたが、この雪のため追跡が難しく、依然として見つかっていません」
「――――なお、刃物で刺された警備員二人ですが、一人は軽傷、もう一人は先ほど病院で死亡が確認され」
 そこまで聞いてたところで、テレビは切られた。
 男がちっと舌打ちをして、こたつの天板に叩きつけるようにリモコンをおく。
 さらに男が、懐から何かを取り出すのが見えた。
 それはナイフだった。
 蛍光灯の光を反射して、鈍く光っているのが遠めにもわかった。それからその刃が、赤い液体でしっとりと濡れていることも。
 それを目の当たりにして、蓮冶は息を呑む。急激に心臓が鼓動を早め、部屋の温度が五度は下がったかのように、身震いが止まらない。
 今すぐここから逃げ出したい。なのに、拘束がそれを許さない。出来るのはせいぜい、ほんのちょっとの身じろぎ程度。もし男が今、何かのきまぐれで蓮冶を殺そうと思ったなら、それはいつでもかなう状態だ。そしてきっと、この男ならためらうことなくそうするだろう。そんな確信めいたものを、蓮冶は感じていた。
 と。
 そうだ……五歳児、あいつは今どこだ?!
 美果のことを思い出した。
 柚子子からの電話以来彼女の姿を見ていない。まだどこに隠れているのか。それとも自分同様に男に捕まって、同じように拘束されているのか。とりあえず、見える範囲に美果の姿は無い。もしかすると死角にいるのかもしれないが、それを確認することも出来ない。うめき声の一つでも聞こえれば安心出来るものの、それもしない。
 捕まっていないならまだいい。捕まったものの、意識を失っているのならまだ希望はある。けれどもし、最悪の事態が起きていたとしたら。
 かぶりを振り、蓮冶はその考えを否定する。
 ……くそっ、無事でいろよ五歳児!
 祈るように瞑目すると、床がきしむ音が聞こえた。
 はっとして目を開けると、男が立ち上がったところだった。何をする気かと、その一挙手一投足を注視していると、男はそのまま廊下へと出て行った。
 その一部始終を見終えてから、蓮冶はほっと安堵の息をつくと。
 視界の中、何か動くものがあった。
 見ればこたつ布団の端、そこがわずかに盛り上がっていた。注視していると、そこから美果が這い出てきた。どうやらずっと、こたつ布団の端に隠れていたらしい。
 それを見て蓮冶がほっと安堵したのもつかの間、美果はなにやら忍び足でどこかに行こうとする。どうやらこちらには、まだ気づいていない様子。慌ててガムテープ越しに呻くと、ようやく気づいてくれた。
「あれ? れんにぃ?」
 美果はさも不思議そうに、小首をかしげる。それから、男が出て行った方向に目をやって、もう一度蓮冶を見た。
「ぱぱ、かえってきた?」
 どうやら美果は、まだかくれんぼの続きをしているつもりらしかった。
 違う、そうじゃない。それより早くここから逃げろ。テープ越しにそう伝えようとするも、くぐもった声しか出せない。すると美果は、はっと何かを思いついたように部屋の隅へ。棚に入っているペン立てに手を伸ばすと、その中からハサミを取り出し戻って来た。それで美果は、蓮冶の体に巻きついているガムテープを切り始める。しかし、美果にそのハサミは大きすぎて、手つきはかなりはぎこちない。蓮冶の目から見て、ひと断ちひと断ちがひどくもどかしい。
 その最中、水音が聞こえた。
 それと遅れて、ドアが閉まる音。それで男が、トイレに行っていたのだと知る。
 足音が、近づいてくる。
 再度、蓮冶は美果に逃げるよう訴えかけた。けれどやはり、何を言っているのかが伝わらないようで、美果は訝しげに見ている。それでもと声をあげ続けていると、ようやく察したように、美果は口を塞いでいるテープに手を伸ばした。
 それがはがれたのと、男が部屋に入ってきたのはほぼ同時、だった。
 美果を目にした男は舌打ちをし、美果は「れんにぃ、これぱぱ?」と尋ねてきた。
 場に、緊張が走る。
「待ってくれ!」
 男の手が動く気配を見せた刹那に、蓮冶は叫んだ。美果は驚いたような表情で、男はかすかに手を持ち上げたところで停止する。
「頼む! 俺がなだめるから手荒なまねはしないでくれ!」
 そう続けると、男は数秒逡巡してからかすかにあごを持ち上げてみせた。
 それはただの気まぐれだったのか、あるいは自分で捕まえるのは面倒だと感じたのかはわからない。そのどちらだったにせよ、蓮冶は深く息をつく。
 ……大人しくしてくれよ、五歳児。
 胸中で祈りつつ、美果の顔を見上げた。
「あのな、五歳児。お願いだから大人しくしててくれ。このおじさんが帰るまでの我慢だ。な?」
「なんでれんにぃ、ぐるぐるまきなの?」
「ん? いや、これはその…………なんていうかだな……」
 不審な眼をしている美果の背後、男はじっとその様子を見ていた。駄目だと判断したら、すぐにでも行動するためなのか。失敗は出来ない。蓮冶は必死に上手い言い訳を考える。
「これそう……ごっこ遊びだ! あ。ほら、このかっこうミイラ男みたいだろ? な?」
「じゃあ、あのおじさんは? あのマスクなに」
「レスラーだよ! プロレスラーな。だから覆面してるんだ。……わかるだろ?」
「えー?」
 納得出来ない、と言いたそうに美果が首を傾げる。
 わかってくれ、頼む!
 そう、蓮冶は胸中で祈るが、
「やっぱり駄目だ。そいつも縛っておく」
 このままでは埒が明かないと見たのか、無情にも男はそう決断を下した。
 蓮冶は男の判断に口を挟もうと思ったものの、これといった反論が思いつかない。むしろ、それが最善策だと思ってしまう。下手に暴れて男の機嫌を損ねるよりは、そのほうがよほど良い。そう、良いはずだと蓮冶は自分にそう言い聞かせる。
「……わかった。けど、こいつ絶対に乱暴なことはしないで欲しい」
 蓮冶はそう懇願するも、男は何も言わない。ただ、冷たい目を目出し帽の穴からのぞかせているだけで、ゆっくりとテーブルの上からガムテープを手にするのが見えた。
 意識を遠くに奪い去るような音を立てて、テープが引き伸ばされる。男がそのまま、美果へと近づいていく。
「五歳児」
「なに、れんにぃ」
「俺と一緒に、ミイラごっこしような。今、そこのおじさんがぐるぐる巻きにしてくれるから、じっとしてろよ。あ、暴れるんじゃないぞ?」
 蓮冶としては精一杯の笑みを美果に向ける。頬がひくつくのを感じたが、それどころじゃない。ここで大人しくしていないと、どうなるかわからな――――。
「やだ! みかもっとかわいいのがいい!」
 美果が、テープから逃げた。瞬間、背筋に戦慄が走る。
「ご、五歳児、頼む! じっとしててくれ! すぐ済むから! あとで遊んでやるから!」
 忌々しげに男が舌打ちをし、部屋の隅に追い込むように美果へと迫る。まず捕まえてからだと判断したのか、テープはすでにその手には無い。
 そこまでくると、流石の美果も異変を感じたらしい。幼い表情を歪め、男を睨みつけていた。
「なんかへん! れんにぃ、このひとだれ?!」
「頼む! 五歳児! 美果! お願いだ! お願いだからそのまま動かないでくれ!」
「……れんにぃ?」
 動きを止めた美果を、男は見逃さない。即座にその手を掴んで、床に引きずり倒した。そのまま、テープのところまでひきずっていく。
「やだっ! はなして! はなして! れんにぃ! れんにぃ! たすけて! たすけて、れんにぃ!」
 もう、見ていられなかった。
 蓮冶は床にうつむいて、その光景から目を逸らす。出来るなら耳も塞ぎたかったが、それは叶わない。助けを求める悲痛な叫びが、蓮冶の鼓膜と胸を引っかく。それとは対照的に、美果の声は絶叫に近いものへと変わっていく。
「れんにぃ! れんにぃ! れんに――――」
 唐突に、声が途切れた。
 直前に聞こえたのは、何かの破裂音のような、音。
 まさかと思い、蓮冶は顔をあげる。そこで目にしたのは、片頬を赤く染めた美果の姿で。
「う、うわぁああああああああんっ!」
 堰を切ったように、美果が泣き出した。
「美果……」
 一緒になって泣き出したいぐらいに、頭の中が滅茶苦茶になっていた。怒りと、悲しみと、自分への失望が混ざり合って、何色とも言い難い感情が胸中に渦巻く。
 美果は、泣きながらも抵抗を続けていた。男の手を振り払おうと、小さな体で精一杯暴れていた。男の方はそんな美果を片手では押さえきれず、もう一方の手も伸ばそうとする。
 そんな中でのこと、だった。
 身長の低い美果を捕らえるために、幾分かがむ形になっていた男の顔に、美果の手が伸びたのは。
 あ、と蓮冶が声をあげたときには、それはもう終わっていた。
 美果の手に目出し帽が、そして男の素顔が、露に、なっていた。
 普通の顔だった。
 街中ですれ違っていそうな、コンビニで雑誌を立ち読みしていそうな、友人の父親にいそうな、そんな顔だ。
 短髪で、かすかにこけた頬、不機嫌そうに引き締められた唇。全体を見た印象では、夏のほうがまだ柄が悪く見える。
 ただ、一点普通とは違うところをあげるとするならやはり目。その奥が、見通せないぐらい、暗く濁っている。
 その、何かを見ているかのようで、何も見ていないような瞳に蓮冶は背筋が寒くなるのを感じた。
 男は美果の手に帽子があることに気づくと、緩慢な動作で自らの額に手をやった。その指が、肌に触れた瞬間、動きが止まる。頬が引きつっていた。

 ――――顔を、見られた。

 室内の空気に、そんな男の怒りが混じるのを感じた。
 そんな、気がして、
「美果! 逃げろ――――――――っ!」
 蓮冶は叫んでいた。
 一瞬だけ美果は驚いたものの、脱兎のごとく逃げ出す。勢いそのままにドアを開け廊下へ。
 もうさっきまでとは事情が変わった。顔を見られた以上、男は決して容赦しないはずだ。
 そんな蓮冶の予想は、
「この、くそがぁあああああ!」
 腹いせのように蹴られたことで、肯定された。
「――――っ?!」
 激痛が、胸の真ん中から脳天を貫く。
 衝撃と、鈍い痛みと、何かが砕けたような音とが一瞬のうちに襲ってきた。その次の瞬間には、蓮冶の体は壁に叩きつけられていた。
「っぶぁ! …………ぐげぇっ! げほっ! ぐぉっ! うぇええっ…………」
 蓮冶は滝のように嘔吐する。オレンジ色をした液体が床一面に広がった。鼻からも逆流した胃液が流れ出て、むせ返るような臭気と呼吸困難に見舞われる。咳き込んでいると、さらにオレンジ色の水溜りに、赤いものが数滴滴り落ち、じわじわと液面を蝕んでいく。
 いつの間にか、男はいなくなっていた。
「れんにぃ! れんにぃ――――っ!」
 美果の声がどこかから聞こえてくるも、蓮冶にはもうそれがどこから聞こえてくるのかわからない。昼下がりのまどろみにも似ただるさが全身を支配していて、指一本動かす気力も沸いてこなかった。
 もうこのまま寝てしまいたい。そんな欲求にかられる。
 それでも、
「れんにぃ! たすけて! れんにぃ!」
 自分の名を呼び、助けを求める美果を見捨てることなんて出来ない。捕まれば、もう本当にどうなるかわからなかった。
 いや、本当はわかっている。わかっているからこそ、そのままでいることなんて出来やしない。
 ……あ、あいつだけは、絶対に逃がさないと!
 痛みに堪えつつ、蓮冶は自分の体に目を落とす。美果が切れ目を入れてくれたおかげで、なんとか手が動かせそうだった。
 美果が落としていったのか、床の上に落ちているハサミに蓮冶は手を伸ばす。苦心しつつも、なんとかそれで拘束は解けた。
 胸がひどく痛んだものの、膝をつき息を荒らげてなんとか立ち上がる。
「美、果……どこだ、美果!」
 まだおぼつかない足取りで、蓮冶は一歩一歩踏み出す。さっきまでは家中に足音が響いていたが、今はそれが聞こえてこない。代わりに聞こえてくるのは、激しい風の音だけ。
 最後に足音が聞こえていたのは確か、廊下の奥だったか。
 蓮冶がそう考えていると。
「ちっ、くそがきがっ!」
 壁か何かを蹴りつけた様な、大きな打撃音が聞こえてきた。そっちに向かってみると、男がトイレのドアの前で立ち往生をしていた。どうやら美果は、その中に立てこもっているらしい。
 蓮冶は、覚悟を決める。
 激痛に耐えつつ、すぅと深く息を吸って、体勢を低めに。
 なけなしの体力を込め、走り出す。
「うわぁあああ――――――――――――っ!」
 雄叫びで自分を鼓舞。一直線に、男へ突撃。不意をつかれて、男は真正面から蓮冶の体当たりを受ける。
 瞬間、男は廊下の突き当りまで吹っ飛ばされ、壁に激突。しかし蓮冶も勢いをつけすぎたのと、止まるだけの体力が残っていなかったせいで、男ともども床に這いつくばることに。猛烈な胸の痛みを堪えて男を見やると、うずくまって激しく咳き込んでいた。
「れんにぃ…………?」
 ドアが開いて、美果が顔をのぞかせる。
 なんで出てきた、と言う余裕も無く蓮冶は美果に命じる。
「と……なりの家に逃げろ」
「……え? え?」
 よく聞こえなかったのか、美果は迷ったような表情を見せた。
「早く……行けっ、隣の……家だっ」
 蓮冶は喉から振り絞るように、声を引っ張り出す。それでようやく、蚊の鳴いたような音が漏れたが。
「ぃやだ! れんにぃもいっしょに…………れんにぃもいくの! いっしょじゃないとやなの!」
 五歳であっても、今なにが起きているのか理解しているようだった。それで自分が逃げれば、残されたものがどうなるのかも。
 美果はその眉を八の字にして、どんぐりのような瞳に涙を一杯にためて、訴えかけてくる。
 それでも。
「俺は……あとから、行く。だから……お前が先に行け」
「やだ、やだよ! やだもん! れんにぃもいっしょに――――」
 気づけば、蓮冶はその頬を引っ叩いていた。
 美果はいったい何が起きたのかわからず、目を丸くする。
「行く……んだっ! 早くしろ!」
 もう声を出すのも辛いのに、蓮冶は最後の最後の最後を振り絞って叫ぶ。
 今すぐにでも男が持ち直して、反撃してこないとも限らない。少しでも早く、美果がこの場を離れるように。それでもまだ逃げようとしない美果に、
「…………こいつっ!」
 蓮冶は再度手を振り上げる。
 今度は、振りだけだだった。ただ、脅かすためだけの。それでもついさっき叩かれた美果にしてみれば、それは十分に怖かったのだろう。ひっ、と小さく悲鳴をあげ、背を向けた。そしてそのまま、走り去っていった。
 やっと、行った……。
 足音が聞こえなくなってから、蓮冶は冷たい床に体を預けた。
 無理をしたせいなのか、体が全く言うことを聞かない。やけに激しく痛む胸に手をやってみると、何箇所かひどく腫れているところがあった。
 ああ……折れてるのかもな……これ。
 漠然とそんなことを考えながら、蓮冶はそのまま床に這いつくばっていることしか出来ない。咳をすれば、口の中には血の味が広がり、胸からの激痛に吐き気がした。
 そのまま荒く呼吸をしていると、ふっと視界が暗くなった。
 いつの間にか男が、目の前に立っていた。体当たりが存外に効いているのか、その動きは鈍い。それでも、身動きの取れない蓮冶にしてみれば、十分に脅威だった。
「てめぇ……何邪魔してくれてんだ? おいコラ? な? な? 殺すぞ、マジで」
 男の足が、顔を踏みつけにしてくる。何度も、何度でも。
 今の蓮冶にはそれを避けることも、受け止めることも出来ない。指一本だって、動かせやしない。俎上の鯉のごとく、されるがままだ。
 い…………てぇ…………。
 踏みつけにされるたび意識が少しずつ削り取られて、どこか遠くに飛ばされそうになる。
 ふと、踏み付けが止んだ。
 いったい何があったのかと、蓮冶は腫れたまぶたの奥から男を見上げる。するとそこには、鈍く光る刃物を手にした男の姿があった。
「俺の顔を見たからには、生かしちゃおけねぇからな……」
 ぼんやりとした頭で、蓮冶はその声を聞く。どこか現実味の無い言葉だったものの、それでも理解は出来た。
 俺、今から殺されるのか…………。
 全てが、まるで夢の中の出来事のように感じられた。
 頭上で光る、赤く濡れた凶器。蓮冶は何気なく、その凶器を呆然と見つめる。今から自分の命を奪うであろう、その刃を凝視する。
 ………………死にたく、ない。
 そう、思った。
 死を前にして、もう動かないと思っていた体が、かすかだが動いた。床に張り付いているだけだった手が、一センチ浮く。
 だが、それだけだった。
 それ以上は、どうにもならない。限界だと叫ぶ体の声と、無理だと喚く心の声が、もうどうしようもないことを物語っていた。
 ナイフを持つ男の手に力がこもり、勢いをつけるようにさらに振り上げられる。
 その刹那、だった。

