くるりのアクセル |
月丘くるり(つきおか くるり)は愛犬アクセルと大の仲良しでした。 「アクセル、いくよっ!」 くるりの手から赤いポリウレタン製のディスクが放たれます。 「ワン、ワンッ!」 夕暮れの緑野公園を舞う赤い円盤。それを追って疾走する茶色のトイプードルは、ディスクの下に追いつくと勢いよくジャンプしました。 「それっ、右! そして左っ!!」 アクセルには不思議な癖がありました。右回りにジャンプしたかと思うと、ブルブルっと左回りに体を回転させながらディスクを咥えるのです。 「あはははは、アクセルは本当に器用だよね」 ディスクを咥えてくるりの元へ届けるアクセル。そんな愛犬を、くるりはわしゃわしゃと豪快に撫でまわします。アクセルも嬉しそうに、くるりの柔らかなほっぺをペロペロと舐めるのでした。 「ちょ、ちょっと。くすぐったいよ、アクセル」 芝生に片膝をついたくるりと、両足で立ち上がって嬉しそうに尻尾を振るアクセルが向き合う姿は、見ているこちらの心も温かくしてくれるのでした。 「ほら、亮太もやってみなよ」 くるりは僕の方を向くと、ディスクを差し出します。いきなりの提案に僕は慌ててしまいました。 「む、無理だよ。僕、運動苦手だし、それにもう薄暗いよ……」 そうです。僕はこの公園で二人の様子を見ているのが好きなのです。 「簡単だよ、亮太。こうやって投げるだけなんだから」 そう言ってくるりは立ち上がり、ディスクをまた夕暮れの空に放ちます。 勢いよくダッシュするアクセルは、今回もまた右回りにジャンプして、左回りでディスクを咥えるのでした。 「本当にアクセルって面白いよね。最近ね、私もあのジャンプを練習してるの」 くるりが大きく息を吸ったかと思うと、左足を大きく振りかぶり前に蹴り上げます。その勢いを利用して、右足のバネで高くジャンプ! 右回り気味に最高地点に達したくるりは、今度はすごい勢いで左回りに回転し始めました。傘のように広がるスカートが綺麗です。二回転は回ったでしょうか。彼女は膝を折り曲げながら見事に着地しました。 「す、すごいよ、くるり」 「でしょ!?」 ドヤ顔で彼女は僕を見上げます。二重の大きな瞳が僕をとらえて一瞬ドキリとしました。 それにしても空中で回転方向を変えるなんて、まるでディスクをキャッチする時のアクセルのようです。僕と違って、くるりは本当に運動神経抜群なのでした。 アクセルもディスクを咥えたまま、嬉しそうにくるりに近寄って来ました。 「最近はね、三回転も練習してるの。将来の夢は世界一のダンサーだしね」 くるりが必死に頑張っているのは僕も知っていました。 何回も転びながら、最初は一回転だったジャンプが二回転、三回転に進歩する様は、見ている方も嬉しくなりました。それよりもなによりも、高く跳んだ空中で逆回転を始めるその姿が美しかったのです。 それにしても小学生のうちから将来のことを考えているなんて、僕とは大違いな幼馴染なのでした。 その時でした。 「グルルルル……」 アクセルが咥えていたディスクを離し、低く唸り始めます。 「えっ!?」 「っ……!?」 僕たちは言葉を失います。いつの間にか近寄って来た白い大きな犬がこちらを睨みつけていたのです。首輪はしていません。どうやら野良犬のようです。 「くるり、逃げよう!」 危険を直感した僕は、くるりの手を握ると家に向かって走り出そうとしました。 「ダメッ! アクセルを置いて行けないっ!」 振り向くと、アクセルは野良犬に向かってグルルルと唸り続けています。 くるりは僕の手を振りほどき、アクセルに向かって叫びます。 「アクセル、駄目よ。こっちにいらっしゃい!」 両手を広げるくるりの必死の叫びも、アクセルには届いていません。 そうこうしているうちに、野良犬は次第にアクセルとの距離を縮めていました。 「こうなったら……」 「ダメだよ、くるり!」 くるりがアクセルを抱きかかえようと近寄った瞬間、野良犬がアクセルに襲いかかりました。 「キャン、キャン……」 公園に響く甲高いアクセルの鳴き声。野良犬は、アクセルの左後ろ脚に噛み付いたのです。アクセルを抱きかかえようとしていたくるりは、野良犬の迫力に圧倒され、その勢いで芝生の上に尻もちをついてしまいました。 「グルルルル……」 野良犬は、今度はくるりの方を向いて威嚇を始めます。恐ろしさでくるりは腰が抜けたようになってしまって動けません。 「くるり、今行くから!」 僕が駆け出そうとしたその時でした。アクセルが野良犬の前に立ち塞がったのは。 噛まれた左脚をかばうようにしながら、必死で両脚で立っています。そしてディスクをキャッチする時のように、右脚でジャンプしながら左前足で野良犬にジャブを繰り出しました。 「ああっ!」 野良犬はアクセルの攻撃をすんでのところでかわします。 しかしここからが圧巻でした。 アクセルは空中で左回りに回転を変えると、今度は右前足を繰り出したのです。 「キャンッ!?」 今度は野良犬が悲鳴を上げる番でした。 アクセルの右前足は野良犬の鼻先を見事に引っ掻いたのです。最初の空振りが野良犬を油断させたのでしょう。鼻先を削られた野良犬は、一目散にその場から逃げて行きました。 「アクセルッ!!」 ドサリと地面に落ちたアクセルに向かって、腰の抜けたくるりが地面を這いながら近寄ります。 「大丈夫!? アクセル! アクセルッ!」 「くーん……」 くるりの手がアクセルに届いた瞬間の、振り絞ったようなアクセルの安堵の声が今でも僕には忘れられません。 それは僕が聞いたアクセルの最期の声となりました。 左脚に重症を負ったアクセルは、翌朝くるりに見守られながら息を引き取ったのでした。 ◇ 「ええい、何で上手く跳べないんだろう……」 それから一年が経ち、僕たちは中学一年生になりました。 くるりは相変わらず緑野公園でダンスの練習をしています。 「去年はもっと綺麗に回れたのに……」 ――右回りにジャンプして、空中で左回りに回転する。 アクセルが僕たちに遺してくれたジャンプを、くるりは毎日のように練習しています。 くるりはこの一年で身長が十センチも伸びました。成長と共に変わりつつあるジャンプの感覚の違いに戸惑っているのでしょう。僕にとっては、三回転までは完璧に跳べているように見えるのですが。 「もう、止めようよ。暗くなってきたし……」 「亮太は先に帰ったら? 私はまだ続けるから」 ――世界一のダンサーになって、アクセルが生きた証を残したい。 それが、くるりの口癖でした。 いずれは四回転。そして、さらにその先の世界へ。 くるりの野望は果てしなく広がっています。 「オー、ワンダフル!!」 その時でした。怪しげな声が公園に響いたのは。 振り向くと、車道からぽっちゃりとした外国のおじさんがこちらを見ています。 「ユア、ジャンプ、オモシロイ」 片言の日本語を混ぜながら、こちらに近づいてきました。なんだか危ない感じがします。 「クロックワイズ、アンド、アンチクロックワイズ。ユーアー、パーフェクト!」 黒くワイ? 何を言っているのかさっぱり分かりません。怪しさ倍増です。 「アナタ、セカイイチ、ナレマス!」 「ホント!?」 思わずくるりが反応しました。何でこんな時だけ日本語なのでしょう? しかしそれが運命の出会いとなったのです。 「ワタシ、オライアン・ブーサー、イイマス。ジャンプ、コーチ、シテマス」 ジャンプのコーチって、そんな職業が世の中にあるのでしょうか? 「私、本当に世界一になれるんですか!? ジャンプの指導をしてくれるんですかっ!?」 嗚呼、すでにくるりは『世界一』という単語しか頭の中に入っていません。 でも、その時のキラキラと輝く彼女の瞳は、僕の心を強く惹きつけました。くるりは本当に世界一のダンサーになりたいんだと、その意気込みが心の底まで届いた瞬間でした。 それからそのおじさんは、毎日毎日公園にやって来ました。そしてくるりのジャンプを見学して帰ります。 ある時は、くるりの両親とおじさんが話をしていたこともありました。そしてとうとう、くるりはおじさんの元でジャンプの特訓をすることになりました。 驚くことに、ジャンプのコーチという職業が本当にあったのです。一つ残念なのは、オライアンコーチが教えてくれたのは純粋なダンスではなかったこと。その代わり、くるりのジャンプを世界一に近づけるという言葉に嘘はありませんでした。 ◇ 「私、なんでこんな所でジャンプしてんだろ?」 これは、中学三年生になったくるりの口癖です。 ――右回りに跳んで左回りに回転できれば世界一になれる。 オライアンコーチのこの言葉は嘘ではありませんでした。 ただし、それはダンスというステージの上の話ではなく、冷たく凍った氷の上の話だったのです。 コーチが指導するアイススケート場に通い始めたくるりは、物珍しさもあって最初は夢中でフィギュアスケートに取り組んでいました。 しかし実力がついて周囲から注目されるようになると、時々ふと昔の夢を思い出すようになりました。 私の夢は、世界一のダンサーになることだったのではないか――と。 くるりの武器は、ルッツジャンプです。 ルッツは、右回りのような感じで跳んで、逆回転の左回りに着氷しなくてはなりません。 その特異性から、後ろ向きで跳ぶジャンプの中では最も難しいジャンプと言われています。 くるりは、一人だけ次元の違うルッツを披露することができました。なぜなら、本当に右回りで跳んでいたからです。そして何よりも人々を魅了したのは、他の選手よりも二倍ほど高い最高到達点から繰り出される逆回転。いつしかくるりは、『世界一美しいルッツを跳ぶ少女』と呼ばれるようになっていました。 それが大きなプレッシャーになっていたのでしょう。 「私の夢は、世界一のダンサーになることなんだから……」 大きな大会になるほど、そんなことをつぶやいて現実逃避することが多くなりました。 「くるり、今日のためにいいものを作ってきたんだ」 だから僕は、とっておきの秘密兵器を披露します。 それを見たくるりは、瞳をまん丸にしました。 「まあ、可愛いっ!」 それは犬耳でした。 アニメのような柴犬タイプではなく、トイプードルのアクセルと同じくぺたんと寝たタイプの犬耳です。 「でも、何? このワイヤー長すぎだよ、亮太」 左右の犬耳を繋ぐカチューシャのような黒いワイヤーは、顎の近くまで伸びています。耳のところもT字になっていて、こめかみの近くでがっちりと固定するタイプなのです。 僕は必死に説得を始めました。 「演技中に衣装の一部が落ちたら一点の減点じゃないか。だから顔全体を使って支えておかないとダメなんだよ。くるりの演技は一番最後だから、髪を下ろせばワイヤーを隠すことができるだろ?」 フィギュアスケートは規律の厳しいスポーツです。 女の子は髪を後ろでまとめるように指導されます。なぜかというと、リンクに髪の毛が落ちると次の選手の演技の邪魔になってしまうからです。 しかし今日のくるりは最終滑走。後に滑る選手は誰もいません。 僕は、肩に届かないくらいの高さで切り揃えたくるりのサラサラした黒髪が大好きでした。ジャンプの時に、はらりと広がる様も魅力的です。さらに犬耳が加われば、破壊力アップは間違いありません。 「今日のフリーの曲は犬がテーマだろ? だったら犬耳があった方が、さらに曲にマッチするんじゃないかって思ったんだよ」 「亮太、ありがとう。うん、これ、すっごくいいよ!」 今日の舞台は、全日本フィギュアスケートジュニア選手権。 つまり、ジュニア世代の全国大会です。 前日のショートプログラムで圧巻のルッツを披露したくるりは、前年度の優勝者を押しのけて、いきなりトップに立ったのでした。注目されるその重圧が、フリーの演技を控えたくるりを押し潰そうとしています。 「でも亮太。犬耳はとっても嬉しいんだけど、私、もう帰りたい……」 僕は必死にくるりを鼓舞します。 「ほら、ここまで来たんだから、この犬耳を着けて頑張ろうよ。それに女子のフリーの後半はテレビで生中継されるし、上位に入って強化選手になれれば、いろんな世界大会に出場できるんだから」 「世界?」 ピクリとくるりの眉間が動きました。どうやら地雷、いや、ヤル気スイッチを押してしまったようです。 「それって世界一になれるってこと?」 「ああ、その可能性があるってことだよ。それに、テレビ中継をダンス関係者も見てるかもしれないしね」 「やる。私やるわ!」 世界、そしてダンスという言葉に対しては、とっても単純なくるりなのでした。 ◇ 『さあ、いよいよ最終グループの登場です』 僕は観客席に戻ると、テレビ中継の音声をイヤホンで聞きながらくるりを見守ります。 トイプードルをイメージさせるブラウンを基調とした衣装の上にパーカーを羽織り、くるりは練習のためリンクへ飛び出して行きました。パーカーの袖から見える手袋の肉球と、スカートの上の部分のモコモコ尻尾が可愛らしいです。髪はまだ頭の上で結んだままで、犬耳は付けていません。 『六分間練習が始まりましたね。解説の八木池さん、今回の注目選手は誰でしょう?』 『やはり、月丘くるり選手でしょう。昨年まで無名だったのに、いきなり出てきましたからね。ショートプログラムで披露したルッツは、一人だけ次元が違っていました』 『そうですね。昨日は、トリプルルッツのコンビネーションを演技後半に決めてきました。審査委員全員が満点をつける出来栄えで、それだけで十四ポイントも獲得しています。去年の優勝者、新田双葉(にった ふたば)選手に五ポイント差をつけて、現在トップです』 ふふふ、テレビの中継でもくるりが注目されてるじゃないか。 僕は一人観客席でほくそ笑みます。 リンク上でウォーミングアップ中のくるりを見ると、ジャンプの体勢に入ろうとしているところでした。 「ほら、皆に見せつけてやれ。世界一のルッツを!」 僕のつぶやきに従うかのごとく、くるりは左足一本に体重を乗せ、後ろ向きに加速します。髪をまとめ、凛としたうなじで風を切る姿もまた魅力的でした。そして深く体を沈ませたかと思うと右足のトゥで勢いよく氷を蹴り、右回り気味にジャンプしました。 「そして左回り!!」 最高到達地点に達したくるりは、今度は回転を左回りに変え、勢いよく三回転します。 「おおっ!」 観客席から歓声が上がります。中には立ち上がる人も見えました。まだ練習だというのに。 それだけ、くるりのルッツは見る人の心を捉えてしまうのです。そう、僕をはじめとして。 『すごいですね、月丘選手のトリプルルッツは!』 『本当にすごいです。あの体勢から逆回転ができるなんて、何回見ても不思議です。腹斜筋が相当強いんだと思いますよ』 小学生の頃からくるりの努力を見てきた僕は、ちっとも不思議とは思いません。 これも、愛犬アクセルのおかげなのでしょう。 ――世界一のダンサーになって、アクセルが生きた証を残したい。 その想いを胸に抱き、くるりは必死に練習を積み重ねてきました。緑野公園で何回も何回も転びながらジャンプを繰り返してきた成果が、今ここに世界一のルッツとして表現されているのです。 『ルッツはエッジエラーを取られてしまう選手が多く、難しいジャンプと言われていますよね』 『そうですね。普通の選手は最初から左回りに跳ぶので、エラーになってしまうことが多いのです』 日本のエース、政田蒼(まさだ あお)選手もその一人です。 彼女はルッツがとても苦手で、先日のグランプリシリーズ中国杯では、ショートプログラムでもフリーでも上手くルッツを跳ぶことができませんでした。今年は豊かな演技力が光っているだけに、これは非常に惜しまれます。 『しかし、月丘選手の場合はそれはありえませんね』 『そうですね。彼女は完璧に右回りにジャンプしているので、エッジエラーになることはありません。というか、正直言ってあれは逆回転トゥループの踏み切りですよ。どうやったらあそこから左回りに着氷できるのか、本当に理解できません』 いい加減にくるりのジャンプを認めてくれよ八木池解説員、と僕が放送席の方を向いたその時でした。 「キャッ!」 悲鳴にも似たくるりの叫び声がリンクから響いてきます。驚いて振り向くと、信じられない事が起きていました。 くるりともう一人の選手が氷の上に横たわっていたのです。 くるりは膝を手で押さえながら痛みで顔を歪めています。どうやら、二人は練習中にぶつかったようでした。 『おっと、練習中にアクシデントが起きた模様です。二人の選手がぶつかって、月丘選手がリンクに横たわったままです』 『どうやら、左膝を痛めてしまったようですね。演技ができるかどうか心配です』 ――すぐにリンクに駆けつけて、くるりに声をかけてあげたい。 はやる気持ちを押し込めるように、僕は観客席の手すりをギリギリと握りしめました。 僕はスケートが滑れません。運動が苦手な僕は、知識や応援で彼女を支えるしか術がなかったのです。 「大丈夫か!? くるりっ!」 僕の叫び声にチラリとこちらを見たくるりは、苦笑いを浮かべながら小さく親指を立てます。 そしてゆっくりと立ち上がり、左足を庇うようにしながら右足だけで滑走。