博士と助手と美少女 |
ある日の午後だった。研究室で老人がまどろんでいる。そこへドアが勢いよく開き、白衣姿の若い男が飛び出してきた。急いで老人に駆け寄りゆり動かして 「博士、博士、三柿野博士。起きてください。先ほど今回のお題が発表されましたよ。--○○と美少女--だそうです」それを聞いてなんとも言えぬ表情で老人が起き上がる。 「いい感じで昼寝しておったのに……。おお~なんと、美少女か。ワシの一番得意な題材じゃわい。このときが来るのを今か今かと待っておったのじゃ。田神、早速製作に取り掛かるぞ」博士の目がらんらんと輝きだした。 「わかりました! で、博士の美少女のイメージはどんな感じなんです?」 「昔、スクリーンで一世風靡した、小百合ちゃんとか、絹代ちゃんとか、百恵ちゃん、恭子ちゃんとか。たまらんのう」 「一人だけ時代の違う人がいませんか?」 「だまらっしゃい。美少女は永遠の憧れなのじゃよ。それは田神も同じじゃろう?」田神は満面のドヤ顔で言った、「そりゃそうですよ。ちょっと幼さが残ってて、背が低くて、ぽっちゃりで貧乳で……」 「田神、お前は幼女趣味なのか? それはイカんぞ。このワシでも幼女には手を出してないからな」 「はい……」(って、他の女には手を出してるのかよ?)さすがに声に出すツッコミははばかられた。 「しかし、貧乳には納得じゃ。お前も貧乳の良さがわかるのか?」 「そりゃもう、貧乳こそ正義ですよ!」 「おぬし、なかなかわかっておるのう」 「博士もお目が高い! さすがです」 「うむ、巨乳はパッと見は良いが、経年変化があるからのう。その点貧乳は長く楽しめる」 「なるほど、さすが伊達に長年生きてませんね。しかし、巨乳の谷間だけはけしからんですね」 「あれは目がどうしても追ってしまう。まさに反則じゃ」 「まさに! ……。という訳で貧乳の美少女ロボって事でいいですか?」 「その他のパーツはどうするんじゃ? お尻とかお腹とか。ワシはくたびれたお尻やお腹にグッと来るんじゃが」 「それはマニアック過ぎますよ! とりあえずハリのある身体でいきましょうよ」 「そうじゃのう。ピチピチギャル風でよかろう」 「ピチピチギャルって表現が古すぎますよ!」 「じゃあナウなヤングでどうじゃ?」 「いやそれも古い!」 「まあ何でもいいわい。女学校に通うような若さいっぱいの子なら文句ないんじゃろう?」 「そうですね! それが世間的には美少女だと思います!」 「ちょっとあんたたち! さっきから黙って聞いてれば。何好き勝手な事言ってるのよッ!」と仁王立ちをして猛烈な勢いでツッコミを入れるのは、三柿野博士の孫娘、那加だ。 「あ、那加さん、ちょうどいい所に。実は次回のロボットコンテストのお題が発表されたら、博士が暴走しちゃってもう止められないんですよ」 「田神さん、あなたもしっかり意見してた様な気がしますが。貧乳こそ正義は判らなくもないですけれど」 「那加さん、でしょう? やはり女性は貧乳が……」といいながら、田神の視線はそのたわわな那加の胸に釘付けだ。 「ちょっと、ドコ見てるのよッ! あなた今貧乳は正義って言ったばかりじゃない」 「いや、谷間も正義かなと」 「意味わかんない、さっきと違う!」 「これこれ、仲良くしなさい」三柿野博士がちょっと申し訳なさそうに割り込んできた。 「おじいちゃんも、いい加減にしなさいよ、もう」 「お、そうだ。那加をモデルにしてみてはどうかのう」あごひげに手をやりながらにこやかに言った。 「私はイヤよ」即答だった。 「そこをなんとか」田神が懇願している。もう土下座してお願いしかけない雰囲気だ。 「3Dスキャナでなぞるだけですから、ほんの十分程度で終りますのでご安心を」 「いいえ、信じませんよ。そんなニヤニヤしてる顔を見て信じる方がヤバいでしょう」確かに田神の顔にはほほ笑みが……。 「じゃ、まず簡易な3Dスキャナを作る事から始めないとじゃな」 「ちょっと~おじいちゃん。そこ? もう付き合いきれない。ご勝手にどうぞ! 那加はドアを大きな音を立てて閉めて研究室を出て行ってしまった。田神はしまったと、バツの悪い顔をしている。(嫌われちゃったかなぁ……)そんな田神を察してか、博士は「設計パターンは、23-778でよかろう。しかし、モデルとなる人物が欲しいのう。田神、心あたりはないか。お前もまだ若いんだし、つての一つくらいはあるじゃろう?」 「う~ん、私も研究一筋で女性とはあまり交流がなかったものですから……。 そうだ! 街に出てみましょう。そうすればヒントがあるかもしれません」田神はなんとか苦肉の策で提案をした。 少し考えた末、三柿野博士はゆっくりと言葉を選んで、「なるほど、街に出て下々のマルビの暮らしを見てみるのも手じゃの」 「だからマルビって古すぎる!」 街にやってきた三柿野博士と田神助手。二人ともキョロキョロと辺りを見回している。 「博士、街にやってきましたよ。クリスマスの飾りつけがキレイですねぇ」 「うむ、心が洗われるのう。この街は若い子がいっぱいじゃな」博士もゴキゲンである。 「若者の街ですからね~、ここは」田神もニヤニヤしている。そして博士がなにやら見つけた様子だ。「あの子たちは何じゃ? この寒いのにあんなカッコウで寒くないのかのう。裸同然じゃ」 「あれは、コスプレというものですよ。映画やアニメのキャラクターになりきって仮装するんですよ」田神が答える。 「ほう、面白そうじゃのう。田神、いってみるか」「はい」二人はいそいそとそちらへ向かった。 「ハイ、ミミちゃんかわいいね~。こっち向いて」その声とともにコスプレした女の子がカメラの方を向く。パシャ! とシャッターを切る音。「こんどはこっち向いて~ミミちゃ~ん!」ミミと言われている子はニッコリ笑いながらポーズを決めている。会場は雑多な声であふれてる。 「ウチの孫と同じくらいかのう。かわいらしいのう」三柿野博士はにこやかに反応する。 「若いっていいですねぇ~……」田神が思わず漏らす。 「田神、何を言っておる。お主も若いではないか。まだ大学生じゃろうが」 「え、ええ。まあそうなんですけども……」 「自分に自信がない態度はいかんぞ。ダメでもいいからまずは堂々と振舞うんじゃ。それがモテるポイントじゃぞ」 「そういうもんですかね?」「うむ、そういうもんじゃ」二人のやりとりが続く。 「ちょっといいですか、あなたたちは新しい人ですか?」後ろから女性の声がする。 「え?」と言って田神が振り返り、その後に博士も後ろを見た。声の主は若い女性であった。その人は巫女の姿をしている。 「面白いですね。博士と助手をテーマにしたの?」その女性が続けて話す。 「おお~女神様じゃ~。ナマンダブ。拝んでおこう」博士は両手を合わせてその女性を拝む。 「あはっ、おもしろ~い。博士、お顔をあげてくださいな」女性は拝んでいる博士の手を取る。 「は、博士!」田神は慌てふためく。 「ハイ、いいよいいよ~。巫女と拝む博士。いいね~」パシャ! カメラのシャッター音とフラッシュの光があちこちで目に入る。 「なんじゃ、なんじゃ。まだロボットコンテスト受賞記者会見には早すぎるじゃろ」 「違いますって、博士」田神の微妙なツッこみが入る。 「いいわぁ~、そのボケとツッコミ。あなたたちサイコー」似たような言葉が笑いと共に回りから聞こえる。二人には全く何のことかわかってない様子だ。 「おーい、博士と助手さ~ん、ポーズキメてコッチ向いて~」「こっちも~」人だかりが出来てあちこちからお声がかかり、二人とも何だかわからないままポーズをキメて写真を撮られる。 「なんか芸能人にでもなった気分じゃのう」 「一体、なんでこんな事に……」 「田神、まずは考えるより楽しめ。これがコツじゃ。そして堂々とな」 「は、はい、博士」田神はもう半分やけくそになっている状態である。時の流れに身を任せようと思った。 とりあえず一旦落ち着いた。 「やれやれじゃわい。