「――――ミカン!」

 ナイフが、オレンジ色をしたものに弾き飛ばされ、そのまま床を転がり、壁にぶつかった。同時に、飛んできたものが壁に跳ね返って、蓮冶の目の前に落ちてくる。
 それは、ミカン。
 なんでそんなものが飛んできたのか。
 蓮冶がそう思っていると、少し離れた場所に、隣の家へ逃げたはずの美果が立っていた。
 それも、ミカン色のダウンジャケットに、ミカンブーツを履いた格好で。右手にミカンを、左手に小さなミカン箱を手にして、立っていた。その足元には、ミカンの山が出来ている。
 美果はまだ濡れる瞳を拭い、口を開く。
「あまみとさんみですっきりさわやか! ミカンのちからであくをうつ! まほうしょうじょ――――――――ミカン!」
 スカートの端をひらひらさせ、美果はその場で一回転。ポーズを決めた。
「このガキ…………っ!」
 男は即座に美果に向かって駆け出したものの、美果は落ち着いていた。
「ミカン!」
 振りかぶることなく、アンダースローでミカンを投げた。それは絶妙なコントロールでもって、疾駆する男の足の下へ。
「なっ…………うおぉおおおっ!?」
 勢いよくミカンを踏んだ男は、フローリングを滑り激しく転倒、したたかに頭を打つ。
「ミカン! ミカン! ミカン――――ッ!」
 好機とばかりに、美果は全力投球。ミカンの山から補充しつつ、男にミカンの連弾を浴びせる。
 しかしそこは、あくまでミカン。いかに天才的投球センスのある美果が投げているとはいえ、ダメージは微々たるもの。
 ほどなく男は起き上がり、再度進攻を開始する。今度は転ばされないように警戒してか、ゆっくりとだが確実に歩を進める。ミカンの雨をかいくぐって、やがて男は美果へと肉薄。
「このガキ、ふざけたまねしやがって!」
「に、げろ、美果!」
 蓮冶は叫んだが、美果は退かない。美果は怯まない。美果は目を逸らさない。
 どころか、きっと男を睨みつけ対峙。真正面から打って出る。
「ミカン!」
 正確に投擲されたミカンが、男の眉間を捕らえる。威力はあまりないとは言え、これには男も顔を背けざる得なかった。その隙を突いて美果は背後に回り込み、素早く男の膝裏を蹴る。
「くっ?!」
 男は体勢を崩し、床に片膝をついた。
「ちょ、調子に乗るんじゃねぇよ!」
 怒声と共に、男は無造作に手を振ったが、
「ミカンバコ!」
 美果は手にしていたダンボール箱を盾に。派手な音を立てて飛んでいったのは、箱だけだった。ならばと男は手を伸ばすも、美果は小さな体で動き回り、それを次々かわす。
「…………すげぇ」
 我知らず、蓮冶の口から感嘆の声がもれた。けれどその流麗な動きにも、限界がある。
 よけようとした先が、壁。それでついに、男の手が美果を捕らえる。
「ったく、ちょこまかと逃げ回りやがって。けど、もう逃げらんねぇぞ」
 下卑た笑いを浮かべる男だったが、美果は焦っていなかった。手の中のミカンを、そのまま男の顔面へ、
「ミカン!」
 叩きつけた。
「なっ?! こいつ……くっ!」
 潰れたミカンの汁を浴びて、男が目を押さえた。その隙をついて、美果はさらに手にしたミカンの残骸を、男の口中へ押し込む。
「ミカン!」
「なっ、うごっ…………お、おが、ぅげっ!」
 男が困惑しているうちに、美果はその手から逃れる。目を潰されて、男は闇雲に腕を振るうも、美果はそれをしゃがんでやり過ごし。さらに内側へと入り込んで、蹴った。
 男の、股間を。思い切りに。
「ぉっ!? ぉぉぉぉぉぉ…………」
 流石にこれはダメージが大きかったのか、男はフローリングに突っ伏し悶絶。それを横目に見てから、美果が駆け寄ってきた。
「ミカン!」
「はっ? むぐっ……」
 何故か、無理やりに口の中にミカンをひと房押し込まれた。窒息しそうになりながら、蓮冶は何とかそれを飲み下す。
「こ、殺す気かよ……」
 床から顔をあげて蓮冶は抗議するが、
「れんにぃ…………げんきになった?」
 涙ながらにそう聞かれると、もう何も言えなくなった。ため息と共に、その目元をぬぐってやる。
「なんで逃げてないんだよ、お前」
「だって……」
 美果はいまだ動けない男を指差して、
「あのひと、れんにぃいじめてたもん! れんにぃしんじゃうかとおもったんだもん!」
 叫んだ。蓮冶の眼を、涙目でまっすぐ射抜くように見つめて、美果は叫ぶ。
「だ、だからって……」
 戻って来る馬鹿がいるかよと言いかけて、蓮冶は言葉に詰まる。
 いつのまにか、涙があふれていた。
 頬を、どうしようもなく言い訳出来ない熱いものが、流れ落ちていく。
 胸の奥からも、じわり熱いものが湧き上がる。嬉しかった。助けるためにもどって来てくれたことが、堪らなく嬉しかった。
 声が、震えた。
「馬鹿、だな…………お前」
「れんにぃ?」
「ああ、もらい泣きだよ、くそっ!」
 震える手で涙を拭う。口に出してしまうと、もう止まらなくなった。ぼろぼろと指の間から零れ落ちていくしずくが、床へとたまっていく。
 そうしていると、ふっと何か温かなものが触れてきた。美果だった。
 美果が、何も言わずに抱きついていた。そうしていると少しほっとして、もっと涙が溢れ出てきた。
「ありがとうな、美果」
「どういたしまして……」
 そんな涙声が耳元で聞こえて、蓮冶は思わず笑ってしまった。
「てめぇら…………」
 底冷えのする低い声に、蓮冶は現実に引き戻される。
 見れば、青ざめた男が立ち上がろうとしているところだった。
「てめぇら、もうゆるさねぇ! 殺す! 絶対に殺してやる!」
 危機は、まだ脱していない。
 少しは持ち直した体だが、かろうじて動いてくれている程度。それでも蓮冶は、足を踏ん張って立ち上がり、男を睨みつける。
「美果、助けてもらってありがたいけどな。お前に何かあると、俺が夏さんと柚子子さんに殺される。けどお前。逃げろ、っつってもいうこと聞かないんだよな」
 聞く耳持たないということか、美果は何も言わない。涙を浮かべつつも逃げない、そんな意思のこもった強い瞳。
「何か手はあるのかよ、美果」
 訊くと、美果は無言で首肯。おもむろに、カッパのポケットに手を入れると、またミカンを取り出す。それも左右それぞれから、一個ずつ。それをどうするのか、と思っていると。
「れんにぃ、これ」
 美果に渡されたそれを、受け取る。
 その瞬間、蓮冶は気づく。
「ああ…………そりゃ、禁止もされるわな」
 手の中のミカンを握り締め、誰に言うでもなくつぶやいた。
 蓮冶は構える。同時に、美果も投球フォームに入った。
 聞かなくても、呪文はわかった。
 蓮冶は、美果に合わせて唱える。
『ファイ――――』
 大きく振りかぶって、
『ナル――――』
 狙いを定め、
『ミカン!』
 投げた。
 オレンジ色をした弾丸が、一直線に男へと飛んでいく。今までと何も変わらないように見えるその攻撃に、男は微塵もよけるそぶりを見せない。おそらくは、今までミカンを受け続けてきたから、直撃したところでたいしたことは無い、そう思っているのだろう。あるいは、頭に血が上っていてそんなことはどうでもよくなっているのか。
 けれど、それは致命的なミスだった。
 なぜなら、今度のミカンはただのミカンではない。それは硬く、芯まで凍りついた冷凍ミカン、なのだから。
「……ぅひぐっ?!」
 ふたつの冷凍ミカンはほぼ同時、正確に男の顔面を捉え、鈍い音とともに命中した。
 完全に油断していたらしい男は、奇妙なうめき声をあげ、白目をむく。男は後方へとのけぞり、床に沈んだ。
 蓮冶はしばらく見ていたものの、起き上がってくる気配は、ない。
「やった、な……」
 そう声をかけると、美果はぺたんと腰が抜けたみたいにその場に座り込んでしまった。呆けたみたいに、無表情に、ただじっと男を見ている。それも、手にしたミカンは手放さずに。美果はぎゅっと、唇をかみ締めていた。
「……美果、もう良い」
 終わったんだ。
 そう言いかけた瞬間、だった。
「っ? ごほっ!」
 咳と共に、蓮冶の口から何かがあふれ出た。それが床に滴り落ちて、真っ赤に染める。
「……やべ、無理しちまっ……がぁっ!」
 床に膝をついて、のどの奥から次々とあふれ出るそれを吐き出す。そうしないと、溺れてしまいそうで。
「れんにぃ? れんにぃ!」
 すぐそばにいるはずの、美果の声がどんどん遠くなっていく。胸が痛くて、息が出来ない。口をあけているのに、まるで酸素が吸えない。ただでさえ薄暗い視界が、どんどん暗くなっていく。時間の感覚すらおぼつかなくって、衝撃と共に床とおぼしきものに倒れこんだのを感じた。
「…………ぃ! れ……ぃ!」
 もうどこから聞こえてくるのかもわからない、何を言っているのかもわからない美果の声を聞きながら、蓮冶の意識は黒く塗りつぶされていく。
 けれど。
 本当に完全に、黒く染まりきる瞬間に。
 何か、柔らかなものが唇に触れた。
 そんな気が、した。



 巨大なミカンが落ちてきて押しつぶされる、そんな夢を見た。
 息苦しさに目を開けてみれば、胸の上で美果が寝ていた。なるほど、巨大なミカンとはこれのことだったか、と蓮冶は思わず納得。とりあえず、美果ごとなんとか起き上がろうとしたが。
「……蓮冶?」「お兄ちゃ……」「れんれん!」「目を覚ました!」
 いきなり目に飛び込んできたのは、母と妹と夏と柚子子。なぜか、みんながいた。それも一様に、嬉しそうな、あるいは今にも泣き出しそうな面持ちで顔を覗き込んでくる。
「なんだよ。どうしたんだ、みんなして……」
 言いかけて、蓮冶は気づく。
 自分がベッドに寝ていること。そして、今いるのはまるで病院のように真っ白な部屋だということ。自分が着ているものが、病人が着ているかのような服だということ。
「えっと……もしかしてここ病院?」
 訊くと、夏が目頭を押さえながらうなずいた。
 何かあったのか。そう尋ねようとするより早く、妹が声を張り上げた。
「兄貴! 私、心配したんだからね! 帰ってきたら、知らない人が倒れてて……兄貴倒れてて、口から一杯血が出てて!」
「っ馬鹿野郎、無茶しやがってこいつ!」
 と、夏は今にも泣き出しそうな顔で小突いてくる。
「蓮冶……」
 母はすでに滂沱と涙を流していて、
「あははっ、良かったなれんれん。本当に…………良かった……あははっ」
 柚子子は赤い目で笑っていた。
 口々に声をかけてくるみんなを見ていて、蓮冶は思い出す。自分に何が起きたのか。その全部を。長かった、あの時間を。
「そっか、俺…………」
 生きてたのか。
 蓮冶の口から、ほっと安堵のため息が漏れた。
「ははっ、そっか。俺……」
 生きてたんだ。
 胸のずっとずっと底から、水が湧き出てきたみたいに涙が零れ落ちた。恐怖を洗い流すみたいに、喜びをかみ締めるように、拭っても拭ってもあふれ出てくる。もう、とまらない。
「う。な、なに泣いてんのっ、ちょっとやめてよ、そんな…………兄貴らしくな…………いっていうか、わたひまでないひゃうじゃん…………っ」
 つられて、妹まで泣き出した。
 何も言わずに、母がぎゅっと手を握ってくる。母は涙を拭うことすらせず、ぽたぽたと蓮冶の顔に落ちてくる。
 その背後では夏が柚子子と抱き合って、嗚咽をあげていた。
 その声を聞きながら、蓮冶はようやく全部終わったんだと、そう思えた。
 気持ちが落ち着いてから聞いた話によると、夏達が帰ってくると見知らぬ男と蓮冶が倒れていて、美果がそばで泣いていたという。
 それですぐさま通報、男は警察に引き渡し、蓮冶は病院へ。
 男は頭部に強い衝撃を受けて意識が朦朧としていたものの、命に別状はない。ただ、その時のショックのせいか軽い記憶喪失に陥っているらしく、強盗殺人や押し込み強盗に関する話を聞くことが難しい状態らしい。もっともその他の細かい話は警察から聞かされていないものの、とにかくもう安心していいということだった。
「蓮冶、美果を守ってくれてありがとうな」
 夏がいつになく優しい表情でそう告げてきた。蓮冶はちょっと気恥ずかしくなって、顔を逸らす。
「……どっちかって言うと、守られたのは俺のほうですけどね」
 言って、胸の上で眠っている魔法少女に目をやる。
「うう……れんにぃ……れんにぃ……」
 美果は眉根を寄せた顔で寝言をつぶやいていた。悪い夢でも見ているのか、少し辛そうだ。その頭をそっと撫でてやると、緊張がほぐれたのか表情が和らいだ。やがて、穏やかな寝息が聞こえてきた。
「しっかし、びっくりしたぜ。お前、すげぇ口から血を流して倒れてるから死んでるのかと思ったけど、どこもなんともないってんだからな! 驚かせやがって、このこの!」
 そう言って夏は遠慮がちに小突いてくるものの。
「え? どこも、なんともない……?」
 そんなはずは、と蓮冶は自分の胸に手を当てる。折れたであろう、肋骨を探して。けれど、あるはずのそれはどこにもない。指のどこにも、それらしい箇所は触れてこない。
 いや、そもそも痛みすらなかった。さすがに、なんらかの痕跡ぐらいあるはずなのに。まるで最初から何もなかったかのように、いつも通りで。
「どうして…………」
 考えていて、思い浮かんだのは最後の最後に自分の唇に触れてきた、何か。
 あれは、なんだったか。
 もしかすると、あれは。

 ――――ミカン! ひっとぽいんとがかいふくした!