リンクサイドに上がると、コーチに抱きかかえられるようにして控室へと消えてしまったのでした。 「せめて犬耳を着けてくれれば、話を聞いてあげられるのに……」 そして僕は、この日のために用意した秘密兵器の無線機を、ぎゅっと握りしめたのでした。 ◇ くるりの怪我を心配する僕の気持ちをよそに、競技は予定通り進行していきます。 一人、また一人、最終グループの選手がリンクに出て行き、フリーの演技を終えてリンクサイドに戻って来ます。そのたびに拍手や歓声が上がるのですが、僕の頭の中には全く入って来ません。僕はただただ、くるりのことが心配だったのです。 ついに、くるりの一つ前の選手の演技が始まりました。そしてようやく、くるりがコーチと一緒にリンクサイドに姿を現したのです。 ベージュのタイツの左膝の部分がいつもよりも膨らんでいます。中はテーピングで固められているのでしょう。 幸いなことに、くるりは髪の毛を下ろして犬耳を着けていました。僕はここぞとばかり、無線機に向かって話しかけます。 「くるり、聞こえるか?」 すると、リンクサイドのくるりは驚いたようにキョロキョロし始めました。 「えっ? 亮太? なんで亮太の声が聞こえるの?」 「犬耳が無線機になってるんだよ」 犬耳を固定するカチューシャのワイヤーは、骨伝導イヤホンとマイクになっているのです。ワイヤーが耳や顎の方まで伸びているのはそのためでした。 「ところでくるり、左膝の具合はどう?」 「わかんない」 「わかんないってどういうことだよ?」 「わかんないってことは、わかんないってことだよ。もう痛みは無いけど、滑ってみないとわかんない」 くるりはかなりイライラしているようでした。 「それでコーチは何て言ってるんだ?」 僕は、オライアンコーチがどういう判断をしているのかが気になります。 「コーチは最初、棄権しようと言ってたの。でも、私が『出たい』ってわがまま言ったら、痛みが出るならすぐに演技を止めるという条件で出れることになったの」 ――今はヒロインになろうとするべき時じゃない。自分の体がまず第一だ。 これは後で聞いた、その時のオライアンコーチの言葉です。彼は本当にくるりの体のことを心配してくれていたのです。 しかしそれが、彼女のイライラの原因の一つでもありました。 予期せぬアクシデント、棄権を望むコーチ、そして目の前にあるテレビ中継という世界へ飛び出すチャンス。 それらがグチャグチャとくるりの頭の中で渦巻いて、わけがわからなくなっているのでしょう。 「わかった。じゃあ、演技が最後まで続けられるよう、僕が声で導いてあげるよ」 「ホント? 亮太のこと、信じてもいい?」 「ああ。僕は、くるりのファン第一号だしね」 これだけは自信があります。そして、これは誰にも譲れません。 「わかった。亮太の言葉に従って演技する。頼んだよ」 第一号としての地位を確実なものにするためには、くるりをちゃんと演技の最後まで導いてあげなければいけません。フリーの演技が近づく彼女と同じく、僕も緊張で身震いするのでした。 そうこうしているうちに、前の選手の演技の終了を会場の拍手が教えてくれます。その選手がリンクサイドに上がるのと入れ替えで、くるりがリンクに飛び出していきました。 「どう? 左膝の様子は?」 最初は長めに滑走していたくるりは、徐々にステップやスピンを試しながら答えます。 「ステップやスピンは問題無さそう。ジャンプは……まだやってないけどちょっと恐い……」 テーピングでガチガチに固定しているので、やはり違和感があるのでしょう。 しょうがないので、ジャンプについては演技をしながら様子を見ることにしました。 「二十四番、月丘くるりさん、緑野クラブ」 くるりの名前のアナウンスが、スケートリンクに響き渡ります。 こうして、後に伝説と語られる彼女のフリーの演技が幕を開けたのでした。 ◇ 『さあ、いよいよ月丘くるり選手の登場です』 『髪を下ろして、可愛らしい犬耳を着けていますね。衣装も袖があるタイプで、手袋には肉球が付いています。でも、先ほどの衝突が心配です。何も影響がないといいんですが』 『練習中の衝突といえば、昨年のグランプリシリーズ中国杯での結城羽人(ゆうき はねと)選手が思い起こされますね』 『そうですね。あの時の結城選手は、まともにフリーの演技ができませんでした』 左耳のイヤホンからは、くるりを心配するテレビ中継の声が聞こえます。 僕はそんな心配を吹き飛ばすかのように、リンクの中央に立ったくるりを鼓舞するのです。 「いくぞ、くるり!」 「うん!」 右耳のイヤホンからは、いつものような彼女の明るい声が返ってきました。 数秒の静寂の後、会場のスピーカーからピアノのなめらかな旋律が流れてきます。 ――ショパン作曲、ワルツ第六番変ニ長調作品六十四の一。 一般に『子犬のワルツ』として知られている名曲です。くるりの衣装は、この曲に合わせたものだったのです。 後ろ向きに滑走を始めたくるりは、曲に合わせて緩急をつけたステップを繰り出します。どうやら通常の演技に、膝の怪我の影響はなさそうです。 問題はジャンプでした。 「最初は予定通り、トリプルフリップをやってみようか」 「わかった」 フリップは、ルッツの妹のようなジャンプです。 ルッツと同じく、左足に体重を乗せて滑走し、右足のトゥでリンクを強く蹴って跳び上がります。 両者の違いは、『ひねくれた姉』と『素直な妹』と例えるとよいでしょう。 ルッツは右回りの感じで跳び上がり逆の左回りに着氷するジャンプであるのに対し、フリップは最初から左回りに跳び上がるとても素直なジャンプなのです。 ――フリップが跳べれば、ルッツも跳べるはず。 これが僕の考えでした。 左膝への負担は、どちらも似たようなものと思われます。 ――実は、怪我は大したことないんじゃないだろうか。 いつものようにステップを繰り出すくるりの姿を見た僕は、そんな幻想を抱いてしまっていたのです。しかし次の瞬間、僕は自分の考えの甘さを痛感することになりました。 「あっ!」 くるりは小さく声をあげると、フリップの回転を失速させてしまったのです。 『ああっ、トリプルフリップがシングルフリップになってしまいました』 『そうですね。やっぱり、膝が痛むのでしょうか?』 僕は思わずくるりに声をかけます。 「どうした? 膝が痛むか?」 すると予想に反し、ケロっとした声が返ってきました。 「痛くはないんだけど、左膝に全然力が入らない……」 僕は愕然としました。 これではルッツは跳べません。 くるりの最大の武器でポイント源でもあるルッツを、僕たちは封印しなくてはならなくなったのです。 ◇ 「次はトリプルループだ」 「わかった」 くるりは小さく返事をしました。 僕は必死に考えます。 左膝に力が入らないくるりが、どんなジャンプなら跳ぶことができるのだろうか、と。 ――ループ。 これが、その答えでした。 なぜなら、ループは唯一、右足しか使わないジャンプだからです。 フィギュアスケートのシングル競技では、六種類のジャンプが採点対象となります。 ――トゥループ、サルコウ、ループ、フリップ、ルッツ、アクセル。 基礎点が低い順、つまり跳びやすい順番に並べると、こんな感じになります。 その中でもループは、右足一本で跳び上がり、右足で着氷します。 逆に、左足一本で跳び上がるのがサルコウとアクセルです。この二つのジャンプは、左膝に力が入らない今のくるりには跳べません。 そして先ほどのジャンプで、フリップとルッツも無理だということがわかりました。 すでにくるりは、手詰まりの状態だったのです。 そんな僕の心配をよそに、くるりは右足一本で後ろ向きに滑走を始め、ジャンプの体勢になりました。 そして右足で氷を蹴って跳び上がります。 『トリプルループ』 『これは高いですね!』 くるりのジャンプの特徴は、その最高到達点の高さにあります。 いすれは四回転もできてしまうんじゃないかと思わせるほど、高く跳ぶことができるのです。 軽々とトリプルループを決めてしまったくるりは、「じゃあ、次は何?」と膝のアクシデントを感じさせないような明るい声で聞いてくるのでした。 「トリプルループ、ダブルループ、ダブルループのコンビネーションで行くぞ!」 「わかった」 右足でしか跳べないくるりが、右足だけでくるくると合計七回転のジャンプを氷上に繰り広げます。子犬のワルツに合わせたその可愛らしい演技に、会場は拍手で湧き上がりました。 気をよくしたくるりは、息を切らしながら高揚した声で僕に尋ねます。 「亮太、次は何を跳べばいい?」 「……」 思わず僕は言葉を詰まらせてしまいました。 そして、ぎゅっと拳を握りしめ、低い声で事実を伝えるのです。 「ごめん、もうくるりには跳べるジャンプがないんだ」 僕は彼女に、最後通告をしなければなりませんでした。 ◇ 「えっ?」 くるりは一瞬、戸惑います。 そして明るい声で、僕に提案するのです。 「ループなら私、何回でも跳べるよ。残りのジャンプは全部トリプルループでいいじゃん。会場も喜んでくれてるし」 「それでもいいけど、得点はもらえないぜ」 「ええっ!?」 悲しいことに、それが今のフィギュアスケートのルールなのです。 「得点がもらえないって、どういうこと? 私の優勝も無しってこと?」 「ああ、優勝はもう諦めた方がいい。これ以上、何を跳んでも大きな点は入らない」 ――ザヤックルール。 フィギュアスケートのジャンプには、そんなルールがあります。 三回目以降は無得点になるという、恐怖のルールが。 八十年代に活躍したアメリカのエレイン・ザヤック選手が、同じようなジャンプばかりで優勝してしまったことから作られたルールなので、そう呼ばれています。昨シーズンからは二回転以上のジャンプすべてに適用されることになり、MHK杯での上村菜佳子(かみむら なかこ)選手の悲劇を生みました。 くるりは、同じジャンプを跳び過ぎました。 トリプルループを二回、ダブルループを二回です。 次に跳んだら三回目で、それはすべて無得点になってしまうのです。 かと言って、今の左膝の状態では他のジャンプを跳ぶこともできません 「亮太、なんか手を考えてよ!」 くるりの悲痛な叫びが聞こえてきます。 「一つだけ点を加える方法がある」 「おっ、それは?」 「残りのジャンプを、全部シングルループにするんだ」 シングルループなら、何回跳んでもザヤックルールには抵触しません。もらえる点数はほんのわずかですが。 「…………」 スピンに入ったくるりは黙り込んでしまいました。 彼女の沈黙は、僕にとって最大の苦痛です。が、どうすることもできません。 そしてスピンが解けた勢いのまま、彼女はすごい剣幕で僕に怒鳴り返してきたのです。 「亮太、私にケンカ売ってるでしょ。そんなことしたら会場はドン引きじゃない」 くるりの言う通りです。観客のほとんどは、くるりのトリプルジャンプを楽しみにしているのです。この後の四回のジャンプがすべてシングルループだったら、会場が沈黙することは間違いありません。 だから僕は、苦肉の策を披露します。 「じゃあ、これはどうだ? なんちゃってトゥループ」 「なんちゃってトゥループ? なにそれ?」 「ループの時に、左足のトゥでガリっと氷を削ってトゥループに見せかけるんだよ」 「…………」 トゥループは、右足に体重を乗せて滑走し、左足のトゥで勢いよく氷を蹴って跳び上がるジャンプです。しかし左膝に力が入らないくるりは、左足のトゥで踏み切ることができません。 ――でも、強靭な脚力と抜群の運動神経を持つ彼女なら。 右足一本で跳ぶループをトゥループに見せかけることができるんじゃないかと、僕は思ったのです。 「まあいいわ、試してみる。トリプルは無理そうだからダブルで行くよ」 「じゃあ、二連続のコンビネーションで頼む」 「わかった」 くるりが後ろ向きに加速していきます。そして右足に体重を乗せて、踏み切りの時にガリっと派手な音を響かせました。 『ダブルトゥループ、ダブルトゥループのコンビネーションです』 『…………』 『八木池解説員、どうしました?』 『あれって、トゥループ……ですかね?』 僕は感心します。さすがは八木池解説員、鋭いと。 『月丘選手、やっぱり左膝を痛めているんじゃないでしょうか? 今まで跳んだジャンプは、ほとんど右足しか使っていないような気がするんですが』 『もしそうならどうなりますか? 八木池さん』 『チェックメイトですね。彼女にはもう、加点できるジャンプはありません』 ◇ くるりが演技を始めて、そろそろ二分になろうとしています。 曲が変わり、雰囲気がガラリと明るくなりました。 ――アーサー・プライヤー作曲、口笛吹きと子犬。 軽快な口笛のリズムに乗って、くるりが楽しそうにステップを踏みます。 思わず会場から手拍子が始まりました。 「ねえ、亮太。もう何を跳んでも無得点なんだよね?」 「ああ」 「それに優勝も、もう無理なんだよね?」 「おそらく」 「じゃあ、あとは何を跳んでもいいってことだよね!?」 思わず僕はリンク上のくるりを見ます。 それはそれは本当に楽しそうな笑顔でした。 「なんか吹っ切れたよ。逆に楽しくなってきちゃった」 なんということでしょう。彼女はこの逆境を楽しみ始めていたのです。 会場の手拍子も、そんな心境の変化に反応してのことなのでしょう。 「しっかり見ててよ亮太。次のジャンプは、私のダンスアピールなんだから」 くるりは一体、何を跳ぼうというのでしょうか? 左膝に力が入らないその状態で。 くるりは後ろ向きに滑走し、勢いを増していきます。 そして一度左足に体重を乗せたかと思うと、続いて右足に体重を乗せ、足をハの字にしたまま勢いよく右回り気味に跳び上がりました。 ――えっ、逆回りのサルコウ? しかしここからが圧巻でした。 最高到達点に達したくるりは、今度は左回りに回転し始めたのです。 そう、得意のルッツと同じように。 そして三回転した後に、右足で見事に着氷しました。 「おおーーっ!」 観客からは歓声が湧き起こります。拍手をする人の半数くらいは、立ち上がっていたでしょうか。 『月丘選手のあのジャンプは……ルッツ、じゃないですよね? 八木池さん』 『あれはウォーレイです。右足踏み切り、右足着氷のカウンター系ジャンプです。しかもトリプル。私、長いこと解説員をしていますが、こんなウォーレイは初めて見ました。しかも、ものすごく美しい……』 なんと、あの八木池解説員も絶賛です。このジャンプを目の当たりにした観客の多くも、きっと同じような印象を抱いたことでしょう。 くるりのファン一号であることを、僕が誇りに思った瞬間でした。 『じゃあ、すごく点数は高いんじゃないんですか?』 『残念ながらウォーレイは無得点なんです。加点対象のジャンプではありませんから』 そんなことよりも観客のこの反応がすべてじゃないか、と僕は思います。 だから無線機に向かって、思わず叫んでいました。 「やってくれたな、くるり! ていうか、いつ練習してたんだよ、こんなジャンプ」 「えへへ、すごいでしょ? やっと観客席も盛り上がって来たしね。ガンガン行くよ!」 どうやらくるりは根っからのダンサーのようです。 「次はどうする?」 「またこれをやってみようかな。今度はコンビネーションで。ルッツの代わりと言っちゃなんだけどね」 その時でした。 テレビの解説から気になるコメントが僕の耳に飛び込んできたのです。 『月丘選手のジャンプはあと二回。予定では、ルッツとルッツのコンビネーションになっていますが』 『これは私の勝手な予想なのですが、今の月丘選手の膝の状態ではルッツが跳べないんじゃないでしょうか? それにもし予定通りに跳べたとしても、大変なことになってしまいますよ』 『えっ、それは一体どういうことでしょう?』 『だって彼女、まだアクセルを跳んでませんから』 ――アクセルを跳んでない? 確かにくるりはアクセルを跳んでいません。だって左足が使えないのですから、仕方がありません。 でも、八木池解説員が言っているのはそういうことじゃなさそうです。何か、僕が気づいていない落とし穴があるような気がするのです。 僕は必死に考えます。そして、「予定通りに跳べたとしても大変なことになる」というフレーズで、あることに思い当たりました。 ――そうか、そういうことか。 僕は無線機を握りしめます。 「くるり、申し訳ないが、シングルループを一回跳んでくれないか?」 「ええっ? 何で? せっかく盛り上がってるのに」 シングルループという単語は、くるりの中では会場を白けさせる代名詞となっているようです。 「まだアクセルを跳んでないだろ? するとどうなるか分かってるのか?」 「わかんないけど」 「フリーでは、アクセルを必ず一回は入れなきゃダメなんだよ。もし入れなかった場合は、最後の加点ジャンプが無効になる」 「すると?」 「なんちゃってトゥループのコンビネーションが無効に、もしなんちゃってが認められなかった場合は、その前のトリプルループのコンビネーションが無効になっちゃうんだよ。そうなったら優勝どころか、十位以下は確実だぜ」 「やだよ、そんなの」 「だったらシングルループを跳ぶんだ。