ワシ達、結構人気あったな。どうじゃ田神、この勢いでレコードでも出すか」 「何を言ってるんですか博士は。しかも今はレコードじゃなくてハイレゾですよ」 「ハイレグなら判るんじゃがのう……。まあいいわい。そうじゃ、ワシ達はなんでここに来たんじゃったかのう」 「えっと…… 何でしたっけ? ああ、モデルさんを探しに来たんですよ! 美少女のモデルを」 「おお、そうじゃった。いい娘はおらんかのう」博士はキョロキョロとした。しばらく辺りを見回して、ちょっと途方に暮れていた時に声がした。 「博士さん」ふと声のするほうに二人が振り向く。声をかけて来たのはさっきの巫女のコスプレをした女の子であった。 「何か探してるの?」 「おお、さっきの巫女さんか。ワシ等はモデルを探しているんじゃよ。お嬢ちゃん、よかったらモデルになって欲しいんじゃが」 「何のモデル?」 「今度、ロボットコンテストがあってな。そこに出す美少女のロボットの原型になるモデルじゃよ」 「へ~、面白そうね。どんな事をするの?」 「ああ、ちょっとスキャンするだけじゃよ。痛くはしないから大丈夫じゃ」 「ふぅん、私、ちょっとやってみようかな……」 「え、ホントですか? ぜひぜひお願いします!」田神の目がランランと輝いてるようだ。 「田神よ、ちょっと待つのじゃ。まずはワシらの正体を明かすのが先じゃぞい。ワシは三柿野六軒。このとおりのじいさんじゃ。研究所でいろいろ研究をしておる。そしてコイツは助手の……」 「田神と申します。T都大の大学で研究をやってます。三柿野博士の研究に感銘してしばらくごやっかいになってる身です」 少女はふんふんとうなずきながら聞いていた。聞き終わると、「私は、加納雪乃。U市の女子高に通う高二です。コスプレは高一の夏休みに偶然始めたんだ。なんか違う自分になれるのが好きで」雪乃はちょっと照れたような表情である。 「ほう。雪ちゃんと呼んでいいかのう。確かに変装は違う自分を演ずる事ができるな。女優のように」博士は雪乃の話にうなずきながら答えた。 「でも、周りは段々過激になっていって露出がすごい事になってたりするの。私はそこまでは出来ないからちょっと……ね」 「他の子は承認欲求が強いのかのう。あんまり要求に答えすぎていると、自分を見失ってしまうからのう」博士の声をさえぎるように雪乃が言う「承認欲求?」 「それは、簡単に言うと認めて欲しい、認めてもらいたいという事ですよ」田神が口を挟んだ。 「そうじゃ。たとえばテストで九十五点を取ったら、{母親にがんばったね}と、とりあえずほめてもらいたいじゃろう? だが、{何で百点取れないの}と言われたらがっかりというか、嬉しい気持ちにはならんじゃろ。そして大抵の子は自分はダメな人間なんだと思い込んでいくんじゃ」 「そうですね、それが度重なっていくと、親のためにがんばる子になってしまうんですよ。子供は親にほめられたい欲が強いですからね」 「そうなると、どうなるの?」雪乃は食い入るように二人を見つめている。 「いろんな影響が出るじゃろうな。それをバネにしてがんばるという良い影響がでるといいんじゃが、大抵は自分を見失ってしまうな」 「努力の方向が自分のためではありませんからねぇ。常に誰かの影響を受けていたりして、自分の事は後回しになり、他人を優先させ、さらに自分を見失っていくというスパイラルに落ちる場合もあります」 「そうなったらどうしたらいいの?」雪乃はちょっと哀しい顔をした。 「どうかしたのかな?」博士が雪乃の顔をのぞきこむ。 「ううん、なんでもない」雪乃の表情がさらに暗くなった。 「そうか、つまらん話をしてしまったのう。申し訳ない」博士は雪乃に頭を下げた。そしてポケットから名刺を出して雪乃に差し出した。 「今日はここまでにしておこう。そうじゃ、ワシの名刺を渡しておくから、気が向いたらここに書いてある電話へ電話してくれればいい。セキュリティために合言葉を聞かれる事があるが、そういう時は高山のスットコドッコイと言えばいい」 「スットコドッコイ? ……」雪乃は不思議そうな顔をしている。 「ワハハ。まあ気にするな。合言葉じゃからの。それから自分を見失った時は、自分の好きな事やりたい事を優先させるのじゃ。誰の目も気にせずな。無論犯罪的な行為はイカンが、子供の時の夢でもええ。一人旅でもええ。心の声に従って自分を最優先させるのじゃ。誰のでもない自分の人生じゃからの。多少のワガママもええんじゃなかろうかの。じゃワシらはこれで失礼するぞい。田神、行こうかの」 「はい博士。では雪ちゃん、またね」 雪乃は二人を見ながら無言であったが、ずっと二人を見送っていた。 「博士、いいんですか? 雪ちゃんにあんな事言っちゃって」 「あれでいいんじゃよ。彼女は丁度迷っていたんじゃろう。周りの様に自分を抑えてまで過激な路線に走るか、それとも自分らしさを保つかという事じゃと思うが」 「過激な人たちが全部そんな人たちじゃないと思いますが」 「無論じゃ。好きでやっておる者もおるじゃろう。それはそれで突き詰めていいと思うぞ。ただ、自分の気持ちを否定してまで相手に合わせる必要はないんじゃよ。まだ若いから結婚なんかは考えておらんじゃろうが、将来彼氏と付き合う事になった時に、自分を抑えて彼氏に尽くし過ぎたりすると、ダメ男を作ってしまったりするんじゃよ」 「へーそうなんですか? なんか言うことを何でも聞いてくれるいい子って感じがしますが」 「最初はそう思うんじゃ。でもな、それが過ぎると、コイツは何でも言うことを聞くと男が調子に乗ってしまうんじゃよ」 「あ、なるほど、ハードなプレイじゃないと満足出来ないって事ですよね?」 「コホン。まあそうじゃな。実はお前さん、相当な変態じゃないのかの?」博士はニヤリと笑う。 「い、い、いえ、そんな訳では……」 博士は大笑いしている。 「ガッハハハハ。 ちゃんと顔に書いておるわ」田神の顔が真っ赤になる。二人は笑いながら帰って行った。 数週間後研究所にて。二人はロボットの製作に関するやりとりをしていた。 「博士、この部分はどうします?」 「む、普通にパンチでいいじゃろう。どう思うかね?」 「私は、クローがいいかなと」 「それじゃ、美少女ってイメージではなかろう? やはり女の子らしい、かわいい手がいいと思うぞ」 「博士ってちゃんと女性を見ていますね~」とりつくろうように話す。 「まあな、伊達に研究者をやっとらんよ。ガハハハハ」大笑いしてまた作業に戻った。 その時だった。研究所の電話が鳴った。 「はい、三柿野研究所です。もしもし? もしもし? 誰だろう? うーん聞こえないぞ。もしもーし」 「雪ちゃんじゃな」直感したようにつぶやく。それを聞いた田神が「もしもし? 雪ちゃん?」 「ああ、認証システムが機能しているかもしれんな。アイツは気まぐれに動き出すからの。ちょっと待つのじゃ」電話の向こうは、やはり雪乃だった。しかし、電話をかけたものの、そこから先をいう言う勇気がまだないのだった。 「……」(どうしよう。なんかドキドキ) 「コチラハ、Mケンキュウジョ。ニンショウのタメ、ピートイウオトノアトニ、キーワードヲオネガイシマス。ピー」 「え、あ、あの、た、高山のす、スットコドッコイ」 「キーワードヲカクニンシマシタ。ソノママオマチクダサイ」 「もしもし? 雪ちゃん? もしもーし」 「え? あ、ああつながった。もしもし。はい雪乃です。こんにちは」 「あ、ああゆぎのぢゃぁ~ん!」田神が絶叫していた。そんな状況でドン引きの雪乃。 「あの……」 「こりゃ田神! お前は何を興奮しておる。ちょっとワシに代わったんさい」受話器を田神の手から無理やり奪った。 「もしもし。雪ちゃんかな? こんにちは。ワシじゃよ。元気にしとったかな?」優しい声で諭すように話した。 「あ、博士さん、こんにちは。うん。元気にしてたよ。今は大丈夫?」 「こっちは気にせんでいいとも。どうした? なんか悩み事でも出来たかの?」 