 ……まさか、ね。
 苦笑しつつ、蓮冶は美果の頭を撫でる。
 布団の上には、美果が持ってきたであろうミカンがのっていた。それはすでに皮がむかれていて、房のいくつかがなくなっている。そこから、ひと房つまみあげて、蓮冶は唱えた。
「ミカン!」
 口に放り込んだミカンは、まだ少しすっぱくて。
 ほんのり、甘かった。


fin
ハイ s7d/2ml3o.

2015年12月27日(日)22時09分 公開
■この作品の著作権はハイさんにあります。無断転載は禁止です。

■作者からのメッセージ
テーマ
「ミカンと美少女」

キャッチコピー
「あまみとさんみですっきりさわやか! ミカンのちからであくをうつ! まほうしょうじょ――――ミカン!」

作者コメント
「拙い作品ではありますが、企画を盛り上げる一助になればと思います」

2016年03月05日(土)23時31分 ハイ s7d/2ml3o.作者レス
ご感想、ありがとうございます。金木犀さん!
ここ数日、デートをすっぽかされた彼女氏(あるいは彼氏)のようにもやもやしてましたw


「あれー? 私、待ち合わせ場所間違えた?」

「……えっ、私日にち勘違いしてた?」

「……そもそも、デートの約束した……よね?」

……気のせいじゃなくて、良かったですw

他のかたへのレスにも書いたのですが、この作品はギャグで書き始めてお蔵入りになっていたものを、企画用にプロットを組み直したものでした。
なのでこれはだいたい第五稿になり、この一個前はまだコメディ路線を走っていました。ですが、企画ではシリアスものの方が上位にきやすいので無理矢理シリアスにした結果、雰囲気の齟齬が産まれてしまいました(汗。今作では他にも予想外の読者心理を観察出来たので、収穫はたくさんありました。
個人的には三位なんかよりそっちのが嬉しかったですね。
次のGW企画での収穫も楽しみで、夜も眠れません(ウソ)



腐ったミカンは、ギャグバージョン時には犯人側のトラウマワード。または魔法少女の決め台詞に考えてましたが、シリアスバージョンには合わないと考え、無しにしました。
あと、そんなに遊ぶ余裕もなかったというw



内容がない? いえいえ、以前も言いましたが、私は行間や余白も読みますから問題ありません。
つーか、私は感想の感触や、全ての感想における総合的な問題の比率から糧をえてますので。
あ、あとどんな感想でもモチベは上がるのでありがたいです! 感謝!


あ、金木犀さんも良かったら企画出てみては?
それとも、共幻文庫のコンテストに行くのかな?
私も、出来ればコンテストにも出したいなw

とまれ金木犀さん、ご感想ありがとうございました! それでは、バイチャ!(金木犀さんの真似w)
 

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2016年03月04日(金)11時58分 金木犀

みかん!

こんちゃー。もう読まれるかはわかりませんが、ちょっとした感想を。


徹底したみかん責め、堪能させていただきます。
なにかみかんファチなる新しいジャンルでも開拓しようとしているかのような徹底ぶりは見事でした。


ただ、最後の犯人に対するみかん攻撃、もうちょっとギャグで押してほしかったです。
みかん汁での目つぶし攻撃をもっと露骨にやってほしかった!
ファイナルミカンは眉間にではなく股間にしてほしかった!

あと腐ったミカンも仲間にいれてほしかったです。

内容のないようなかんそうですんません。

執筆お疲れさまでした。



股間を足でけるのではなく、最後は



 

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2016年01月24日(日)06時01分 ハイ s7d/2ml3o.作者レス
ご感想ありがとうざいます、水守中也さん!
いつもいらっしゃるので今回も、と思っていましたが残念でした。



>総合3位、おめでとうございます。企画後ですが、拝読させてもらいました。
みなさまと被る部分が多いと思いますが、適当に流していただければ幸いです。


○なんか、三位でしたw
当初の予定では、上位陣にはかなわないだろうけど、自己イメージでは中堅よりやや上のはずだから4~5位ぐらいを目標にしてました(一応、優勝狙いで書きつつも)。
で、作品を色々見てみると割と負けたかなって作品がいくつかあったんですが……なんか三位でしたw
(いつもの上位陣が来てなかったので本当なら……5~6位ぐらいだったかと)
別にうぬぼれているわけじゃないですが、今回の投稿でまた見えてきたものがあるので次は優勝に絡めるぐらいにしたいです。
そう出来る、と思ってるんですがどうなりますやらw


>・良かったところ
やはり美果がかわいかったですね。
子供としてのかわいさと、キャラとしてのかわいさの両方があり、とても魅力的でした。蓮治の言うとおりに動かないところもリアリティがありました。
みかん尽くしの容姿を含めて可愛かったです。


○とりたてて作ったキャラじゃないのに、気が付けば生まれてました。
しかし、個人的には現実のめんどくささを知ってるだけに苦笑ものだったりw


>ファイナルミカン
引っ張っておいてまさかのオチ。
五歳児らしいほのぼのしさと、確かな攻撃力のバランスが絶妙でした。


○殺さない程度に、あり得ると思ってくれるレベルで調整しました。
思いついたときは、これはいけると確信したとかしないとかw


>・気になったところ
殺人犯とのやりとり。
美果のほのぼのしたキャラに、過激な事件をぶつけたことは評価できます。ハラハラと見させてもらいました。
ただやっぱり見ていて辛いところもありました。そのせいか、全体的に尺が長かったようにも感じました。


○尺が長く感じたということは、実際に長いか魅せ方が悪かったってことですよね。
今後、どう改善するかを検討します。


>ラストの回復魔法
ファイナルミカンが絶妙だっただけに、本物?には違和感がありました。
全回復ではなく、不思議な奇跡で致命傷をかろうじて免れた程度だったら、違和感なく締められたかなと感じました。


○うう、それもありでしたね。
みなさん色々意見があって、そのどれにも納得してしまう自分がいます(八方美人?)
今後はもっと一本筋を通した作品を書かねばならないんですけどねw


>それでは。
執筆お疲れさまでした。
また寒い日が続きそうですが、体調にはお気を付けください。


○まだしばらくはゆっくりする必要がありそうです。
とりあえず、レスし終えたので今後は体調回復を優先事項にします。
……ほんとは、すぐ次の作品にかかりたいんですけどね。



水守さんのお気遣いありがとうございます。今後、執筆時に無理をして、徹夜で執筆しさらに仕事もする、とかあんまりしないように気を付けますw
それでは、ご感想ありがとうございました!

 

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2016年01月24日(日)05時38分 ハイ s7d/2ml3o.作者レス
ご感想ありがとうございます、青出さん!


>最高に可愛いヒロインの魅力たっぷりのストーリーを堪能させていただきました。


○気に入っていただけたようでありがとうございます。


>ここが好きです
○ヒロイン
 なんと言っても、美果の可愛らしさにつきます。幼女キャラはこうやって書けばいいのか!というお手本のようなキャラでした。
・性質や知性レベルが現実の五歳児っぽい。
・頭にミカンを載せているようなヘアスタイル。
・あくまで「親戚のお兄ちゃん」としての主人公への素直な好意。
・「言わされている」感満載の決め台詞。(こういうあたりも五歳児としてのリアリティがある)。
 等々すべてが私の好みです。作者さまは、現実に生きている人たちを丁寧に観察されているのだろうなということが伝わってきました。美果の活躍する別の物語が拝見したいです。


○おっしゃる通り、美果は観察(というか、記憶)の収束点です。
モデルは五人。従妹の三姉妹と、妹と、妹の娘です。
もうすでに、大半が成人してますけどねw
別の物語は……一回再構築しなおさないとキツイと思うので、当分はないかと思います。
けど、ありがとうございます。


>○主人公を取り巻く人々
 叔父夫婦は本当にいいキャラですね。チンピラ風の気がよい親戚の叔父さん、会ったことはないのに現実にいそうと思ってしまいます。ミカンのある居間や、お正月の集まりなどの描写と相まって、主人公の過ごしている温かい日常生活が浮かんできました。


○チンピラ風のモデルは職場の人です。
もう、どう見てもそうとしか見えないスキンヘッドのちょび髭の人とかいますよw
(ハンターハンターのゼンジ? みたいな)


>敵役の強盗も十分な迫力を持っていたと思います。目出し帽が脱げるシーンは興味深かったです。


○やりすぎた、とあまり評判がいくないようですけどね、彼は。
ちなみに初期は、ホームレスの追い詰められた気弱な男でした。


>○魔法なのかそうでないのか
 この作品の斬新な仕掛けとして、美果の能力が魔法なのかそうでないのかが最後まで明かされないということがあると思いました。強盗をやっつけるときに冷凍ミカンを使っていたので、やっぱり魔法ではなかったのかな?と思わせておいて、最後に「ひっとぽいんとをかいふく」するのが面白かったです。


○楽しんでいただければ幸いです。
ただ、まだまだ洗練の余地はあるようなので、今後はさらに研ぎ澄ましたいです。


>ここが気になりました
○魔法を前面に出してほしいです。
 この作品はこれで十分高いレベルで完成されていると思いますので、以下は単なる私の好みです。
 山場の冷凍ミカン攻撃は確かに意外で面白いものではあるのですが、個人的な好みとしては、もっと魔法らしいものであるほうが好みでした。この作品のメインとなる強盗との攻防ですが、破綻なくリアリティを持って書かれている反面、物語として少し退屈に感じてしまいました。書き方として難しいとは思うのですが、美果の魔法をもっと早い段階で活躍させてもいいのかな?と思います。今回のストーリーでは主人公の頑張りがよく出ているのですが、それよりむしろ彼はワトソン役に徹して、美果をメインに持ってくる書き方もあるのかなと考えました。


○ふむふむ、他の方の意見もありましたし、ファイナルミカンをもっと本当に魔法っぽくするのもありだったかもしれませんね。
その場合、だいぶ直さないといけませんがw
けど、やはり人の意見というのは自分の死角を見てくれるので良いものですね。ありがとうございます。



青出さんの講評は、次の作品作りの魅せ方で迷った時に思い出させてもらいます。
それでは、ご感想ありがとうございました!
 

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2016年01月24日(日)05時11分 ハイ s7d/2ml3o.作者レス
AQUAさん、ご感想ありがとうございます!
あと、お久しぶりです!


>ミカン!(こんにちは)
ミカンミカン!(作品拝読しました)


○はい、大変ありがとうございました!
(ボケ殺し)


>……ということで、読了した作品の中で、かなり好みだったこちらに感想をば。
文章など基本的なところは特にツッコミどころもなかったので、素直な(個人的な)感想になります。

>もともと自分は、小さい子が面白い行動をとる漫画が好きなんですよね。
主に「よつばと」と「ばらかもん」なんですが。
前半は、そんな空気が出ていてほんわか楽しめました。


○わかります。幼女がどうのとかじゃなくて、よつばとやクレヨンしんちゃんとかもそうですが、子供の言動って新鮮さに満ちてて、それだけで面白いんですよね。
個人的にかなりツボッたのは、
焼き鳥を温めすぎて金串で火傷した弟(背後で、ジュッと音がした)
と。
曾祖母の骨壺を抱えて「いいでしょー♪」と嬉しそうにしてた従妹三姉妹の一番下。
火傷で涙目になってた弟はに可哀想だけど、あれは最高に可愛かったw
骨壺は吹かずにはいられなかったw



>しかし、後半はいきなりの超シリアス展開……。
この流れは正直イマイチでした。
前半で生まれた空気感を損なわない、ちょっとおバカな説教強盗(?)みたいなヤツを出した方がよかった気がします。


○やや不評ですね、このあたりw


>もし凶悪犯だとしても、相応の伏線(理由づけ)が欲しかったなと。
強盗が逃走中、たまたま大人がいない家に侵入する確率ってどれくらいなんだろう?
……ふっとそんな疑問が頭をよぎって、とたんに頭が現実に引き戻されてしまいました。


○一個前のプロットだと理由があったんですが、それだと犯人視点を書かねばならず色々とアレでなくなりました。


>前半のキャラの見せ方を踏まえるなら、強盗(まぬけな感じ)のニュースを聞いた幼女が、その痕跡を発見して「やっつけに行く!」と乗り込んだりする方が、ナチュラルな展開なのではないかと思います。


○そういう意見が大勢みたいですね。
ただ、私の中にその発想がなかった(汗
視野が狭かったな、と反省しまくりです。


>もちろん、お目付け役の主人公は「やれやれだぜ」とついていくわけですが、そこにも何かしらの理由が欲しいところ。
例えば、一緒に行った初詣で主人公が凶を引いてしまったのを見て、幼女たんが自分の大吉と交換してくれたとか、ちょっとした「貸し」があると自然かもしれません。


○……あ、すいません。いまなんて? 幼女、たん?


>そして、最初は受け身だった主人公も、いざ危機的状況になったら身体を張って助けようとする……この流れはラノベっぽくていいですね。
なのに、敵が凶悪すぎるから彼の行動が無謀に見えてしまう……そこがとても残念でした。
ファイナルミカンについても、かわいくてアリなのですが、やはり凶悪犯を退治するにはミスマッチでは……と思いました。


○すいません、やりたかったんです。
凶悪犯をミカンで倒すとかなんか面白い! ってなって、やらずにはいられなくなったんです。


>さらに蛇足ですが、主人公とヒロインの年の差がちょっと気になります。
主人公がかっこよくヒロインを守ったあたりで、一読者としてはラブの期待を膨らませたかったのですが、さすがにガチロリは遠慮したい……。
もう少し二人の年齢を近づけて、将来的なラブもアリな感じにすると、よりワタクシ好みでありました。
成長した二人の、思春期っぽい胸キュンラブコメとか読んでみたいです☆


○はっはっはっ、最近の短編公募で似たことを言われました。
しかも二回w
まさかここで三回目を聞くことになるとは思いませんでした。
ふむ、みんな思ったよりも恋愛を求めているのですね。
心に刻んでおきます。


AQUAさんのラブを求める気持ち、次回作を書くときに気を付けたいと思います。
それでは、ご感想ありがとうございました。
 

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2016年01月24日(日)04時48分 ハイ s7d/2ml3o.作者レス
ご感想ありがとうございます、タカテンさん!