そうすれば、そのシングルループが無効になるだけで済む。その後は何を跳んでもいいからさ」 「わかったわ……」 くるりはやっとのことで、僕の指示を受け入れてくれたのでした。 ◇ 『ああっ、予定していたトリプルルッツがシングルになってしまいました!』 アナウンサーの落胆する声に連鎖するかのごとく、会場もため息に包まれます。それはまるで、シュートを外した直後のサッカースタジアムのようでした。 『いやいや、あれはループです。助走からすでに右足で滑走していましたよ』 『と言いますと?』 『やはり左膝が良くないのでしょう。最後のジャンプも、残念ながらルッツは跳ばないんじゃないでしょうか』 『すると、点数はかなり低くなってしまいますね』 『そうですね。月丘選手は、得点が一・一倍になる演技後半に得意のルッツを跳んで好成績を収めてきました。それが跳べないとなると、二十点は失ってしまうことになるでしょう』 『となると優勝は厳しいですね』 『そうですね。でも月丘選手の強靭な体力には、目を見張るものがあります。普通、ルッツのコンビネーションは体力のある最初に跳ぶのですが、それをラストに持って来れるなんて信じられないスタミナです。まだ中学三年生ですから、早く怪我を直して来年も活躍してほしいですね』 テレビ中継からは、すでに終わった感が漂っています。 会場からも手拍子は聞こえなくなり、リンクではくるりのシャーという滑走音と『口笛吹きと子犬』が寒々と響いているのです。 ――なんだよ、これが僕たちの望んだ風景だったのか? くるりは、点数にならなくてもいいから観客が喜んでくれるジャンプを跳びたいと言っていました。 シングルループを跳ぶ前は、会場も手拍子に包まれていて最高の雰囲気だったのです。 それにも関わらず、僕は目先の点数のことばかり考えてシングルループを提案しました。半ば強制的に。 その結果がこの状況です。 ――僕は本当に、くるりのことを考えていたのだろうか? 僕は深く反省します。 そして彼女に申し訳なく感じていました。 こんなことになるなら、好きなジャンプを跳ばせてあげればよかった――と。 優勝できないのであれば、順位なんてどうでもよかったのではないか――と。 ――でも、怪我がひどくならずに済んでよかった。 それだけが僕を救ってくれる事実でした。 だから祈ります。 最後に何を跳んでもいいけど、怪我だけは悪化させないでほしいと。 そしてあわよくばそれが、悔いの残らないジャンプになりますようにと。 ◇ ◇ ◇ シングルループを跳んだ後のくるりの頭の中には、亮太のある言葉が鳴り響いていました。 ――アクセル。 それは、私にダンスの喜びを教えてくれた愛犬の名前でした。 そしてダンスを練習しながら、見る人を楽しませる嬉しさを私は学んだのです。 たった一人の観客から始まった私のジャンプは、こんなにも多くの人を楽しませるまでに成長しました。 だから私は思います。 跳ばなきゃいけないジャンプなら、跳べばいいんじゃないかと。 アクセルは前向きの左足踏み切りで、左回りに回るジャンプです。でも、今の私の膝の状態では跳ぶことができません。 ――だったら右足踏み切りで回ればいいんじゃないの? 私ははっとしました。 これはまさに、小学生の頃から練習していたジャンプそのものだったからです。 ――氷上ではやったことはないけど、今ならできるような気がする。 このジャンプには高さが必要です。 なぜなら、他のジャンプよりも半回転多く回らなくてはならないからです。 だから私は、リンクを斜めに広く使うことを思いつきました。 リンクの角に到達した私は、対角線の角に向かって加速します。 「おい、何をするんだ、くるり! 無茶はやめろ!!」 亮太が何かを叫んでいるような気がしましたが、それを私は力に変えていきます。 ――観客第一号くんだって、心配して見てくれてるんだから。 それにこれは、天国のアクセルに届けるジャンプです。 私たちを守ってくれた愛犬。左脚に重傷を負いながら、アクセルは跳びました。私だって負けてなんていられません。 ――アクセル、そして亮太。私跳ぶからしっかり見ててね。 最高速度に達した私は、前向きのまま左足を振りかぶり、前へ左足を大きく蹴り出しました。そしてその勢いを利用して、右回り気味に高くジャンプします。 風景がスローモーションのように流れていきます。それはもう観客席に手が届くような、そんな感じがするくらい私は高く跳んでいたのです。そして―― 「行っけぇぇぇぇぇーーーーっ!! 回れぇぇぇぇぇーーーーーっ!!!!」 私は渾身の力を込めて、左回転に体を回しました。 気がつくと、私は無事に右足で着氷していたのです。 ◇ ◇ ◇ 「おおおおおおーーーーーーっ!!!!」 割れんばかりの歓声とは、このことを言うのでしょう。 くるりのラストジャンプに、会場は総立ちになりました。 『月丘選手が最後に決めたのは、な、なんとトリプルアクセル!』 テレビのアナウンサーも絶叫しています。 しかも、くるりが跳んだのは、ただのトリプルアクセルではありませんでした。 高く、遠くに、そして途中から逆回転するカウンター系のアクセルだったのです。 『こんなジャンプ、見たことがありません……』 さすがの八木池解説員も、しばらく言葉を失っていました。 『でも……』 『なんでしょう? 八木池さん』 『残念ならこのジャンプは無得点ですね』 『ええっ? だって前向きに跳んで三回転半してましたよね? それってトリプルアクセルじゃないんですか?』 『アクセルは左足踏み切りです。でも月丘選手が跳んだのは右足踏み切りでした。これでは競技的にアクセルとは認められないのです』 もう、僕には解説員の言葉なんて、どうでもよく感じてきました。 点数なんてどうでもいいんです。 見たもの、感じたものがすべてなんだと、僕の心が訴えていました。 その証拠に、いつの間にか僕は涙を流していました。それは熱く、次々と僕の頬を照らします。 左足が使えないくるりは、持てる力のすべてを発揮しました。 そして最後に跳んだアクセルは、小学生の時に僕たちを助けてくれた愛犬アクセルに瓜二つだったのです。 「亮太! 見てた!? 私、跳べたよっ!!」 演技を終え、歓声に包まれながらリンクの真ん中に向かうくるりから高揚した声が聞こえてきます。 「ああ、見てた……よ……」 僕はもう涙が止まりません。 「なに? 亮太、泣いてるの?」 「だって……、くるりのジャンプはアクセルにそっくりだったから……」 「ありがとう亮太。私、アクセルが生きた証を残せたかな?」 「うん……、うん……」 これ以上、僕は言葉を続けることができませんでした。 くるりは観客席にお辞儀をしながら、スタンディングオベーションに答えます。その時の充実した笑顔が今でも忘れられません。 だってそれは、天国のアクセルに捧げるとびきりの笑顔でした。 ◇ 結局くるりは四位で、全日本フィギュアスケートジュニア選手権を終えました。 運よく『なんちゃってトゥループ』は認められたものの、ウォーレイ以降のジャンプはすべて無得点。トップから二十点も差をつけられてしまったのです。 意外だったのは、テレビ中継を見ていた人からの反応でした。 『何で彼女が四位なの?』 『オレの中では、くるりが優勝だぜ』 放送終了直後から、そんなつぶやきがネット上に飛び交うようになりました。 電波の向こう側でも、くるりのジャンプは多くの人の心を魅了していたのです。 特に僕を驚かせたのは、動画サイトに投稿されたラストのアクセルジャンプの映像でした。再生回数はあっという間に百万回を超え、世界中から絶賛のコメントが書き込まれました。 そして、誰も見たことがないそのジャンプを、人々は特別な名前で呼んだのです。 ――くるりのアクセル。 くるりと愛犬アクセルの名前は、敬意を持って世界中を駆け巡りました。 それからというもの、くるりは世界中から引っ張りダコでした。 いろんな大会のエキシビッションに呼ばれて、『くるりのアクセル』を披露します。だって、得点が入らないジャンプは、競技中には決して見ることができないのですから。 ――だったら、正式なジャンプにしてしまえばいいんじゃないの? 自然発生したこの提案に世界中が共感しました。 こうして七番目のジャンプ、『くるり』が誕生したのです。 そして『くるり』が採用された最初の冬季オリンピックで、彼女は僕に向かって相変らずの減らず口を叩きます。 「亮太、いつになったら私は世界一のダンサーになれるのよ? 早く責任取ってよね!」 首から金メダルをぶら下げながらそんなことをさらりと言ってのけるお姫様に、僕はそろそろ責任を取らなきゃと指輪を握りしめるのでした。 おしまい。 |
つとむュー 2015年12月24日(木)02時26分 公開 ■この作品の著作権はつとむューさんにあります。無断転載は禁止です。 |
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2016年02月13日(土)09時37分 | つとむュー | 作者レス | ||||
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とよきちさん、感想ありがとうございます。 いつもお世話になっています。 >王道を意識したのでしょうか。物語の流れはあまり不自然さはなく、いっそ綺麗でした。 ありがとうございます。 そうです、王道を意識しておりました。 >ただそのストーリーの良さを損なわせているものがいくつか含まれていて、自分は正直のめり込めなかったんですね。 >例えばそれはアクセルが白犬を前足で蹴って攻撃したりとか、ちゃんとしたコーチでもないのに主人公がくるりにフィギュアスケートで指示を出したりとかです。フィギュアのことはよくわからないのですが、それでも『いやそれはないでしょう』というツッコミが前に立ってお話に没入できませんでした。 これは皆様からご指摘をいただき、痛感しております。 まあ、普通ならリアリティのある部分から書き始めて、だんだんとフィクションを入れていくのですが、 話の根幹となっているジャンプ(空中で逆回転する)が、おそらく人間には跳べないタイプのものなので、 それをカモフラージュするために、『それはないでしょう』的なものを冒頭から出していきました。 >そしてこのお話の難易度を高めているのは、やはり競技の描写でしょう。御作ですとその部分が文章からあまりイメージしにくいものになっていると思います。や、正直かなり難しいですよね、これ。 そうですね。今回は、読者の皆さんに 「どんなジャンプなら跳べるのか?」という点に意識を集中してもらいたかったので、 その描写をメインにストーリーを組み立てていきました。 初稿が出来上がって40枚。それに心情描写などを書き加えて45枚。ここでタイムアップ。 タカテンさんのアイディア(アクセルを幽霊犬にする?)ならくるり視点で書けるので、 その際には競技の描写を沢山入れていきたいと思っています。 >ただ、上記した通り流れは良かったと思います。他の方々から高い点数をもらっているのがその証拠です。一方で点数が安定しないのは、防御力の低さからだと思います。つまりツッコミどころが多すぎるんですね。いやとよきち、お前の作品も大概だろ、とツッコミブーメランをもらうこと請けあいなのですが、ここの上級者の方々はきっちりそういう部分を固めてきているので、やはり安定して手堅い点数をかっさらっていくのも事実です(だから自分はその分アイディアで勝負しているわけですが)。 >あまり防御(理論武装)を固めることに意識しすぎると今度は作品そのものに味気ないものになってしまいがちですが、もう少しだけ意識は必要だと思われます。 流れが良かったと思っていただけたということは、 このジャンプが本当に跳べるんじゃないかと思っていただけたからだと思います。 自分が一番守りたかったのは、実はこの部分だったのです。 他にツッコミどころが無かったら、皆さん「このジャンプって本当に跳べるの?」と疑問に感じてしまうと思うので。 というのが、自分なりの防衛意識(つまり、いいわけ)でしたが、 上手い方なら、もっとスムーズで、すべてにツッコミどころの無い完璧な防衛をしてしまうんでしょうなぁ。 今回の教訓は、今後、必ず活かしていきたいと思います。 >つとむューさんと自分は恐らく似たようなタイプだと思うので、親近感が湧くんですよね(笑) ガチムチの猛者たちに飛び道具(アイディア)で勝負しようとするところが特に。でもやっぱり、飛び道具だけでは本当に強い人たちと渡り合えないんですね。もっと基礎的な部分を大事にしていかないと作品に安定が生まれませんし、上に登れないと思うんです。この頃すごくそれは痛感しています。 いやいや、自分から見たら、とよきちさんもガチムチの猛者なんですけど(笑) でも、親近感が湧くと言っていただき、大変嬉しいです。 アイディア勝負、大好きです。テンプレートストーリーは、読んだ直後は面白く感じますが、 数年後まで覚えているのは、アイディア勝負の作品だったりします。 とよきちさんが痛感された事は、絶対自分の役にも立つと思いますので、 今後も情報を楽しみにしています。 >……というのを、ツイッターでも呟きましたが最近海外ドラマの『ロスト』を見て思いました(笑) 最近のスターウォーズを手がけたJ.J.エイブラハムズ監督の作品であることもあり、やはり面白いです。十人以上の人物を一人一人しっかりと描いているのがとても好印象で、やっぱりこういう基礎的な部分をしっかりやると安定感があるし見応えがあるよな、考えさせられます。オススメです(回し者) 早速、『ロスト』を定期レンタルのリストに入れました! が、リストの上の方を『咲』シリーズが独占していて、しばらく順番が回ってきそうもありません(泣) (今、阿知賀編です。全国編を見終わるまで、まだまだかかりそうです) まあ、一年くらいかけて、じっくり見たいと思います。 今後もよろしくお願いいたします。
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2016年02月11日(木)21時23分 | つとむュー | 作者レス | ||||
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モンハンほもさん、感想ありがとうございます。 いつもお世話になっています。 >メリハリのついたストーリー展開で、作者様は物語の作り方をよくわかってるな、と感じました。締め方も綺麗にまとまっていたと思います。 ありがとうございます。 ストーリー展開を考えるのが好きなので、評価いただき嬉しいです。 >ですが。御作には致命的な欠点があったため物語に没入できませんでした。 >文体です。児童文学的な文体が合わないというわけではなく、終始モヤモヤとして物語を楽しめませんでした。というのも、原因は冒頭のこの一文。 >>そうです。僕はこの公園で二人の様子を見ているのが好きなのです。 >この時点で「二人」とあったので、自分としてはくるりと亮太のことを指していると思い、「アクセル視点か幽霊かなんかのミスリードか?」と認識して読み進めていったのですが、段々と違和感が生まれ、「もしかしてこれは亮太の一人称か?」とようやく頭を切り替えたところで――極めつけは山場でのくるりへの視点変更。ああ、コレ駄目だと思わせる決定打でした。ということで、バッサリいきたいと思います。 >中1男子がこんな語り方するわけねえだろw >そんなわけで、三人称に直すか文体を直すかしてください。繰り返しますが、ストーリー自体は良かったと思います。ただ書き方がダメダメだった、というだけで。 ぐはっ、文体がダメダメでしたか…… ですます調が初めてだから、と言い訳したいところですが、 ですます調でなくてもこうなってしまうので、この癖は一生治らないかもしれませんね。 きっと、三人称で書き始めても、途中で一人称の表現を入れたくなってしまうのが原因だと思います。 もうこれは、完全な一人称にしてしまうしか方法は無さそうです。 とりあえず、なろうにはそのまま投稿してしまいましたが、 大幅に改稿する際は、完全な一人称にしたいと思います。 タカテンさんのアイディアみたいに、アクセルを幽霊犬にして、くるり視点にしても面白いかもしれませんね。 上手くできたら、カクヨムにでも投稿できたらと思っています。 御作『ドジッ子サンタの服部さん』は、感想欄がだんだん面白くなる作品でした。 詠唱の元ネタは何だろう?と思っていたら、まさかのオリジナルいろは歌だったとは!? 『ToLoveる』は読んだことがないので、読まないといけませんなぁ(笑) 確かにアニメ『ラブライブ』は、Pileさんの声優としての成長を見守る物語でした。同感です。 今後もよろしくお願いいたします。