「ううん。この前のお話。やっぱりやろうかなと思って」 「そうか、別に無理はしなくてもいいんじゃよ」 「ううん。そっちに行けばいいの?」 「そうじゃな、田神に迎えにいかせようかの。市役所前駅の所で十四時に待ち合わせでどうじゃ?」 「うん。そこならいけるよ」 「ヨシ。決まりじゃの。それでは待っておるぞ」博士は受話器を静かに置いた。 「聞いたか田神。市役所前駅の前に十四時じゃ。迎えに行ってくれるか」 「え、はい。はい。喜んで! それで、パ、パンツは新しいのに着替えた方がいいですかね?」 「バカモン。当たり前じゃ。ワシも着替えてくるぞ。って、やはりお前一人では心配じゃから、ワシも付いていくぞい」 「え? 複数プレイですか? 最初からそれはハード過ぎるんじゃ?」 「バカモン。またよからぬ事を考えておるな。それは後のお楽しみじゃ。恋をするのも家庭の事情じゃて」 「だから古すぎる!」 二人は駅に向かった。少し早く来たのであろう、雪乃が待っていた。何か落ち着かずそわそわとした感じが見て取れた。 「よし田神、行って来るのじゃ」 「はい、博士」田神はゆっくり雪乃に歩み寄る。田神に気付いた雪乃は大きく手を振った。田神もそれに気付き手を振りながら駆け寄る。 「ゆきちゃ~ん」 「こんにちは~」 「ありがとうね。無理してない?」 「うん、大丈夫」 「うん。じゃいこうか」二人で博士の待つ車の方へ歩いていった。 「おお、待っておったよ。今日もかわいらしいのう」雪乃はちょっと頬を赤くした。 「照れた所が萌え萌えですね」 「さて、研究所に戻ろうかの」「はい!」二人の元気な返事が聞こえた。 研究所に到着した雪乃は、もの珍しい機材に興味深々。あちこちみてキョロキョロしている。 「まあ、普段はあまり目にしないものだから珍しいですよね」田神が気付いてフォローする。 「さて、着いたぞ。これじゃよ」三人の目の前には顔のない人形のようなものがあった。 「あれ? 意外と小さいのね。等身大かと思ってた」 「うむ。コンテストで規格がきびしく決められているからのう。テーマによって毎回違うんじゃが、今回は人型で身長は一メートル、重量は五十キロ以内と決まったんじゃよ」 「五十キロって結構重くない?」 「ああ、これは中身は機械ですからね。軽量化して身軽にするラボもあれば、重量化すラボもあるんですよ」 「ふうん、そういうものなんだ~」 「今回はロボット自体の性能に加えて、見た目の美しさも加点されますからね。最後にはバトルもありますし」 「バトル?!」雪乃は目を丸くした。 「えっと今回は、雪原レースがあるとこの資料に書いてありますね」 「どんなレース?」 「雪原にコースがあって、ロボットを何かにのせて行進させて、得点を競う競技と書いてあります」 「何かってなあに?」 「これは当日でないと判らないんですよ。車みたいなものか、戦車みたいなものか、スキーかそりか。全くわかりません」 「え~それじゃめちゃくちゃじゃない」 「うむ。そうじゃな。だからこそある程度予想したり、柔軟に対応できるロボットを作る事になるから、結構スキルも試されるのじゃよ」やはり博士の言葉は重みがある。 「先ほど聞いた中身の重量に幅が持たせてあったじゃろ? あれはそういう事なんじゃ。スピードレースなら軽量化じゃし、パワーレースなら重量化の方が有利な部分もある。そのへんのバランスが製作者の腕の見せ所じゃな」 「へ~奥が深いんだ~」雪乃は感心している。田神はうんうんとうなずいていた。 「さて、これからの流れを言うぞい。まずはゆきちゃんの身体をスキャンして体の特徴をこのロボットに写す。スキャン自体はすぐ終るからな。痛くないから心配せんでええ」 「うん」 「よっしゃ、では善は急げじゃ。早速準備にとりかかるかの」 「はい!」 「ちょっと待ったーーーー!!!」奥のほうから声がした。三人は声のする方を見た。 「あ、那加さん」 「ちょっとアンタ達、怪しいニオイがプンプンだわよ! そのスキャンとやらは私がします。おじいちゃん達は出て行って頂戴。もちろん盗撮等ないか調べますからね」三人の前で仁王立ちした那加が言った。 「ワシらはよっぽど信用ないんじゃのう。まあよいわい。では頼んだぞ」 「……」田神はちょっと不満げだ。 「これ田神、ではワシらはココを出ようかの。ホレ。第二ルームで性能テストでもしておこうではないか。もうあまり時間もないからのう」 「はい博士……」二人はロボットと一緒に出て行った。 最初に話し始めたのは、雪乃だった。「はじめまして。私は加納雪乃。U市の女子高に通う高二です。博士とはコスプレイベントで知り合ったんだ」 「こんにちは。私はおじいちゃんの孫の蘇原那加と言います。よろしくね。N高の高二です。三柿野じゃないのはお父さんが蘇原姓だからよ」 「え? 私はN女だけど?」雪乃がビックリした。 「え?」那加も驚いた。「N女なんだ?」 「N女は商業だもんね。隣同士だからどこかですれ違ってたかもね」 「あ~そういう事か。どうりで。しかし、ゴメンね。おじいちゃん達の変な事に巻き込ませちゃって」 「ううんいいの。私もなにか変わるきっかけ欲しかったし。日々がつまらなくてコスプレをやり始めたけど、何か違うかもと思ってた所だし」 「そうなんだ。しかし、あの二人なんでそんなイベントなんかに……」那加の目つきが険しくなる。 「何か、連中に勘違いされたみたいだったよ。白衣着てうろうろしてたら間違われちゃうよね」雪乃は少しはにかんだ。それを聞いた那加も、もう全くみたいな、あきれた表情になり、いつもの表情へ戻っていった。 「さて、どうすればいい?」と言いつつももう雪乃は上着を脱いで巫女のコスプレになった。そして指定された丸い所に立ち、「これでいい?」と言った。 「うわ~、かわいいね~。じゃ始めるね。ポチっとな」那加が機械のスイッチを勢いよく押して、一歩後ろに下がったその瞬間……。 「あ~~~ッ!」那加は足元を滑らして、バランスを取ろうとして、雪乃に抱きついてしまい、雪乃と一緒にスキャンされてしまった。 「いたたたた……」 「那加さん、大丈夫?」 「大丈夫だけど、二人一緒にスキャンされちゃったね。どうなんだろ? あ、それから名前はなっちゃんでいいよ」 「わかった、なっちゃんね。どうする? やり直す?」 「いいや、あの二人どうせまた変な事考えてるんだから、これでいいんじゃない? それに面白そう」 「二人のいい所が合体して、なっちゃんの胸みたいに大きくなってるといいなぁ」 「うんうん。ゆきちゃんの色白の肌は私もうらやましいし。まああの二人にはナイショでしておいて、二人だけのヒミツにしておこうね」那加は雪乃に向かってウインクをした。雪乃はかるくうなずいた。「おじいちゃーん。できたわよー。見に来てー」那加がマイクに向かってしゃべり、別室の二人を呼び出した。博士と田神は、待ってました! とばかりの表情を浮かべ慌てて、いそいそとメインルームへ向かった。 「どれどれ、上手く取れたかのう」博士は落ち着いていた。博士とは反対にそわそわしてるのは田神だ。 「ゆ、ゆきちゃんのデータ…… グフフフフ……」なにやら小声でブツブツつぶやいている。明らかにヤバい気配が。 「これ田神、あんまりよこしまな考えを起こすでないぞ。せっかくデータを提供してくれた雪ちゃんに失礼じゃろうが」 「は、はい!」ハッと田神は我に気付く。 那加は雪乃に向かって、右手でちょいちょいとおいでおいでをして、ひそひそ話をした。「ほら、やっぱり変な事考えてたでしょ。あれくらいでちょうどいいのよ。正確なデータなんていらないんだから」雪乃は笑いながらうなずく。 「計算完了しました」田神の声がする。 「どーれ、ちょっと拝見」博士がモニタに身を乗り出した。それを見て博士は首をかしげる。さらにそれを見て那加と雪乃は実は内心ドキドキしていた。 「な、何かおかしい所でもあった?」那加が博士に聞いてみた。 