>(良かった点)
・ 謎のミカン推しw
冒頭の「――――ミカン!」はインパクト大。なんだろうこれ、と読み進めていくうちに、幼女の名前が美果と分かり、ああ名前由来かと思いきや、投げているものも蜜柑。これだけで十分ニヤけさせられるのに、実は「ミカン」という叫び声は魔法の呪文だった、という謎のミカン推しにヤられました。
しかも、何気にタイトルを振り返ったら「みかんせい」だしw くそう、やりおるわ。


○ククク、我輩的には多少ベタだがダブルミーニングは誰もがハマる鉄板よのうw


>・ 魔法少女、なのか?w
基本的に物理攻撃ですよね、ミカン投げてるし。
と思ったら、最後に死にかけだった主人公の怪我が回復しているあたり、魔法少女らしさが出ているのが心憎いです。つまりはアレだ、美果が操る蜜柑は魔法の効果を発揮するわけだ。なるほど、この理論であれば、ファイナルミカンの威力も頷ける……(実はいくら冷凍ミカンを100キロ近くのスピードで投げても失神するものかな、と思ってた。が、この理屈ならば記憶を喪失させるほどの衝撃を与えることも可能。恐るべし魔法少女ミカン)。


○い、いや……冷凍ミカンが100キロで当たったら、場合によっては死ぬと思うよ?
(それ故に、加減して50キロとした)


>(気になった点)
・ 美果の隠れ場所
強盗が部屋から出て行った際に、こたつ布団からもそもそと出てきますが、そもそも最初にかくれんぼだと思った主人公がこたつの中を探していませんでしたっけ? 玄関とかに移動している間に、隠れ場所を変えたのでしょうか。
また、いくら五歳児といえどネコじゃないんだから、こたつ布団の中にいたら強盗も気付くでしょう(こたつの中だったらまだしも)


○えっと、無粋ですが説明してもいいなら。
蓮司が最初に調べた時には、こたつの中にはいなかったんですね。
蓮司が部屋を出て行ってから中に隠れました。
で、犯人が入っているときはまあ、死角になっていたのもありますが、雪国使用の一家団欒用はこたつもこたつ布団もかなり大きくて……うう、これ説明しないと伝わらないのか。
すいません。ほぼローカルネタですね。これは伝わらない……。


>(自分ならこうするという無責任なアドバイス)
 先述した気になった箇所以外はすいすいと読め、前半はニヤけながら、後半は多少の緊張感を楽しみながら読ませていただきました。面白かったです。
 ただ、あえて言うならば、主人公がやや自己犠牲に傾きすぎかもしれません。姪っ子を助ける為に自分の命を顧みない行為は納得できますし、美果だけでも助けようとするのは立派なのですが、強盗が怯んでいる隙に美果と一緒に逃げるという選択肢が出てこないのはちょっと違和感がありました。美果をひっぱ叩いて説得する余力があるのなら、一緒に逃げ出すことも多少は考えるのではないかなと思いますね。
ちょっとは考えた上で、やはり自分はもう無理だから美果だけでも、という考えに至ったのであれば、この違和感はなかったかもしれません。


○すいません、文字数限度を理由に逃げさせていただきますw
いや、実際色々とまず書き上げることを目標に書いたので、細かなゆらしをかけなかったんですよね。自分だけ逃げる、逃げないとか。
もう、動けないとか。
犯人が最後のファイナルミカンを綺麗に食らいすぎてるとか。
計算上、普段の文体なら収まるところが、字数を食う文体を使ったために計算よりかなりオーバーしてしまって……。
一人称の時はむしろ、文字数少なすぎて困ったんですけどね(汗


タカテンさんのアドバイスは、次の作品でゆらしを入れる時に参考にします。
それでは、ご感想ありがとうございました!
 

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2016年01月24日(日)04時25分 ハイ s7d/2ml3o.作者レス
ご感想ありがとうございました、テレグノシスさん!


>ああ、未完成ってそういう意味か! と気が付いたのは読み終わってタイトルを見直した時。
おもしろい言葉遊びで、おもわずニヤリ。


○そう思っていただけて、おもわずニヤリ。


>冬の住宅街は雪に埋もれているので、そう簡単には近所に助けが求めらない、という状況下で突然の強盗犯。
絶体絶命という危機になって、ここでまさかのミカン。
しかも地味に痛い。小さい頃よく冗談でミカンを投げ合うことをしていましたが、
それを思い出してしまうようなほっこりかんと、それとはまるで真逆な状況に惹かれます。
犯人が素っ頓狂で情けない声で床に転がった時は画面をスクロールしながらなんか変な声が出てしまいました。
そして最後のファイナルの意味。そりゃあ痛いわ、と。
あの爽快感は見事でした。


○この話はファイナルミカンを凶悪犯にぶつけたかったがために書かれた作品ですからw
それをいかに、読者に楽しんでいただけるかに力を注ぎました。
……上手くいったかというと、結構微妙だったみたいですがw



テレグノシスさんのニヤリ、創作に疲れたときにでも思い出しニヤリさせていただきますニヤリ。
それでは、ご感想ありがとうございました!
 

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2016年01月24日(日)04時18分 ハイ s7d/2ml3o.作者レス
ご感想ありがとうございます、いりえミトさん!

此度は優勝おめでとうございます!
いやー、雪森愛の優勝は絶対だと信じていたので、なんかすごいうれしかったです。
しかしまさか、書き手がいりえさんだとは。
何作品か作者予想してましたが、雪森愛は企画常連の上位の誰かだと思っていたので「Sさんあたりじゃない?」とかAさんとやりとりしてたりw


>面白かったですねー。
 

○うしっ!


 >前半は美果の可愛らしさや、魔法を題材にしたギャグ、夏さんや柚子子さんの面白キャラなど、とにかく笑えて、ほのぼの楽しめました。
 蓮冶のツッコミもナイスでした。「いえ、俺は何も聞いてませんゆずゆず」が特によかったですw


○個人的に一番気に入ってるのは、柚子子さんですw
だからやや無理やりに出してしまいました。反省などしません。


>後半、強盗が侵入してからは一転してシリアス展開になるのですが、こちらもよかったですね。非常に緊迫感がありました。
 とぼけたキャラだった美果が大活躍するところや、蓮冶が身体を張って美果を護ろうとするところが、めっちゃ熱い!
 そして、前半にギャグとして登場したミカンの魔法が、この後半で生きてくるという構成が非常に上手いです。
 ファイナルミカンはまさか冷凍とはw そりゃ使っちゃいかんわw


○上手く楽しんでいただけたようでありがとうございます。
ただ、すべての人を楽しませきれたわけではないので、今後の創作に今回のバランス感覚を活かしていきたいと思います。


>ミカンの魔法が物理攻撃として強盗に効く、という展開が上手いなーと思うところですが、最後の最後で「本当に魔法だった?」と思わせるのも、またいいですねぇ。そのあたりのバランスも絶妙でした。


○なんかもう、褒められすぎてどう答えればいいのやらw


>文章もハイレベルですね。読みやすいうえ、体言止めを多用するなど、独特の読み味もありました。素晴らしいです。


○108ある、私の文体の一つですw
嘘です、ほんとは8っつぐらいです。
癖のある文体は読んでるだけで頭に焼きついたりするので、気が付くと勝手に増えてたりします。
しかし、まだ文体はどれを主体にするか決めてないので、それをそろそろ決めないといけない時期に来てますね。自由度の高い三人称で行きたいと思ってますが……。
一人称の文体はほぼ決めてますが、今回のいりえさん文体を見てると桜坂さん(だったかな? オール・ユー・ニード・イズ・キルの)文体を焼いてみるかな、って気持ちになりました。
え? 全然違う文体じゃん? まあ、それはそれでw


>個人的にひとつだけ感じたのは、冒頭シーンでしょうか。
 「五歳児が見事な投球を披露する」というのは、なんだかシュールで、「ぶっ飛んだシュールギャグ作品なのかな?」と思いました。
 実際のところは、ギャグパートもシュールではなかったですし、後半はシリアスだったこともあって、この冒頭シーンはやや浮いている気もしました。
 もちろん、クライマックスで強盗を倒すための前置きとして、「美果の投球力」を示しておく必要はあるのですが、それにしても、この冒頭は「投球力が凄い」を強調しすぎな気が。
 「ミカンを投げるのが上手い」くらいの簡単な描写でもよかったんじゃないかなと、私としては思いました。


○冒頭と後半のアンバランス感はかなり自分でも不味かったと思ってますが、言われてみればミカンを投げるのが上手いだけでいい、ってのは確かにそうだったかもしれませんね。
ううなんか、魔法少女にこだわりすぎてた感じが(汗
ありがとうございます。大変参考になる意見でした。


>とはいえ、上記の指摘は作品全体から見ればまったく問題にならないレベルのものですし、とにかく作者さんの筆力の高さがうかがえる、素晴らしい作品だったと思います。


○なんか、殺されそうですねw
死因は、褒め殺しとなるのでしょうかwww



いりえさんの褒めは、いざという時に思い出させていただきます。
でも浸りすぎるとアレなので、あんまり使わないようにしますねw
それと、次は負けませんよw
それでは、ご感想ありがとうございました!
 

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2016年01月24日(日)03時46分 ハイ s7d/2ml3o.作者レス
ご感想ありがとうございます、99㎏さん!

>非常に完成度が高い作品でした。
いや未完成なんですけど。完成度は高いです。


○いえ、自分的にはまだまだ未完成です。
一応、あと二段ほど見えているので今後はそれを登る予定です。


>これは個人的な感想にもなるんですが、
小さな子が事件に巻き込まれ、主人公を助けようとする場面などはやはりもどかしさというか、焦燥、イライラ感を募らせてしまいます。
それは狙っているものであり、そういう読感があるのは成功しているのですが、
 ホラーでは怖い思いをさせる
 気持ち悪いものでは、気持ち悪くさせる
 問題作では悪、敵に対する嫌悪、憎しみを感じさせる
からその成功には意味があるわけで、
幼い少女がたどたどしく行動するとか、分からないが故に不適切な行動を取ってしまうのは、描写の選択としていかがなもんか、と思ってしまいます。
特に美果を張ってしまうシーン。
リアリティに添ってはいるのですが、読んでいてあまり気分のいいものではない。

>リアリティな描写に拘っている割にはラストコスチュームに身を包んで出てくる辺りとか、どっち路線なのか、と迷う部分でもあります。


○芯、あるいはテーマですね。この点、まったく固めずに話を構築したので、作者自身から見てもリーダビリティであるとか、統一感の無さを痛感しています。
申し訳ありません。


>最後に突然わらわらと登場キャラが増えたりと、その辺も少しアンバランスな感じがしました。


○すいません。
色々秤にかけた結果、私演算的にあの形が一番妥当と判断しました。
否定的意見も出るだろうけど、概ね受け入れられるんじゃないかな、と。


>個人的にはファイナルミカンが想像した物より弱かった。ここはもっとぶっ飛んでほしかったです。


○そうでしたかw
いえ、確かに案の一つとして壁をぶち抜くとかも考えてはいましたが後始末とか、犯人死ぬだろとか考えてしまってw(あと、割れた窓ガラスの伏線と一致しなくなるし)
あ、その場合外しても良かったのか。
いや、でもやっぱり後始末が(汗

設定の話だけなら、魔法少女として完成するとシャレにならない威力になる、ってのはありましたw


しかし、結局方向性を絞り切れなかったのがかなり不味かったですよね。反省します。



99㎏さんの苦言は、執筆時にブレを感じた時に思い出します。
それでは、ご感想ありがとうございました!
 

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2016年01月24日(日)03時18分 ハイ s7d/2ml3o.作者レス
いつもお世話になってます、あまくささん!
今回は不参加で非常に残念でした。次回か、次々回、競いたいですね。


>起承転結が明確で、序盤に伏線を張り、それがしっかり回収されていました。文章にも安定感があり、作者様がかなりの実力をお持ちなのが窺われました。


○私でしたw


>ただ、本作は、個人的にちょっと物語に入りにくい感じがあったんですね。
 どういうことかと言いますと。
 冒頭の美果の描写。どのくらいの距離でキャッチボールしていたのか分かりませんが、

>>仮に実際のマウンドから投げさせたとしたら、百パーセント近くの確率で、バッターボックスまで届かない。そのはずだ。
>そのはず、なんだよなぁ……。
>蓮冶は胸中で首をかしげる。
>「ミカン!」
>奇妙な掛け声と共に投げられた球は、蓮冶が構えたミットへ正確に収まった。それも、直線に近い軌道を描いて。

>というふうに書かれていたため、それなりの距離からミカンが真っ直ぐミットに収まる風景を思い浮かべてしまったんですね。それはちょっと考えにくいなと。
 そういうのもエンタメ作品的な誇張としてアリだとは思うのですが。しかし誇張はかまわないのですが、本作では冒頭いきなりだったので少し面食らってしまい、それが私の場合は、キャラやストーリーのイメージを頭の中でまとめることへの妨げになってしまいました。
 物語をつかみそこねた、という感じです。
 尺の短い作品だったこともあり、冒頭で気が散ったまま最後まで読み終えてしまい、いまいち作品の世界に入ることができませんでした。


○この辺、リアリティをとるかエンターテイメントをとるかで悩みました。
それに、シーン構成的にいったん外に出るとかすると余分に場面が必要になってくるので、50枚程度にまとめるには冒頭にもってくるしかなくて……。
それでも、リアリティのために色々調べ物はしてて、五歳児の投球力はだいたい時速15~25キロだとか知ってるんですが、他にも問題があって。
私は、野球のことをほとんど理解してないっていうw
いや、単純なルールは「おおきく振りかぶって」で知ってるつもりですが、ボールの実際の投げ方とか、はっきり言ってわかんないんですよね。
そのせいでリアリティの張り方自体がよくわからなかった部分もあって。
スリークォーターってなに? アンダースローって? サブマリン投法ってどんな投げ方で、どんな利点と欠点が? みたいにどこまで調べればいいのかわからなくなったりも。
そんなわけで、なるべくしてリアリティよりエンタメに傾いた感じでした。


>ただ、これはあくまで私はそうだったという話。作品との出会いがしらの第一印象が私には合わなかったということですが、他の方も同じ感想を持つかどうかはわからないのでご判断はおまかせします。


○了解です。しかし、私としてもリアリティの大切さはわかっているつもりなので、こういったご意見は大変にありがたいです。


>(追記)
 結末についてですが、この五歳児は「未完成」だけれど本物の魔法少女だった、ということで合っていますか?