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2016年02月11日(木)10時36分 | つとむュー | 作者レス | ||||
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wさん、感想ありがとうございます。 いつもお世話になっています。 >本作品、冒頭を読んだ時点ではそれほど期待値は高くなかったのですが、読み終わってみると面白かったです。 >ですます体の文章が最初はどうかなと思ったのですが、本作の内容的にいっても、どちらかというと児童文学的というか、たである体だとどうしてもご都合主義な部分が気になってリアリティ的に冷めてしまいそうな部分を上手く緩和していたと思います。 ですます体は初めて挑戦してみたのですが、いろいろな効果があるんだなあと、 皆さんのコメントを読みながらしみじみと感じています。 実は、企画でですます体の作品が登場すると、正直言って毛嫌いしていたのですが、 食わず嫌いはいけないなぁと、反省しているところです。 >話の内容というか山場の試合シーンも、ジャンプに絞ったことで、フィギュアスケートの試合を分かり易く読者に提示できていました。 ありがとうございます。これが一つの目標だったので、 評価いただき嬉しいです。 >あと、こういうスポーツもの作品では、試合の状況を実況するアナウンサーと解説員が出てきてあれこれ解説するケースも多いのですが、少なくともアマチュアレベルだと単にウザいだけであまり上手く行っていないケースも多いように思います。しかし、本作品の場合はそこも上手く行っていたように感じました。特に解説員になんちゃってトゥループを見破られた場面なんぞは良かったです。 八木ぬ、いや、八木池解説員、大活躍でしたね。 (本人に読まれてしまったら、怒られそうです。笑) アナウンサーとの掛け合いの形にしたのが良かったんだと思います。 普通のラノベでも、ボケとツッコミ役が揃うと盛り上がりますしね。 >では一方で本作で気になったところというと、やはりご都合主義の多さでしょうか。ですます体の文章で緩和してあるとはいえ、さすがに、という感じです。おそらくこのへんは作者さん自身で分かっていてあえて書いているのでしょうけど。 フィクションの部分と現実に則している部分とのかい離、という点については、認識しています。 確かに、ですます体にすると、なんだか童話風になって、このかい離が緩和されるなぁと思っておりました。 (童話だと、犬がジャンプしてても不思議ではなさそうな感じがします。えっ、しないって?) 実は、本作は秋企画の御作『ソールレイヴ・サガ』を参考にさせていただきました。 特に、現実に則している部分がベースにあると、作品に安定感が出るという点についてです。 そのベースにフィクションの部分が上手く乗ると、面白い作品になると思うのですが、 まだまだだったようです。もう少し経験値を上げていかないといけませんね。 >あと、タイトルから冒頭の場面から、全てにおいて先の展開が分かりすぎるあからさまな伏線というのもどうかと。試合シーンにおける細かいジャンプの組み立て以外はほぼ全て先が読めてしまう、というものでした。これはさすがに一本道すぎて、もうちょっと工夫の余地もあったように思います。 そうですね、あからさまでしたね~ 自分でもあからさまだとは思っていましたが、やはりタイトルは「くるりのアクセル」にしたかったですし、 犬のブルブルを出さないと、くるりのカウンター系ジャンプ好きは説明できそうもなかったので、 こうなってしまいました。なにか、良いアイディアはないですかね~ まあ、この点は投稿前から認識していたので、次回作では改善できると思います。 今後もよろしくお願いいたします。
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2016年02月08日(月)08時07分 | つとむュー | 作者レス | ||||
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タカテンさん、感想ありがとうございます。 いつもお世話になっています。 今回、タカテンさんに負けたのは本当に悔しいです(泣) >羽生選手の活躍を知っている程度の知識しかない自分ですが、ルールや技術の程よい解説があってとても楽しめました。スポーツものって、やはりルールがひとつの足枷だと思うのですが、今作はむしろそれを分からない人にもわかりやすく解説することによってひとつの魅力に高めていたと思います。 ありがとうございます。 最近の企画では、詳しいルールを知らなくても楽しめる麻雀ラノベや将棋ラノベが続いていたので、 フィギュアスケート版をやってみたいと思っていました。 ある程度上手くいったようで、ほっとしています。 >大会は結局四位に終わったけれど、強烈なインパクトを残したという落しどころ、さらにその人気から「くるりのアクセル」が七番目のジャンプ「くるり」として認められるというのはちょっとやりすぎかなとも思いますが、微笑ましくて良い読後感でした。 七番目のジャンプについては、本当にそうなるといいなぁと真面目に思っています。 ルッツが正式なジャンプに認定されているのだから、その前向き版である「くるりのアクセル」も、 正式なジャンプに認定されてもいいはずだと思うのですが…… (左足を振り上げて左回りに跳ぶのは、不可能なのかな?) >くるりたちにとってアクセルがいる生活はそれなりに長かったのだろうと思いますが、作中では冒頭で退場してしまい、思い入れをもつことが出来ません。アクセルの退場は中盤あたりに持ってきてもよかったと思います。 冒頭にインパクトを持たせるための演出だったのですが、 思い入れを持つことができなかったというのは、その演出のマイナス面ですよね。 もちろん、読者にアクセルへの思い入れを持ってもらった方がラストはより感動的になるはずですが、 冒頭にインパクトが無くて作品自体が読んでもらえないと、思い入れの効果も意味がありません。 今回、感想数が少なかったので、冒頭インパクトという点では失敗していたかもしれませんね。 (それならばご指摘のように、中盤あたりの方が良かったか!?) まあ、拙作よりも冒頭のインパクトがはるかに大きかった御作の感想数も振るわなかったみたいなので、 なかなか判断が難しいところです(笑) >いや、たしかにジャンプの構成を考えたりとか、大切な要素を担ってはいるのですが、物語全体を通してみた場合、彼が必要だったのかどうか疑問に感じました。物語の内容的に仕方なかったとはいえ、周りにナイショで選手にインカムを付けさせるのもどうかと思うしね(ルール違反ですよね?) 思っていたよりも、「ルール違反では?」というコメントが多かったですね(たぶん、ルール違反です。ペコリ)。 こうなったら、すべての選手がインカムを付けている近未来のフィギュアスケートに書き換えるしかないっ! というのは冗談ですが、村上佳菜子選手を見ていると、インカム付けた方が良い演技ができる選手もいるのではないかと勝手に思っています。 (彼女は年末の全日本選手権でも演技に迷いがあったみたいで、昨シーズンのNHK杯での悲劇を引きずっているように感じてしまいました) >思い切ってアクセル視点の物語にしてみても面白かったかもしれません。 >中盤でアクセルが死んでしまってからも、霊魂となってくるりを見守り、天に召される前に神様の計らいで演技中のくるりと話すことが出来るようになったという展開なら、先述のルール違反(?)にも抵触しないかな、と。 >まぁ、代わりにアクセルがフィギュアのルールに詳しいのはどうなんだって問題も生まれますが(あかんw このアイディア、意外といいんじゃないかと思っています。 ルールにも抵触しませんし、ストーリーもくるり視線でスケート滑走を能動的に描けますし。 それよりもなによりも、ラノベらしくなりますね。 霊魂がOKなら、アクセルがルールに詳しいのは、なんとでもなるような気もします(笑) 御作『ヒロインになんか絶対にならないっ!』には、冒頭の全裸で負けました。 全裸は最強ですね。 今後もよろしくお願いします。
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2016年02月05日(金)07時52分 | つとむュー | 作者レス | ||||
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タイヤサドルさん、感想ありがとうございます。 企画準優勝、おめでとうございます。 秋企画でもお世話になりました。 >読み物としての基本的な技術が出来てると思いました。全体的な流れがスムーズで山場に向けて流れが作れていて、最後はちゃんと話が一段落出来ている。文章も特に読みにくい箇所がない。当たり前のことなのかもしれないですけれど、僕なんかは結構その辺の基礎が怪しいので地味に評価したくなるところです。 身に余るお言葉、ありがとうございます。 タイヤサドルさんも謙遜する必要はないでしょう。 基礎が怪しい作品が準優勝することなんてありえないと思いますよ。 >で、基礎的なところが出来てる上で、そこからさらにの作品のカラーですが、フィギュアスケートという競技を全面的に押し出した作品でした。正直、僕は全く興味が沸かないテーマなのですが、ニュースとかでの露出量を見る限りだと世間じゃなかなか人気のあるキャッチーなテーマなんでしょう。そう言えば、僕が最近読んだ小説でも、うだつの上がらない日常を送る主人公が、ぼんやりと自分がフィギュアスケート選手になって氷上をくるくる回る姿を想像するという同じような場面が出てくるものが2作ありました。別々の作家さんですが、二人とも女性で、たぶん二人とも今30代前半とかそれくらいです。それを読んで以来、フィギュアスケートには男には分からないが、現代女性の憧れの的となる何かがあるのだろうと勝手に思い込んでいます。まあ、とは言えやっぱ男には分からないんですけどね。でも競技のルールや、ルッツとかループとか技についての解説は素人にも伝わるように分かりやすく説明出来ていたと思います。読んでいて置いてきぼりになることは少なくともなかったです。 そうですね。自分もフィギュアスケートは、女性寄りのスポーツという印象を持っています。 最近の企画では、女性が寄りつきそうもない作品やキャッチコピーで感想者を減らしていたので、 今回は、女性読者が安心して読める作品を目指しておりました。 が、やはり男性目線でフィギュアスケートを描いてしまったようなので、 女性がフィギュアスケートのどこに魅力を感じているのか、もっと調査すべきだったと今は感じています。 例に挙げていただいた作品を読むというのも、その一つの手になりそうで、 今度、探して読んでみたいと思います。 >ツッコミどころとしては、犬耳をつけて競技スポーツの大会に出るってどう考えてもおかしいだろ、という点と、くるりのピンチにしゃしゃり出てくる主人公は何様だよ、という点でしょうか。今までくるりと二人三脚でマネージャー的立ち位置でサポートして来たとか、特段の理由付けがないと競技スポーツの真剣勝負にコーチを差し置いてファン一号がしゃしゃり出るのはおかしいと思いました。シリアスなリアリティ重視の作風でもないので、すごく違和感があるわけではないですが、バカバカしいドタバタコメディっていうほど何でもありの世界でもないですし、ちょっと引っかかりは感じました。これは個々人の感覚で差が出るところかもしれませんが。 まず犬耳ですが、実はそうでもないんです。 ロシアにはすでにネコ耳フィギュアスケーターが登場していて、犬耳スケーターもそのうち現れるんじゃないかと思っています。 というか、萌え王国日本がロシアに先を越されてどうするんだ!?という危惧を持っています(笑) 「真剣勝負」に関するコメントは予想していたよりも多くて、重く受け止めねばと思っています。 コーチを差し置いて、という点については、 「コーチは棄権を望んでいる」ということを前面に出せば読者も納得してくれるのでは、と思っていましたが、 考えが甘かったようです。 ご指摘のように、本当は「くるりと二人三脚でマネージャー的立ち位置でサポートして来た」という風にしたくて、 亮太もリンクサイドに立たせて、サブコーチ的な役割をさせてあげたかったのですが、 実際に競技を見に行ったら、リンクサイドにいるのはコーチが一人しかいなくて、 そういうルールがあるのかなあ……と漠然と思っています(誰か、詳しい人がいたら教えて!)。 ということで、亮太には観客席にいてもらうことになりました。 御作『クリスマス、サンタさんはロリコンにも優しい』の作者レスも拝読しました。 オリジナリティーは、「クリスマスが近づくとサンタクロースが性欲を抑えるクスリを飲むところ」でしたか。 読んでいる時、「賢者タイム」という単語にピピピと来たので、「この設定、面白いな」と思った記憶があります。 このクスリの効果が分かるようなシーンがもっとあれば(ラッキースケベや誘惑にも負けない主人公とか)、 さらに面白かったかもしれませんね。 今後もよろしくお願いします。
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2016年02月02日(火)07時53分 | つとむュー | 作者レス | ||||
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99kgさん、感想ありがとうございます。 秋企画でもお世話になりました。 >童話みたいな文体の三人称かと思えば一人称。 >独特な文体ですね。 もともと、三人称のような一人称の変な文体で書いてしまう癖に加え、 今回は初のデスマス調ということで、ますます独特になってしまったようです。 >アクセルやくるりのジャンプはイメージしにくい。 >るろうに剣心 雪代縁の疾空刀勢(2段ジャンプ)や空中三角飛びみたいなもんでしょうか。 >相当ナイスな腰のくびれ方をしていると思われます。 >どうでいいですが親御さんはどういった意味でくるりと命名したんでしょう。 今考えると、右回りとか左回りとか、そういう説明にこだわり過ぎていたような気もします。 くるり視線で、体をどう使うとか、視線がどう流れるとか、どこに力を入れるとか、 もう少し能動的な描写をした方が、読者にもジャンプのイメージが伝わったかもしれませんね。 命名については直感です(笑) >野良犬にアクセルが爪を繰り出すのはやや不自然に感じます。 >動物と言うのは怖いモンで、どんなに温厚で気弱な動物でも本能で「喉笛に喰らいつく殺し方」を心得てるんですね。 >確かに鼻は犬の弱点ですがジャブを繰り出すって……、具志堅さんの犬か!?(具志堅さんは犬にジャブ仕込んでるそうです) >どうせ一撃目はかわされるのだから、噛み付きでもよかったのでは? この部分は、完全にラストシーンの伏線でした。 ありえねぇ~と思って読んでいただけると、記憶に残るので、 最後に思い出してもらえるのでは、と思っていました。 すいません、全然リアリティがなくて…… >そういうもんなんでしょうか。普通に公平性に欠けるのでは? と思ってしまいます。 >それ以前に別に髪括って犬耳つけてもいいじゃないか。バンソーコーのように肌色してればわからない。髪降ろしても回転すれば見えるよね。 公平性に関するコメントが結構多くて、これは重く受け止めねばと思っています。 髪括って犬耳つけても、亮太の声は届きますね。 でも、それではくるりの声が亮太に届かなくなるので、このような設定にしてしまいました。 亮太から一方的に声を届ける設定でも、意外と面白いかもしれません。 >ルールに抵触しないのでしょうか。それでなくとも無駄に重くなって不利しかないと思います。 >それにぶっつけ本番で衣装に重量物加えたり、髪下ろしたりするのは結構な冒険だと思います。 >しかしこれではコーチの立場がない。というよりコーチ無責任すぎ。 コーチ、影が薄かったですね(笑) ルール的にはアウトだと思います。重さは、きっと超軽量なものがあるはず? ロシアに、ネコ耳のフィギュアスケーターがいるので、犬耳はいずれ誰かがやるでしょう、きっと。 急に条件が変わるという点は、確かにそうですね。 もう少し設定を考え直す余地がありそうです。 >動揺は分かるがそんな怒り方って……。 最近の羽生選手のコメントを聞いていると、 フィギュアの選手って観客の反応を敏感に感じ取りながら演技していることがよくわかるので、 そういう反応もアリじゃないかなと、個人的には思っております。 >と気になる所はあるものの、読み物としては面白かったです。 >臨場感があり、主人公とくるりとの絆に重点を置いたやりとりもいいですね。 >フィギュアスケートのルールはさっぱりですが、分かり易く解説を混ぜてあるし、説明調な感じもない。 >「こういうものを見せたい」というのは成されている感じで完成度が高いです。 ありがとうございます。 「説明調な感じもない」というのが一番嬉しいですね。 今回はそれを目指しておりました。 >最後に突然くるりの視点に変わりますが、それほどの必要性があったとは思えない。 >「いや、ここだけは」というものがあったと思いますが、もう少し視点を変えなければできない事に繋がっていればよかったのではないでしょうか。 >要はいきなり視点変わると読者はそれだけ期待してしまうんですね。 >くるりの心境からアクセルに届けたかったのでしょうけれど、亮太も幼馴染なんだからその心境は十分汲み取れるはず、と思うわけです。 「読者はそれだけ期待してしまう」というコメントは大変参考になります。 そういうことは、あまり考えていなかったので。 くるり視点のシーンを作ったのは、くるりと亮太の意識がかい離してきたからです。 もう無理して飛ばないでほしいと願う亮太、無理してでも飛ぼうとするくるり。 もしかすると、読者の意識はくるり寄りだったのかもしれませんね。 視点切替を行うのであれば、「えっ、くるりはこんなことを考えていたの!?」と 読者を驚かすくらいの展開を用意しておいた方が良かったのかもしれません。 >終盤の割には最後があっさりしすぎという感じがしました。 >いきなり指輪は飛びすぎ飛びすぎ。 終盤はすごくあっさりにしました。 オリンピックで金メダルというラストをしっかり書くのがこっぱずかしかったので(笑) 指輪はその照れ隠しです。 御作『雨は夜に雪になる』は、とても雰囲気のある作品でした。 得点についても、しっかりとしたポリシーを持たれているようですね。 自分は、20点以上つけた作品は、すべて自分のホームページで公開しています。 そうすることによって、点数にはすごく慎重になります。 特に、「数年後に読んでも評価は変わらないか?」という点を重要視しています。 今後もよろしくお願いいたします。