「なんか全体に数値が大きいんですよ。那加さん、何かいじりました?」田神も不思議な顔をして尋ねる。 「い、いや、べ、別に何もいじってないわよ。女にしかわからないけど、ゆきちゃんは、実は脱いだらすごいんだから、ねぇ」と言いながら雪乃の方を見た。雪乃の顔は真っ赤になっている。 「そうかそうか、ならいいんじゃ」博士は特に気にせずこう言い放つ。 「田神よ、まあちゃんと取れてるようじゃから、これを使って北極三号を完成させようぞ。大会まであまり時間もないからの」 「おじいちゃん、北極三号ってなあに?」那加が博士に尋ねた。 「ん? このプロジェクトの名前じゃよ。今回は冬に関するものを入れる事になっとるんじゃ。南極の方が良かったかの」 「それはいくらなんでも……」田神が突っ込む。 「え、南極だと何かまずい事でもあるんですか?」雪乃が素で聞く。田神が答える前にそれをさえぎる様に那加が口を挟んだ。 「それで、大会で勝てるの?」 「まだどんな競技か当日の発表だからのう。ある程度汎用性は持たせてあるんじゃが」 「大丈夫ですよ、博士。雪ちゃんですよ。負ける訳がありません」 「何だかわからんが、すごい自信じゃのう。大会は十日後じゃよ。言うのを忘れておったが、このロボットの操縦は那加がやるんじゃよ」 「え? なっちゃんが?」雪乃は目を丸くして那加の方を見た。 「那加さんはゲーマーとしてすごいんですよ。だから毎回チャレンジしてもらってます」田神が感心しながら言った。 「ふうんそうなんだ? なっちゃんすごいね」 「うん、今回は必ず勝って見せるからね。よく見ててね」 「では今日はここまでじゃ、ゆきちゃん、もうお家に帰ってもいいぞい。あとはワシらで作業をするからの」 「あ、あたしがゆきちゃん駅まで送って行くから」博士が田神に頼む前に危険を感じ、自ら申し出た。 「そうか、では頼んだぞ。大会の場所は市民会館のホールで十三時からじゃ。雪ちゃんもスタッフで申請しとくからの」 「では、送ってきまーす」那加の声とともに、雪乃はぺこりと頭を下げて、一緒に出口へ向かって行った。 「頼んだぞ」二人が去った後、田神が「雪ちゃんってこんなに胸大きかったっけ? おかしいなぁ。正義の貧乳だったのに……」とぶつぶつつぶやきながら作業をしていた。 雪乃と那加は偶然に隣同士の学校という事もあり、普段でも仲良くなっていた。二人は学校帰りに駅前のハンバーガーショップで話すのが日課となっている。 「いよいよ明日が大会ね。なんかドキドキする……」 「うん大丈夫よ、私にまかせて!」那加が自信たっぷりに言う。 「私も何か協力できるかな?」雪乃が自信なさそうに言った。 「ゆきちゃんはもういっぱい協力してるじゃん。もっと自信持ちなよ」 「うん、でも不安で……」今にも泣きそうな表情の雪乃である。 「まあ、勝っても負けても別に誰も損しないしいいんじゃないの? あんまり自分を追い込んでもしょうがないよ」 「そ、そうだね……」 「とにかく明日が楽しみだね。お互い楽しもうよ!」那加はウインクしてみせた。 「うん。そうだね」それを見た雪乃はほっとしたのか笑顔を見せた。那加の自信が頼もしく見えたのだった。 「じゃ、また明日! そろそろ行こうか」那加はニッコリ笑ってそういった。 大会当日、競技開始時間が迫って来た。しかし雪乃はまだ来ていなかった。 「雪ちゃん、来ませんねぇ。どうしちゃったのかな?」田神が不安そうに言いながらあちこちをウロウロ歩いている。 「おかしいなぁ。ゆきちゃん昨日約束したんだけどな……」さすがの那加もちょっと不安そうだ。 「CIRCLEで問いかけても返事もないんだよ……。事故でもあってなければいいんだけど……」 「まあいいではないか。それよりまずは大会じゃよ。優勝して雪ちゃんに報告すればいいんじゃよ」 「はい!」田神と那加は二つ返事をした。博士のその一言で三人の意思が固まった。そこに場内アナウンスが入った。 「それではロボットコンテストを始めます。関係者は所定の位置についてください。なお今回の大会は……」 「さて、行こうかの皆の衆。カッカッカッカ」博士の高笑いが会場にこだました。 「続いてはエントリー八番、三柿野研究所からの”北極三号”です……」 「ちょっと、あの名前なんとかならなかったの? あれじゃゆきちゃん来ないわよ!」那加がすぐさま突っ込む。 「いや、データの解析をしておったら、難儀しての。そこまで気が回らなかったんじゃ。許しておくれ」 「そ、そうなら仕方ないわね……」さすがの那加もそこに突っ込めないので、おとなしくなるしかない。 カーテンが開いて、ウチのロボットが登場した。実は那加も完成品は初めて目にするものであった。「きれい……」那加も思わずため息まじりの声を出した。 「さあ、エントリー八番の北極三号です! おーっと! 巫女さんの服を着ております。これは美少女ロボットに相応なすばらしい見た目であります! 審査員の方々いかがでしょうか? 資料によると新機能も搭載とありますが、そちらも気になる所。この後のバトルも期待大であります! それでは審査員の方々、スイッチをどうぞ!」 「十点、九点、十点、十点、八点! 合計四十七点です! これはすばらしい! 現在の最高得点であります! 三柿野研究所の北極三号が現在トーップ!」 「やりましたね、博士!」田神が興奮してガッツポーズをしている。 「まだ、油断は出来んぞぃ。高山のとこのがまだじゃからの」 「続いてはエントリー九番、高山ラボからの”ホワイトブレス”です……」カーテンが開いて、ロボットが登場した瞬間、会場からざわめきが起こった。 「おお、これも素晴らしい! こちらは高山ラボのホワイトブレスであります! 雪の女王をモチーフにした優雅な出来栄え! これも期待が高まります! さあ審査員の方々いかがでありましょうか? スイッチをお願いします」 「十点、十点、十点、十点、十点! パーフェクトであります! 素晴らしい! 先ほどの北極三号を抜いて、現在暫定一位であります! さあ! この後に続けるのはどこだ?!」 「さすが高山。いいロボットじゃわい」博士が納得した表情をした。 「ちょっと博士、これではウチもがんばらないと、チビシーではないですか」田神の興奮は冷め止まない。 「確かに細かいところまでの造形といいなかなか凝ってるわね。あれなら満点でもいいんじゃない?」 「えー、那加さんまで。そりゃないッスよ」田神は那加に言われて急に意気消沈した。 「続いてはエントリー十番、……」大会は続いて行った。が、雪乃はまだ姿を現す気配はなかった……」 そして一次審査は終了。全部で十二体の参加となった。結果はホワイトブレスが暫定一位。わが北極三号は、暫定三位であった。この後はいよいよバトルだ。 「本日は、ロボットコンテストにお越しいただきありがとうございます。続いては会場に設けられた雪上コーナーで、戦車による雪合戦バトルを行います。参加者は説明を行いますので運営事務所までお集まり下さい」 しばらくすると、事務所に行っていた田神が、息を切らせて駆け寄ってきた。 「た、大変です。今回は戦車を使って移動、そして雪球を自分で作って投げる場合も想定されてますよ」 「ふむ。どれ。どんな感じじゃろうか?」博士は仕様書を見た。「戦車というより自走砲みたいじゃな。まあいいわい。設定時間が一時間あるからのう。急いでとりかかるぞい」 「はい!」田神は博士と共に作業に入った。那加はコントロールの仕様書を読んでいる。戦車の砲塔部を取っ払った中にロボットを入れて、キャタピラで動かす仕組みだ。そして雪合戦の雪球は手持ちで投げるのである。最初手持ちが五球。それ以上投げる場合は、自分で作らないといけない。基本はコントローラで行うがその他のも可である。那加はコントローラが一番性にあうのでコントローラを使う。 「ふむふむ。今回はなかなか捜査が複雑なのね……。