○はい、その通りです。


>そうであれば冒頭の優秀すぎる投球術も、後半の強盗を向こうにまわしての目覚ましすぎる活躍も辻褄があうし、この子が成長したらどんな魔法少女になるのだろう? という想像も刺激して、とても素晴らしいアイデアだと思うのですね。
 ただ、上記のように私の場合は(私だけかもしれませんが)最後まで読みながらモヤモヤしてしまいました。
 モヤモヤした理由は、第一に冒頭を読んでこの作品がドタバタ・コメディなのかストーリー寄りなのかつかめなかったことです。


○ストーリーよりなのに元々のコメディネタをそのまま使ってしまったのと、冒頭の雰囲気がまずかった、と現状を捉えています。


>もう一つ。

 あまり自信はないのですが、ひょっとすると美果が本物の魔法少女だと読者に気づかせるタイミングに問題があるのかもしれません。

1)最後の数行でほのめかすなら、それまでの展開をもっとリアルにする。

2)強盗との戦いで派手に活躍させるなら、美果は魔法少女なのかそうではないのかという疑問をもっと早く前面に出し、たぶん本物なのだろうとラストバトルあたりでは予想させてしまう。

この2拓なんじゃないかという気がしました。

真相を最後まで隠しきって、ラストで「ああ、そうだったのか!」と気づかせるのは、上策ではない場合もあると思うんですね。そこまでモヤモヤさせてしまうマイナスの方が大きいかもしれないからです。
 

○二番は、私も色々感想を読んでいて思いました。
試す機会はもうないかもしれませんが、別作品で逆を行ってみるのもいい経験かもしれませんね。
一番は、基礎知識を構築しないと難しそうですね。
それプラス、全面的な構成の見直しとか。



あまくささんの違和感は、次回作において読者を話にどう乗せるかをイメージするときに使わせていただきます。
それでは、ご感想ありがとうございました!
 

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2016年01月24日(日)02時47分 ハイ s7d/2ml3o.作者レス
ご感想ありがとうございます、つとむユーさん!


>五歳児が操るミカン魔法(笑)の話でした。


○お笑いいただけたのなら、幸いですw


>>五歳児の投球力というものはだいたいどの程度なのだろう、と。

>冒頭のこの伏線が最後に活かされます。
これはお見事でした。


○調べものしてたのに、五歳児の実際の投球力に関して記述出来ませんでしたけどね(汗
書いたら、魔法がバレバレになるかなって、二の足を踏んでしまって……。


>>「ファイナルミカンは絶対に使うな、って」

>五歳児の投球力が最後に出て来そうな展開であることを冒頭で匂わせ、
中盤で、キーワードが「ファイナルミカン」であることが提示されます。
そして、クライマックスで披露されるファイナルミカン!
とても良かったです。脱帽です。


○上手くはまった派とそうでない派に別れるようなので、何が違うのか感想の感触で探るつもりです。まあ、おおむね理由はわかってますが。


>>「いえ、俺は何も聞いてませんゆずゆず」

>ここも面白かったです。


○自分的にも好きな部分なので感激ですw


>このように、構成はすごく良かったのですが、
感想を書くために再読した時に、設定がかなりご都合主義であることに気付きました。
初読の時にあまり感じなかったので、それはすごいテクニックだと思いますが、
あまりにもご都合主義すぎるので、興ざめすることが多かったです。


○気づかれてしまいましたか。
実のところ、この作品がご都合主義の塊であることは私が一番知ってますw
そもそも、都合よく強盗が来るってのがもう無理があって。
思いついた段階で、いやそれはないだろ、と思いつつもいかにそれを誤魔化すかにだいぶ力を割くことになりました。
ただ、それはそれで楽しかったのと、ごかまし力を鍛えたかったのもありました。
私的には、綺麗にまとまった話を書くより、無理くね? って話をちゃんと読める話に仕上げる方が楽しいし、力が付くような、そんな気がしてるので。
あと、割と読者は綺麗にまとまっているだけの話をさほど面白く感じない傾向があるので、その点では不意をつけるかな、と思ったりも。


>>一応、玄関の前に雪で靴跡が出来ていることから、誰かがいたのは間違いないのだが。
>>「――――一人は逃走しましたが、この雪のため追跡が難しく、依然として見つかっていません」

>うーん、主人公(読者)に対して、犯人は足跡を見せて不安を演出しているのに、
警察に対しては足跡を残していないなんて、都合が良すぎると思います。


○あ、えっと。
すいません、警察が追跡出来ていないのは主に吹雪による視界不良、交通渋滞、雪による移動制限などのためです。
誤解させてすいません。


>>死を前にして、もう動かないと思っていた体が、かすかだが動いた。床に張り付いているだけだった手が、一センチ浮く。
>蓮冶は構える。同時に、美果も投球フォームに入った。

>そしてクライマックス。
手が一センチしか浮かないという表現で、主人公の悔しさがすごく良く表現されており、
読者にも「あとはもう美果に託すしかない」と手に汗を握らせておいて、
ラストは美果と一緒にファイナルミカンを繰り出すなんて、やはりご都合主義だと感じました。
(手は一センチしか浮かなかったのでは!? と思わず叫んでいました)


○この辺、ちょっと失敗してますね。直前に食べさせられたミカンが効いた、というつもりで書いてました。(ミカン一回分でケアル一回分程度の回復量として)


>>流石に百キロも出てるはずはないが、五十キロぐらいは出ていそうだった。
>いかに天才的投球センスのある美果が投げているとはいえ、ダメージは微々たるもの。

>いやいや、マウンドからホームベースまで五十キロくらいで投げられる人が、
その半分以下くらいの距離からミカンを投げたら、それは相当のダメージがあると思いますよ。
ラストのシーンを演出するために、このような設定にしたのだと思いますが、
冒頭のシーンとあまりにもかけ離れ過ぎていて、興ざめしてしまいました。


○言われて気づきました。
確かにそうですね。この食い違いは言い訳のしようがありません。すいません。


>ここからは個人的な妄想になって恐縮ですが、
ミカンをぶつけられて地味にダメージを受けている犯人は、
ファイナルミカンの一投目をキャッチしようとして手を出す。
が、いきなり突き指をして、痛がっているところに二投目が直撃! 
という展開もアリなんじゃないかと感じました。
それならば、主人公も無理して参加する必要もありませんし。


○すいません。
主人公がなんにもしないと、いらない子扱いされる気がしたんで(汗


>>それを投手へと投げ返し、もう一度ミットを構える。

>何気にミカンが投手へ投げ返されていますが、五歳児がちゃんとキャッチできるでしょうか?
まあ、主人公のコントロールがかなり良ければ、それも可能だとは思います。
投げるのがボールだったら、転がして返す、という手もあったと思うのですが……


○う、これも盲点!
確かに、魔法の補助で投げられてもキャッチは難しいですよね。
ありがとうございます。



>いろいろ書いてしまいましたが、ファイナルミカンのアイディアが素晴らしい作品でした。
とはいえ、再読時はご都合主義的な矛盾に興ざめすることが多かったので、これくらいの点数でご了承下さい。
拙い感想で申し訳ありません。
今後のご活躍に期待しています。


○いえいえ、点数は私にとって感想をいただくついでですから。
読者さんがどれぐらい楽しめたかの基準であって、それを満たしていないのに点数を求めるようなことはいたしません。
感想の内容も的確だったと思います。ありがとうございます。


○くるりのアクセルについて

短編の作品一本書かれるのに取材に行かれる熱意には感服いたしました。
その行動力あってのあの作品だったんですね。



つとむユーさんの至言は、それと知りつつご都合主義を通そうとした時に思い出させていただきます。
それでは、ご感想ありがとうございました!
 

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2016年01月24日(日)02時04分 ハイ s7d/2ml3o.作者レス
おとぎの国のアリスさん、ご感想ありがとうございます!


>「ミカン!」な、お話でしたね。
ミカン、魔法、強盗あたりがキーワードだったでしょうか。
物語自体は、綺麗にまとまっていました。ですが、どうも綺麗にまとめようとし過ぎて、全体的に薄味になってしまっているような印象を受けました。
50枚という制限がありますので、描きたいポイントをもう少し絞ったほうがよろしかったのではないでしょうか?恋愛要素を差し込む必要はほとんどありませんでしたので、コメディ色を強調する手もあったと思います。


○ですね(汗
作者的に、話全体まとめる一本筋が存在してないって感じがしてます。


>ざっくりと思いますに、この設定ですと映画「ホームアローン」のような展開が合うような気がしました。冒頭から強盗を登場させ、主人公と美果で立てこもる。住宅街のど真ん中で籠城というのも、設定として難しいところがありますが。大雪、渋滞、通信障害、停電などなど、あらゆるギミックを総動員して孤立させてしまいましょう。
強盗がやたらとシリアスでしたので、どうも美果との相性があまりよくなかった感がありました。ドタバタコメディに特化して、五歳児と同等クラスのおバカな強盗あたりだと、突っ込みどころも緩和されるような?
休戦と称して、こたつで三人でミカンを食べる、なんてこともありでしょうかね。展開を落ち着かせる効果もありますし、強盗の動機、背景なんかも描きやすくなりますからね。


○確かに、そういう手もあったなぁ、と感服いたしました。
まだまだ視野が狭いみたいです。
ありがとうございます。


>主人公はフリーにして、これもおバカさんにしたいところ。突然訪れた非日常を、面白おかしく描いてみたほうが読者の関心は高い気がします。
設定とキャラクターとのミスマッチが、残念な作品でした。


○いや、言われるまでミスマッチだと思ってなかったんですよ、これ(汗
そういう意味で、認識のズレを知ることが出来て良かったです。
シリアスとコメディのキャラ分布一覧表でも作ってみるかな……。


>ラストの回復魔法は、前段階でのタメが欲しかったところです。
「おい、五歳児。なんか、ほかに使える魔法はないのか?」
「あるにはあるけど……これだけはらめぇ!!」
「なんでだ?」
「パパが言ってた。超強力な魔法だから、大切な人にだけ使いなさいって」
みたいな。。。
キャラクターの設定を少し変えるだけで、だいぶ印象の変わる作品のように思えました。


○魔法の伏線に関しては、五歳児が五〇キロ近い投球をするってので十分だろうと思ってました。が、伏線不足感があったみたいですね。
うーん、もっと派手な魔法っぽいのを用意すべきだったみたいですね。


>作者様の意図に沿わないものは、スルーなさって下さい。


○いえ、私的にスルーとかありえません。どんな意見も意味のある意見であり、きちんとデータの一つとして受け止めさせてもらいます。




おとぎの国のアリスさんの提案は、今後プロット作りをするときに使わせていただきます。視野を広くとれるように、ですね。
それでは、ご感想ありがとうございました!
 

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2016年01月24日(日)01時32分 ハイ s7d/2ml3o.作者レス
ご感想ありがとうございます、天田龍太郎さん!


>まず、描写がうまくない俺と違って、きちんと小説らしい文体を構築できていると感じました。文章レベルでの問題は感じませんでした。


○普段使わない文体でしたが、上手く受け入れられたようでほっとしてます。
八つほど持ってる文体の一つで、シリアス弱コメディ、強シリアスに合ってる……と思っている文体です。まだ、調整が必要ですけど。
ああ、天田さんが傾倒しているの西尾維新文体(化物語型?)も使えますよ。
そもそも、この話はもともと西尾維新文体で書かれてました。


>それで、肝心の内容ですが、全体的に言えば謎シリアス感が強かったかな。
冒頭から、ミカン幼女推しのキャラクター小説なのは伝わってきましたし、魔法少女なのか投手なのかわからない、謎のごっこ遊びとか面白かったです。
あとは、技名ネタとか。
細かいところを言うなら、五歳児は少女じゃなく幼女だろうという点ですが、それはどうでもいいか(笑)


○魔法幼女は語呂が悪かったのと、個人的には別に幼女推しじゃあないんですよねw
投手は書いているうちに楽しくなった部分です。
個人的には、投手系、レスラー系、ボクサー系とかスポーツに絡めた魔法少女とかないはずだから(たぶん)、面白いかなと。
誰か書いて欲しいところです。
ちなみに、最終稿では削ったネタとして、母親の柚子子はレスラー系の魔法少女でした。
必殺技は「ユズ・ザ・デッドエンドクラッシュ」(握力でユズを握り潰し、その汁で視界を奪ったのち、へそで投げるバックドロップ)
犯人を殺しかねないのと、シリアスに合わないなと思いやめましたw


>最初の方のネタ感が面白かっただけに、ずっと幼女と主人公が戯れていればよかったのに、と感じてしまいました。
ヒロインのキャラに対して、敵キャラがシリアス過ぎます。それに尽きます。


○ちびっこが屈強な男を打ち倒す話が見たかったんですw
あと、最初はずっと主人公と戯れている話でしたが……正直書き飽きてしまったので(三稿ぐらい)、マンネリ打破的な意味もありました。


>雪が苛烈になってきた描写がありますから、冬将軍的なファンタジーキャラを登場させて、ソイツのせいで叔父が帰ってこれないから、倒そうという展開にするとか、近所のロリコンパンチパーマの変態を登場させて、いつもくるの、あのおじさん。ああいうのが、ヘンタイっていうんだよね、と幼女に言わせるとか、どこかしら敵をコミカルなモノにした方が良かったんじゃないかと。


○ふむふむ、ありかもしれませんね。
問題点をあげるとするなら、ガチなロリコンを書くのに抵抗があることでしょうか。
あはは、きもい。


>後半のバトルをメインとしてみると、キャラとしての主人公と叔父にほとんど活躍の機会と存在理由がないように思われます。
主人公については、あまり掘り下げがなくて、無個性というか……読み逃していたら申し訳ないんですか、そもそもコイツ、何歳でしたっけ?
ヒロインの掘り下げは充分なので、主人公も半分程度くらいは、ソイツが主人公であるべき理由を定義しましょう。


○……あ、書いてませんね、年齢(汗
無個性は、文体変えた時にプレーン化して味付けまで手が回りませんでした。
気づいてましたが、文字数的な限界もありまして……。
すいません。


>バトルとしてみると、やはりシリアスなキャラをコミカルに倒すチグハグ感がありますが、それよりも思ったのは、せっかく技名が色々あるという設定だったので、最後は怒涛の技名ラッシュで魅せて欲しかった。ミカンと叫んでいるだけだと、もったいない。


○後半、シリアス方向に舵を切ったのでネタ的な技名ラッシュは元々あったものを削除しました。……あっても良かったのかな?


>あと、大人びているという設定がない、ひらがな口調幼女の口づけには、若干の違和感が。いや、そういう嗜好なのだとしたら、別にいいのですが。


○すいません。
最初、何を言ってるのかわからなかったんですが……そういや、ミスリードでそういうの書いてましたね。けどご期待していたらすいません、あれキスしてないっす。
口にミカンを押し込まれたって描写でした。
どうも、みんなその点を誤解されたようで……うう、やってしまった。
読み返したら、確かにそんな感じになってますね。
しかも、気を失ってるのに口にミカンを押し込まれたら窒息する、っちゅうねん。

ただ、あやつらのマセっぷりは油断なりませんから、キスぐらいしますよ。
男の子は小さいときは子供! って感じですが、女の子は、小さな時から女の子です。


>色々書いてしまいましたが、基礎的な文章力があるだけに、もっと魅せ方を考えれば、映えると感じました。
個人的には、男の乱入からがちょっとダルかったので、ほんわかネタメインで書かれた方が楽しい作家さんかな、と感じました。


○すいません。
シリアスが書きたかったんです。どうしても。
前回の短編はコメディ路線で行ったから、今回は、と。
ま、それで失敗した感じがありますがw
私的には収穫が山ほどあったから、大成功に近いんですけどね。



天田さんのご指摘は次回作の執筆に役立てさせてもらいます。
それでは、ご感想ありがとうございました!