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2016年01月27日(水)21時05分 | とよきち ox.6AyoUpQ | |||||
どうも、いつもお世話になっております。とよきちです。 それでは拝読したのでさっそくさっそく。 王道を意識したのでしょうか。物語の流れはあまり不自然さはなく、いっそ綺麗でした。 ただそのストーリーの良さを損なわせているものがいくつか含まれていて、自分は正直のめり込めなかったんですね。 例えばそれはアクセルが白犬を前足で蹴って攻撃したりとか、ちゃんとしたコーチでもないのに主人公がくるりにフィギュアスケートで指示を出したりとかです。フィギュアのことはよくわからないのですが、それでも『いやそれはないでしょう』というツッコミが前に立ってお話に没入できませんでした。 そしてこのお話の難易度を高めているのは、やはり競技の描写でしょう。御作ですとその部分が文章からあまりイメージしにくいものになっていると思います。や、正直かなり難しいですよね、これ。 ただ、上記した通り流れは良かったと思います。他の方々から高い点数をもらっているのがその証拠です。一方で点数が安定しないのは、防御力の低さからだと思います。つまりツッコミどころが多すぎるんですね。いやとよきち、お前の作品も大概だろ、とツッコミブーメランをもらうこと請けあいなのですが、ここの上級者の方々はきっちりそういう部分を固めてきているので、やはり安定して手堅い点数をかっさらっていくのも事実です(だから自分はその分アイディアで勝負しているわけですが)。 あまり防御(理論武装)を固めることに意識しすぎると今度は作品そのものに味気ないものになってしまいがちですが、もう少しだけ意識は必要だと思われます。 つとむューさんと自分は恐らく似たようなタイプだと思うので、親近感が湧くんですよね(笑) ガチムチの猛者たちに飛び道具(アイディア)で勝負しようとするところが特に。でもやっぱり、飛び道具だけでは本当に強い人たちと渡り合えないんですね。もっと基礎的な部分を大事にしていかないと作品に安定が生まれませんし、上に登れないと思うんです。この頃すごくそれは痛感しています。 ……というのを、ツイッターでも呟きましたが最近海外ドラマの『ロスト』を見て思いました(笑) 最近のスターウォーズを手がけたJ.J.エイブラハムズ監督の作品であることもあり、やはり面白いです。十人以上の人物を一人一人しっかりと描いているのがとても好印象で、やっぱりこういう基礎的な部分をしっかりやると安定感があるし見応えがあるよな、考えさせられます。オススメです(回し者) とまあ、少し横道に逸れてしまいましたが、自分からは以上です。 まだまだ未熟者ですんで取捨選択はお願いします。 それではつとむューさん、ごちそう様でした!
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2016年01月27日(水)07時59分 | つとむュー | 作者レス | ||||
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いりえミトさん、感想ありがとうございます。 企画優勝、おめでとうございます。 いつもお世話になってます。 >フィギュアスケートの知識に関して詳しく書かれていますが、知らない人にも分かりやすいように噛み砕いて説明しているのが好印象です。 >私はフィギュアスケートをほぼ見たことがなく、知識もまったくないのですが、最後まで楽しんで読めました。 ありがとうございます。 自分はフィギュアスケートを人並みには見ていましたが、 ジャンプの種類の違いが全く覚えられませんでした。 まあ、覚えられなくてもどうってことはないのですが、 左足を怪我したらどんなジャンプが跳べる? と考えるだけですうっとジャンプの種類を覚えることができたので、 その感動を皆様にも教えてあげたい、という一心で書きました。 >なにより上手いと感じたのは、物語の構成ですね。 >競技前の事故のせいで左足が使えなくなってしまったくるりが、亮太の指示でピンチを乗り越えていくという展開はハラハラしますし、盛りあがります。 >そして、もう加点が望めないという状況で、愛犬アクセルにささげる新技を繰り出すという感動的な展開は、見事なクライマックスでした。 >そのジャンプがルール改正にまで発展する、というのもいいですね。 身に余るお言葉、ありがとうございます。 左足を怪我したら、というアイディアは自分でも良かったと思ったのですが、 いざ、ストーリーを考え始めたら、話が行き詰ってしまい、まず自分の方がピンチに立たされてしまいました。 というのも、作品中にも書きましたが、左足を怪我した時にも跳べるジャンプはループだけなので。 そこで、右足だけで跳べそうなジャンプをネットで調べていたら、 ウォーレイとか、聞いたこともないジャンプが出て来て、 「これでストーリーが作れるかも」と、小躍りした覚えがあります。 最後の新技は、本当に跳べるのかどうかすごく興味があるので、 もし機会があったら、経験者に聞いてみたいと思っています。 >文章も文句なしのレベルでした。 >非常に読みやすく、分かりやすいですし、ですます調を用いているのも、柔らかい印象になってよかったです。 読みやすい、というお言葉、嬉しいです。 ですます調は初めて書いてみたので、執筆感覚が新鮮で、楽しかったです。 >私がひとつだけ感じたのは「亮太が無線機で指示を出す」ということについてでしょうか。 >「亮太が能動的に物語に参加する」、「怪我したくるりを亮太サポートする展開が熱い」、などの意味では、物語としては非常に効果的だったと思います。 >ただ、他の選手はそんなことをしていない、と現実的に考えてしまうと、なんだか主人公サイドだけがズルをしているようにも感じちゃいました。 競技的にズルいのでは? というご指摘は他の方かもいただいているので、 多くの方々が抱かれた印象ではないかと思います。 この点は自分では予想していなかったので、勉強になりました。 何かいい改善策はないものでしょうかねぇ…… >この無線機自体、くるりの順番が最後じゃなければ使えなかったということもあり、そのあたりはもうちょっと納得しやすい設定が欲しかったなと思うところです。ごめんなさい、改善案などはまったく思いつかないですけど。 そうですね、最後じゃなきゃ使えませんね(汗) 女子選手の髪については、原稿をほぼ書き終えた後、テレビでフィギュアスケートを見ていて気付きました。 全員、髪をお団子のようにまとめているので、「これじゃ、犬耳を付けられないじゃないか」と。 ということで、急きょ「最終滑走だから髪を下せる」という設定に変えました。 もう少し早く気づいていれば、ちょっとは納得しやすい設定にできたかもしれませんが、 まあ、今回の勉強料ということで、次回の糧にしたいと思います。 それにしても、村上佳菜子選手の髪がどんどん短くなっていくのが気になります。 彼女の過去の映像をまとめれば、どれくらいの長さであればまとめなくてもOKなのかが分かりますね。 最後に生意気なことを言って申し訳ありませんが、 御作『雪森 愛』は、高得点掲載所に掲載して欲しかったなぁ…… 創作者の心に響く御作は、あの場所に掲載されてこそ真価を発揮するんじゃないかと思っておりました。 (今からでも遅くはありません。ぜひお考え直しを!) 今後もよろしくお願いいたします。
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2016年01月26日(火)07時59分 | つとむュー | 作者レス | ||||
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ウサリアスさん、感想ありがとうございます。 >点数は、これですが、正直、惜しい!!の一言です。 >というのも、フィギュアスケートを題材にしたことが新鮮だったのと、ストーリー展開は良かったです。 ありがとうございます。 ネットで調べてみても、フィギュアスケートを題材にしたラノベってあまり無いですよね。 ストーリー展開も評価していただき嬉しいです。 >ただ、それ故に、後半の書き方が大きく足を引っ張った感じがします。 >フィギュアスケートが、メジャーになったとは言え、ルールを(あまり)知らないで見ている読者が多いと思うので、その点の説明が、しっかり盛り込めていれば良かったのですが、時事ネタや実況等が多く、それよりも、ルールを説明してくれ!と思いました。 ルール説明が足りない、というご指摘、承りました。 本作では、登場人物がすべてルールを知っているという設定だったので、 ルールを説明するシチュエーションを作るのが難しく、すっかりサボってしまいました。 改稿案としては、テレビ解説を上手く使うか(視聴者向けに説明を加えるという形で)、 くるりがフィギュアスケートを始めるシーンを追加するという手があるんじゃないかと思っています。 >特に、今回みたいに、文章量が大きく制限されているなら、代わりに、ルール説明と、主人公達のやりとりを重点にしてくれれば、悪くても30点は挙げてもいいと思いました。そのくらい惜しかったです(今回みたいな書き方をしていいのは、新人賞ぐらいの文章量なら、やってもよかったです。ルールをちゃんと説明できるという前提はつきますが……)。 ルール説明と、主人公達のやりとりと、テレビ解説と、スケート描写とのバランスですよね。 今回は、主人公達のやりとりとテレビ解説をメインにして、その他は少なめで書いてみました。 他の方からのコメントでは、もっとスケート描写を増やして欲しかったという指摘もあり、 皆さんに楽しんでもらえるバランスを作り出すのは本当に難しいと感じています。 もっと作品を書いて、コメントを貰って、バランス感覚を磨いていくしかないと思います。 ご指摘ありがとうございます。 >本当に内容は良かったです。ただ、それ故に、ルール説明や、文章量を考えた構成や書き方ができていなかったために、この評価とさせていただきます。 内容が良かった、というコメントは励みになります。 もう少し尺の長い作品にすれば、ルール説明や構成面なども良くなるかもしれませんね。 今後もよろしくお願いいたします。
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2016年01月24日(日)23時49分 | つとむュー | 作者レス | ||||
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筋肉バッカさん、感想ありがとうございます。 >動物ものにはめっぽう弱いのです…感動しました。くるりのアクセルを決めた瞬間はぐっとくるものがありました。フィギュアスケートの豊富な知識に裏打ちされた描写もお見事で、まるでテレビ中継をみているような、そんな感覚もありました。 愛犬がブルブルっとやるところを見ている時に、ストーリーを思いつきました。 フィギュアスケートのことはあまり知らなかったので、 ストーリー展開を考えたり、ネットで調べたり、 それを繰り返している時が、とても楽しかったです。 最後は、実際にフィギュアスケートの競技を観に行ってみましたが、 その甲斐があったようで、嬉しいです。 >気になった点です。 >根本的なことなんですけど、流石に演技しながら無線でコミュニケーション取るのは難しいだろうと思います。フリーの演技後なんてみんなぜえぜえしてますしね。野暮な指摘で申し訳ないのですが……。 テレビでフリーの演技を見ると、確かにぜえぜえしている選手が多いですよね。 が、実際に観に行ったところ、遠くからしか見えないので、 それほどでもないのかな?という印象を持ちました。 でも、さすがに演技しながらの無線は難しいと思います。 他に、競技中にコミュニケーションを取るいい方法があるといいのですが…… >とってもいいお話だと思いました。なんかこれからフィギュアを見る目が変わるかも。 ありがとうございます。 実は自分も最近、フィギュアスケートを見るのが楽しくなって、 あのジャンプは何だった?とか、目を凝らして見ています(笑) 今後もよろしくお願いいたします。
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2016年01月23日(土)22時13分 | つとむュー | 作者レス | ||||