Bボタンでダッシュ……と……」那加も仕様書を読んでイメージトレーニングをしている。 「それでは時間になりました。各自所定の位置について下さい」 「さあ行くぞい。那加、しっかり頼んだぞ」 「はい、おじいちゃん」 「楽しんでやるんじゃよ」 「うん」那加はニッコリ笑ってコントローラを握った。 「三・二・一・バトルスタート!」 「さあ、号砲と共に各自一斉にスタート開始! まずは三番レナ号が抜きんでたか? おーっと! そのレナ号は雪山のアップダウンで思わず痛い転倒だ~! その隙をついてトップに躍り出たのが五番の月のねずみ号! 軽快にアップダウンを繰り返しております。その後各車はダンゴ状態であります。先ほど暫定一位のホワイトブレス号は二位につけて確実にポイントを稼いでいる様子。しかしまだまだわかりません!」 北極三号は那加の絶妙のコントロールさばきで四位につけていた。 「いいですよ! 那加さん! その調子!」田神は声援に熱が入る。博士はじっと見ていた。 「うちは操作が一人じゃからのぅ。ここからどうなるかのう」 「さあ、次はボーナスステージだ! チェックポイントを丹念に攻略していくテクニックが要求されます! ここは各チームとも慎重に慎重に! どうやら一歩抜きんでたのは、先ほど六位のアメヒ号! そして四位のナデシコ号!」アナウンサーの実況も力が入ってきた。 「そして、いよいよメインステージ登場であります! ここで雪合戦が行われます! ステージ中央のカゴの中に制限時間内に一番沢山雪玉を入れる事のできるチームはどこでありましょうか? 期待も高まって参ります!」 雪合戦と言っても、中央にあるカゴの中に雪球を投げ入れていくルールだ。雪球は追加してもいいルールなので、ここで上手くやれば逆転もありうるので、各チーム一番力が入る所だ。ここからは砲手を追加してもよい。しかし、開発者はコントローラを触れないルールだ。なので那加一人では不利になるのは否めない。 「もうちょっとチーム要員増やしておけばよかったですね……」田神が悔しそうにつぶやく。 「さぁ~て、一位のチームからいい陣地を確保して投てきを開始していく! 早くも第一投が始まったぞ! 見事にイーン! 決めたのはー先ほど暫定三位の北極三号だ!」 「やったー! 那加さんすごい!」田神は大喜びだ。博士もうんうんとうなずいている。 「最初にゴールに放り込むのがポイントじゃな。さすがワシの孫じゃ」那加はピースサインでキメている。「まだまだッ!」 「さあ、勢いに乗った北極三号! このまま連続でキメるか~!」そして大歓声が起きる。 「おーっと! ホワイトブレス号が両手で投げてキメたぁー! これは他のチームもビックリだ!」場内も一気にヒーットアップしてきた。 「がんばってなっちゃん!」大歓声にまみれて、聞きなれた声が響く。 「え?」三人が揃って声の先を見た……。そこに居たのは雪乃であった。 「ゆぎぢゃぁゃん!」田神は半泣き状態で雪乃をみつめている。 「ごめんね。家を出るときにスマホを水没させちゃって……。 そうしたらついでに新しいのにするからってお母さんが……。だから連絡できなくなっちゃって」雪乃は顔の前に両手を合わせて、申し訳なさそうにしている。 「そうじゃったか。それは大変じゃったの。今はこんな状況で最終ステージじゃ。那加が一人で奮闘しておる。よかったら手を貸してくれんかの」 「うん。何をすればいいの? 私、北海道から越して来たから、スポーツ雪合戦は経験あるよ」雪乃は早く手伝いたいそうでじたばたしていた。同様に田神も慌てている。 「そうじゃったか。道産子なら雪ちゃんの白い肌も納得じゃ。ではこのジャケットを着てくれんかの。時間は始まったばかりから大丈夫じゃ。あと二十分もあるからのう」そういって雪乃に雪だるまのようなジャケットを手渡す。 「何ですかこれは?」田神が不思議そうな顔つきで博士を見る。 「こんな事もあろうかと思っての。モーション制御出来る機能をつけて置いたんじゃ。那加はコントローラじゃからの。それ以外で動きを制御出来るようにしておいたんじゃ」 「いつの間に……」田神は感心するやら驚くやら。 「よし、接続したぞい。動きはどうじゃろうか」博士は微笑みながら雪乃に言った。雪乃は身体を動かしてみた。するとモニタの先に見える北極三号も同じ様に動いている。 「すごーい。あ、それっと」雪乃はおどけたポーズを取ってみる。 「ちょっと! 今競技中なんだから、遊ばないでよ!」那加からの猛烈なクレームが入る。 「あ、なっちゃん、ごめーん」那加は雪乃を睨んでる。 「よさそうじゃの。じゃこのボタンを押してみるぞい」 「なんですか今度は」 「うむ。例のスキャンじゃがな、なぜか二人分のデータが混在しておったのじゃよ。新開発のスキャナじゃから抽出分離も可能なんじゃが、あえてそのままにしたんじゃ。二人分の能力が最大に出せるからの」 「博士、恐ろしい子!」 「よし、ゆきちゃん、いっちょやったるか!」那加も雪乃を見て親指を立てるサムアップポーズでウインクした。 「おう!」雪乃もウインクして威勢のよい返事をした。 「おおっーと! 北極三号の巻き返しだぁー!」会場には大歓声がこだました。 |
作手 善夫 hjAE94JkIU 2015年12月24日(木)15時30分 公開 ■この作品の著作権は作手 善夫さんにあります。無断転載は禁止です。 |
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2016年01月29日(金)15時04分 | 作手 善夫 hjAE94JkIU | 作者レス | ||||
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博士:「みなさんこんにちは。ワシじゃよ。三柿野六軒じゃ。返事が遅くなってすまんかった。また次の研究に没頭しておっての。なかなか時間が取れなかったのじゃ。まずは拙作にお付き合いいただいてありがとう。作者になりかわりワシからも礼を言うぞい。やはり中途半端な生殺し状態になってしまったようじゃの。結果から言うとワシらはコンテストを辞退してしまったんじゃよ。 あの後那加と雪ちゃんの一体化で快進撃……となるハズが何かイマイチシンクロせんのじゃ。怪しんだ那加が雪ちゃんにウチの電話の合言葉を尋ねたらしどろもどろになっての。なんと雪ちゃんは替え玉だったんじゃ。本物の雪ちゃんは何処に……。 それにワシが開発したばかりの、”こんな事もあろうかと五号” が事もあろうに高山のヤツも同じものを繰り出して来るんじゃ。あれはワシが極秘に開発したものなのになんでかのう。と思っていたら、なんと田神のヤツも替え玉じゃった。読者の皆さんは解らんかと思うが、冒頭からのワシのギャグに対して、田神のツッコミが段々少なくなってきたじゃろう? ワシはうすうす感じておったが、エロいところはそのままじゃったからのう。まさか替え玉とは思わなかったワイ。 結局みんな高山の差し金で雪ちゃんも田神も監禁されておっての。ワシは二人を危険にさせる事は出来んから、おとなしくコンテストを辞退して、二人を救出する事にしたんじゃ。そんな名誉などいくらでもくれてやるわ。ワシは田神や雪ちゃんの方が大事じゃからのう。 そんな感じでモヤモヤは取れたじゃろうか。あとはえげれす書院からのお色気たっぷりな有料版での配信で楽しんでくれたまえ」 那加:「だから、そんな話にいつの間になったのよッ! それに有料版なんかありませんから! こんな出来でお金取れる訳ないでしょ!」 博士:「やっぱりいかんかったかの」 那加:「あたりまえでしょ、おじいちゃん!」 雪乃:「やっぱり私、脱いだほうがよかったのかな……」 那加:「ゆきちゃんは脱がなくていいの!」 田神:「じゃ、替わりに那加さんが脱いで……」 博士・那加・雪乃:「田神! あなたは引っ込んでなさい!」 感想をくれた、ハイさん、おとぎの国のアリスさん、 筋肉バッカさん、ウサリアスさん、つとむューさん、天田龍太郎さん、モンハンほもさん、いりえミトさん、 99kgさん、青出さん、ピューレラさん、 タカテンさん、ありがとうございました。