 

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2016年01月24日(日)00時50分 ハイ s7d/2ml3o.作者レス
ご感想ありがとうございます、筋肉バッカさん!


>冬、こたつに入りながら食べるミカンは最高ですよね…と言いたいものの実はミカンが苦手です。そんな私が感想を残していいのか悩みつつ、せっかくなので少しだけ失礼します。
美果ちゃんカワイイですね。あどけなさがよく伝わってきました。『よつばと!』というマンガに出てくるよつばちゃんを彷彿とさせるものがありました。冬の味覚であるミカンをこれでもかと絡めているのも面白かったです。


○よつばとはすごいですよね。アレ読んでると、あずま先生はよく見てるなーって思いました。
今作の美果は、私の記憶上の従妹三姉妹の長女プラス末っ子。プラス喧嘩になるとやたらなんでも投擲してきた我が妹によつばを混ぜた感じです。
……投擲は性別問わず地味にやばい攻撃です。
非常に痛い目に合ったトラウマが(ガクブル
幼女、怖い。


>気になった点です。
ファイナルミカンなんですけど、冷凍ミカンてそこまで威力あるんでしょうか?
実際やったことがないので、なんとも言えないのですが…。それか、オチのこともかんがえれば、ファイナルミカンにも何か特別な力が?とかも考えましたが、ちょっとモヤリとしました。


○科学的な説明を入れられたら良かったんですが、残念ながら時間切れでした。
完全に芯まで凍結した果実をそれなりの投球力で投げると、それは立派な凶器になりえます。
まあ、断言は出来ませんが、当たり所が悪ければ死ぬ可能性もあり得ると考えています。
うん、こういうリアリティを描写してないから説得力が微妙なんですよね。
すいません、私がもっと物理学に長けていたら。


>題材をうまくまとめた良作だと思いました。いつか魔法少女として完成するのかな、とか、先を想像させてくれますね。


○いえいえ、私などまだまだ。目標はプロレベルですし課題は山積みです。
美果より、まず私が未完成なんですよw
次回作、「作家志望もどきは未完成」ご期待ください(嘘



筋肉バッカさんの疑問点は、次回作でのリアリティを出す際に思い出させてもらいます。
それでは、ご感想ありがとうございました!

 

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2016年01月23日(土)23時41分 ハイ s7d/2ml3o.作者レス
ご感想ありがとうございます、モンハンほもさん!


>幼女!幼女!未果ちゃんが可愛かったです。


○なんでみんな、そう幼女に反応が良いんでしょうかw
私に書けるものを書いただけなのに。
うーん、よくわからんっっっ。


>ストーリーも起承転結がしっかりしていました。
ただ、こう言ったら失礼ですが「普通の話だな」という印象です。実力がある作者様が無難に仕上げた作品、というのが正直な感想です。


○や、すごい買い被りです(汗
実力、ありません。
本当ですよー。すごく本当ですよー。


>なぜそう感じてしまったのか。原因は主に二つあると思います。
まず一つ目。強盗が侵入してからが長すぎです。ヘイトシーンがあるにも関わらずいまいちカタルシスを感じませんでした。読み手としてはオチがわかりきってるのでフラストレーションが溜まる一方でした。いや、ヘイトシーンということを考えると正解なのですが、不満の方向性が敵に対してではなく、物語展開の遅さに対して向いてしまいました。凌いだと思ったらまだ敵がいた、というような捻りなど、読み手の興味を持続させる工夫が必要だと思います。


○ヘイトシーン。勉強になりました、ありがとうございます。
確かに、そこまでは考慮してませんでした。
他の方も似たことを仰ってましたしね。
となると、ほとんどゼロから技術構築が必要ですね……うーん、燃えるっ。


>そして二つ目。創作表現は自由と考えているのであまりこういうことを言いたくないのですが……幼女が理不尽にいたぶられるのは、お世辞にも褒められる技法ではありません。ホラーやサスペンスならともかく、御作の冒頭からすると個人的にはそういう物語を期待して読んでいるわけではなかったので、顔をしかめる展開でした。
幼女を虐めるのが好きとか、倒錯的な熱を感じたわけではありませんし、物語の背景やテーマが見えなかったのです。


○そういう趣味、ありません。
と、言い切れないところがツラいです(汗
割と私の過去作品はヒロインがひどい目にあってました。
しかも、シャレにならないレベルの……。
しかし、今作の冒頭と後半の齟齬は大変勉強になる課題でした。
次回からは完全に対応出来ると思います。
テーマや背景は……おっしゃる通り、でした。
存在しないまま無理やり二つの話を混ぜたような話です。
すいません。


>繰り返しますが、技術も感じましたし、たぶん作者様は知識も教養もあって物語を作ることに慣れていると思うんですよ。だからこそ「こう書いときゃいいんだろ」的な意図が見えてしまったように思えました。


○すいません。
この点は、おっしゃる通りです。
流れ上、まったく暴力を振るわれないのも変か、と思って書きました。
しかし、そういう指摘が出来る、ということはそれなりの実力者の方ですね!
(と後期公開中に思っていたら、服部さんの方したかw)


>なぜ幼女が辛い目に合わなければならないのか、幼女である必要があるのか。そのあたりを考えて書いて頂ければと思います。
厳しいことを書きましたが、作者様ぐらい書ける実力があるならもう一段階上の作品を目指して頂きたいと思います。自分では出来もしないことを偉そうに書いてしまいました。申し訳ございません。


○いやいや、厳しくないですよ。
むしろお優しいお言葉でした。ありがとうございました。
今回、みなさんの感想を読んでいて。ああ、自分はコメディ作品をシリアスに落とし込んだだけだったんだな、というのを痛感していまして。
こういう失敗を今まで避けてきてしまったので、そのツケが今来てる感じです。
けど、今の私は、この失敗すら楽しく愛おしいんですよねw
もう一度言いますが、実力云々は買い被りです。
私は賢く失敗をさけてきただけの出来損ないですから、本当に実力をつけていくのはこれからですよ(予定)。


○あ、モンハンほもさんの服部さんについて少し。

個人的にあの話はすごくすごくベリー好きなんですが、よく考えてみればあの手の話って一部にすごく受けて、それ以外にはあんま受けないって話でしたよね。
私はパロネタとかすごい好きなんで、「生徒会の一存」とか最高面白い! って思ってたけど、世間的にはそこまででもないって感じで。
今、それによく似た空気を感じています。
だから、私的にはあの作品は別に直すところなんてない、ただ読み手を選ぶだけの傑作だと思っています。
傑作です。傑作!
今後も、執筆応援しています!



さて、モンハンほもさんのご期待に添えるよう、次回作は色々アレしますw
それでは、ご感想ありがとうございました!
 

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2016年01月23日(土)22時32分 ハイ s7d/2ml3o.作者レス
ご感想ありがとうございます、ミチルさん!

>可愛い幼女は正義!


○いえ、可愛い幼女は恐ろしいですよ。
ほんと、マジでマジで。
親戚の三姉妹と妹と、妹の娘を見てきたんだから、それは絶対に絶対ですw


>文章は非常に読みやすく、するすると読了できました。物語に入り込みやすかったです。いつの間にか読み終わった、という感覚でした。物語の起伏がしっかりしていて、読んでいて飽きませんでした。


○この話、全員には受けないだろうと思っていました。
が、ここまで受けていただけたのはそれはそれで予想外でしたw
私もまだまだ捨てたもんじゃないな、という気持ちになりました。
ありがとうございます。


>強盗に押し入られる場面は手に汗握りました。このまま蓮治が殺されてしまうのでは? という恐怖を抱きました。れんにぃと一緒に逃げようとする美香に泣けました。ハラハラが強かったため、最後はとても爽快でした。


○なんていうかもう、ありがとうございます。
ここまでイメージ通りに読んでいただければ、もう死んでもいいですw
あ、やっぱダメです。死んだら色々読めなくなるw


>読了後にミカンが食べたくなりました。美香ちゃん素敵すぎますw


○冬はミカンが比較的安価かつ大量に手に入り、ビタミンも繊維質も豊富で風邪予防の観点からもメリットは多いです。冬場はほぼ常備しています。
……けど、風邪ひきました。食べたりなかったんでしょうか……。


>某RPGネタも個人的にはツボでしたw しかし、世代が違うと通じないかもしれません。分からない人には教えてあげたいですが←


○ご冗談をw
一般常識じゃないですか、これ。
…………えっと、え、いや、あれ?
もしかして、最近のFFやドラクエじゃ言わないんですか、アレ。
そ、そういえば、FF、ドラクエは7までしかやってない!
うわー、調べれば良かった……。
ミカ、ミカン、ミカンダインのが良かったんでしょうか(汗


>指摘らしい指摘ができなくて申し訳ありません。これからも執筆を頑張ってください!


○いえ、大変元気が出るお言葉ばかりでありがとうございました。
次回の企画作は今回の感想を受けたシリアス色の強い話になるかと思いますが、お楽しみいただければ幸いです。
まあ、投稿出来ればですけどw



ミチルさんのお言葉は今後の執筆意欲を奮い立たせるのに使わせていただきますね。
それでは、ご感想ありがとうございました!
 

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2016年01月23日(土)22時07分 ハイ s7d/2ml3o.作者レス
ご感想ありがとうございます、ウサリアスさん!

>文章は、読みやすかったので、良かったです。


○あまり書かないタイプの文体を使ったのですが、おおむね好評のようで安堵しております。
……自分的には、見返してみると似た表現が何度か出てるので、うわー! ってなってるんですがw


>ただ、話が、中途半端な印象で、ギャグに徹するか、シリアスに徹するかしたにした方がもっと良かったです。


○みたいですね(汗
みなさんの感想から他にも色々反省点が見つけられたので、今回投稿して良かったと思いました。
いえ、すごく良かったと思いました。
年単位であーだこーだしてる人間なので、投稿自体稀になりつつあるっていう……。


>個人的には、ヒロインの年齢上、ギャグに徹したほうが、もっと面白くなった気がします。


○みなさんそう言いますねw
けど、私はギャグは単発でしか良いのが出せず、上手い流れが作れない……そういう自己イメージなんですよね。
今作は第三稿までは完全にコメディ路線、コメディオチでしたが……自分的に微妙だったのでこんな話になりました。
あっちの方が受けたのかなぁ……(遠い目



ウサリアスさんのご意見を糧に、今後より良い作品を書いていきたいと思います。
それでは、ご感想ありがとうございました!
 

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2016年01月23日(土)21時57分 ハイ s7d/2ml3o.作者レス
ご感想ありがとうございます、藁谷拳さん!


>最初のほうは日常系かな? ミカンちゃんはかわいいけど、あんまり面白くなさそうというのが正直なところでした。
しかし中盤の、強盗犯が押し入ってからは一気にジェットコースター的な流れに。そして面白さが加速していったように思えます。


○序盤は退屈でしたか。申し訳ありません。
後半シリアスに入るので前半はコメディになりすぎないように低調にしたんですが……気づけばリーダビリティまでもがお亡くなりに(汗
気づいてはいたんですが、直す時間もありませんでした。
自分的にはその点かなり失敗したな、と思いつつ今後の糧に致します。


>全体的に文章は読みやすく、文法的な誤りはなさそうです。
ひねりがないのがちょっと物足りない感じですが、この手の小説ではきっと不要なのでしょう。そう思うことにします。


○話の雰囲気に合わせてあまりひねりませんでした。
が、普段ひねってるかと聞かれると……ど、どうですかね?


>次に気になった点をふたつあげます。
一つ目は、魅力を全く感じられない主人公について。
日常系の等身大主人公ですから、ある意味蓮冶のキャラクターづけは間違っていないのかもしれませんが、それにしても普通すぎる。
もうすこしプラスアルファがほしかったところです。


○すいません。
当初コメディとして書かれたときは、割と悪乗りする少年でしたが、シリアスな要素を加えた最終稿では雰囲気に合わなくなるな、とキャラ付けをはがしたところ、新たなキャラづけする時間がなくなりました。
自分も書き終えてから……うわ、こいつキャラ薄すぎ……とガクブルでした。
本当にすいません。


>二つ目は、最後の締めくくり。
蜜柑はミカンちゃんを比喩しているのでしょうが、あまりにストレートすぎて、うまい締めとは思いませんでした。
うまくいかないと感じたら、別の手法に切り替えるのが無難ではないでしょうか。


○うう、これは地味にキツイですね。
自分では良さげと思っていただけに(涙
ありがとうございます、次はもっとうまくひねります。


>とはいえ全体的にレベルが高く、読者を楽しませる雰囲気が好印象でした。
簡単ですが、こんな感じです。


○ありがとうございます。
読者をいかに楽しませるか、は自分にとって大事な課題の一つです。
もう一つは、自分がいかに楽しむか。
この二つの両立のために頑張ってます。
最終的には自分と読者が最大限楽しめる作品を書けるようになりたいです。



藁谷拳さんのご感想は次回作への糧とさせていただきます。
それではご感想ありがとうございました!
 

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2016年01月22日(金)19時11分 水守中也
いつもお世話になっております。
総合3位、おめでとうございます。企画後ですが、拝読させてもらいました。
みなさまと被る部分が多いと思いますが、適当に流していただければ幸いです。

・良かったところ
やはり美果がかわいかったですね。
子供としてのかわいさと、キャラとしてのかわいさの両方があり、とても魅力的でした。蓮治の言うとおりに動かないところもリアリティがありました。
みかん尽くしの容姿を含めて可愛かったです。

ファイナルミカン
引っ張っておいてまさかのオチ。
五歳児らしいほのぼのしさと、確かな攻撃力のバランスが絶妙でした。

・気になったところ
殺人犯とのやりとり。
美果のほのぼのしたキャラに、過激な事件をぶつけたことは評価できます。ハラハラと見させてもらいました。
ただやっぱり見ていて辛いところもありました。そのせいか、全体的に尺が長かったようにも感じました。

ラストの回復魔法
ファイナルミカンが絶妙だっただけに、本物?には違和感がありました。
全回復ではなく、不思議な奇跡で致命傷をかろうじて免れた程度だったら、違和感なく締められたかなと感じました。

それでは。
執筆お疲れさまでした。
また寒い日が続きそうですが、体調にはお気を付けください。

 

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2016年01月18日(月)22時16分 ハイ s7d/2ml3o.作者レス
皆様、この度は熱い御感想ありがとうございました。


おかげさまで当初の予定よりも少し良い結果をいただくことが出来ました。
皆様のご意見、御感想を糧に、次回は優勝に絡めるような作品を投稿出来るよう、頑張ります。


なお、体調不良と操作環境の関係からお一人お一人への返事は休日になるかと思います。
すいませんが、今しばらくお待ちくださいませ。


あ、面白いオチとか無くてすいません。
 

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2016年01月17日(日)22時58分 青出20点
 こんにちは。感想を書かせていただきます。最高に可愛いヒロインの魅力たっぷりのストーリーを堪能させていただきました。