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ハイさん、感想ありがとうございます。 企画三位、おめでとうございます! >●すごい名前ですねw >作者さんの柔軟な発想がうかがえました。 ありがとうございます。 登場人物の名前って、作品を考えている時にイメージ的にポンっと出てくるので、 その感覚にまかせてみました。 >●この直前までは三人称だと思って読んでいたので、戸惑いました。 最近だんだんとわかってきたのですが、自分にはそんな文章を書いてしまう癖があるようです。 これが読みにくさに繋がるのであれば直さなくてはいけませんが、 最初だけ、ということであれば、個性に繋がるのかも?と勘違いしています(笑) まあ、今後は作品の投稿を続けながら、様子を見て行きたいと思います。 >●そんなこと出来るの? と思いましたが、出来るんですね。勉強になりました。 すいません。たぶん普通の人は出来ないと思います。 (ジャンプの途中で逆回転にすることはできないと、テレビかなにかで見たことがあります) 出来るのであれば、浅田真央選手もここまで苦労しないかもしれませんね。 >●四本足があるせいでどれがどれやらわからなくなりましたw おそらく皆さんそう思われるんじゃないかと思って、前足を「足」、後ろ足を「脚」と書いておりましたが、 あまり効果は無かったようですね。 コメントありがとうございます。一つ、勉強になりました。 >●犬ってそういう攻撃をするのかな? と疑問に。 しないと思います(笑)。フィクションですから……(汗 >●うーん、中、小型犬ですからありえなくもないですが、足の怪我だけでそんなに早く死にますかね? き、きっと、傷口からすごい凶悪なバイキンが入ってしまったんですよ……(滝汗 >●ここ、文体にぶれがありますね。 実は、初稿は他にも似たようなところがいくつかあって、それらは全部修正したのですが、 この部分はあえて残してみたんです。 が、やっぱり変だったみたいですね。 (改めて読んでみると、やっぱりブレているように感じます) これは修正したいと思います。 >●八木ぬ…………八木池ぇ! 良いシーンだっただけに、これはもったいない脱字でした。 >いや、ほんとうにもったいない。 うわぁ、やっちまった……(モッタイナイ >●文体 >正直、好みではありませんでした。 >これなら、普通に三人称か普通に一人称で良かったような? >けれど、話はきちんと伝わってきたので無しではありませんでした。 >とりあえず、そう思った読者がいたと思っていただければ。 デスマス調で作品を書くのは初めてだったので……と言い訳をするつもりでしたが、 三人称だか一人称だかわからないような文章を書くのは自分の悪い癖のようなので、 これはきちんと心に留めておいた方が良さそうですね。 >●キャラ >気高さをもつくるりと、それを全力でサポートする少年、どちらも良い味が出ていたと思います。若干、くるりが「世界」でやる気になったあたり、現金な気もしましたが、そこはまあご愛嬌ですかね。 ありがとうございます。 もう少しキャラを掘り下げた方が良い、というコメントもいただいていますので、 改稿の際は、二人の関係をもっと書き込んでみたいと思います。 >●テーマ >いや、中身は確かに冬っぽいですが。けど犬耳……冬? >いえ。すごく、違うと思いますw 本当は『スケートと美少女』にしたかったのですが、 スケートは、序盤の小さなサプライズにしたかったので、 表示するテーマは『犬耳』にしてしまいました。 そうです、な、中身で勝負なんです……(冷汗 >●ストーリー >とても良かったです。 >冒頭の話は無理があるように思えましたが、それ以後はリアリティ遵守という感じで重厚かつ、軽快に読ませてもらいました。 >特に、話をサポートする解説がつらつらと語られるあたり、見習わなきゃという気持ちに駆り立てられました。 >ラストのトリプルアクセルは圧巻ですね。少しほろっときてしまいました。 >しかし、右一本でこれならクワドラプルも行けそうですね。 >ともあれ、軽くですが感動しました。 ありがとうございます! 童話っぽくしたら、冒頭の無理もすんなり通るんじゃないかと勘違いしておりましたが、 それ以降の部分を楽しんでいただけたようでほっとしています。 見習わなきゃなんて、こちらこそ御作『魔法少女は未完成』は見習うところが沢山ありました。 一番良かったのは、やはりファイナルミカンのアイディアですね。 このアイディアを活かす仕掛けが沢山あって、とても参考になりました。 今後もよろしくお願いいたします。
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2016年01月21日(木)22時40分 | つとむュー | 作者レス | ||||
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おとぎの国のアリスさん、感想ありがとうございます。 >冒頭、ペットとの触れ合いに始まり、ペット中心でお話が進むのかな…などと思いきや、気がつけばフィギュアスケートへと展開。この変化は面白かったです。時節柄、話題にもなりますもんね。 ありがとうございます。 ここが本作の最大のサプライズで、あとはひたすらジャンプを説明するだけの 教本になってしまいました(笑) >ですが、こうなってしまいますと作品のタイトルである「アクセル」=「トリプルアクセル」と、自然と連想出来てしまうのには困りました。私の脳内では、最後にはきっと「トリプルアクセル」を飛ぶのだろうなと、オチが読めてしまうのです。このあたりは、不純な読み手だなぁ…と、反省してたりもするのですけど。こうなってしまいますと、期待は「いい意味で予想を裏切って欲しい!」この一点に関心が集まってしまいます。序盤であっさりと展開が読めてしまったことが、前のめりになれなかった最大の要因のように思います。 予想通りのラストでしたね~ おそらく、皆さんも同様に、同じオチを予想されたんじゃないかと思います。 たとえ、最後にトリプルアクセルを跳ぶことが予想できたとしても、 右足で跳んだりとか、無得点だったりとか、優勝できなかったりとか、 そういうことで読者の驚きを得られるんじゃないかと思っておりましたが、 イマイチだったようですね。 >亮太の語りで進んでいくのはよかったですね。途中、くるりに視点が切り替わる箇所がありましたが、思うに競技の間の描写は、くるり視点で統一してもよかったのではないでしょうか? >亮太視点による問題点。 >1、フィギュアスケート特有のスピード感がない >2、くるりの切迫感が足りない >この二点です。 >解説のお二人はやたらと丁寧に解説されますし、くるりと亮太の会話もバンバン入ってきますので、静止画を見ているような錯覚を覚えました。当たり前ですけど、くるりから見た氷上の様子がまったく伝わってきません。 >亮太視点は、普段私たちがテレビで観ているのと同じなんです。そこには驚きや、新鮮さはない。特に私なんかは、リンクに立ったことすらない人間ですから、選手目線では氷上はどんな感じなんだろうと…。→そこが知りたいっ! >おそらく、私が前のめりになったであろう最大ポイントは、この部分だったのではないかと今になって思います。 >フィギュア経験者でないと、なかなか難しい描写であるのは承知しています。ですが、見てきたような嘘でもいいで、納得させられるだけのものが欲しいところでした。 そうか、そういう観点もあるんですね。 自分は逆のことを考えていました。普段観ているテレビと同じように描写した方が、 読者がストーリーに入っていきやすいんじゃないかと。 確かに、テレビとは違う目線の方が、新たな疑似体験をすることができますよね。 これは目からウロコだったので、ぜひ参考にしたいと思います。 もし、そういう目線を取り入れるとしたら、序盤を膨らませて、 くるりの特訓シーンとかを入れてもいいかもしれませんね。 それには自分もスケートリンクに行って、実際に滑って感覚を掴まなくちゃ! >中途半端にリアルだったのは、どうでしょうかね? >実在している有名な方々が、複数登場されてました。 >「日本のエース、政田蒼(まさだ あお)選手」←ふきましたw >個人的には面白かったんですけど、どうもこの作品には合わなかったような気がしないでもないです。評価は分かれるかもしれませんね。 中途半端にリアルにしていたのは、読者の知識欲も少し満たしたい、という願望があったからだと思います。 本作品を書く前は、自分はフィギュアのジャンプの違いが全然わからなかったのですが、 「左足が使えなくなったら?」というストーリーを考えたら、自然と違いが頭に入ってきました。 この驚きを読者にも体験してもらいたい、というのが、作品を書くモチベーションにもなっておりました。 >評価が分かれるといえば、ラストシーン! >指輪ですか。うん、ありですよね。 >ですけど―― >このお話の流れだと、コーチという立場が一番ふさわしいようにも思えるのですが? >あ、そうか。結婚→フィギュア引退→ダンサーなんですね。でも、そこまでの関係までお話は進展していないような気も…。私的には、やや唐突感を覚えました。なので、「ふむふむふむ、えっ?」だったのだと思います。 指輪といっても、婚約指輪とかファッションリングとか、いろいろありますし(笑) 指輪の一件がないと、おそらく「7番目のジャンプに認定」の方が唐突に感じられると思うので、 それを緩和するための苦肉の策なのでした。 >ルッツとかフリップとか、今までは違いがさっぱりわかりませんでした。次に観る機会があれば、自分の目でも確かめてみたいと思います。 この言葉が一番嬉しいです。 テレビでは、選手を横から撮ろうとするので、この二つのジャンプの見分けはすごく難しいですよね。 実際に試合を観に行った時、山本草太選手が自分の方に向かって滑って来てルッツを跳んだので、 「おお、確かに左足アウトエッジで滑走してた!」と、違いがよく分かって感動しました。 御作『。。で始まる恋もある』は、謎解きが面白い作品でした。 恋人達の暗号『、。』とか、いろいろと発展させられそうで、 おとぎの国のアリスさんのアイディアなのに、楽しませていただいています。 今後もよろしくお願いいたします。
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2016年01月20日(水)07時49分 | つとむュー | 作者レス | ||||
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青出さん、感想ありがとうございます。 >スポーツをテーマとした小説として十分な説得力のある競技説明がされていたと思います。とくに後半の試合シーンは、臨場感を保ちつつ丁寧なルール説明もあり、手に汗握る展開でした。「観客を喜ばせるための演技をするのか、あくまでルールに則った演技を貫くのか」という問題設定も秀逸で、最後まで興味を引き付け続けられました。こういった、現実にあるものをテーマにした小説というのは取材も大変ですし、私のようなアマチュアの小説書きにはなかなか手が出せないのですが、そこにあえて挑戦されているという気概が最も心を引き付けられたところです。勉強させていただきました。 身に余るお言葉、ありがとうございます。 実際にフィギュアスケートを見に行ったり、取材に取り組んだ甲斐がありました。 こういう作品を書くと、いつも「説明がうっとおしい」というコメントをいただくので、 今回は、いかに説明を少なくして、しかもわかりやすく、という点に注意しました。 ある程度上手くいったようで、ほっとしています。 >選手の支援者の視点から物語を語る、というのがわかりやすさにつながっていると思いました。冒頭では三人称小説かな?と思ったのですが、 “くるりは僕の方を向くと、ディスクを差し出します。”という文が出て来ることによって、突然読者の視点が語り手と一体化するところが面白い演出でした。また、支援者の視点から物語ることによって、 競技の説明がスムーズにできていましたし、終始冷静さを保った語りを通せたのもよかったと思います。 小難しい説明は、すべて八木池解説員におまかせしようと考えていました(笑) 解説員のセリフをすべて『 』で囲んでおけば、 読者は、「『 』の中身は、理解できなくてもいいや」と思ってくれるんじゃないかと思っておりました。 しかし、解説員のセリフを作中に入れるためには、選手視点では無理なので、 支援者からの視点、という形になりました。 >今作品の肝である彼女ですが、負けん気の強い少女の魅力が伝わってきました。犬耳を付けた様子もかわいいですね。フィギュアスケートの試合というと、正統的なコスチュームが思い浮かぶのですが、犬耳少女が銀盤をクルクル回っている姿はビジュアル的にも魅力的で、ぜひイラストで見てみたいと思いました。 銀盤上のくるりの姿をイメージしていただき、ありがとうございます。 この部分は、描写が足りなかったんじゃないかと、ずっと気にしていました。 (実際には、足りなかったと思いますが……) ビジュアルについては、少女マンガになったらいいなあ、とそんな夢を密かに思い描いています。 >3人の登場人物が出て来ますが、全員をもう少し深く掘り下げてほしいと思いました。たとえば、 >・亮太:なぜフィギュアスケートに詳しくなったのか。(くるりが好きだから、ということは想像できますが、エピソードとして語ってほしかったです)。それから、無線機を作ったということは工作が得意なのでしょうか? >・くるり:世界一になりたい理由は何か。生い立ちやスポーツ選手としての生活の様子をもう少し知りたいです。 >・ブーサーコーチ:どんな特訓をしたのか。コーチとくるりの心のつながりや衝突が見てみたかったです。 >とくに、亮太がどんな人物なのかが伝わってくると、さらに共感性が増して読者を引き付ける物語になるのではと思います。 そうですね。キャラの掘り下げは完全にサボってしまいました。 作品を書き上げたらすでに45枚で、残り5枚じゃ何もできないかも、と思ってしまいました。 上記の改善案を拝見したら、5枚でもできそうなことが沢山ありますね。 やはり、ラノベの魅力=キャラの魅力ですから、 次回はキャラの掘り下げをサボらないよう心に留めておきたいと思います。 >後半「観客を喜ばせるための演技をするのか、あくまでルールに則った演技を貫くのか」ということで、亮太とくるりは逡巡します。この問題は演技形式のスポーツの宿命みたいなものなのかなあと思います。今回はわりとスッと結論が出たのですが、いっそここを物語の初めの段階から主題として掲げてみてはどうかと思いました。これをくるりの「世界一になりたい」という思いと関わらせて書くと、大きなうなりが出るかもしれないと愚考しました。 今回は、上記のように亮太とくるりの逡巡を描きたかったので、 あえて主題として取り上げなかったという面もあったと思います。 おっしゃるように、初めの段階から主題として掲げるという手もあるかもしれませんね。 そうしておけば、キャラの掘り下げに繋がるエピソードを織り込むこともできそうです。 「世界一になりたい」という思いも、もっと膨らませることができたと思います。 >ルール上はわからないのですが、無線機でアドバイスするというのはOKなのでしょうか? もしそうでなければ、少しフェアじゃない方法でリンクに立っているとも言える気がしますので、そのあたりの迷いを2人に持たせてもよかったかもしれません。このシーンで、くるりがわりとすぐ無線機があることを受け入れたので、スポーツ選手としての彼女のスタンスはどういうものなのかなあと思いました。(あくまで一番やりたいことはダンスでフィギュアはそのための手段なのか、本気でフィギュアに取り組もうとしているのか)。そこで、「観客を喜ばせること」が彼女の第一義なのかもしれないと思って、先述の気になる点が出て来たのでした。 競技中の無線は、たぶんダメだと思います(笑) アンフェアではないか、という懸念については予想外だったので、ご指摘いただき大変参考になります。 くるりが無線機に気付いたのは、怪我についてすごく不安に感じている時だったので、 無線機についてほとんど気に留めないんじゃないかと考えていました。 そうですね、確かに競技第一に考えている選手なら、真っ先に気にするはずですよね。 これは盲点だったので、ご指摘ありがとうございます。 御作『リゲル、夜明け前が一番暗いんだ』は、設定が面白い作品でした。 自分から見たら、フィギュアスケートよりもさらに難しい設定だったと思いますが、 その中で、読者の心に届くよう、シンプルにストーリーをまとめられたのはすごいと思います。 今後もよろしくお願いいたします。
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2016年01月19日(火)07時36分 | つとむュー | 作者レス | ||||
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ミチルさん、感想ありがとうございます。 いつもお世話になっています。 >・愛犬アクセルに捧げるジャンプに、感動を覚えました。 ありがとうございます。 自宅の愛犬(柴犬ですが。笑)のブルブルっ!を見ながら思いついたストーリーでした。 >・フィギュアスケートのジャンプのルールが分かりやすく解説されていました。無得点になる跳び方もあるのですね。 ありがとうございます。 小難しい内容を分かりやすく伝える、という目的のために、ラノベ修行をしているので、 フィギュアスケートのジャンプをわかりやすく、というのが、今回のテーマでした。 説明くさくならないように、ストーリーから入ってみましたが、説明不足という声もあったので、 まだまだ改善の余地がありそうです。 跳び過ぎると無得点になったり、そもそも無得点だったり、いろんなジャンプやルールがあることを知り、 ストーリーを考えながら、こちらも勉強になりました。 >・点数でなく観客の反応がすべて、という言葉は名言だと思います。 本作を書くために、実際に観に行ったんですよ。全日本ジュニア選手権を。 そこでビックリしました。予想以上に、ジャンプや演技が観客に訴える力を持っていることに。 そして、その時の観客の反応もすごかったです。 本当に良い演技には、皆さんスタンディングオベーションで答えるんです。 今回は、その感動をぜひ皆さんに伝えたいと思いながら執筆しました。 >・無線機を使っていいのだろうか? という疑問はわきました。選手には厳しい身体検査がありそうな気はします。身体検査の見落としがあったらすみません。 たぶん無線機はダメだと思います(笑) 厳しい身体検査は無さそうな感じですが、無駄にエロい衣装とかは減点になるらしいです。 あと、作中にも書きましたが、衣装の一部が氷上に落ちたら減点だそうです。 >・亮太のキャラが薄い気はします。主人公というよりは、くるりの引き立て役という印象です。 すいません、くるりの引き立て役に徹してもらいました。 もう少し、亮太のキャラを立てても面白いかもしれませんね。 今度、考えてみたいと思います。 今後もよろしくお願いいたします。