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2016年01月17日(日)18時41分 | タカテン yRNUcsqs0o | 10点 | ||||
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冬企画への参加、お疲れ様です。 拝読いたしましたので、感想を送らせていただきます。 (良かった点) ・ 博士と助手のやりとり 博士と助手がそれぞれコスプレと間違えられるシーンはちょっとクスっときました。博士の古臭いネタの天丼も悪くなかったです。 ・ 北極三号というネーミングセンス もうなにも言いますまい。モデルがいるのにそんなネーミングをしてしまう博士の胆力に感服です。 (気になった点) ・ え、これで終わり? 中途半端感がとてつもないです。余韻を残した終わり方でもありませんし、ここはあともうひとふんばりしてほしかった。 ・ 雪乃が遅れてきた理由 ただ遅れてきただけではなく、何か物語に関わってくるような理由が欲しかったです。 (自分ならこうするという無責任なアドバイス) 先述したように雪乃が大会に遅れてやってきたことに対して何かしら物語と関わってくる理由を付ければ盛り上がりそうです。 例えば……うーん、本来なら雪乃と那加のふたりで操縦する予定だったものの、助手が作ったパイロットコスチュームがエロすぎてドン引きして逃げ出したとか(ヒドイ) それでも大会の結果が気になって、こっそり見に来てみたら那加が大苦戦しており、居ても立ってもおられず「私に操縦させてください! 私は北極三号パイロット・加納雪乃です!」とどこかで見たような熱い展開が……。 うん、適当すぎる具体例でゴメンナサイ。 それでは失礼いたします。 執筆お疲れ様でした。
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2016年01月17日(日)13時49分 | ピューレラ | 0点 | ||||
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ほぼ会話文で形成されているなという印象でした。 そのためか、キャラクターが面白いセリフを発してもスッと流れてしまうように 印象に残りにくかったです。 【好きだった点その1】 人の名前。 これはもしや、ある地域の鉄道の駅の名前ばかりではないですか? ちょっぴり鉄子気味の私にとってはニヤリとするものがありました。
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2016年01月14日(木)23時49分 | 青出 | 10点 | ||||
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こんにちは。感想を書かせていただきます。ゆるゆるなボケツッコミの会話で展開される、ほのぼのとしたストーリーでした。楽しみながら読んでいたのですが、それだけに終わり方がなんとも惜しいところでした。 ここが好きです ○博士と助手 典型的な博士キャラ&モテない青年助手の、のほほんとしたいいコンビでした。博士の繰り出すボケは古くさすぎて、逆に新鮮でした。「マルビ」や「恋をするのも家庭の事情」は知らなかったので、思わず検索しました。助手の「古すぎる!」というツッコミはあまりに的確ですね(笑) ○美少女と美少女 那加と雪乃のコンビもまたよかったと思います。元気な那加と純情な雪乃ということでタイプも違っていましたし、どちらもかわいかったです。雪乃の悩みは普遍的で共感できるものでした。この悩みの解決の過程を、ロボットのモデルになるというイベントと密接に絡ませるともっとよくなりそうだと思います。 また、雪乃が大会に遅刻してきた理由が、スマホが沈没したからだというのは、ゆるゆるすぎていい意味で笑いが出ました。 ○「高山のスットコドッコイ」 高山って誰なんだろうとなんとなく疑問に思っていたら、ロボット大会のライバルだったとは。面白い伏線でした。 ここが気になりました ○構成の仕方 やはり一番の問題は終わり方だと思います。「オレたちの戦いはこれからだ!」といった終わり方も、作品に合っているなら構わないと思うのですが、本作では適当でなかったかなと思ってしまいました。まだ規定枚数に余裕がありますので、ぜひロボット大会の結末までをドラマにしていただきたいと思いました。 次に気になったのは、本作の山場であるロボット大会が始まるまでのシーンで、いくつか省けるところがあるのではないかということです。もう少し前半をコンパクトにして、大会の内容自体を濃く描いた方がよかったのかなと思います。たとえば、“雪乃と那加は偶然に隣同士の学校という事もあり、普段でも仲良くなっていた。”から“那加はニッコリ笑ってそういった。”まではカットできそうだと思います。 あくまで私だったらということですが、大会のお題発表→モデルを探す→雪乃との出会い→大会→ライバルとの一騎打ち→勝利、という流れで書くかなあと思います。そして、雪乃の苦悩(承認欲求との折り合いをどうつけるか)や博士のアドバイスは、大会の流れの中で、という形になるかと思います。 それから、ライバルと思しき高山がほとんど出て来なかったのが残念でした。絶対面白いキャラクターが出て来るだろうなあと期待していたのですが……。 ○気になった文章表現 ・「T都大」とありましたが、「T京大学(東京大学)」の間違いでしょうか。もし「東都大」でしたら、架空の名称なので伏せる必要はないと思ったので、ちょっとだけ気になりました。細かい点ですみません。 ・“三柿野博士の研究に感銘して~”→間違いではないと思いますが、“三柿野博士の研究に感銘を受けて~”のほうが一般的な気がします。 ・“ハッと田神は我に気付く。”→“ハッと田神は我にかえる。” ・動作の時系列が気になりました。 “そしてポケットから名刺を出して雪乃に差し出した。 「今日はここまでにしておこう。そうじゃ、ワシの名刺を渡しておくから、気が向いたらここに書いてある電話へ電話してくれればいい。~」” ↓ “「今日はここまでにしておこう」そしてポケットから名刺を出して雪乃に差し出した。「そうじゃ、ワシの名刺を渡しておくから、気が向いたらここに書いてある電話へ電話してくれればいい。~」” ・“「まあいいではないか。それよりまずは大会じゃよ。優勝して雪ちゃんに報告すればいいんじゃよ」” 直前で雪乃が事故に遭ったのではないかと心配している割には、「まあいいではないか」はあっさりしすぎているような気がしました。 ・“「ちょっと、あの名前なんとかならなかったの? あれじゃゆきちゃん来ないわよ!」” 雪乃はすでに名前を知っているので、来ない理由にはならないのではないでしょうか。 ・“わが北極三号は、暫定三位であった。” 高山以外との攻防を描くのであれば2位の敵役を挟んでもいいかと思いますが、そうでなければ北極三号が2位でいいような気がします。 ・これも細かくてすみませんが、 “十点、九点、十点、十点、八点!”より“八点、十点、九点、十点、十点!”のほうが、感覚的に高得点な気がします。それで、後に高山にあっさり抜かれる、ほうが劇的かな?と思いました。 以上です。 楽しませていただきました。また次回を楽しみにしております。
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2016年01月08日(金)02時15分 | 99kg mXR.nLqpUY | 10点 | ||||