ここが好きです
○ヒロイン
 なんと言っても、美果の可愛らしさにつきます。幼女キャラはこうやって書けばいいのか!というお手本のようなキャラでした。
・性質や知性レベルが現実の五歳児っぽい。
・頭にミカンを載せているようなヘアスタイル。
・あくまで「親戚のお兄ちゃん」としての主人公への素直な好意。
・「言わされている」感満載の決め台詞。(こういうあたりも五歳児としてのリアリティがある)。
 等々すべてが私の好みです。作者さまは、現実に生きている人たちを丁寧に観察されているのだろうなということが伝わってきました。美果の活躍する別の物語が拝見したいです。
○主人公を取り巻く人々
 叔父夫婦は本当にいいキャラですね。チンピラ風の気がよい親戚の叔父さん、会ったことはないのに現実にいそうと思ってしまいます。ミカンのある居間や、お正月の集まりなどの描写と相まって、主人公の過ごしている温かい日常生活が浮かんできました。
 敵役の強盗も十分な迫力を持っていたと思います。目出し帽が脱げるシーンは興味深かったです。
○魔法なのかそうでないのか
 この作品の斬新な仕掛けとして、美果の能力が魔法なのかそうでないのかが最後まで明かされないということがあると思いました。強盗をやっつけるときに冷凍ミカンを使っていたので、やっぱり魔法ではなかったのかな?と思わせておいて、最後に「ひっとぽいんとをかいふく」するのが面白かったです。

ここが気になりました
○魔法を前面に出してほしいです。
 この作品はこれで十分高いレベルで完成されていると思いますので、以下は単なる私の好みです。
 山場の冷凍ミカン攻撃は確かに意外で面白いものではあるのですが、個人的な好みとしては、もっと魔法らしいものであるほうが好みでした。この作品のメインとなる強盗との攻防ですが、破綻なくリアリティを持って書かれている反面、物語として少し退屈に感じてしまいました。書き方として難しいとは思うのですが、美果の魔法をもっと早い段階で活躍させてもいいのかな?と思います。今回のストーリーでは主人公の頑張りがよく出ているのですが、それよりむしろ彼はワトソン役に徹して、美果をメインに持ってくる書き方もあるのかなと考えました。

 楽しませていただきました。今後のご活躍に期待しております。
 

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2016年01月17日(日)18時12分 AQUA Q1iqZnWgTo20点
ミカン!(こんにちは)
ミカンミカン!(作品拝読しました)

……ということで、読了した作品の中で、かなり好みだったこちらに感想をば。
文章など基本的なところは特にツッコミどころもなかったので、素直な(個人的な)感想になります。

もともと自分は、小さい子が面白い行動をとる漫画が好きなんですよね。
主に「よつばと」と「ばらかもん」なんですが。
前半は、そんな空気が出ていてほんわか楽しめました。

しかし、後半はいきなりの超シリアス展開……。
この流れは正直イマイチでした。
前半で生まれた空気感を損なわない、ちょっとおバカな説教強盗(?)みたいなヤツを出した方がよかった気がします。

もし凶悪犯だとしても、相応の伏線(理由づけ)が欲しかったなと。
強盗が逃走中、たまたま大人がいない家に侵入する確率ってどれくらいなんだろう?
……ふっとそんな疑問が頭をよぎって、とたんに頭が現実に引き戻されてしまいました。

前半のキャラの見せ方を踏まえるなら、強盗(まぬけな感じ)のニュースを聞いた幼女が、その痕跡を発見して「やっつけに行く!」と乗り込んだりする方が、ナチュラルな展開なのではないかと思います。

もちろん、お目付け役の主人公は「やれやれだぜ」とついていくわけですが、そこにも何かしらの理由が欲しいところ。
例えば、一緒に行った初詣で主人公が凶を引いてしまったのを見て、幼女たんが自分の大吉と交換してくれたとか、ちょっとした「貸し」があると自然かもしれません。

そして、最初は受け身だった主人公も、いざ危機的状況になったら身体を張って助けようとする……この流れはラノベっぽくていいですね。
なのに、敵が凶悪すぎるから彼の行動が無謀に見えてしまう……そこがとても残念でした。
ファイナルミカンについても、かわいくてアリなのですが、やはり凶悪犯を退治するにはミスマッチでは……と思いました。

さらに蛇足ですが、主人公とヒロインの年の差がちょっと気になります。
主人公がかっこよくヒロインを守ったあたりで、一読者としてはラブの期待を膨らませたかったのですが、さすがにガチロリは遠慮したい……。
もう少し二人の年齢を近づけて、将来的なラブもアリな感じにすると、よりワタクシ好みでありました。
成長した二人の、思春期っぽい胸キュンラブコメとか読んでみたいです☆

以上、少しでもご参考になりましたら幸いです。
 

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2016年01月10日(日)20時32分 タカテン yRNUcsqs0o30点
冬企画への参加、お疲れ様です。
拝読いたしましたので、感想を送らせていただきます。

(良かった点)
・ 謎のミカン推しw
冒頭の「――――ミカン!」はインパクト大。なんだろうこれ、と読み進めていくうちに、幼女の名前が美果と分かり、ああ名前由来かと思いきや、投げているものも蜜柑。これだけで十分ニヤけさせられるのに、実は「ミカン」という叫び声は魔法の呪文だった、という謎のミカン推しにヤられました。
しかも、何気にタイトルを振り返ったら「みかんせい」だしw くそう、やりおるわ。

・ 魔法少女、なのか?w
基本的に物理攻撃ですよね、ミカン投げてるし。
と思ったら、最後に死にかけだった主人公の怪我が回復しているあたり、魔法少女らしさが出ているのが心憎いです。つまりはアレだ、美果が操る蜜柑は魔法の効果を発揮するわけだ。なるほど、この理論であれば、ファイナルミカンの威力も頷ける……(実はいくら冷凍ミカンを100キロ近くのスピードで投げても失神するものかな、と思ってた。が、この理屈ならば記憶を喪失させるほどの衝撃を与えることも可能。恐るべし魔法少女ミカン)。

(気になった点)
・ 美果の隠れ場所
強盗が部屋から出て行った際に、こたつ布団からもそもそと出てきますが、そもそも最初にかくれんぼだと思った主人公がこたつの中を探していませんでしたっけ? 玄関とかに移動している間に、隠れ場所を変えたのでしょうか。
また、いくら五歳児といえどネコじゃないんだから、こたつ布団の中にいたら強盗も気付くでしょう(こたつの中だったらまだしも)

(自分ならこうするという無責任なアドバイス)
 先述した気になった箇所以外はすいすいと読め、前半はニヤけながら、後半は多少の緊張感を楽しみながら読ませていただきました。面白かったです。
 ただ、あえて言うならば、主人公がやや自己犠牲に傾きすぎかもしれません。姪っ子を助ける為に自分の命を顧みない行為は納得できますし、美果だけでも助けようとするのは立派なのですが、強盗が怯んでいる隙に美果と一緒に逃げるという選択肢が出てこないのはちょっと違和感がありました。美果をひっぱ叩いて説得する余力があるのなら、一緒に逃げ出すことも多少は考えるのではないかなと思いますね。
ちょっとは考えた上で、やはり自分はもう無理だから美果だけでも、という考えに至ったのであれば、この違和感はなかったかもしれません。

それでは失礼いたします。
執筆、お疲れ様でした。
 

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2016年01月10日(日)17時32分 テレグノシス10点
ああ、未完成ってそういう意味か! と気が付いたのは読み終わってタイトルを見直した時。
おもしろい言葉遊びで、おもわずニヤリ。

冬の住宅街は雪に埋もれているので、そう簡単には近所に助けが求めらない、という状況下で突然の強盗犯。
絶体絶命という危機になって、ここでまさかのミカン。
しかも地味に痛い。小さい頃よく冗談でミカンを投げ合うことをしていましたが、
それを思い出してしまうようなほっこりかんと、それとはまるで真逆な状況に惹かれます。
犯人が素っ頓狂で情けない声で床に転がった時は画面をスクロールしながらなんか変な声が出てしまいました。
そして最後のファイナルの意味。そりゃあ痛いわ、と。
あの爽快感は見事でした。

 

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2016年01月08日(金)23時38分 いりえミト30点
 こんにちは。
 御作『魔法少女は未完成』を拝読したので、感想を書かせていただきます。


 面白かったですねー。
 
 前半は美果の可愛らしさや、魔法を題材にしたギャグ、夏さんや柚子子さんの面白キャラなど、とにかく笑えて、ほのぼの楽しめました。
 蓮冶のツッコミもナイスでした。「いえ、俺は何も聞いてませんゆずゆず」が特によかったですw

 後半、強盗が侵入してからは一転してシリアス展開になるのですが、こちらもよかったですね。非常に緊迫感がありました。
 とぼけたキャラだった美果が大活躍するところや、蓮冶が身体を張って美果を護ろうとするところが、めっちゃ熱い!
 そして、前半にギャグとして登場したミカンの魔法が、この後半で生きてくるという構成が非常に上手いです。
 ファイナルミカンはまさか冷凍とはw そりゃ使っちゃいかんわw
 
 ミカンの魔法が物理攻撃として強盗に効く、という展開が上手いなーと思うところですが、最後の最後で「本当に魔法だった?」と思わせるのも、またいいですねぇ。そのあたりのバランスも絶妙でした。

 文章もハイレベルですね。読みやすいうえ、体言止めを多用するなど、独特の読み味もありました。素晴らしいです。

 個人的にひとつだけ感じたのは、冒頭シーンでしょうか。
 「五歳児が見事な投球を披露する」というのは、なんだかシュールで、「ぶっ飛んだシュールギャグ作品なのかな?」と思いました。
 実際のところは、ギャグパートもシュールではなかったですし、後半はシリアスだったこともあって、この冒頭シーンはやや浮いている気もしました。
 もちろん、クライマックスで強盗を倒すための前置きとして、「美果の投球力」を示しておく必要はあるのですが、それにしても、この冒頭は「投球力が凄い」を強調しすぎな気が。
 「ミカンを投げるのが上手い」くらいの簡単な描写でもよかったんじゃないかなと、私としては思いました。

 とはいえ、上記の指摘は作品全体から見ればまったく問題にならないレベルのものですし、とにかく作者さんの筆力の高さがうかがえる、素晴らしい作品だったと思います。


 私からは以上です。
 執筆おつかれさまでした。
 

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2016年01月08日(金)02時14分 99kg mXR.nLqpUY20点
非常に完成度が高い作品でした。
いや未完成なんですけど。完成度は高いです。


これは個人的な感想にもなるんですが、
小さな子が事件に巻き込まれ、主人公を助けようとする場面などはやはりもどかしさというか、焦燥、イライラ感を募らせてしまいます。
それは狙っているものであり、そういう読感があるのは成功しているのですが、
 ホラーでは怖い思いをさせる
 気持ち悪いものでは、気持ち悪くさせる
 問題作では悪、敵に対する嫌悪、憎しみを感じさせる
からその成功には意味があるわけで、
幼い少女がたどたどしく行動するとか、分からないが故に不適切な行動を取ってしまうのは、描写の選択としていかがなもんか、と思ってしまいます。
特に美果を張ってしまうシーン。
リアリティに添ってはいるのですが、読んでいてあまり気分のいいものではない。

リアリティな描写に拘っている割にはラストコスチュームに身を包んで出てくる辺りとか、どっち路線なのか、と迷う部分でもあります。
最後に突然わらわらと登場キャラが増えたりと、その辺も少しアンバランスな感じがしました。
最後にちょっとだけ不思議を残す、とかも中々よいですね。

個人的にはファイナルミカンが想像した物より弱かった。ここはもっとぶっ飛んでほしかったです。

 

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2016年01月18日(月)06時18分 あまくさ
失礼しました。今回、作品を投稿できなかったので、新ルールを十分に把握できていません。感想も匿名にするのですか?
では。
すでに私のHNをご覧になった方がいらっしゃったら、忘れてください(笑

 起承転結が明確で、序盤に伏線を張り、それがしっかり回収されていました。文章にも安定感があり、作者様がかなりの実力をお持ちなのが窺われました。

 ただ、本作は、個人的にちょっと物語に入りにくい感じがあったんですね。
 どういうことかと言いますと。
 冒頭の美果の描写。どのくらいの距離でキャッチボールしていたのか分かりませんが、

>仮に実際のマウンドから投げさせたとしたら、百パーセント近くの確率で、バッターボックスまで届かない。そのはずだ。
>そのはず、なんだよなぁ……。
>蓮冶は胸中で首をかしげる。
>「ミカン!」
>奇妙な掛け声と共に投げられた球は、蓮冶が構えたミットへ正確に収まった。それも、直線に近い軌道を描いて。

 というふうに書かれていたため、それなりの距離からミカンが真っ直ぐミットに収まる風景を思い浮かべてしまったんですね。それはちょっと考えにくいなと。
 そういうのもエンタメ作品的な誇張としてアリだとは思うのですが。しかし誇張はかまわないのですが、本作では冒頭いきなりだったので少し面食らってしまい、それが私の場合は、キャラやストーリーのイメージを頭の中でまとめることへの妨げになってしまいました。
 物語をつかみそこねた、という感じです。
 尺の短い作品だったこともあり、冒頭で気が散ったまま最後まで読み終えてしまい、いまいち作品の世界に入ることができませんでした。

 ただ、これはあくまで私はそうだったという話。作品との出会いがしらの第一印象が私には合わなかったということですが、他の方も同じ感想を持つかどうかはわからないのでご判断はおまかせします。


 それでは。企画参加、お疲れさまでした。

(追記)
 結末についてですが、この五歳児は「未完成」だけれど本物の魔法少女だった、ということで合っていますか?
 そうであれば冒頭の優秀すぎる投球術も、後半の強盗を向こうにまわしての目覚ましすぎる活躍も辻褄があうし、この子が成長したらどんな魔法少女になるのだろう? という想像も刺激して、とても素晴らしいアイデアだと思うのですね。
 ただ、上記のように私の場合は(私だけかもしれませんが)最後まで読みながらモヤモヤしてしまいました。
 モヤモヤした理由は、第一に冒頭を読んでこの作品がドタバタ・コメディなのかストーリー寄りなのかつかめなかったことです。

 もう一つ。

 あまり自信はないのですが、ひょっとすると美果が本物の魔法少女だと読者に気づかせるタイミングに問題があるのかもしれません。

1)最後の数行でほのめかすなら、それまでの展開をもっとリアルにする。

2)強盗との戦いで派手に活躍させるなら、美果は魔法少女なのかそうではないのかという疑問をもっと早く前面に出し、たぶん本物なのだろうとラストバトルあたりでは予想させてしまう。

この2拓なんじゃないかという気がしました。

真相を最後まで隠しきって、ラストで「ああ、そうだったのか!」と気づかせるのは、上策ではない場合もあると思うんですね。そこまでモヤモヤさせてしまうマイナスの方が大きいかもしれないからです。
 

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2016年01月03日(日)13時22分 つとむュー20点
冬企画の執筆、お疲れ様でした。
御作を拝読いたしましたので、感想を記したいと思います。

五歳児が操るミカン魔法(笑)の話でした。

>五歳児の投球力というものはだいたいどの程度なのだろう、と。

冒頭のこの伏線が最後に活かされます。
これはお見事でした。

>「ファイナルミカンは絶対に使うな、って」

五歳児の投球力が最後に出て来そうな展開であることを冒頭で匂わせ、
中盤で、キーワードが「ファイナルミカン」であることが提示されます。
そして、クライマックスで披露されるファイナルミカン!
とても良かったです。脱帽です。