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2016年01月17日(日)19時12分 | モンハンほも | 0点 | ||||
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拝読いたしました。 メリハリのついたストーリー展開で、作者様は物語の作り方をよくわかってるな、と感じました。締め方も綺麗にまとまっていたと思います。 ですが。御作には致命的な欠点があったため物語に没入できませんでした。 文体です。児童文学的な文体が合わないというわけではなく、終始モヤモヤとして物語を楽しめませんでした。というのも、原因は冒頭のこの一文。 >そうです。僕はこの公園で二人の様子を見ているのが好きなのです。 この時点で「二人」とあったので、自分としてはくるりと亮太のことを指していると思い、「アクセル視点か幽霊かなんかのミスリードか?」と認識して読み進めていったのですが、段々と違和感が生まれ、「もしかしてこれは亮太の一人称か?」とようやく頭を切り替えたところで――極めつけは山場でのくるりへの視点変更。ああ、コレ駄目だと思わせる決定打でした。ということで、バッサリいきたいと思います。 中1男子がこんな語り方するわけねえだろw そんなわけで、三人称に直すか文体を直すかしてください。繰り返しますが、ストーリー自体は良かったと思います。ただ書き方がダメダメだった、というだけで。 酷評となりましたが、作者様に対する自分なりの期待の裏返しだとご理解頂ければ幸いです。偉そうな物言いになってしまったことをお詫びいたします。今後のご活躍に期待しております。 拙い感想で申し訳ございません。 以上、失礼いたしました。
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2016年01月10日(日)22時32分 | w | 10点 | ||||
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こんにちは。wと申します。 『くるりのアクセル』読みましたので、感想を書きます。 本作品、冒頭を読んだ時点ではそれほど期待値は高くなかったのですが、読み終わってみると面白かったです。 ですます体の文章が最初はどうかなと思ったのですが、本作の内容的にいっても、どちらかというと児童文学的というか、たである体だとどうしてもご都合主義な部分が気になってリアリティ的に冷めてしまいそうな部分を上手く緩和していたと思います。 話の内容というか山場の試合シーンも、ジャンプに絞ったことで、フィギュアスケートの試合を分かり易く読者に提示できていました。 あと、こういうスポーツもの作品では、試合の状況を実況するアナウンサーと解説員が出てきてあれこれ解説するケースも多いのですが、少なくともアマチュアレベルだと単にウザいだけであまり上手く行っていないケースも多いように思います。しかし、本作品の場合はそこも上手く行っていたように感じました。特に解説員になんちゃってトゥループを見破られた場面なんぞは良かったです。 では一方で本作で気になったところというと、やはりご都合主義の多さでしょうか。ですます体の文章で緩和してあるとはいえ、さすがに、という感じです。おそらくこのへんは作者さん自身で分かっていてあえて書いているのでしょうけど。 あと、タイトルから冒頭の場面から、全てにおいて先の展開が分かりすぎるあからさまな伏線というのもどうかと。試合シーンにおける細かいジャンプの組み立て以外はほぼ全て先が読めてしまう、というものでした。これはさすがに一本道すぎて、もうちょっと工夫の余地もあったように思います。 感想は以上です。 執筆おつかれさまでした。
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2016年01月10日(日)20時39分 | タカテン yRNUcsqs0o | 20点 | ||||
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冬企画への参加、お疲れ様です。 拝読いたしましたので、感想を送らせていただきます。 (良かった点) ・ フィギュアスケートに疎い人にも優しい 羽生選手の活躍を知っている程度の知識しかない自分ですが、ルールや技術の程よい解説があってとても楽しめました。スポーツものって、やはりルールがひとつの足枷だと思うのですが、今作はむしろそれを分からない人にもわかりやすく解説することによってひとつの魅力に高めていたと思います。 ・ 読後感がいい 大会は結局四位に終わったけれど、強烈なインパクトを残したという落しどころ、さらにその人気から「くるりのアクセル」が七番目のジャンプ「くるり」として認められるというのはちょっとやりすぎかなとも思いますが、微笑ましくて良い読後感でした。 (気になった点) ・ アクセルの退場が早すぎやしないか? くるりたちにとってアクセルがいる生活はそれなりに長かったのだろうと思いますが、作中では冒頭で退場してしまい、思い入れをもつことが出来ません。アクセルの退場は中盤あたりに持ってきてもよかったと思います。 ・ 主人公の存在に疑問 いや、たしかにジャンプの構成を考えたりとか、大切な要素を担ってはいるのですが、物語全体を通してみた場合、彼が必要だったのかどうか疑問に感じました。物語の内容的に仕方なかったとはいえ、周りにナイショで選手にインカムを付けさせるのもどうかと思うしね(ルール違反ですよね?) (自分ならこうするという無責任なアドバイス) 思い切ってアクセル視点の物語にしてみても面白かったかもしれません。 中盤でアクセルが死んでしまってからも、霊魂となってくるりを見守り、天に召される前に神様の計らいで演技中のくるりと話すことが出来るようになったという展開なら、先述のルール違反(?)にも抵触しないかな、と。 まぁ、代わりにアクセルがフィギュアのルールに詳しいのはどうなんだって問題も生まれますが(あかんw それでは失礼いたします。 執筆お疲れ様でした。
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2016年01月10日(日)16時00分 | タイヤサドル | 10点 | ||||
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読ませていただいたので感想を残します。 読み物としての基本的な技術が出来てると思いました。全体的な流れがスムーズで山場に向けて流れが作れていて、最後はちゃんと話が一段落出来ている。文章も特に読みにくい箇所がない。当たり前のことなのかもしれないですけれど、僕なんかは結構その辺の基礎が怪しいので地味に評価したくなるところです。 で、基礎的なところが出来てる上で、そこからさらにの作品のカラーですが、フィギュアスケートという競技を全面的に押し出した作品でした。正直、僕は全く興味が沸かないテーマなのですが、ニュースとかでの露出量を見る限りだと世間じゃなかなか人気のあるキャッチーなテーマなんでしょう。そう言えば、僕が最近読んだ小説でも、うだつの上がらない日常を送る主人公が、ぼんやりと自分がフィギュアスケート選手になって氷上をくるくる回る姿を想像するという同じような場面が出てくるものが2作ありました。別々の作家さんですが、二人とも女性で、たぶん二人とも今30代前半とかそれくらいです。それを読んで以来、フィギュアスケートには男には分からないが、現代女性の憧れの的となる何かがあるのだろうと勝手に思い込んでいます。まあ、とは言えやっぱ男には分からないんですけどね。でも競技のルールや、ルッツとかループとか技についての解説は素人にも伝わるように分かりやすく説明出来ていたと思います。読んでいて置いてきぼりになることは少なくともなかったです。 ツッコミどころとしては、犬耳をつけて競技スポーツの大会に出るってどう考えてもおかしいだろ、という点と、くるりのピンチにしゃしゃり出てくる主人公は何様だよ、という点でしょうか。今までくるりと二人三脚でマネージャー的立ち位置でサポートして来たとか、特段の理由付けがないと競技スポーツの真剣勝負にコーチを差し置いてファン一号がしゃしゃり出るのはおかしいと思いました。シリアスなリアリティ重視の作風でもないので、すごく違和感があるわけではないですが、バカバカしいドタバタコメディっていうほど何でもありの世界でもないですし、ちょっと引っかかりは感じました。これは個々人の感覚で差が出るところかもしれませんが。 以上、まとめると好みの作品ではなかったですけど、作りがしっかりしてたのでまずまず楽しめました。ちょっと上から目線ですいませんけどそんな感じです。 以上、執筆ご苦労様でした。
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2016年01月08日(金)02時09分 | 99kg mXR.nLqpUY | 20点 | ||||
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童話みたいな文体の三人称かと思えば一人称。 独特な文体ですね。 アクセルやくるりのジャンプはイメージしにくい。 るろうに剣心 雪代縁の疾空刀勢(2段ジャンプ)や空中三角飛びみたいなもんでしょうか。 相当ナイスな腰のくびれ方をしていると思われます。 どうでいいですが親御さんはどういった意味でくるりと命名したんでしょう。 野良犬にアクセルが爪を繰り出すのはやや不自然に感じます。 動物と言うのは怖いモンで、どんなに温厚で気弱な動物でも本能で「喉笛に喰らいつく殺し方」を心得てるんですね。 確かに鼻は犬の弱点ですがジャブを繰り出すって……、具志堅さんの犬か!?(具志堅さんは犬にジャブ仕込んでるそうです) どうせ一撃目はかわされるのだから、噛み付きでもよかったのでは? >しかし今日のくるりは最終滑走。後に滑る選手は誰もいません。 そういうもんなんでしょうか。普通に公平性に欠けるのでは? と思ってしまいます。 それ以前に別に髪括って犬耳つけてもいいじゃないか。バンソーコーのように肌色してればわからない。髪降ろしても回転すれば見えるよね。 >そして僕は、この日のために用意した秘密兵器の無線機を、ぎゅっと握りしめたのでした。 ルールに抵触しないのでしょうか。それでなくとも無駄に重くなって不利しかないと思います。 それにぶっつけ本番で衣装に重量物加えたり、髪下ろしたりするのは結構な冒険だと思います。 しかしこれではコーチの立場がない。というよりコーチ無責任すぎ。 >「亮太、私にケンカ売ってるでしょ。そんなことしたら会場はドン引きじゃない」 動揺は分かるがそんな怒り方って……。 と気になる所はあるものの、読み物としては面白かったです。 臨場感があり、主人公とくるりとの絆に重点を置いたやりとりもいいですね。 フィギュアスケートのルールはさっぱりですが、分かり易く解説を混ぜてあるし、説明調な感じもない。 「こういうものを見せたい」というのは成されている感じで完成度が高いです。 最後に突然くるりの視点に変わりますが、それほどの必要性があったとは思えない。 「いや、ここだけは」というものがあったと思いますが、もう少し視点を変えなければできない事に繋がっていればよかったのではないでしょうか。 要はいきなり視点変わると読者はそれだけ期待してしまうんですね。 くるりの心境からアクセルに届けたかったのでしょうけれど、亮太も幼馴染なんだからその心境は十分汲み取れるはず、と思うわけです。 終盤の割には最後があっさりしすぎという感じがしました。 いきなり指輪は飛びすぎ飛びすぎ。
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2016年01月07日(木)23時14分 | いりえミト | 30点 | ||||
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こんにちは。 御作『くるりのアクセル』を拝読したので、感想を書かせていただきます。 いやぁ、これは上手い。 フィギュアスケートの知識に関して詳しく書かれていますが、知らない人にも分かりやすいように噛み砕いて説明しているのが好印象です。 私はフィギュアスケートをほぼ見たことがなく、知識もまったくないのですが、最後まで楽しんで読めました。 なにより上手いと感じたのは、物語の構成ですね。 競技前の事故のせいで左足が使えなくなってしまったくるりが、亮太の指示でピンチを乗り越えていくという展開はハラハラしますし、盛りあがります。 そして、もう加点が望めないという状況で、愛犬アクセルにささげる新技を繰り出すという感動的な展開は、見事なクライマックスでした。 そのジャンプがルール改正にまで発展する、というのもいいですね。 文章も文句なしのレベルでした。 非常に読みやすく、分かりやすいですし、ですます調を用いているのも、柔らかい印象になってよかったです。 私がひとつだけ感じたのは「亮太が無線機で指示を出す」ということについてでしょうか。 「亮太が能動的に物語に参加する」、「怪我したくるりを亮太サポートする展開が熱い」、などの意味では、物語としては非常に効果的だったと思います。 ただ、他の選手はそんなことをしていない、と現実的に考えてしまうと、なんだか主人公サイドだけがズルをしているようにも感じちゃいました。 この無線機自体、くるりの順番が最後じゃなければ使えなかったということもあり、そのあたりはもうちょっと納得しやすい設定が欲しかったなと思うところです。ごめんなさい、改善案などはまったく思いつかないですけど。 とはいえ、全体として読者を楽しませるツボが押さえられている感じで、とにかく面白かったです。素晴らしい作品でした。 私からは以上です。 執筆おつかれさまでした。
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2015年12月31日(木)20時56分 | ウサリアス | 10点 | ||||
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どうも、感想専門のウサリアスです。 点数は、これですが、正直、惜しい!!の一言です。 というのも、フィギュアスケートを題材にしたことが新鮮だったのと、ストーリー展開は良かったです。 ただ、それ故に、後半の書き方が大きく足を引っ張った感じがします。 フィギュアスケートが、メジャーになったとは言え、ルールを(あまり)知らないで見ている読者が多いと思うので、その点の説明が、しっかり盛り込めていれば良かったのですが、時事ネタや実況等が多く、それよりも、ルールを説明してくれ!と思いました。 特に、今回みたいに、文章量が大きく制限されているなら、代わりに、ルール説明と、主人公達のやりとりを重点にしてくれれば、悪くても30点は挙げてもいいと思いました。そのくらい惜しかったです(今回みたいな書き方をしていいのは、新人賞ぐらいの文章量なら、やってもよかったです。ルールをちゃんと説明できるという前提はつきますが……)。 本当に内容は良かったです。ただ、それ故に、ルール説明や、文章量を考えた構成や書き方ができていなかったために、この評価とさせていただきます。
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2015年12月31日(木)14時32分 | 筋肉バッカ 9.WICozezU | 30点 | ||||
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こんにちわ。読ませていただきました。 動物ものにはめっぽう弱いのです…感動しました。くるりのアクセルを決めた瞬間はぐっとくるものがありました。フィギュアスケートの豊富な知識に裏打ちされた描写もお見事で、まるでテレビ中継をみているような、そんな感覚もありました。 気になった点です。 根本的なことなんですけど、流石に演技しながら無線でコミュニケーション取るのは難しいだろうと思います。フリーの演技後なんてみんなぜえぜえしてますしね。野暮な指摘で申し訳ないのですが……。 以上です。 とってもいいお話だと思いました。なんかこれからフィギュアを見る目が変わるかも。 執筆お疲れ様でした!