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博士のキャラクターはいいですね。 エロジジイかと思えばたまに達観したようなカッコイイ事を言う。 世代差のやり取りも面白いのですがこれは分からない人多いのではないかな!? お題をそのまま話に絡めてある手法もよいですね。 那加と雪乃は二人必要だったのでしょうか。 てっきり那加がヒロインだと思っていたら雪乃が出てきて、そっちがメインっぽい。 しかも雪乃はかなり無理矢理物語りに介入してくる感じです。 二人のデータが一緒になって――の件は面白いのですが、それがあまり先で活かされていない感じがしました。 やはりここはそれが原因でピンチになり、それを巻き返す……の方がいいのかなとも思います。 そして二人の力が合わさった能力を発揮――の部分が丸々存在しない。 >ウチのロボット 三人称なので「ウチのロボット」ではなんか変な感じです。 しかしこれは完結しているのでしょうか!? なんかコピペをミスって末尾切れているのでは? と思うくらいぶっと切れているのですが……。
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2016年01月09日(土)11時36分 | いりえミト | 10点 | ||||
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こんにちは。 御作『博士と助手と美少女』を拝読したので、感想を書かせていただきます。 なんか、博士と田神のやりとりが古臭いw 死語を連発しているところをみると狙ってやってるんだと思いますけど、そのあたり独特の読み味がある作品でした。 「ロボット競技」という目の付け所にもオリジナリティがありますね。 競技の設定なども作りこまれていて、よかったです。 また、「心の声に従って自分を最優先させるのじゃ」という博士の言葉が印象に残りましたし、雪乃と那加の友情にも心温まるものがありました。 ただ、全体として、やや話の盛り上がりが小さいかなとも感じました。 たとえば、雪野を勧誘するシーン。雪乃は初めから「ちょっとやってみようかな」と言っているので、勧誘がスムーズに成功しているように感じます。 この場面は、初めはあまり乗り気じゃなかった雪乃が、博士の言葉を聞いてやってみる気になる、という流れにしてみてもよかったかも、と思いました。せっかく博士がいいセリフを言っていることですし。 また、ライバルの高山ラボの人たちが姿を見せないのも、もったいない気がしました。 競技が始まる前に会場で高山ラボと出会い、お互い火花を散らすという展開があるとよかったかなと。高山ラボの博士が嫌味をいってきたり、ホワイトブレスの性能を自慢げに語ってきたり。 あとは、最後の終わり方ですね。 なんか、起承転結の転の場面で唐突に物語が終わったような感じでした。競技もまだ途中ですし。 「競技の勝ち負けが一番重要なポイントではない」と考え、あえてこの終わり方にしたのでしょうか。 「これはこれで、余韻が残って味のある終わり方かも」というふうにも感じますが……。 私としては、やはり競技に勝利した上で、大団円的なラストシーンを書いたほうが、より盛りあがったんじゃないかなと思いました。 私からは以上です。 執筆おつかれさまでした。
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2016年01月05日(火)20時58分 | モンハンほも | 0点 | ||||
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拝読いたしました。 お、終わってねェ……。時間が無かったのか、はたまた書いていてイヤになったのか。定かではありませんが、完結した作品とは思えませんでした。 憎めないキャラとシュールな作風で途中までは楽しんでただけに残念です。申し訳ありませんが、完結してないと見なした以上、評価のしようがありません。あしからず。 拙い感想で申し訳ございません。 以上、失礼いたしました。
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2016年01月03日(日)06時46分 | 天田龍太郎 | 20点 | ||||
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メタっぽい会話劇は好みなので、得点甘めです。 しかしながら会話過ぎるというか、さすがにもう少し地の文が必要だと思いましたし、鍵カッコ後に、文章が続くのが恒常化するのはどうなんでしょう。 テンションもずっとギアがハイに入りっぱなしで、全体的にバランス感覚が必要と感じましたが、まるで酔ったように楽しい気分にもなれましたし、冬企画としてはアリなんじゃないかと。
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2015年12月31日(木)23時18分 | つとむュー | 0点 | ||||
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冬企画の執筆、お疲れ様でした。 御作を拝読いたしましたので、感想を記したいと思います。 博士と助手が、ロボットコンテストで美少女ロボを作成する話でした。 読みやすい文章で、サクサクと読めました。が…… >「おおっーと! 北極三号の巻き返しだぁー!」会場には大歓声がこだました。 これからってところで終わりですか?(笑) あと、微妙に面白さの軸を外しているところが、 もったいないというか、本作の特徴というか、 そんな感じがしました。 >那加は足元を滑らして、バランスを取ろうとして、雪乃に抱きついてしまい、雪乃と一緒にスキャンされてしまった。 例えば、この部分ですが、 二人が一緒にスキャンされてしまったので、何か予期しないようなオチがあると思いきや、 「二人分の能力が最大に出せる」という何の変哲もない結末は、かなり肩透かしを食らってしまいました。 どうすればいいのかと言われても良いアイディアは浮かばないのですが、 ここで読者をあっと言わせることができれば、より楽しめる作品になったのではないかと思います。 >「あれ? 意外と小さいのね。等身大かと思ってた」 ここも微妙に軸を外された感がありました。 冒頭から、貧乳やら巨乳やらが話題に上がっていたので、 ロボも胸の造形にこだわって作成されると思いきや、 等身大ではないというのは、やはり肩透かしを食らってしまいました。 >「こりゃ田神! お前は何を興奮しておる。ちょっとワシに代わったんさい」 昔、科学者っぽい作品を書いたことがあって、 その時、博士の喋り方って書くのが意外と難しいな、と感じたことがありました。 本作でも、苦労されたんじゃないでしょうか。 でも、「代わったんさい」は作者さんのお国言葉なんじゃないかと勝手に推測しています。 いろいろ書いてしまいましたが、途中で終わってしまった作品でした。 ということで、点数はこのくらいでご了承下さい。 拙い感想で申し訳ありません。 今後のご活躍に期待しています。
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2015年12月31日(木)22時57分 | ウサリアス | 0点 | ||||
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どうも、感想専門のウサリアスです。 ちょっと魅力的でないです。田神と博士のやり取りが多いため、美少女は?という印象を受けますので、もう少し女性陣の会話等を増やして、バランスを取ったほうがいいです。