>「いえ、俺は何も聞いてませんゆずゆず」

ここも面白かったです。


このように、構成はすごく良かったのですが、
感想を書くために再読した時に、設定がかなりご都合主義であることに気付きました。
初読の時にあまり感じなかったので、それはすごいテクニックだと思いますが、
あまりにもご都合主義すぎるので、興ざめすることが多かったです。

>一応、玄関の前に雪で靴跡が出来ていることから、誰かがいたのは間違いないのだが。
>「――――一人は逃走しましたが、この雪のため追跡が難しく、依然として見つかっていません」

うーん、主人公(読者)に対して、犯人は足跡を見せて不安を演出しているのに、
警察に対しては足跡を残していないなんて、都合が良すぎると思います。

>死を前にして、もう動かないと思っていた体が、かすかだが動いた。床に張り付いているだけだった手が、一センチ浮く。
>蓮冶は構える。同時に、美果も投球フォームに入った。

そしてクライマックス。
手が一センチしか浮かないという表現で、主人公の悔しさがすごく良く表現されており、
読者にも「あとはもう美果に託すしかない」と手に汗を握らせておいて、
ラストは美果と一緒にファイナルミカンを繰り出すなんて、やはりご都合主義だと感じました。
(手は一センチしか浮かなかったのでは!? と思わず叫んでいました)

>流石に百キロも出てるはずはないが、五十キロぐらいは出ていそうだった。
>いかに天才的投球センスのある美果が投げているとはいえ、ダメージは微々たるもの。

いやいや、マウンドからホームベースまで五十キロくらいで投げられる人が、
その半分以下くらいの距離からミカンを投げたら、それは相当のダメージがあると思いますよ。
ラストのシーンを演出するために、このような設定にしたのだと思いますが、
冒頭のシーンとあまりにもかけ離れ過ぎていて、興ざめしてしまいました。

ここからは個人的な妄想になって恐縮ですが、
ミカンをぶつけられて地味にダメージを受けている犯人は、
ファイナルミカンの一投目をキャッチしようとして手を出す。
が、いきなり突き指をして、痛がっているところに二投目が直撃! 
という展開もアリなんじゃないかと感じました。
それならば、主人公も無理して参加する必要もありませんし。

>それを投手へと投げ返し、もう一度ミットを構える。

何気にミカンが投手へ投げ返されていますが、五歳児がちゃんとキャッチできるでしょうか?
まあ、主人公のコントロールがかなり良ければ、それも可能だとは思います。
投げるのがボールだったら、転がして返す、という手もあったと思うのですが……


いろいろ書いてしまいましたが、ファイナルミカンのアイディアが素晴らしい作品でした。
とはいえ、再読時はご都合主義的な矛盾に興ざめすることが多かったので、これくらいの点数でご了承下さい。
拙い感想で申し訳ありません。
今後のご活躍に期待しています。
 

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2016年01月03日(日)15時21分 おとぎの国のアリス10点
あけましておめでとうございます。拝読いたしました。
「ミカン!」な、お話でしたね。
ミカン、魔法、強盗あたりがキーワードだったでしょうか。
物語自体は、綺麗にまとまっていました。ですが、どうも綺麗にまとめようとし過ぎて、全体的に薄味になってしまっているような印象を受けました。
50枚という制限がありますので、描きたいポイントをもう少し絞ったほうがよろしかったのではないでしょうか?恋愛要素を差し込む必要はほとんどありませんでしたので、コメディ色を強調する手もあったと思います。

ざっくりと思いますに、この設定ですと映画「ホームアローン」のような展開が合うような気がしました。冒頭から強盗を登場させ、主人公と美果で立てこもる。住宅街のど真ん中で籠城というのも、設定として難しいところがありますが。大雪、渋滞、通信障害、停電などなど、あらゆるギミックを総動員して孤立させてしまいましょう。
強盗がやたらとシリアスでしたので、どうも美果との相性があまりよくなかった感がありました。ドタバタコメディに特化して、五歳児と同等クラスのおバカな強盗あたりだと、突っ込みどころも緩和されるような?
休戦と称して、こたつで三人でミカンを食べる、なんてこともありでしょうかね。展開を落ち着かせる効果もありますし、強盗の動機、背景なんかも描きやすくなりますからね。

主人公はフリーにして、これもおバカさんにしたいところ。突然訪れた非日常を、面白おかしく描いてみたほうが読者の関心は高い気がします。
設定とキャラクターとのミスマッチが、残念な作品でした。

ラストの回復魔法は、前段階でのタメが欲しかったところです。
「おい、五歳児。なんか、ほかに使える魔法はないのか?」
「あるにはあるけど……これだけはらめぇ!!」
「なんでだ?」
「パパが言ってた。超強力な魔法だから、大切な人にだけ使いなさいって」
みたいな。。。
キャラクターの設定を少し変えるだけで、だいぶ印象の変わる作品のように思えました。

私からの感想は、以上となります。
執筆お疲れ様でした。
作者様の意図に沿わないものは、スルーなさって下さい。
それでは、またの機会に。ありがとうございました。
 

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2016年01月03日(日)06時26分 天田龍太郎10点
スマホから失礼します。
まず、描写がうまくない俺と違って、きちんと小説らしい文体を構築できていると感じました。文章レベルでの問題は感じませんでした。
それで、肝心の内容ですが、全体的に言えば謎シリアス感が強かったかな。
冒頭から、ミカン幼女推しのキャラクター小説なのは伝わってきましたし、魔法少女なのか投手なのかわからない、謎のごっこ遊びとか面白かったです。
あとは、技名ネタとか。
細かいところを言うなら、五歳児は少女じゃなく幼女だろうという点ですが、それはどうでもいいか(笑)
最初の方のネタ感が面白かっただけに、ずっと幼女と主人公が戯れていればよかったのに、と感じてしまいました。
ヒロインのキャラに対して、敵キャラがシリアス過ぎます。それに尽きます。
雪が苛烈になってきた描写がありますから、冬将軍的なファンタジーキャラを登場させて、ソイツのせいで叔父が帰ってこれないから、倒そうという展開にするとか、近所のロリコンパンチパーマの変態を登場させて、いつもくるの、あのおじさん。ああいうのが、ヘンタイっていうんだよね、と幼女に言わせるとか、どこかしら敵をコミカルなモノにした方が良かったんじゃないかと。
後半のバトルをメインとしてみると、キャラとしての主人公と叔父にほとんど活躍の機会と存在理由がないように思われます。
主人公については、あまり掘り下げがなくて、無個性というか……読み逃していたら申し訳ないんですか、そもそもコイツ、何歳でしたっけ?
ヒロインの掘り下げは充分なので、主人公も半分程度くらいは、ソイツが主人公であるべき理由を定義しましょう。
バトルとしてみると、やはりシリアスなキャラをコミカルに倒すチグハグ感がありますが、それよりも思ったのは、せっかく技名が色々あるという設定だったので、最後は怒涛の技名ラッシュで魅せて欲しかった。ミカンと叫んでいるだけだと、もったいない。
あと、大人びているという設定がない、ひらがな口調幼女の口づけには、若干の違和感が。いや、そういう嗜好なのだとしたら、別にいいのですが。

色々書いてしまいましたが、基礎的な文章力があるだけに、もっと魅せ方を考えれば、映えると感じました。
個人的には、男の乱入からがちょっとダルかったので、ほんわかネタメインで書かれた方が楽しい作家さんかな、と感じました。
以上です。
 

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2016年01月03日(日)06時24分 天田龍太郎10点
スマホから失礼します。
まず、描写がうまくない俺と違って、きちんと小説らしい文体を構築できていると感じました。文章レベルでの問題は感じませんでした。
それで、肝心の内容ですが、全体的に言えば謎シリアス感が強かったかな。
冒頭から、ミカン幼女推しのキャラクター小説なのは伝わってきましたし、魔法少女なのか投手なのかわからない、謎のごっこ遊びとか面白かったです。
あとは、技名ネタとか。
細かいところを言うなら、五歳児は少女じゃなく幼女だろうという点ですが、それはどうでもいいか(笑)
最初の方のネタ感が面白かっただけに、ずっと幼女と主人公が戯れていればよかったのに、と感じてしまいました。
ヒロインのキャラに対して、敵キャラがシリアス過ぎます。それに尽きます。
雪が苛烈になってきた描写がありますから、冬将軍的なファンタジーキャラを登場させて、ソイツのせいで叔父が帰ってこれないから、倒そうという展開にするとか、近所のロリコンパンチパーマの変態を登場させて、いつもくるの、あのおじさん。ああいうのが、ヘンタイっていうんだよね、と幼女に言わせるとか、どこかしら敵をコミカルなモノにした方が良かったんじゃないかと。
後半のバトルをメインとしてみると、キャラとしての主人公と叔父にほとんど活躍の機会と存在理由がないように思われます。
主人公については、あまり掘り下げがなくて、無個性というか……読み逃していたら申し訳ないんですか、そもそもコイツ、何歳でしたっけ?
ヒロインの掘り下げは充分なので、主人公も半分程度くらいは、ソイツが主人公であるべき理由を定義しましょう。
バトルとしてみると、やはりシリアスなキャラをコミカルに倒すチグハグ感がありますが、それよりも思ったのは、せっかく技名が色々あるという設定だったので、最後は怒涛の技名ラッシュで魅せて欲しかった。ミカンと叫んでいるだけだと、もったいない。
あと、大人びているという設定がない、ひらがな口調幼女の口づけには、若干の違和感が。いや、そういう嗜好なのだとしたら、別にいいのですが。

色々書いてしまいましたが、基礎的な文章力があるだけに、もっと魅せ方を考えれば、映えると感じました。
個人的には、男の乱入からがちょっとダルかったので、ほんわかネタメインで書かれた方が楽しい作家さんかな、と感じました。
以上です。
 

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2015年12月30日(水)21時11分 筋肉バッカ 9.WICozezU20点
こんにちわ。読ませていただきました。

冬、こたつに入りながら食べるミカンは最高ですよね…と言いたいものの実はミカンが苦手です。そんな私が感想を残していいのか悩みつつ、せっかくなので少しだけ失礼します。
美果ちゃんカワイイですね。あどけなさがよく伝わってきました。『よつばと!』というマンガに出てくるよつばちゃんを彷彿とさせるものがありました。冬の味覚であるミカンをこれでもかと絡めているのも面白かったです。

気になった点です。
ファイナルミカンなんですけど、冷凍ミカンてそこまで威力あるんでしょうか?実際やったことがないので、なんとも言えないのですが…。それか、オチのこともかんがえれば、ファイナルミカンにも何か特別な力が?とかも考えましたが、ちょっとモヤリとしました。

以上です。
題材をうまくまとめた良作だと思いました。いつか魔法少女として完成するのかな、とか、先を想像させてくれますね。
執筆おつかれさまでした。
 

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2015年12月29日(火)10時21分 モンハンほも10点
拝読いたしました。

幼女!幼女!未果ちゃんが可愛かったです。ストーリーも起承転結がしっかりしていました。
ただ、こう言ったら失礼ですが「普通の話だな」という印象です。実力がある作者様が無難に仕上げた作品、というのが正直な感想です。
なぜそう感じてしまったのか。原因は主に二つあると思います。
まず一つ目。強盗が侵入してからが長すぎです。ヘイトシーンがあるにも関わらずいまいちカタルシスを感じませんでした。読み手としてはオチがわかりきってるのでフラストレーションが溜まる一方でした。いや、ヘイトシーンということを考えると正解なのですが、不満の方向性が敵に対してではなく、物語展開の遅さに対して向いてしまいました。凌いだと思ったらまだ敵がいた、というような捻りなど、読み手の興味を持続させる工夫が必要だと思います。
そして二つ目。創作表現は自由と考えているのであまりこういうことを言いたくないのですが……幼女が理不尽にいたぶられるのは、お世辞にも褒められる技法ではありません。ホラーやサスペンスならともかく、御作の冒頭からすると個人的にはそういう物語を期待して読んでいるわけではなかったので、顔をしかめる展開でした。
幼女を虐めるのが好きとか、倒錯的な熱を感じたわけではありませんし、物語の背景やテーマが見えなかったのです。繰り返しますが、技術も感じましたし、たぶん作者様は知識も教養もあって物語を作ることに慣れていると思うんですよ。だからこそ「こう書いときゃいいんだろ」的な意図が見えてしまったように思えました。なぜ幼女が辛い目に合わなければならないのか、幼女である必要があるのか。そのあたりを考えて書いて頂ければと思います。
厳しいことを書きましたが、作者様ぐらい書ける実力があるならもう一段階上の作品を目指して頂きたいと思います。自分では出来もしないことを偉そうに書いてしまいました。申し訳ございません。

拙い感想で申し訳ございません。
以上、失礼いたしました。
 

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2015年12月28日(月)22時45分 ミチル40点
 こんばんは、御作を読了いたしました。拙い感想になりますが、参考になれば幸いです。
 可愛い幼女は正義!

・文章は非常に読みやすく、するすると読了できました。物語に入り込みやすかったです。いつの間にか読み終わった、という感覚でした。物語の起伏がしっかりしていて、読んでいて飽きませんでした。

・強盗に押し入られる場面は手に汗握りました。このまま蓮治が殺されてしまうのでは? という恐怖を抱きました。れんにぃと一緒に逃げようとする美香に泣けました。ハラハラが強かったため、最後はとても爽快でした。

・読了後にミカンが食べたくなりました。美香ちゃん素敵すぎますw

・某RPGネタも個人的にはツボでしたw しかし、世代が違うと通じないかもしれません。分からない人には教えてあげたいですが←


 指摘らしい指摘ができなくて申し訳ありません。これからも執筆を頑張ってください!
 

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2015年12月28日(月)22時15分 ウサリアス0点
 どうも、感想専門のウサリアスです。

 文章は、読みやすかったので、良かったです。
 ただ、話が、中途半端な印象で、ギャグに徹するか、シリアスに徹するかしたにした方がもっと良かったです。
 個人的には、ヒロインの年齢上、ギャグに徹したほうが、もっと面白くなった気がします。

 では。
 

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2015年12月29日(火)11時57分 藁谷拳 Awdr/kQ7Ic20点
最後まで読ませてもらいました。
最初のほうは日常系かな? ミカンちゃんはかわいいけど、あんまり面白くなさそうというのが正直なところでした。
しかし中盤の、強盗犯が押し入ってからは一気にジェットコースター的な流れに。そして面白さが加速していったように思えます。

全体的に文章は読みやすく、文法的な誤りはなさそうです。
ひねりがないのがちょっと物足りない感じですが、この手の小説ではきっと不要なのでしょう。そう思うことにします。

次に気になった点をふたつあげます。
一つ目は、魅力を全く感じられない主人公について。
日常系の等身大主人公ですから、ある意味蓮冶のキャラクターづけは間違っていないのかもしれませんが、それにしても普通すぎる。
もうすこしプラスアルファがほしかったところです。

二つ目は、最後の締めくくり。
蜜柑はミカンちゃんを比喩しているのでしょうが、あまりにストレートすぎて、うまい締めとは思いませんでした。
うまくいかないと感じたら、別の手法に切り替えるのが無難ではないでしょうか。

とはいえ全体的にレベルが高く、読者を楽しませる雰囲気が好印象でした。
簡単ですが、こんな感じです。
 

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合計 15人 260点

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