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2015年12月31日(木)11時47分 | ハイ s7d/2ml3o. | 20点 | ||||
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こんにちは、拝見しましたので感想をおいていきます。 ではまず、気になったところから。 >月丘くるり(つきおか くるり) ●すごい名前ですねw 作者さんの柔軟な発想がうかがえました。 >くるりは僕の方を向くと、ディスクを差し出します。いきなりの提案に僕は慌ててしまいました。 ●この直前までは三人称だと思って読んでいたので、戸惑いました。 >「本当にアクセルって面白いよね。最近ね、私もあのジャンプを練習してるの」 くるりが大きく息を吸ったかと思うと、左足を大きく振りかぶり前に蹴り上げます。その勢いを利用して、右足のバネで高くジャンプ! 右回り気味に最高地点に達したくるりは、今度はすごい勢いで左回りに回転し始めました。傘のように広がるスカートが綺麗です。二回転は回ったでしょうか。彼女は膝を折り曲げながら見事に着地しました。 ●そんなこと出来るの? と思いましたが、出来るんですね。勉強になりました。 >アクセルの左後ろ脚に噛み付いたのです。 噛まれた左脚をかばうようにしながら、必死で両脚で立っています。 ●四本足があるせいでどれがどれやらわからなくなりましたw >そしてディスクをキャッチする時のように、右脚でジャンプしながら左前足で野良犬にジャブを繰り出しました。 ●犬ってそういう攻撃をするのかな? と疑問に。 >左脚に重症を負ったアクセルは、翌朝くるりに見守られながら息を引き取ったのでした。 ●うーん、中、小型犬ですからありえなくもないですが、足の怪我だけでそんなに早く死にますかね? >ふふふ、テレビの中継でもくるりが注目されてるじゃないか。 僕は一人観客席でほくそ笑みます。 ●ここ、文体にぶれがありますね。 >『残念ならこのジャンプは無得点ですね』 ●八木ぬ…………八木池ぇ! 良いシーンだっただけに、これはもったいない脱字でした。 いや、ほんとうにもったいない。 ●文体 正直、好みではありませんでした。 これなら、普通に三人称か普通に一人称で良かったような? けれど、話はきちんと伝わってきたので無しではありませんでした。 とりあえず、そう思った読者がいたと思っていただければ。 ●キャラ 気高さをもつくるりと、それを全力でサポートする少年、どちらも良い味が出ていたと思います。若干、くるりが「世界」でやる気になったあたり、現金な気もしましたが、そこはまあご愛嬌ですかね。 ●テーマ いや、中身は確かに冬っぽいですが。けど犬耳……冬? いえ。すごく、違うと思いますw ●ストーリー とても良かったです。 冒頭の話は無理があるように思えましたが、それ以後はリアリティ遵守という感じで重厚かつ、軽快に読ませてもらいました。 特に、話をサポートする解説がつらつらと語られるあたり、見習わなきゃという気持ちに駆り立てられました。 ラストのトリプルアクセルは圧巻ですね。少しほろっときてしまいました。 しかし、右一本でこれならクワドラプルも行けそうですね。 ともあれ、軽くですが感動しました。 それでは、執筆お疲れ様でした。 では、共にあげていきましょう!
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2015年12月30日(水)03時06分 | おとぎの国のアリス | 20点 | ||||
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拝読いたしました。 読後の率直な感想としましては―― 「ふむふむふむ、えっ?」 このような感じでした。わけわかんないですよね? 私的なお話で恐縮なんですけど、PCでこのようなサイトで小説を読む場合。リクライニングチェアに、深々と座って読むことが多いんです。手元にマウスを用意しまして、クリクリってな感じで読み進めていきます。 その際、妙なクセみたいなものがありまして。こう、作品に引き込まれていく過程の中で「おっ!」みたいな部分がありますと、自然に前のめりになって読んでいるんですね。今作品におきましては、残念ながらこういった読みの変化がありませんでした。 いえ、決してつまらなかったというわけではないのです。楽しく読ませていただきました。 この感想では、なぜ前のめりになれなかったのか?この辺りを中心に、お話をしてみたいと思います。 冒頭、ペットとの触れ合いに始まり、ペット中心でお話が進むのかな…などと思いきや、気がつけばフィギュアスケートへと展開。この変化は面白かったです。時節柄、話題にもなりますもんね。 ですが、こうなってしまいますと作品のタイトルである「アクセル」=「トリプルアクセル」と、自然と連想出来てしまうのには困りました。私の脳内では、最後にはきっと「トリプルアクセル」を飛ぶのだろうなと、オチが読めてしまうのです。このあたりは、不純な読み手だなぁ…と、反省してたりもするのですけど。こうなってしまいますと、期待は「いい意味で予想を裏切って欲しい!」この一点に関心が集まってしまいます。序盤であっさりと展開が読めてしまったことが、前のめりになれなかった最大の要因のように思います。 亮太の語りで進んでいくのはよかったですね。途中、くるりに視点が切り替わる箇所がありましたが、思うに競技の間の描写は、くるり視点で統一してもよかったのではないでしょうか? 亮太視点による問題点。 1、フィギュアスケート特有のスピード感がない 2、くるりの切迫感が足りない この二点です。 解説のお二人はやたらと丁寧に解説されますし、くるりと亮太の会話もバンバン入ってきますので、静止画を見ているような錯覚を覚えました。当たり前ですけど、くるりから見た氷上の様子がまったく伝わってきません。 亮太視点は、普段私たちがテレビで観ているのと同じなんです。そこには驚きや、新鮮さはない。特に私なんかは、リンクに立ったことすらない人間ですから、選手目線では氷上はどんな感じなんだろうと…。→そこが知りたいっ! おそらく、私が前のめりになったであろう最大ポイントは、この部分だったのではないかと今になって思います。 フィギュア経験者でないと、なかなか難しい描写であるのは承知しています。ですが、見てきたような嘘でもいいで、納得させられるだけのものが欲しいところでした。 中途半端にリアルだったのは、どうでしょうかね? 実在している有名な方々が、複数登場されてました。 「日本のエース、政田蒼(まさだ あお)選手」←ふきましたw 個人的には面白かったんですけど、どうもこの作品には合わなかったような気がしないでもないです。評価は分かれるかもしれませんね。 評価が分かれるといえば、ラストシーン! 指輪ですか。うん、ありですよね。 ですけど―― このお話の流れだと、コーチという立場が一番ふさわしいようにも思えるのですが? あ、そうか。結婚→フィギュア引退→ダンサーなんですね。でも、そこまでの関係までお話は進展していないような気も…。私的には、やや唐突感を覚えました。なので、「ふむふむふむ、えっ?」だったのだと思います。 私からの感想は以上となります。 執筆お疲れ様でした。 ルッツとかフリップとか、今までは違いがさっぱりわかりませんでした。次に観る機会があれば、自分の目でも確かめてみたいと思います。 ありがとうございました、お互いにがんばりましょう。
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2015年12月29日(火)22時08分 | 青出 | 10点 | ||||
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こんにちは。感想を書かせていただきます。丁寧な取材に裏打ちされたスポーツ物語で、フィギュアスケートの奥深さに触れることができました。 ここが好きです ○題材 スポーツをテーマとした小説として十分な説得力のある競技説明がされていたと思います。とくに後半の試合シーンは、臨場感を保ちつつ丁寧なルール説明もあり、手に汗握る展開でした。「観客を喜ばせるための演技をするのか、あくまでルールに則った演技を貫くのか」という問題設定も秀逸で、最後まで興味を引き付け続けられました。こういった、現実にあるものをテーマにした小説というのは取材も大変ですし、私のようなアマチュアの小説書きにはなかなか手が出せないのですが、そこにあえて挑戦されているという気概が最も心を引き付けられたところです。勉強させていただきました。 ○視点 選手の支援者の視点から物語を語る、というのがわかりやすさにつながっていると思いました。冒頭では三人称小説かな?と思ったのですが、 “くるりは僕の方を向くと、ディスクを差し出します。”という文が出て来ることによって、突然読者の視点が語り手と一体化するところが面白い演出でした。また、支援者の視点から物語ることによって、 競技の説明がスムーズにできていましたし、終始冷静さを保った語りを通せたのもよかったと思います。 ○くるりのキャラクター 今作品の肝である彼女ですが、負けん気の強い少女の魅力が伝わってきました。犬耳を付けた様子もかわいいですね。フィギュアスケートの試合というと、正統的なコスチュームが思い浮かぶのですが、犬耳少女が銀盤をクルクル回っている姿はビジュアル的にも魅力的で、ぜひイラストで見てみたいと思いました。 ここが気になりました ○キャラの厚み 3人の登場人物が出て来ますが、全員をもう少し深く掘り下げてほしいと思いました。たとえば、 ・亮太:なぜフィギュアスケートに詳しくなったのか。(くるりが好きだから、ということは想像できますが、エピソードとして語ってほしかったです)。それから、無線機を作ったということは工作が得意なのでしょうか? ・くるり:世界一になりたい理由は何か。生い立ちやスポーツ選手としての生活の様子をもう少し知りたいです。 ・ブーサーコーチ:どんな特訓をしたのか。コーチとくるりの心のつながりや衝突が見てみたかったです。 とくに、亮太がどんな人物なのかが伝わってくると、さらに共感性が増して読者を引き付ける物語になるのではと思います。 ○なんのために滑るのか 後半「観客を喜ばせるための演技をするのか、あくまでルールに則った演技を貫くのか」ということで、亮太とくるりは逡巡します。この問題は演技形式のスポーツの宿命みたいなものなのかなあと思います。今回はわりとスッと結論が出たのですが、いっそここを物語の初めの段階から主題として掲げてみてはどうかと思いました。これをくるりの「世界一になりたい」という思いと関わらせて書くと、大きなうなりが出るかもしれないと愚考しました。 ○無線機はアリなのか ルール上はわからないのですが、無線機でアドバイスするというのはOKなのでしょうか? もしそうでなければ、少しフェアじゃない方法でリンクに立っているとも言える気がしますので、そのあたりの迷いを2人に持たせてもよかったかもしれません。このシーンで、くるりがわりとすぐ無線機があることを受け入れたので、スポーツ選手としての彼女のスタンスはどういうものなのかなあと思いました。(あくまで一番やりたいことはダンスでフィギュアはそのための手段なのか、本気でフィギュアに取り組もうとしているのか)。そこで、「観客を喜ばせること」が彼女の第一義なのかもしれないと思って、先述の気になる点が出て来たのでした。 楽しませていただきました。次回作も頑張ってください!
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2015年12月29日(火)00時15分 | ミチル | 10点 | ||||
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こんばんは、御作を読了いたしました。拙い感想になりますが、参考になる部分があると幸いです。 愛犬アクセルとくるりの絆が描かれた、いい話でした。 ・愛犬アクセルに捧げるジャンプに、感動を覚えました。 ・フィギュアスケートのジャンプのルールが分かりやすく解説されていました。無得点になる跳び方もあるのですね。 ・点数でなく観客の反応がすべて、という言葉は名言だと思います。 ・無線機を使っていいのだろうか? という疑問はわきました。選手には厳しい身体検査がありそうな気はします。身体検査の見落としがあったらすみません。 ・亮太のキャラが薄い気はします。主人公というよりは、くるりの引き立て役という印象です。 とりとめのない感想になりました。これからも執筆を頑張ってください!
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合計 | 12人 | 190点 |
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