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2015年12月31日(木)13時38分 | 筋肉バッカ 9.WICozezU | 0点 | ||||
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こんにちわ。読ませていただきました。 会話メインで物語が進み展開が早くてテンポが良かったと思います。博士と田神のなんとなく気の抜けたようなコンビがおもしろかったです。 気になった点です。 ここで終わり? と肩透かしを食らった気分になりました。北極三号の巻き返しこそが読者が期待するところであり、一番盛り上がる場面ではないでしょうか。あそこでやめるのはモッタイナイ…。枚数がいっぱいいっぱいなわけでもないですし、ここで切ってしまった理由がわかりませんでした。。。 以上です。 執筆お疲れ様でした。
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2015年12月31日(木)12時03分 | おとぎの国のアリス | 10点 | ||||
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拝読いたしました。 読後の率直な感想としては―― 「えっ、これで終わり?」 でした。うーん、なんといいますか。作品内に登場するすべての要素が、どれも中途半端な印象を受けました。 読後して振り返ってみますと、結局のところこのロボコンってなんだったの?なにを競うコンテストだったの?と、消化不良感だけが残ったように思います。 基本、会話文だけで構成されていましたが、特に読みにくいということもありませんでした。私自身、楽しければなんでもOKというスタイルですので、そこで点数が上下するということはありません。ですが、あえてこの形式を持ち込むのであれば、徹底して会話だけで楽しませたほうがよかったのではないでしょうか?無理にストーリー仕立てにしたせいか、途中で勢いが止まってしまい、尻すぼみのまま終わってしまったような気がします。 以下、私からのご提案となります。改稿される際に、お役立ていただければ幸いです。 1、シーンは固定。コスプレorバトルどちらかの仕様に特化した開発を目指し、完成にいたるまでを描く。 ロボコン自体の設定がとってつけたようなものでしたので、ビシっと設定を決めてしまいましょう。ここでしっかりと決めることで、作品自体の方向性がビシッと決まります。博士と助手が、かなりマニアックな性格に設定されていますので、同属性を重ねてどんどん迷走させるか?あるいは、助手の性格のみを正反対の堅物に設定し直して、方向性がまったく異なるギャップを描くか?このあたりは、作者様のさじ加減一つで決まるかと思います。 バトル要素は思い切ってカットする方がよいと思います。この設定で50枚以内ですと、お話が複雑になり過ぎて描き切れないような気がしてなりません。 2、ヒロインを根本から見直してみては? 雪乃は、果たして必要なキャラだったのか?最後のシーンでも、助手が代役を勤めることも可能なように思いました。思い切って削除するか、作品の肝を握るトリックスターとして登場させるか。なんらかの処置が必要だと強く思いました。 冒頭の掴みと勢いはとてもよかったので、エロを前面に押し出すほうが良いのではないでしょうか?とはいえ、それだけだと単調で飽きてしまいますので、他の要素も取り入れる必要はあるとは思いますけど。 例えば、せっかくのコスプレ要素ですので、単なる着せ替えロボットではなく。ポーズを決めさせるなんてのは、どうでしょうか?マニアアック要素全開させて、M字開脚とか映像で表現されない小説ならではの描写で、読者を悩殺させてしまいましょう。それくらい尖った内容にしたほうが、この作風には合うような気がいたします。 那加は、助手の設定次第だとは思いますけど。このままであれば、基本は突っ込み役で、軌道修正役としたほうが物語の進行上は楽かもしれませんね。雪乃は、那加と同世代とすると差別化がしづらくなりますので、思い切ってボディコンを着たお姉キャラなんてのはどうでしょうか?エロ爆発です。 総評―― 中途半端に軌道修正するよりも、ドタバタコメディ路線を突っ走って欲しい作品でした。 勝手気ままに感想を述べてしまいました。作者様の意図に沿わないものはスルーしてあげてください。 以上が、私からの感想となります。 執筆お疲れ様でした。 お互いにがんばりましょう。
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2015年12月30日(水)00時37分 | ハイ s7d/2ml3o. | |||||
拝見いたしましたので、感想をどうぞ! まず気になったところと、良かったところを見ていきます。 >「昔、スクリーンで一世風靡した、小百合ちゃんとか、絹代ちゃんとか、百恵ちゃん、恭子ちゃんとか。たまらんのう」 ●すいません、アイドルに一切興味がないのでまったくわかりませんでした。 >「うむ、巨乳はパッと見は良いが、経年変化があるからのう。その点貧乳は長く楽しめる」 ●……一理、ありますね。 >「あ、那加さん、ちょうどいい所に。実は次回のロボットコンテストのお題が発表されたら、博士が暴走しちゃってもう止められないんですよ」 ●コンテストと言っていたから、メタ的に冬企画の話かと思ったらロボコンw 良い意外性でした。 >マルビ ●マル……え? なんでしょう? まったくわからなかったんですが、調べても身にならなそうな気配がします。なんとなく、使う場面が相当限定されそうですね。 >将来彼氏と付き合う事になった時に、自分を抑えて彼氏に尽くし過ぎたりすると、ダメ男を作ってしまったりするんじゃよ ●博士の含蓄が勉強になり過ぎましたw おしむらくは、作品と何の関係があるのかわからないことでしょうか。 >「最初はそう思うんじゃ。でもな、それが過ぎると、コイツは何でも言うことを聞くと男が調子に乗ってしまうんじゃよ」 ●第二弾w 博士カッコいい……。 >「バカモン。またよからぬ事を考えておるな。それは後のお楽しみじゃ。恋をするのも家庭の事情じゃて」 「だから古すぎる!」 ●わかりま、せんッ! >北極三号 ●かろうじてわかりました。あれですね、南極何号とかいうラブ……ラブラドールレトリーバー? >戦車というより自走砲みたいじゃな。 ●ミリ知識が不足しているのでどう違うのかいまだにはっきりとわかりません。 勉強してきます。 >「ふむふむ。今回はなかなか捜査が複雑なのね……。Bボタンでダッシュ……と……」 ●誤字発見です。 ●文章 なんだか文章ルールを放り投げた感がありましたが、それほど読みにくくもないですし、わかっててやってる気もするので特につっこみません。 ●キャラ 博士の含蓄がいちいちかっこよかったですね。 ちょっと卑怯な存在でしたw ●テーマ ……テーマは結局なんだったんでしょう? ●ストーリー 冬企画と思わせておいて、ロボコンで、雪合戦で、ちょっと未完結でした。 た、楽しみにしてたのに! すいません、期待していただけにこれはちょっと悲しかったです。 まあ、多分勝ったんだとは思うんですが、一応の結末はつけて欲しかったところです。 これでは読者的にはちょっと不完全燃焼かと。 そんなわけで、すいませんが評価は宙ぶらりんです。 それでは、共にあげていきましょう!
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合計 | 12人 | 70点 |
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